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おもちゃのパチンコ台 でるぱち7 (おもちゃ修理)

 おもちゃ修理の記事の3回目、今回はトミーのおもちゃパチンコ台 でるぱち7です。症状としては玉が打ち出されなくなる、というものです。

▼でるぱち7
トミーのでるぱち7
 昭和の時代のおもちゃで、レバーを廻すと電動で自動的に玉が打ち出される仕掛けになっています。電池は動力用に単一電池が2本、効果音(軍艦マーチ)用に単三電池1本で動いています。

▼表カバーを開けた状態です
表カバーを開けた状態
 左側が表カバーですが、上下が逆になっています。パチンコ台なので、表カバーの内側はパチンコ玉が動くスペースになっているので、分解する時に玉を落とさないよう注意が必要です。

▼メカケースを外す
メカボックスを外す
 作業がやり難いので、ケースからメカボックスを外します。配線が繋がっていますが、うまくやれば線は切らずに平らに置けます。

▼メカボックスの表パネルを外す
内部メカ
 大量の歯車が出て来て、思わず息を呑みました、これは凄いです。かなり複雑な動きをするのですが、それをたった一つのモーターで動かしていたとは、恐れ入りました。

▼メカ中心部
メカ中心部
 中央付近が、スロットの回転から停止まで、一連の動きの制御を行うメカです。ドグクラッチや遊星歯車が使われていて、一見しただけではどういう動きをするのか、さっぱり判りません。

▼割れていたピニオン
割れていたピニオン
 一つ上の写真のスロット動作制御部から右上に出ているシャフトの先に付いているピニオンが割れていました。この歯車の先の動力の経路には入賞検出のメカなどがあり、玉が入ると負荷が重くなるので、ここで滑ってしまったようです。 

 なお、このピニオンはm0.5, 10T, 軸穴φ2.45でした。軸径が半端ですが、3/32インチ(2.381mm)なのかも知れません。

▼修理したピニオン
ピニオン修理(接着)
 シャフトに少し傷を付けて引っ掛かりを作っておいて接着剤を塗り、ピニオンを入れて固定しました。また軸の手前側に少しスペースがあるので、写真のように接着剤を肉盛りして補強しました。なお使った接着剤は2液のエポキシです。

 せっかくの機会なので、もう少し見て行きます。

▼メカ下部
主要部
 見づらいですが、赤字で修理したピニオン、と書いた位置が割れていたピニオンです。右上に効果音を出すためのフイゴがあります。

▼フイゴ
効果音用の笛
 フイゴと笛です。玉が入賞するとピッと音がします。またスロットが廻っている間はピピピピ・・・と連続して音が出ます。今だったら電子的に効果音を出すのですが、そんな物が無かった(高かった)時代の工夫ですね。

◆入賞玉の処理機構

 歯車音がうるさいですが、玉を送る度にピッという音がしています。音と同時に連結機構が動いてカウンターをカウントアップするようになっています。なお、玉が飛んでしまうので、この動画では打ち出しハンマーは外しています。

▼パチンコ玉のパス
玉の経路
 大当たり玉、入賞玉、外れ玉の経路はこなっていました。大当たりの玉が落ちて来てきて、白いレバーに当たることで、スロット回転開始のシーケンスが始まるようになっています。

 なお、スロットが回転してストップボタンで777が出ると大当たりになり、玉がジャンじゃん入る仕掛けになっています。また、タイマーで自動停止する機能があるので、一定時間内のポイントを競うような遊び方が出来るようです。
 なお、効果音の軍艦マーチは電源スイッチが入っている間は鳴り続けるようになっています。

◆まとめ
 よくこんな物を作ったものだと感心ます。作られたのは1980年代だと思いますが、CADなんか気軽に使えなかった時代なので、ドラフターに手書きで設計したのでしょうか。

 ということで、おもちゃ病院のドクターの役得ということで、良い目の保養をさせて頂きました。

 これで今回の一連のおもちゃ修理の事例の記事は終わりです。また次回ネタがあれば記事で紹介したいと思います。

トミカ峠 やまみちドライブ 電動スロープ (おもちゃ修理)

