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LEDをパルス点灯させた場合の見掛けの明るさ、実験3

 LEDをパルス点灯させると明るくなるか?という話の3回目です。

 前回の実験ではLEDの電流を変えた場合の挙動の変化を調べました。詳しくはその記事を見たいただくとして、結果をかいつまんで言うと、流す電流によってデューティーを絞った時の明るさの変化の様子がかなり違っていました。こうなると、LEDを変えた場合に結果がどう変わるのかが知りたくなります。

 LEDの発光効率はここ数年でものすごく良くなったので、昔の物を測定すると面白そうです。そんなことで、ちょうど入手したばかりの暗い赤色LEDがあるので、これを測定することにしました。

▼昔のLEDが入っていたキット
LOLシールドキット
 これ、チャーリープレクシングの応用例を試してみたくてAliExpressで買った、Arduino用のLOL(Lot Of LEDs)シールドのキットです。このキットについては機会があれば紹介したいと思いますが、添付されていた赤色をテストしてみるとえらく暗い物でした。

 ということでこのLED中から一つ選んで、データーを取ってみました。以下は測定結果です。

▼電流小 (0.3326mA)
電流小、結果

電流小、グラフ
 デューティ1% なら平均電流がDC点灯の32% でも同じ明るさになっています。これはもう無視できないというか、えらいことです。

▼電流中 (0.9601mA)
電流中、結果

電流中、グラフ
 グラフの底が右上に上がってきた感じです。

▼電流大 (3.093mA)
電流大、結果

電流大、グラフ
 更にグラフの底が右上に移動し、パルス駆動による明るさの違いは最大で15%程度に留まっています。

◆まとめ
 この結果を見ると、もっと電流が少ない場合の特性を知りたくなります。ということでやりかけたのですが、LEDがかなり暗くなってしまって、明るさの変化を正確に見分ける自信が無かったのでやめました。周囲を暗くして目を慣らせばいいのでしょうが、今回はここまでとしました。

 このLEDをデューティ1%でダイナミック点灯させた場合、平均電流を30%まで絞ってもDC点灯と同じ明るさになることがある訳で、これはちょっとすごいことです。別の言い方をすると、デューティー1%で点灯した場合、見掛けの明るさは100分の1までは減らず、30分の1で済んでいます。これが 「LEDは同じ電流でもダイナミック点灯した方が明るく見える」 という現象なのかも知れません。

 こうなると他の色のLEDも試してみたくなります。実は、緑色のLEDでちょっとやってみたのですが、ピーク電流が変わる影響で色も変わってしまい、目で見て同じ明るさであるのかどうかを判断するのが難しくなってしまいました。
 ここまでの実験では赤色のLEDを使いましたが、このあたりの波長では微妙な色の変化(波長の変化)は人間には検知出来なかったのかも知れません。

 今回の一連の実験は、パルス点灯と言っても人間にはフリッカーを感じない領域の話です。もっと点灯周期を長くすると、ブロッカ・ザルツァー (Broca - Sulzer) 効果の領域に入り、様相は変わってくるものと思われます。
 このあたりの領域の実験は、マイコンとLEDで簡単に実験できるので、やってみると面白いかも知れません。ちなみに、Lチカの点灯時間を削っていくと、20msあたりから急に暗くなる(ような気がする)のはこの効果かな、と思っています。

LEDをパルス点灯させた場合の見掛けの明るさ、実験2

 LEDをパルス点灯させると明るくなるか?という話の実験の続きです。前回の記事では比較的小さな電流でテストしましたが、今回はもう少し電流を増やしてデーターを取ります。

▼測定回路
LEDの明るさ比較回路
 前回の回路にはArduinoが入っていてややこしくなっていたので、外しました。そんなことで当然ですが、この回路はプログラム無しで動きます。なお、LEDの電流制限抵抗のR1とVR1は、小電流の場合は10k、大きな電流の場合は1kΩに変えます。

▼ブレッドボード
LED明るさ比較回路
 Arduinoが無くなったのですっきりしました。なお、パルジェネと評価用のLEDはこの写真の外側にあるので写っていません。

