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充電式クリーナー (ブラックアンドデッカー PV1210) のバッテリーが寿命

 ブラックアンドデッカー(ブラデカ)のコードレスクリーナーの電池が寿命になったようなので分解してみました。あわよくばバッテリーを交換して修理してしまおう、と考えた訳です。

▼ブラデカのコードレスクリーナー PV1210(ピポットII)
ブラデカコードレスクリーナー ピポットII

 分解はかなりやっかいでしたが、何とかばらばらにすることが出来ました。

▼バッテリー
ニッケルカドミウムバッテリー
 てっきりニッケル水素と思っていたら、ニッケルカドミウム電池が使われていました。ニッカド電池はとっくには絶滅したと思っていたのですが、まだ使われているんですね、ちょっと驚きました。調べてみると、ニッカド電池は大電流の放電が可能なようなので、強力な吸引力が必要なコードレスクリーナーには良いのかも知れません。

 実はこのバッテリーは保守部品として市販されていて、BLACK+DECKERの販売のページにはバッテリーの交換手順、つまり本体の分解方法を書いたPDFの資料が公開されていました。最初からこれを見れば良かったです。

▼プリント基板
プリント基板
 このクリーナーの値段は8000円くらいで、バッテリー式のクリーナーとしては高級な方だと思います。なので、そこに入っているプリント基板はさぞかし高度な充電制御をやっているのだろうと思っていました。ところが開けてみるとえらく簡単な基板、なんじゃこれは!

▼回路図を起こしてみたら、
ブラックアンドデッカー コードレスクリーナー PV1210回路図
 充電表示のLED点灯回路と逆流防止のダイオードが入っているだけでした。この回路だと充電の電圧/電流はACアダプタとバッテリーの特性のバランスで決まることになります。

 実はこのクリーナを使っていて一番不満だったのは、充電が完了したはずの時間になっても充電表示のLEDが明るく光ったままだったことです。充電が終わったはずなのに本体も暖かい状態が続きます。また、ACアダプタもずっと熱い状態が続きます。

 発熱量から判断すると5W以上の電力消費が続いている感じです。これでは電気のムダ使いだし、そもそもバッテリーの健康のためにも良くないはずです。と考えて、充電が終わった(と思われる時間が経過した)らACアダプタを抜くようにして使っていました。とは言ってもACアダプタを抜き忘れて何日間も充電しっぱなしということがしょっちゅうありました。

 そんな経験があるので、ちょうど良い機会です。充電がどうなってるか把握するために測定してみました。バッテリーは空の状態で始めています。

▼測定風景
分解状態で充電中
 分解したばらばらの状態で各部を接続して充電を開始します。

 この時のバッテリーの端子電圧は14.13Vくらい、電流は約330mA流れていました。このバッテリーの容量が1500mAhと仮定すると、0.22Cで充電していることになり、これは妥当な値だと思います。

 この電流で充電を続けると、充電効率を考慮しても8時間後くらいには満充電になるはずです。

▼そのまま放置して16時間後 (翌朝)
16時間経っても充電が終わらない
 16時間も経ったのにまだ充電電流は287.4mAも流れています。つまりほとんど電流が減っていません。バッテリーの端子電圧は14.5Vくらいです。本来なら、充電が進んでバッテリーの端子電圧が上がり、充電電流が減るはずなのですが、そうなっていません。たぶん、このバッテリーはもうダメなんだと思います。ちなみのこのACアダプタは無負荷だと20Vくらいの電圧が出ます。

 ということで何が起こっていたのかがおよそ把握出来ました。まとめると、

 このクリーナーの充電回路は単純な回路で、ACアダプタの電圧/電流供給能力とバッテリーの特性とのバランスで動作点が決まる方式でした。ということで、電流や電圧などの充電状態の監視機能はありません。また、過充電保護機能もありません。これではバッテリーがすぐに痛んでしまいそうです。
 ひょっとしたら、日本で販売する時に添付するACアダプタの仕様がクリーナー本体の特性にうまくフィットしていないのかも知れません。

◆まとめ
 新しいバッテリーに交換出来ないかと思ってばらしてみたのですが、電池交換はやらないことにします。だって、純正バッテリーは4000円以上もしてバカ高いし、秋月で売っているミニ単2バッテリーを組み合わせて使っても結構な費用がかかります。それに、この充電回路では交換したバッテリーもそう長くは持たない気がします。金に糸目をつけず、消耗品と割り切って使う手もありますが、資源のムダ使いは良くないです。