 おもちゃの修理記事シリーズの2回目、今回はトミカ峠 やまみちドライブの電動スロープです。

▼やまみちドライブの電動スロープ
トミカ峠 やまみちドライブ
 全体はかなり大きなおもちゃみたいですが、電動スロープ部分だけの入院です。二段になっているスロープの上側のスロープに車を3台くらい載せると登らなくなるということです。受付時のヒアリングでは、「以前ピニオンを交換したことがあるので、今回も同じ場所の不良かも知れない」という話だったそうです。

 まずはギアボックスを見てみます。

▼ギアボックス
やまみちドライブのギアボックス
 ギアボックスの出力ギアは二つあり、上下のベルトを各々別のピニオンで駆動するようになっています。電池で動かしてみたところ、どちらのピニオンも力強く動いていて問題はありません。ということはモーターシャフトのピニオンも問題無いことになります。

 ちなみにこのおもちゃは10年くらい前に、府中のおもちゃ病院でピニオンを交換してもらったそうです。二つあるピニオンの色や形が違っているので、どちらかが交換されたギアということになると思いますが、たぶんこの写真の右側の白いピニオンがそれだと思います。10年経っても問題無く使えている訳で、府中のおもちゃ病院のドクターさんは良い仕事をなさっています。

 ともかく、ギアボックスは正常ということは、スロープの方に問題があるということになります。ということで分解を進めます。

▼上側スロープ(2F→3Fスロープ)
2F-3Fへのベルト
 注)この写真は修理後のものなので、3F側(左側)のドラムの色が黒になっていますが、修理前は灰色の素材色です。

 動力は2Fのドラムのギアに伝達されていますが、巻き上げ力を上げるため、3F側のドラムも長いプロペラシャフトを使って駆動されています。このプロペラシャフトの両側にはクラウンとピニオンギアが使われているのですが、ここにも異常はありませんでした。

◆ベルトが怪しい
 となると考えられるのはべルトの伸びということになります。下側のベルトと長さを比較してみると、上側のベルトの方がわずかに長いことが確認出来ました。ベルトが伸びているということですが、これが上の段の駆動力が低い原因と考えて間違いなさそうです。

 さて、これをどうやって修理するかが問題です。車のファンベルトのように、テンションプーリーでもあれば調整は簡単なのですが、もちろんそんな物は付いてません。新しいベルトがあればいいのですが、簡単には手に入らなそうです。

 ところで、2F側のドラムはローレットが刻まれていて滑り難い構造になっているのですが、3F側のドラムの表面はつるつるで、いかにも滑りそうな状態です。

 ちなみにベルトの内側の面には凸凹のコグが刻まれていて、摩擦抵抗を大きくするような形状にはなっています。でも、コグド ベルトのように完全に噛み合うものではないので、効果は限定的だと思いました。

◆ベルトと駆動ドラムの摩擦力を上げる
 ともかくベルトの引き上げ力には、上側ドラムが重要な役目を果たしているはずなのに、こっちが滑り易い形状になっているのは好ましくありません。ということで、何とかここの摩擦を増やしてやる必要があります。

 上側のドラムの摩擦を増やす手として、ここに輪ゴムを何重か巻くと、うまく動くようになりました。輪ゴムで摩擦力を上げると同時にドラム径を増やしてベルトのテンションを上げた訳です。ただ、輪ゴムではすぐに劣化してしまうので、修理方法として採用するのは問題がありそうです。他にうまい手が無いかと部品箱を漁っていたら、良い物がありました。

▼自己融着テープ
自己融着テープ
 これなら経年劣化は少ないはずです。

▼ドラムに自己融着テープを巻く
ドラムを自己融着テープでサイズアップ
 このテープは引っ張ると幅が狭くなるので、ドラムのフランジの幅に合うように引っ張って巻いて行きます。中央が太くなるように巻いた方がベルトが外れ難くなるはずです。あと当然ですが、ドラムが廻った時にテープが締まる向きに巻いて行きます。