 早速測定結果です。なお実験の手間を省くために、パルス周波数は50Hz,100Hz,1000Hzの3種類だけにしました。

◆電流小(約0.32mA)
電流小の結果

電流小のグラフ
 これは前の記事と同じ条件です。デューティを下げると小さな電流でも同じ明るさに見える傾向は同じで、約60%の電流でも同じ明るさになっています。

◆電流中(約0.96mA)
電流中の結果

電流中のグラフ
 デューティーを下げると同じ明るさを得るための平均電流が減る傾向は変わりませんが、その量は約80%と少なくなっています。

◆電流大(約3.14mA)
電流大の結果

電流大のグラフ
 電流の減少量は更に少なくなって、90%に留まっています。

 なおデューティ5%以下の領域では、Rsの影響でパワーFETを充分にONさせることが出来なくなったので測定結果はありません。Rsの値を小さくして測定すればいいのですが、ちょっと面倒です。それに、デューティ5%ではLEDに流れるピーク電流は60mAを超えるので、このあたりが限界だと思います。

◆ここまでのまとめ
 電流が小さな場合、LEDをパルス点灯させると平均電流を60%まで減らしても同じ明るさが得られていました。しかし、電流が大きくなると、その現象の程度は小さくなるようです。

◆明るさの測定
 ともかく、同じ電流でもパルス点灯の方が明るく見える、という話は本当みたいです。ここで問題は、この現象が人間の視覚特性によるものか、あるいは本当にパルス点灯の方が光の量が多いか、ということです。
 この話に決着をつけるためには、光センサーを使って調べる必要があります。直流の光なら割と簡単ですが、パルス光となると手持ちの物で使えるセンサーは限られてきます。

 そこで持ち出してきたのが、以前作ったミニオシロのDSO-SHELLの光インターフェイス基板です。

▼光強度センサー
光強度のモニタ
 これはシリアルデーターの光インタフェース回路ですが、この回路の途中からアナログの光信号を取り出すことにしました。

 左に光っているLEDの右下がフォトトランジスタで、その右下の基板が信号アンプです。ここにはフォトトラの信号を比較的高速で検出するための、カレントミラー回路が入っています。詳しくはこちら
 このセンサーにLEDの光を入れて観察したのが次の波形です。なお、電源から垂らしたコレクタ抵抗の両端電圧を測定しているので波形の極性は逆、つまり画面の下側が光の強度が大きくなっています。

▼パルス光
パルスの光強度
 これは電流小(約0.32mA)、周波数100Hz、デューティ10%でDC点灯と同じ明るさに見えるように振幅を調整した時の、光波形です。ピーク電圧は約800mVになっています。なおこれは、最初のグラフのデューティ10%の位置なので、パルス点灯の平均電流は70%以下になっています。

▼DC点灯の光
DCの光強度
 これはDC点灯の場合の光量です。約80mVなので上の波形の1/10、つまりデューティ比の通りの光量になっています。

 これは、目で見て同じ明るさになるように調整すると、パルスでもDCでも光の量は同じだった、ということになるはずです。電流が少ないのに同じ明るさに見えたのは、視覚効果では無く、本当に光量が同じだったと言えます。

◆今回のまとめと今後の予定
 平均電流が同じでも、パルス点灯の方が明るく見えるという現象は、流す電流の量によってその程度が変わるようです。電流が小さな方がその現象は大きくなるようです。

 パルス点灯の方が明るく見えるのは人間の目の視覚効果が原因、という説がありますが、これは違うのではないかという実験結果です。もちろん、・ブロッカ・ザルツァー (Broca - Sulzer) 効果で単発の30ms程度のパルスが実際より明るく見える現象はあると思いますが、もっと高速の繰り返しパルスではそういう現象は無くなるのではないでしょうか。

▼今回データーを取ったのは、秋月で買った赤色の超高輝度LEDで割と最近の製品です(と言っても2年くらい前か)。
評価に使った赤色LED

 LEDはパルス点灯した方明るいという話(伝説?)は昔からあるようなので、昔作られたLEDでデーターを取ると違った傾向になるのかも知れません。また測定してみたいと思います。

LEDをパルス点灯させた場合の見掛けの明るさ、実験結果

 居酒屋ガレージ日記さんの、Arduino UNOでLEDの駆動デューティーを変えてみる の記事を見て、「LEDをパルス点灯させるとDC点灯より明るく見える」という話を思い出しました。7セグLEDなどの点灯方法の解説にもよく書かれているのですが、ダイナミック点灯させたほうが、直流点灯より明るく見えるという話です。

