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LOLシールドを使って文字をスクロールする名札を作る

◆まえがき
Arduino のLOLシールド(9x14 LED)を使ってLED名札を作ってみました。今週末に Maker Faire Tokyo 2023 が久しぶりに開催されるので、会場内で首からぶら下げてみようかと思います。

参考:Arduino用LOLシールドキット、組み立て編Arduino用LOLシールドキット、動作テスト編

◆回路図
LOL名札の回路図
本来はArduino UNO に挿して使う物ですが、それでは厚くてケースに入らなかったので、Arduino NANO に変更しました。図中にも記載していますが、点線で示しているLOLシールドは裏から見た図(Bottom view)になっています。

回路としては、D2からD13までの12ピンを順に接続しているだけです。チャーリープレクシングで点灯させているので126個のLEDを12本の配線で任意のパターンで点灯させることが可能になっています。

電源は +5V のピンにリチウム電池からダイオード経由で供給しています。これでは供給電圧が低目になってしまいますがまあ大丈夫でしょう。あと、LEDの明るさが下がるのでちょうど良いと思います。なお、プログラムする時はそのままUSBを挿せばOKです。

回路図に書き忘れましたが、UNOのD13に基板内で接続されているLED(いわゆるBuilt in LED) は白色の物に交換しています。元の赤色LEDのままだと、Vfの低さが影響して不要なLEDが薄く点灯してしまいます。ちなみに、純正品のUNOなどではちゃんとバッファが入っているのでそういう問題は起きません。

◆外観
・表側
名札
秋月のポリカケースを使いました。そのままではLEDが眩しいので乳白色のプラシートを入れています。

・裏側内部
LOL名札の内部
基板間でショートしないよう、間に塩ビのシートを入れています。長く使うものでは無いので、ピン間を直接配線しただけです。

◆プログラム
// file name: 20231013_MFT2023_LolNamePlate
// このプログラムは下記で提供されているLoLshieldライブラリの
// https://github.com/jprodgers/LoLshield
// に掲載されている、exampleのLoLshield-master/Animations/LoL_Shield_Demo.ino
// から、文字のスクロール表示の部分を切り出して修正したもの。
// 著者のJimmie Rodgersさんに感謝します。
// 2023/10/13 ラジオペンチ http://radiopench.blog96.fc2.com/

#include "Charliplexing.h"
#include "Myfont.h"
#include "Arduino.h"
#include <EEPROM.h>

int toggleState;
int EEPROMaddress = 0;

// 表示文字列の定義
int charLength = 48;
unsigned char text[] = "Thank you MFT2023 exhibitors.    radiopench     ";

byte brightness = 1;

void setup(){
  toggleState = EEPROM.read(EEPROMaddress);
  upToggleState();
  LedSign::Init(GRAYSCALE);
  
  for (int i = toggleState+1; i > 0; i--){
    LedSign::Set(i-1, 0, brightness);
  }
  LedSign::Clear(0);
}

void loop(){
    Myfont::Banner(charLength,text);
}

//Ups or resets the state counter
void upToggleState(){
  toggleState++;
  if (toggleState > 3) toggleState = 0;
  EEPROM.write(EEPROMaddress, toggleState);
}
LOLシールドのライブラリをインストールすると追加される example の中の、 LoL_Shield_Demo.ino から文字表示の部分だけを切り出しただけです。点灯はチャーリープレクシングです。

◆動画

◆まとめ
こういうLEDアレイはそれなりのインターフェイスを介して表示させるのが最近のやり方ですが、手持ち部品が活用できたのでまあ良しとしましょう。

消費電流は20mA程度なので、公称容量900mAhの14500のリチウム電池で40時間くらいは連続点灯出来るはずです。

LEDルーペの電源スイッチを改良

◆まえがき
以前フレキアーム付きのLEDルーペを作って便利に使っているのですが、その電源スイッチの調子が悪くて中途半端な明るさでしか光らないことが多くなってきました。

・LED照明付きルーペ
拡大
細かい物を見るのに重宝しています。スイッチはオルタネートのプッシュスイッチで、何度か操作を繰り返すと回復するのですが、毎回そんなことやってられません。

・全体の外観
LEDルーペ
LEDの数を増やしたりDCDCコンバーターを入れたりしているので、接点容量に対して電流が大きすぎなんでしょう。仕方が無いので、トランジスタスイッチを追加することにしました。

◆回路の検討
1) トランジスタで電源を制御
最初の回路図
実は最初はパワーFETでやってみたのですが、電池の電圧が下がると昇圧コンバーターを起動出来なくなってしまいました。Vgsが足らなくて充分にFETをONにすることが出来なくなるのだと思います。このライトは電池の残容量の最後まで吸い尽くしたいのでそれでは困ります。

そんなことで、上の回路図のようにバイポーラトランジスタを使うことにしました。

なお、1.8Vや2.5V駆動のパワーFETを使えば話は簡単だったのですが、手持ちがありませんでした。

GND側をコモンにしたい場合はPNPトランジスタをハイサイドに入れることになります。

2)パワーFETを併設
とりあえず1)項の回路で動いたのですが、Q1で電圧ロスが0.15Vくらい発生するのがちょっと勿体ないです。電源電圧2.8Vくらいまでは使いたいので、0.15Vのロスは痛いです。