 ということで、こいつの電源系はダメっぽいです。でもこの掃除機の吸引力はなかなか強力で、その点は気に入っています。電動工具をいろいろ販売しているブラデカが作っただけあって、構造はしっかりしているし、モーターもちゃんとした物が使われていました。

 ならばということで、バッテリー内蔵方式は諦めて、外付けの鉛バッテリーで動かす方向でいきたいと思います。実は、以前太陽光発電に使っていた12V/9Ahのバッテリーが余っています。

【お断り】
 この記事は私の意見や感想を記録したものであり、信憑性は読者の方に判断していただくしかありません。ましてやメーカーや販売店を誹謗するために書いたものではありません。また情報の利用は自己責任でお願いします。
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No title

自分も同型を使っていたんですが、同じくバッテリーがダメになり
最近(モーターだけハックして)バラして捨てました。

>・・・本体も暖かい状態が続き、ACアダプタもずっと熱い状態が・・・
そうそう! これは自分も不思議(怪訝)に思っておりました。
寝る前にはACアダプターを抜く様にしてたんですが、うっかり
挿したまま忘れてしまい、朝 熱々のアダプターに慌てたことが
何度もありました。

鍛冶屋さんおはようございます

そちらでも同じ症状が出てましたか。うーん、これ設計が悪いのか、元々こういう仕様の物なのかどっちでしょうね。

初めまして。以前から読ませて頂いております。
我が家にも同じ掃除機が2台有ります。
12V独立系の太陽光発電が有り充電は全て太陽光でしています。
当初は22V近い解放電圧を利用していましたが冬季は一日で充電する事が出来なく不便だったので現在では昇圧回路を組んでPICマイコンで電流を計測、自動停止させています。
本当はデルタピーク検出をしたかったのですがバッテリーの特性なのか上手く行きませんでした。
しかし過充電は一度もさせてないし使い切ってからの充電なのでバッテリーはなかなか元気です。

充電式クリーナー

こんばんわ
クリーナーや ドリル、シェーバーなど充電式の物は替え電池がとても高価ですよね!
そこで電池ボックスを手作りしてエネループ仕様にしたり、定電圧定電流電源の外部供給式にして使用してますよ
モーター類はカーボン打替えはもとより整流子が磨り減って無くなるまで使用しましょうよ
銅板溶接して さらに使う手もありますが!!!

HACさん、おはようございます

同じクリーナーをお持ちで、太陽光発電を使ってPICで充電管理までやられているんですね。すばらしいです。

あと、ちゃんと充電状態を管理すればバッテリーの寿命はずっと延びるんですね、やっぱり、と思いました。情報ありがとうございます。

re:充電式クリーナー

修理おじさんさん、コメントありがとうございます。
そちらのブログ拝見しました。いろいろ工作されているんですね。

実はこのクリーナーもバッテリー内蔵はあきらめて、外部電源化して使っています。まあ、外に線を出しただけですが、様子はまた記事で紹介予定です。

利用時の電流

こんにちは。
この掃除機を調べていてこちらにたどり着きました。
やっぱりみなさん同じような思いをされているのですね。

私はAC100V利用に変えようと思いヤフオクで出回っている12V-30Aの電源を繋ぎました。
ちなみに12V利用時の電流はわかりますでしょうか?
20Aでも良かったかなぁって思ってます。

結局それほど使わないままバッテリがダメになりましたが、充電回路の出来が良くなかったんですね!
製品のライフサイクルを縮めるための策略でしょうか!?

re:利用時の電流

Gustyさん、おほようございます。

電流は測定していませんが、次の記事に書いたように、10Aのヒューズは一発で切れたので、20Aを入れて使っています。
http://radiopench.blog96.fc2.com/blog-entry-670.html

瞬間的には20A以上流れているのかも知れません。

あと、このクリーナーに添付されているACアダプタは、日本での販売用として選定されたものだと思いますが、どう考えても考慮不足な気がします。

電流の件ありがとうございました。
とりあえず30Aで問題ないってことですね!
ちなみに分解して組み立て後に直径5cmくらいの丸いパッキンが残ってしまいました(笑)
どこに使われてかさっぱり分かりません!