▼ドラムの寸法測定
ドラム寸法確認
 最初のドラム径は14.8mmだったので、直径で約2mm増えました。円周の長さの増加はその3.14倍で、ベルトは半周しているので、結局ベルト長は3.14mm長くなったはずです。つまり、軸間距離はその半分の1.57mm延びたことと等価です。これって良い感じの値では無いかと思います。

▼干渉する部分のトリミング
干渉する部分をトリミング
 半径で1mmドラムの直径が大きくなっただけですが、ベルトに干渉する部分が出来てしまいました。ということで、当たる部分を削りました(緑色の矢印です)。ゴムなので摩擦が大きく、パタパタと当たっているだけでも大きなパワーロスになるようです。

▼下側ベルトにも同じ処置
1F-2Fへのベルト
 下側のベルトの下側(1F側)のドラムにも同じ処置をしました。下側ベルトの駆動輪は上側だけで、下側はいわゆる「引きずり」になっていて駆動力はありません。でもこっちのベルトも伸びていそうなので、テンションを上げておいた方が安全と判断しました。

◆まとめ
 ドラムをサイズアップする方法として、最初は薄いゴムシートを巻き付けて接着することを考えました。でもちょっと大変だし、将来剥がれる恐れもありそうで、困っていました。ここに自己融着テープを使うと、手早く作業出来て、経時変化も少なさそうなので修理方法としてはとても良いのではないかと思います。

 自己融着テープが駆動ベルトのゴムとくっついてしまわないか、という点がちょっと気になってます。今回使ったのは古河電工のエフコテープ2号という物で、表面はビニールテープと変わらない質感なのでたぶん大丈夫だと思います。ただ、自己融着テープにはいろいろな物が売られているようなので、極端にベタベタした物を使うと問題があるかも知れません。

 ともかく無事修理出来て良かったです。私のブログとしては珍しく、電気関係の話が全く出てこないのですが、まあたまにはこんな記事があってもいいかと。

あんぱんまん おしゃべりいっぱい ことばずかんDX (おもちゃ修理)

 12月初めに開催されたおもちゃ病院で私が担当した案件の中で、他のドクターさんの参考になりそうな事例を紹介します。3件紹介予定ですが、最初はあんぱんまん おしゃべりいっぱい ことばずかんDXです。

▼あんぱんまん おしゃべりいっぱい ことばずかんDX
あんぱんまんことばずかんDX
 良く持ち込まれるおもちゃで、私が担当するのはこれで3つ目です。ちなみに、1件目は電池腐食に伴う端子の接触不良だったので開院中に修理出来ました。2件目はこの記事に詳細を書きましたが、要はセンサー不良で修理不能。そんなことで勝率は50%になっていたので、何としても直したい相手です。

 症状としては、オープニングメッセージは出るものの、ペンタッチしても何も反応が無いという状態。このおもちゃではよくある症状のようです。

▼ペンの内部
あんぱんまんことばずかんDX
 このおもちゃのペンの基板にはいろいろなバージョンがあるようですが、この基板の音声合成回路の水晶オシレーターは部品取り付けパッドだけがあって、水晶が実装されていませんでした。どうもLSIの内部オシレーターを使っているようです。

 ちなみに、水晶を使わないとクロックの周波数精度が悪くなって音楽の音程が不正確になる可能性があります。でも図鑑の内容を確認してみると、正確な音階が必要なコンテンツは無かったのでこれでいいのでしょう。ちなみに、ド、レ、ミ・・・などのコンテンツはありましたが、その音を出すのではなく、単に読みの音声を出しているだけなのでセーフです。

 修理の話に戻ります。

▼ペン先端に大量の腐食物
あんぱんまんことばずかんのペン、仮修理
 分解してみると、ペン先付近の基板に腐食生成物らしき物が大量に付着しています。どうも子供がペン先を「なめなめ」しながら遊んでいた感じです。右のペンのキャップの内側には、白い食べ物カスのような物が付着していました。