そこで、以下のようにパワーFETを並列に入れてロスを減らすことにしました。
最終版
制御電圧を昇圧コンバーターの出力から持ってくれば7V以上確保出来るので、Q2のパワーFETを充分ONさせることが出来ます。(Q2は大容量のFETですが、ここは2Aクラスで4.5V駆動のFETなら何でも使えるはずです)

電源ONの瞬間は昇圧コンバータは動作していないので入力電圧がそのまま出力されています。その電圧を使ってまずはQ1をONにしてコンバーターを起動。コンバーターが動けば7.2Vまで電圧が上がるので、その電圧でQ2をONにしてスイッチ抵抗を下げるという仕掛けです。Q2を入れた効果で電圧ドロップ(ロス)は5mVくらいまで下げることが出来ました。

・実装の状態
配線
隙間に回路を押し込みました。

◆まとめ
これで快調に使えるようになりました。スイッチの接点清掃などはやっていないので、ON抵抗は例えば1kΩとかになっているのでしょうが、トランジスタを入れた効果で快調に使えるようになりました。

本文中にちょっと触れましたが、2.5Vか1.8V駆動のパワーFETを使えばこんなにややこしい回路にしなくても良くなります。最近のマイコンのIO電圧は3.3Vの物が多いので、駆動電圧が低いパワーFETをストックしておくのも良さそうです。

ダイソーの30SMD LED自撮りライトを改造(電池切れ対策)

◆まえがき
ダイソーの自撮りライト(セルフィ― ライト)を買ったのですが、あまり使っていないのに数日で電池切れになってしまいました。調べてみると、OFFにしているのに電池から結構な電流が流れ続けていました。クレームを入れて返金してもらえば良いのでしょうが、ライト自体は良く出来ているので、自分で改造して使えるようにすることにしました。

以下はその顛末です。

◆外観
ダイソーの30SMD LED 自撮りライト
画像はダイソーのネットストアから転載。この商品のページ→ https://jp.daisonet.com/products/4972822710459
(販売終了などの理由で削除される可能性があると思います)
スマホにクリップオンして使える電池式のリングライトで値段は何と220円です。

・購入した個体
ダイソーの30LED自撮りライト
パッケージはすぐに捨ててしまったのでロット番号などは不明です。

◆電池の消費電流
内蔵の単四電池で光らせていて、プッシュスイッチで電源のON/OFFと光量調整が出来るようになっています。その消費電流を測定すると、
・消灯時 17.3mA
・点灯時 LOW:60mA、MID:150mA, HIGH:225mA

点灯時の電流は常識的な値ですが、消灯時でも17.3mAも流れていました。単四電池の容量が仮に1200mAhあるとすると、69時間で空になってしまうことになります。確かにそれくらい経ったら電池切れで光らなくなったので話は合います。

使う時だけ電池を入れればこの問題は回避できますが、そんなことやってられません。更に、電池を抜き忘れると液漏れの可能性が高くなるので、とてもこのままでは使う気がしません。

◆内部調査
原因調査のために中を開けてみました。
・内部
分解

・基板
制御回路
昇圧コンバーターが入っていると思っていたらコイルがありません。ということは、電池電圧の3Vで直接LEDを点灯させているようです。

・回路図
ダイソーの30LED自撮りライト、回路図
Q2のFETを使ってLEDをPWMで点灯させる回路です。
Q1のPin-1に接続したスイッチで電源ON/OFFと明るさを指定するようになっています
オシロで調べるとPWMの周期は1kHzで点灯のデューティ比は、LOW:20%、MID:60%, HIGH:100%でした。
PWMの周波数が1kHzなので1/4000秒とかの高速シャッターで撮影すると問題が起きそうですが、そういうカメラを使う人はこんな安物の照明は使わないから大丈夫なんでしょう。

とにかく、電源OFF状態でもQ1の消費電流が異常に多いのが今回の問題の原因のようです。

◆対策
私の使い方だと明るさ調整は不要でフルパワーで光るだけで良いので、制御基板は撤去してメカニカルな電源スイッチに交換することにしました。簡単な回路なので回路図は掲載しません。

・改造後
改造後
プッシュスイッチの穴を少し拡大して、小型のスナップスイッチを電源スイッチとして取り付けました。

・スイッチの外観
電源スイッチ改造後
スナップスイッチは物が当たると動くことがあるので、カバンなどに入れて持ち運ぶ場合などはスライドスイッチにしておいた方が良いです。(工作が面倒になるので止めました)

改造したついでに半月形の開口部を少し拡大して、デジカメのレンズの先を通せるようにしました。実は、以前デジカメ用のリングライトを作ったのですが、使い難くてほとんど使っていませんでした。今回改造したライトは電池を内蔵しているので使い易く、明るいのでこっちの方が便利に使えそうです。

◆まとめ
これで電池の消耗は無くなったので安心して使えます。直結にしたので光量の調整は出来なくなりましたが、もっぱら物撮りに使うので最大光量で光れば問題はありません。

制御基板があった時は電池電圧が下がると全く点灯しなくなっていましたが、LEDを直結にしたので「へたった電池」でもある程度は光るようになりました。何か良いことがあるかも知れません。

個体(ロット?)によっては電源OFF時の消費電流が大きいという問題が無い物もあるようです。そのあたりは下記の関連ツイートご覧ください。

◆関連ツイート
TOMOさんの個体も16.37mA。yasさんのは0.3μA
https://twitter.com/radiopench1/status/1624538019385724928
yasさんのは違うICが載ってる
https://twitter.com/radiopench1/status/1624583870954995715
改造後
https://twitter.com/radiopench1/status/1624958366778007553

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