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ACアダプタの電流波形と消費電力 (1/3)、何か間違っている

1.まえがき
自宅のネットワーク機器の入れ替えを行った記事で、消費電力について触れているくだりがあるのですが、そこで大きな勘違いをしていたことに気付きました。その記事の間違った記述の部分には消し線を入れて訂正しましたが、どんな勘違いをやらかしていたのか恥を忍んで紹介したいと思います。

読んでいただくと、交流電力についての理解が深まる内容になっているはずです。

2.消費電力測定
最近の電子機器の電源回路はスイッチングレギュレーターになっていて、交流電圧がピークになるタイミングでパルス状に電流が流れるようになっています。(パソコンなどのPFC対策品は別)

例えば、この写真のような波形です。
ACアダプタの電流波形測定
カレントトランスで電流を検出してオシロに表示しています。

こういう測定を行い、
電力の値は、オシロの波形分析機能を使って電流の実効値を求め、電圧の100Vを掛けた値です。つまり力率100%と仮定した値になっています。もし位相差が30度あったとしても cosθは86.6% なので大きな誤差にはならないと期待しています。
と説明してしまいました。ここで頭にあったのは、P = VI cosθの式です。

Vと I は実効値で表した値。cosθは力率で、電圧と電流の位相差θから求めることが出来ます。AC100電源なので電圧(V)の実効値は100V。電流(I)の実効値はオシロの実効値計算機能から0.32Aであることが判ります。あとは電流と電圧の位相差が判れば、cosθの値から力率が判ります。

普通のスイッチングレギュレーターのAC入力側の回路はブリッジ整流になっているので、次のような回路になっています。
ブリッジ整流回路
この回路では、電圧のピーク付近でコンデンサへの充電電流が流れます。

AC100V電源の電圧波形を観察するのは面倒なので、シミュレーションの波形で示すと次のようになります。
ブリッジ整流回路の波形
電圧と電流のピークの位置は少しずれていますが、位相で30度も離れていません。仮に30度ずれていたとしても、cos30°は0.866 なので大した誤差にはならないと考えた訳です。

3.ちょっと脱線、
良い機会なので、同じ状態を平均値表示のデジタル電圧計で測定した結果を示しておきます。
平均電流
これはオシロで実効値が0.32Vと測定されたポイントの交流電圧の測定結果ですが、こちらは 0.1836V と小さな値になっています。
こうなった理由は、このDMMは平均値測定の実効値表示方式の物だからです。こう書くと凄い測定器と思われるかもしれませんが、そんなことは無くてほとんどのAC電圧計はこの方式になっています。ちなみに、真の実効値測定(true RMS測定)の電圧計ならオシロの測定結果と同じ値が測定されたはずです。

4.正しい消費電力を求める
話を戻すと、消費電力は P = VI cosθ で求めることが出来、電圧と電流が最大になる位相は近いので cosθ =1 と仮定して消費電力を計算しました。一見この考え方で問題無さそうに思えたのですが、よく考えるとなんだか変です。

スイッチング電源の力率をほぼ100%と見なしている訳で、それならパソコンなどの電源にPFC回路なんて付けなくても良くなります。明らかに何か間違っています。

こういう話に決着を付けるには、電力の定義に従って、瞬時電圧と瞬時電流の積を積分して値を比較すれば良いはずです。この計算は波形を定積分して数値解を求めれば正確な値を求めることが出来ますが、えらく面倒です。そんなことで、LTspice でシミュレーションしてこの話に決着を付けることにしました。

結果は現在整理中なので次の記事で披露したいと思います。

PS:なんだか大ごとになってますが、私が交流理論をちゃんと理解していないからこんなことになっちゃってます。
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交流電力

P=VIcosθで求まるのは、V、Iともに正弦波形の場合で、パルス状などではPは正しく求まりません。

このような場合、考察されておられるように、P、Iの積分によって求まります。

re:交流電力

そうなんですよね。

私が習った頃は非線形な素子なんてほとんど無かったので、力率=cosθとだけ覚えていれば良かったんですよね。
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