お久しぶりです。
実はACアダプターを廃棄する前に折角だからと殻割りをしてみたところ、何とタイマーIC CD4541と制限抵抗を切り替える回路が入ってました。
負荷が掛かるとタイマースタート。約9時間後に1.5Ωの制限抵抗が150Ωに切り替わります。
ただし途中で負荷が無く成るとリセットされるので充電端子の接触次第では上手く作動しない可能性も有ります。
驚きました。まさかACアダプターに制御回路が入っていたとは。

HACさん、おはようございます

情報ありがとうございます。まさかACアダプターにタイマー機能が入っていたとは驚きです。ツイッッターの写真も拝見しました。

ご指摘のように、接触不良があるとタイマーがリセットされちゃいますよね。

あと、ちょっと使って充電スタンドに載せるというのが普通の使い方だと思うのですが、こういう場合でも毎回約9時間フルチャージされたのではバッテリーの健康に悪そうですね。

1400 model

はじめまして、先人の知恵を拝借したく辿り着きました。
訳あってk国に住んでおります。
1台目の充電掃除機はあっという間に「しゅーん!」開けてみたら中華バッテリー、三洋の電池に交換したら数年立ちますが使えております。
少々使い勝手がということでB&Dの1400を激安で入手して使っておりましたがこちらもいくらも持たずに「しゅーん!」ということで交換を思いつきまして。
今度は先人のお力を借りたいと思って拝見をしております。
やっとケースをばらして交換電池を探しております。
この手は充電回路もしょぼそうですが何よりも最初に搭載されている電池も欠陥ではないですかね。
k国で買った値段は6000円でした。メーカーの充電池が5000円で売っていますからね。
ちなみにバラの電池を買って組み立てる予定です。
大変お世話になりました。ありがとうございました。

re:1400 model

忠地 晃夫さん、こんにちは。何かお役に立っているなら嬉しいです。

なお、k国は電源電圧が違うのでACアダプタも別物でしょうから、この記事に書いたものと特性が違うかも知れません。

PD1400

はじめまして、Kiba.yuと申します。大変参考になりました。パワーが有って手軽なのがいいのですかバッテリーが今一ですね。ニッカドからリチウムイオンへの載せ替えを計画中です。BMSとアダプターの安いのを手配中です。 ご教示ありがとうございました。


re:PD1400

この記事が何かのご参考になったのなら幸いです。
ちなみに、このクリーナーは2代目の鉛バッテリーに代わっていますが、現時点でもまだ使っています。

リチウムイオン電池換装終了!

お世話様です。色々とカットアンドトライで18650への換装を終了しました。最近はリチウム用のBMS基板も手頃iに入手できるので載せ替えが出来ました。 BMSが付いているので充電もしっかりと遮断されていて最初から付いているLEDも充電時は点灯しますが充電が泊まるとBMSが遮断をしてくれて不点灯になります。
swを2~3回スライドをさせる必要はあります。おそらくモーターの始動時の電流が必要なんだと思います。 回るきっかけを作れば無事に回りだしてくれています。ちなみに4本ではいくらやっても動作せず結局8本もおごってしまいました。きっかけを与えて感謝いたします。

re:リチウムイオン電池換装終了!

Kiba_yuさん、リチウム電池化の改造うまくいったんですね。たぶんコンパクトに仕上がって格好良いんでしょうね、おめでとうございます。

起動失敗するのはBMSの過電流検出に引っ掛かっちゃてるんでしょうか。この記事にちょっと書いてますが、
http://radiopench.blog96.fc2.com/blog-entry-670.html
起動時に大電流が流れるようで、うちでは10Aのヒューズでは起動できませんでした。

リチウムイオン電池換装終了 その2

ありがとうございます。BMSの電流は40aになっているのですがおそらくその可能性が高そうです。BMSなしの状態で電池直結だと4本でも無事に回り始めました。 しかし、BMSを繋ぐと4本では無理で結局倍の8本でSWを2~3回操作することでやっと起動できました。 もう少し考えて見ます。ま、ケース内の加工は少し行いましたが最初の状態で無事にトランスフォーマーにならずに収まりが付きました。
海外でも使っていて使い勝手が良かったので帰国後も欲しくなってジャンクを手に入れました。

re:リチウムイオン電池換装終了 その2

お話伺うと、起動電流の制限回路を入れておいた方が良さそうですね。
真面目にやると大変なので、1Ω/5Wくらいの抵抗を直列に入れて起動し、0.5秒後くらいにパワーFETで直結にする回路を入れると良いかも知れません。

リチウムイオン電池換装終了 その3

度々のご教示ありがとうございます。いかんせんモーター系は扱ったことがなく調べていくうちにその辺だろうなと言うイメージはあったのですがご参考にさせていただきます。
ようやく解決策を考えて掃除機をONにする時と充電時とSWをいれて切り替えることで無事に両方の動作をさせることが出来ました。
容量の大きな3PのSWで切り替えています。充電も満タンになるとしっかりと停止してLEDが消えるようになりました。
ありがとうございました。
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