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エアバンド用ホイップアンテナの改良

◆まえがき
以前の記事で作ったエアバンド受信用のホイップアンテナが折れちゃいました。

・折れたアンテナ
アンテナ骨折
ザックから受信機を取り出す時に引っ掛かって、アンテナの軸が折れちゃいました。外側に収縮チューブを被せてあるので自立しますが、何だかみっともないです。

中心軸にアクリルの3mmの丸棒を使ったのが敗因で、予想外に簡単に折れちゃいました。これ、makosway さんからコメントで指摘されていたのですが、その通りの結果になりました。

◆中心軸の加工
軸さえあれば作り直すのは簡単なのですが、適当な物が手元にありません。そこでダイソーに行って買ってきたのが、これ。

・ダイソーの結束バンド
結束バンド
長さ30cmの物です。

このままでは弱いので、2枚を背中合わせにセメダイン スーパーX で接着。接着剤が固まるまでの間は、洗濯ばさみを動員して固定しました。

接着後はカッターの刃を使い、削ぎ落すようにして断面が出来るだけ丸くなるように修正、更に先細になるように加工しました。片側を万力で固定し、反対側をバイスクリップで咥えて引っ張りながら作業すると楽です。

・中心軸完成
貼り合わせ
上が完成した中心軸。下の2本は加工前の結束バンドです。

◆組み立て
・エレメントの取り付け
アンテナ組み立て中
アンテナエレメントにはΦ0.5mmのスズメッキ線をヘリカル状に巻いて使用。エアバンド用なので長さは56cmにしました。なお、本当はもう少し短い方が良いはずです。

・根元の処理
根元の処理
ベース部は、結束バンドをくさび状に削った物を押し込んで固定。上に残った余分なくさびは適当に削って整形。

◆完成
完成
最後に収縮チューブを被せ、先端を太く加工して完成。SMAコネクタ部を含む全長は273mmです。

こんなに曲げても大丈夫
こんなに曲げても大丈夫。なお、ここまで曲げると曲がりクセが付きますが手で簡単に修正出来ます。

◆まとめ
最初からこうやって作れば良かったです。ナイロンなので耐久性は抜群に良いはずです。あと、アンテナが先細になったので、持った時の重量バランスが良くなりました。

結束バンドはナイロンなので、接着がうまく行くか心配だったのですが、スーパーXを使えばうまく接着出来ました。なお使ったのはスーパーX HYPER ワイドです。

[追記 11月26日]
スーパーXにはいろんな種類があるようなので写真を貼っておきます。
スーパーX Hyper ワイド
ナイロンに対してこれが最適だったかどうかまでは判りません。

この記事に関係ありませんが、府中市の居酒屋GARAGE という飲み屋(クリックで別窓に少し大きな写真)
居酒屋GARAGE
東京都府中市若松町2-8-12

エアバンド用ハンディホイップアンテナの製作

◆まえがき
散歩のお供にエアバンドの受信をやってみたくなったのですが、受信機(IC-R6)付属のホイップアンテナは感度が悪いことに気付きました。広帯域の受信機に付属しているアンテナなので、エアバンドに同調しているはずは無く、まあ仕方ないでしょう。ちなみに、アンテナに手を近付けると受信レベルが上がるので同調周波数が高すぎる感じです。

エアバンド専用のアンテナを買えば良いのですが、1/4λフルサイズだと全長が56cmもあってちょっと長すぎます。144MHz/435MHz兼用アンテナなら短縮型が安く手に入るのですが、同調周波数がエアバンドより少し上になるのが気に入りません。ちなみにエアバンドVHFは118MHz~136MHzです。

◆エアバンド専用ホイップを作る
そんなことで、エアバンドに同調しているアンテナを作ることにしました。1/4λのフルサイズでは長くなりすぎるので短縮型にしたいのですが、短縮コイルを使うと構造が厄介になります。そこで、長さ1/4λ(56cm)の線をヘリカル状に巻いてアンテナの長さを短縮することにしました。以下製作の順に説明します。

