Arduinoを使ってDVDのスピンドルモーターを低速回転
◆まえがき
モーターいじりの話の続きです。おもちゃなどによく使われている3極のブラシモーターで出来ることは前回の記事でやりつくした感があるので、今度はブラシレスモーターをいじってみたいと思います。素材はDVDのドライブを分解した時に回収しておいたスピンドルモーターです。
◆DVDのスピンドル用のブラシレスモーター
これはたぶん8倍速くらいまで書けるドライブのスピンドルモーターだったと思いますが、アウターローターのホールセンサー付きのモーターです。ちなみに、標準速だけのドライブのモーターは普通のブラシモーターが使われていることが多いので今回の実験には使えません。
ローターが外せないので詳しく調べることが出来ないのですが、中心のコイルは9極(スロット)で外側のローターの磁石はたぶん12極?6極?
写真のようにコイルから線を引き出して外部から通電出来るようにします。因みにコネクタにはコイル以外にホール素子などの接続ピンも出ているのピン数が多くなっていますが、コイルへの接続ピンはパターンが太目になっているので見て判りました。
◆駆動回路
前の記事の回路と同じなので省略します。
◆ソフト
前の記事の物とほとんど同じですが、2回転させるためのパルス数が6倍になっています。
20221230_3PhaseSteppingMotor.ino (UTF-8, BOM付き)
励磁パワー(MAG_POW)の値は負荷に合わせて調整した方が良いかも知れません。
◆動いている様子
三相のモーター駆動回路を使ってDVDのスピンドルを低速で回してみました。
— ラジオペンチ (@radiopench1) December 31, 2022
振動はあるけどそこそこ滑らかに回転しています。イベントで作品を展示する時のターンテーブルに使えるかもです。 pic.twitter.com/XNtmjQe4Nz
ツイッターにも書いてますが、静かに回転するので、イベントなどで全周から見てもらいたい展示物を置くと良さそうです。ちなみに、消費電流は0.25Aだったので普通のUSB電源で動きます。
◆まとめ
以前模型のモーターで同じことをやった時は、目で見てはっきり判る回転ムラがあったのですが、このモーターはスムーズに回ります。固定子が9スロットと多く、ローターの磁石の極数も多そうなので回転ムラが少ないのでしょう。これだったらアナログのアクチェーターとして使えるかも知れません。それに軸の精度が高いので使い易そうです。
ただ、このモーターは1回転の中で磁気的にロックされる角度が6か所あります。アブソリュートな角度が必要な場合は、初期化の時に何らかの工夫が必要になります。
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