 それでも電気的に無事ならいいのですが、回路を追ってみるとLEDの駆動波形が変です。LEDは二つありますが、片方のLEDにはほとんど電流が流れていません。

▼LEDの駆動回路(センサーのデーターシートより抜粋)
LED点灯回路
 LEDはセンサー内にあるのでこの回路図には出てきませんが、アノードは電源に接続されています。カソード側がコネクタの9,10ピンに出ており、これをトランジスタでスイッチングする回路になっています。電流制限抵抗の端子がLSIに接続されているので、電流をフィードバック出来る回路になっています。(実際に使われているかどうかまでは判りません)

 オシロで見てみると、LEDはダイナミック点灯になっていて、片側のLEDには全く電流が流れていないことが判りました。更に調べると、上の回路図のエミッタ抵抗が40Ωと1.2MΩになっていて、本来の8.2Ωから大幅に高くなっていました。これではLEDが明るく光らない訳です。

▼仮配線で動作確認
あんぱんまんことばずかんのペン修理
 パターン腐食が認められる部分のレジストを剥がして導体の状態を確認しましたが、幸いなことにパターンの断線などは無さそうです(写真の赤矢印部など)。ちなみに小径スルホールの断線があると修理が厄介になりますが、こちらも大丈夫でした。ということで、基板は無事のようなので、原因は抵抗の不良に絞られました。まあ抵抗の不良と書くとメーカーが可哀そうで、正確には水濡れによる腐食破壊と言うべきでしょう。

 元のチップ抵抗を外し と並列に、この写真のようにディスクリートの抵抗(8.2Ω)を仮接続して動作確認してみると、正常に動きました。なおシルク印刷で R12, R13 と表示されているのが該当の部品です。あと、この状態でLEDをデジカメで見るとちゃんと光っているのが確認出来ました。

 これで修理方法は判ったのですが、8.2Ωのチップ抵抗は持っていません。それに対象個所のすぐ上には電池ケースがあるので、アキシャルリードの抵抗を取り付けられるような空間はありません。

▼カメラコネクタ付近に抵抗を取り付け
あんぱんまんことばずかんのペン
 幸いカメラコネクタ付近にスペースがあったので、この写真のように抵抗を取り付け、ワイヤで配線しました。なお、基板表面にはポリイミドテープを貼って絶縁処理しています。また抵抗はホットボンドで固定しています。

 この写真ではホットボンドでセンサー先端のカバーなどを固定していますが、こんなに盛っては多すぎでした。ということで、ここは最終的にはもっと削っています。

 あと、多少なりとも耐湿性を良くするために、この付近のプリント基板にはロジンフラックスを厚塗りしておきました。

◆まとめ
 この部分の回路は以前の修理で詳しく調べたことがあるので、割と見通し良く修理を進めることが出来ました。ちなみに、真っ先に確認したのはイメージプロセッサのクロック波形と、イメージセンサーの信号波形ですが、こちらには問題ありませんでした。

 それにしても基板が腐食するほど舐められているとは、ちょっと驚きです。RoHS対策品でしょうから、鉛フリーでハロゲンフリーなプリント基板なのでしょうが、微量な有害物質が溶け出してくる可能性は否定できないので、ともかく舐めない方がいいです。

 写真を撮り忘れましたが、センサーのレンズを取り外して内部クリーニングを行いました。幸い内部に大きなコンタミはありませんでした。なお、光学系を分解する時は合いマークなどを付けておいて、出来るだけ正確に元の位置に戻すようにした方が良いです。

 ネットを探すとこのおもちゃの修理事例がいろいろ見つかり、とても参考になります。どうも基板の先端付近で問題がよく起きているようで、今回の不良も先端付近で発生しています。ともかく、こんな故障モードがありました、ということで情報を公開しておきます。この記事が、どこかのおもちゃ病院のドクターさんの参考になれば幸いです。
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