・組み立て前
アンテナ基部
アンテナの中心軸にはΦ3mmのアクリル棒を使用し、アンテナ線としてはΦ0.54mmの単線(LANケーブルの芯線)を使うことにしました。LANケーブルの線は被覆がテフロンなので低損失です。まあ100MHzくらいではご利益はほとんどありませんが。

根元をどうやって固定するかが一番の問題ですが、手持ちの外径Φ10mm/内径6mmの塩ビパイプがSMAコネクタのネジとぴったり合ったので、これを30mmくらいの長さに切ってベースとして使いました(上の写真の左上の黒色の部品)。

ダイソーで買ったアイロンビーズを片割りにしてΦ3mmのアクリル棒に通し、その割りの中にアンテナ線を通します(上の写真の状態)。この上に収縮チューブを被せることで固定しました。これで、ベースの塩ビパイプの内側にぴったり収まるサイズになりました。

・アンテナ線のはんだ付け
エレメントハンダ付け
アンテナ線をはんだ付けしたら、固定用の塩ビパイプを被せ、SMAコネクタにネジ込めばベース部は完成です。

・先端の処理
トップハット
出来るだけ実効長さを稼ぎたかったので、先端に幅10mmの銅箔テープで作った容量環を付けました。エレメントに使った線の全長は56cmで、これを等間隔となるようアクリルの軸に巻き付けています。
アンテナ線をスパイラル状に巻いているので同調周波数が下がりそうですが、とりあえず無視することにしました。

・仕上げ
先端処理
全体に黒い収縮チューブを被せてアンテナ全体を保護。先端は、安全のために丸くしておきたかったので、収縮チューブを何枚か被せて太くしておいて、端部にUVレジンを盛って「つるぴか」に仕上げました。

◆完成
・純正アンテナと比較
アンテナ完成
上は受信機に付属のアンテナ(UCOM FA-S270G)です。下が今回作ったヘリカルホイップで、全長は30cmです。

・IC-R6に取り付け
IC-R6に取り付け
バランス的にはこれくらいの長さが限界だと思います。ちなみにこの受信機はスピーカーが鳴らなくなっているのでイヤフォンでしか使えません。

◆イヤフォンの線をラジアルとして使用
イヤフォン
出来るだけ受信感度を稼ぎたかったので、プラグから56cmの位置に小さなトロイダルコアを入れ1/4λのラジアルとして動作するようにしました。なお、このイヤフォンはiPhone用の物をモノラルに接続を変更しています。

・ラジアルトラップ
ラジアルトラップ
1/4λの位置に入れたトロイダルコアです。ぎりぎりでイヤフォンジャックを通すことが出来たので5ターン巻きました。線の固定と目立たなくするため、とりあえずマスキングテープを巻いておきました。

注:後で気付いたのですが、IC-R6のイヤフォンコードはFM放送受信アンテナとしても使えるようになっているので、アンテナのラジアルとしては使えない、あるいは使えても効果が少ない可能性があります。

◆まとめ
使ってみると、エアバンドに同調しているだけあって、付属アンテナよりはるかに良好に受信出来るようになりました。散歩の中間地点に、みはらし緑地という標高160m程度の高台があるのですが、そこからだと羽田、調布、厚木、横田の各空港の電波が良く受信できます。

ちなみに、受信機のIC-R6はかなり昔に買った物ですが、今でも現役機種として評価が高いようで良かったです。あと、この受信機を買った時にメモリーの管理用のソフト(クローニングソフト)とケーブルセットの CS-R6を買ったものの、忙しくて使わないまま放置していたのですが、今回初めてインストールして使ってみました。

・クローニングソフト CR-R6
ICOMクローニングソフト
これは便利、もっと早く使えばよかったです。エアーバンドとマリンバンド、他にFMとAM放送をメモリーにプリセットしておけば散歩中に退屈しないで済みます。