 この話には時々出くわしていて、私が最近気になっているチャーリープレクシング回路の解説の中にも出て来ました。また、チャーリープレクシングとは書かれていませんが、MICROCHIP社のComplementary LED driveの資料にも同じ話が出てきます。

 ただ本当にそんなことがあるのか、以前からちょっと「まゆつば」だなーと思っていたので自分で確認してみることにしました。

 DCとパルス点灯した場合の明るさを比較するために、次のような回路を考えました。

▼確認回路
LEDパルス/DCドライブ明るさ比較回路
 点灯させるのはLEDが一つだけで、これをQ1でDC点灯、Q2でパルス点灯させる回路です。DC点灯を基準とし、パルス点灯させた場合の見掛けの明るさが同じに見えるようにVR1を調整します。流れる電流はシャント抵抗で検出し、フィルターで平均値を出す回路になっています。視線の移動は無く、同じLEDを見ているだけなので、小さな明るさの違いも判り易いはず、というのがこの回路の狙いです。

 スイッチを押すと直流点灯、離すとパルス駆動になるので、LEDを見ながらスイッチをON/OFFさせながら、VR1を調整することで見掛けの明るさを一致させます。これ、回路としては簡単なロジックなのでArduinoを使うまでも無かったのですが、最初はパタパタと自動切換えなどをさせようと考えていたので、こんなことになっています。なお、パルスは自作のパルスジェネレーターで発生させています。

▼回路全体
測定回路
 左上が自作のパルスジェネレーター。明るさ調整と書いてあるツマミがパルス駆動の明るさ調節(VR1)で、操作性を良くするためにありあわせの木の板に取り付けました。

LEDと切り替えスイッチ
 確認用のLEDと切り替え用の押しボタンです。LEDを見ながらボタンを押して明るさの違いが無くなるように調整つまみを廻します。なお使ったのは赤色のLEDで秋月で買った超高輝度の物です。

▼測定結果
測定結果
 駆動周波数は30Hzから10kHz、デューティーは95~1%の範囲で変化させました。なお、表内の値は10Ωの抵抗の両端電圧をmVで表しているので、実際の電流はこの1/10倍mAになります。

▼グラフ
LEDパルスドライブ測定結果グラフ
 デューティーを下げると電流の値が小さくなっています。つまり、同じ明るさににするための電流は小さくなっています。大雑把な傾向で言うと、デューティー10%以下なら、60%の電流でもDCと同じ明るさに見える、というのがこのグラフの結論です。

 この結果、にわかには信じ難いですが、事実みたいです。ただ、周波数が10kHzでも同じ傾向になっていて、人間の目がこんなに高速で変化する明るさの変化に影響を受けるとは考え難いです。ということで、回路的なメカニズムやLEDの発光の特性が見えている可能性があります。

▼CDSで明るさをチェック
CDSで確認
 簡単に出来るセンサーを使った明るさのチェック、ということでCDSをLEDの上に載せて抵抗(= 明るさ)を測ってみました。表の右下の一点だけのチェックですが、センサーで測ってもDCとパルス点灯で明るさの違いは認められませんでした。つまり、センサーで見ても明るさは同じだが、消費電流は約40%少ないという現象は再現していました。(ただ、人間の目で同じ明るさに見えていてもセンサーで測ると20%くらいは明るさが違っていたりします。)

◆考察
 さて、この結果をどう見るかです。素直に結果を受け入れれば、LEDをパルス点灯すれば、60%の電流でも同じ明るさを得ることが出来る、ということになります。消費電力が問題になる場合、これは大きなメリットになります。

 ところで、LEDの発光効率を上げるのにものすごい努力(投資)が行われています。これをパルス点灯するだけで何割も改善が出来るなら、みんなが飛び付きそうな話です。でも現実はそうなっていないので、何か問題というか、どこかに考え間違えがあるのかも知れません。もう少し検討してみたいと思います。

◆関係がありそうな用語、資料
 ・ブロッカ・ザルツァー (Broca - Sulzer) 効果
 ・トールボット・プラトー (Talbot - Plateau) の法則
 ・パルス駆動による視覚心理効果を用いたLED照明の高効率化技術(愛媛大学)
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