2SC32を使った自作 50MHz AMトランシーバー

 前の記事で約40年前に作った50MHzのSSBハンディトランシーバーを紹介しましたが、実はもう一台50MhzのAMのトランシーバーを保存しています。こちらはもっと古くて約50年前に製作した物です。ちょうど良い機会なので、この中身も開けて、どういう回路になっているか調べてみました。

▼自作50MHzAMトランシーバー
自作50MHzAMトランシーバー
 送信周波数は内蔵している水晶の50.550と50.700の2波だけで、受信範囲は50MHzから51MHzです。受信と送信の周波数が一致しているものをトランシーバーと言うのなら、これは無線機と呼ぶべきかも知れません。

 作った頃の50MHzは空いていて、CQを出した後で、応答してくる局が無いかバンド中を探してたので、こういう仕様でもあまり問題はありませんでした。

 パネル左上は、50MHz用の長いロッドアンテナで、その右は音量調節。右の大きなツマミは受信周波数チューニング。Sメーターの下のスライドスイッチは、電源/ゼロイン/周波数切り替えの3つです。ゼロインは、送信のオシレーターだけ動かすことで、受信周波数を合わせるために使います。

▼内部
自作50MHzAMトランシーバー内部
 単二電池10本で動かすようになっています。ぎっちりと部品が詰まっていますが、時代を感じる部品が多いです。

▼内部を反対側から見た写真
内部
 内部には基板が4枚あり、送信RF、変調、受信クリコン、受信機に別れています。また、基板は上下2つの層に分けて取り付けられています。上の写真では、上段の送信RF基板と変調基板が見えています。

 送信のファイナルは2SC32の2パラで、出力は約0.3Wです。スタンバイリレーや変調トランスが無駄に大きいのは、小型の部品が手に入らなかったためだと思います。

 せっかくなので、送信基板を詳しく見てみます。

▼送信基板
送信基板
 線を切り離して基板を取り出しました。銅箔をエッチングして作った片面基板で、銅箔面に部品をはんだ付けしてあります。これ今風に言うとSMT実装ですが、まあ穴あけするのが面倒だったからこうしたのだと思います。

 回路としては水晶オシレーター兼ドライバーが2SC32、ファイナルが2SC32の2パラ。つまり全部2SC32で構成されています。確か友達が入手したジャンク基板に大量に入っていたのを、分けてもらった記憶があります。ちなみに2SC32はメサ型なので(当時としては)高周波特性が優れています。

 ダミーロードを接続して電源を供給するとちゃんと動きました。調整すると約0.3Wの出力が確認出来ました。ちなみに、この無線機の送信波形をオシロで見たのは今回が初めてです。

▼送信周波数
送信周波数
 50.700MHzの水晶なのですが、実際の送信周波数は50.687MHzでした。誤差が大きいのは、水晶の経時変化か発振回路の作り方がダメなのでしょう。そもそもオシレーターの出力で、直接ファイナルをドライブする構成は乱暴すぎます。あと、ファイナルに2SC32を二つ使うなら、パラレルでは無くプッシュプルにすべきでした。

 次に、送信基板の横の変調器の基板を見てみます。

▼変調基板
変調基板
 こちらはユニバーサル基板で組まれていて、一般的な4石パワーアンプになっています。基板上のトランスは終段の入力トランスで、終段はプッシュプルになっています。終段に使われていたのはゲルマニウムトランジスタの2SB32で、期せずしてRF段に使った2SC32と同じ番号になっています。前段もゲルマニウムトランジスタでした。なお、変調器の出力トランスは基板に載らないので外付けになっています。

 こういう細長い円筒ケースに入っているトランジスタは、アロイトランジスタが多かったと思います。ちなみにケースを開封すると、スライスされた半導体の結晶の両側にコレクタとエミッタの電極が接続された物が入ってます。これって、アロイトランジスタの原理図のままの形なので、妙に感心した記憶があります。あと、開封すると放熱用のシリコンオイル?が出てきて周囲が少し汚れます。

 以上が送信部でした。次に下段の受信部を見て行きます。

▼受信部
下段の基板、クリコンとAMラジオ
 変調器の基板をずらすと、透明な絶縁板の下に受信機の基板が見えてきます。これは市販のAMラジオの基板を流用した物で、確か6石スーパーだったと思います。右側のポリバリコンでチューニングする仕掛けになっています。

▼クリスタルコンバーター(クリコン)
クリコン
 50MHzをAMラジオで受信出来る周波数に変換する基板で、50~51MHzの信号を0.5から1.5MHzのAM放送の周波数に変換しています。かっこよく言うとコリンズタイプのダブルスーパーです。

 ただ、第一IFの周波数が約1MHzということで、こんなに低い周波数に一度に変換するとイメージが強く出てしまいます。イメージは48~49MHzに出ますが、どうせ何も電波が出ていないだろうからと、割り切ってます。と書くとかっこいいですが、実は自分の技術力と懐具合で妥協したのがこの結果だと思います。

 クリコンにはトランジスタが3個使われています(上の写真の緑色矢印部)。そのうちオレンジ色のトランジスタがRF増幅と周波数変換用の2SC460で、右下の黒色のTO-92パッケージのトランジスタ(型名不明)が49.5MHzのローカルオシレーター(第一OSC)です。

▼オレンジ色パッケージ、金メッキリードの2SC460
クリスタルコンバーターの2SC460
 ここまで分解した理由の一つは、ここにどんなトランジスタを使ったのか確認したかったからです。一段目のRFアンプでその受信機の性能はほぼ決まるので、ここは重要部分です。で、見てみると2SC460が使われていました。

 ネットで調べると2SC460の評判はめちゃくちゃ悪くて、経時変化で特性が劣化することで有名な石でした。どうもリード線の銀メッキがマイグレートとしてシリコンンのダイまで達し、その結果hfeが下がって動作不良となるようです。但しそういう現象が起こるのは黒色樹脂パッケージの物で、初期のオレンジ色で金メッキリードの物ではそういう問題は起こらないとのことです。

 この基板に使われていた2SC460は、上の写真のようにオレンジ色樹脂パッケージで金メッキリードの物なので初期ロットということになります。つまり、特性劣化する恐れの高い物では無かったようです。今回調べるまで、2SC460にそんな黒歴史があったとは全く知りませんでした。

◆まとめ
 残念ながら電源を入れてもトランシーバーとしては動きませんでした。でも送信部だけでも実際に動くことが確認出来たので、良かったです。

 クリコンに使った2SC460に特性劣化と言う問題があることを、今回初めて知りました。昔のプレナートランジスタのパッシベーション膜の信頼度は低かったということなんでしょうね。あと、このトランシーバーに使った2SC460は初期型の石なので、そういう問題が無い物であったことを今回初めて知りました。オレンジ色の樹脂パッケージのトランジスタなんてそうそう無いですから、画期的なトランジスタとしてメーカーの力が入った製品だったのかも知れません。

 このトランシーバーの裏蓋の内側には、昭和45年9月完成と記されています。この頃がアマチュアにもシリコントランジスタが出回り始めたということなんでしょう。

 あと、16Tr、4ダイオード、2サーミスタという記載もあります。昔は使っているトランジスタの数で高性能を誇る習慣があったので、そういう習慣の反映なのでしょう。ちなみに腕時計は使っている宝石軸受けの数で、17石や23石なんて言ってましたが、そういうことの延長で、トランジスタが6石なんて言うようになったのかも知れません(あくまでも個人の感想です)。

▼おまけ
ハンドメイド50MHzトランシーバー、AM/SSB
 下は前の記事の50MHzSSBトランシーバーです。これ以外にもいろいろな物を作ったり買ったりしたのですが、今でも残っているのはこの2台だけです。きちっとケースに入れた物は長生きするようです。
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