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100円ショップのバッテリーチェッカーを調べる(続編)

 このネタで記事を書いたのが2010年6月12日のことでしたが、その記事にハナキチさんからコメントが入り、セリアで売っているバッテリーチェッカーには可動コイル式のメーターが入っている、との情報を頂きました。

 以前の記事に書きましたが、このタイプのバッテリーチェッカーのメーターには可動磁石式のメーターが使われていました。それはとんでもない代物で、具体的には、姿勢により針の位置が大きく変わったり、ゼロ点が表示のはるか外側にあるといったものでした。つまり、電気が来ているかどうかが判る程度の情けないメーターでした。

 これが可動コイル型のメーターに替わったのなら、そういう問題が解決されるはずで、いろいろと使い道が出てきます。ということでセリアに行って買ってきました。

▼セリアで買ったバッテリーチェッカー
セリアのバッテリーチェッカー
 メーカーはグリーンオーナメントでした。

▼使い方
使い方
 アームを広げて電池電圧をチェックします。右側面の端子を使うと9Vの006Pの電池のチェックも出来ます。

▼裏面に出っ張りがある
裏面、出っ張りがあるのが特徴
 昔の物と比べると本体の印刷文字が違ったりメーターの目盛り板が違ったりしますが、一番大きな違いはケースの裏側に出っ張りがあることです。ムービングコイル式のメーターを入れるためにケースが出っ張ったようです。
 販売されている状態では袋に入っているので裏側は見えませんが、手で触れば出っ張りがあるので見分けることが出来ます。

▼内部
内部回路
 殻割りして内部を見ます。抵抗が4本(2Ω、10Ωx2、75Ω)入っています。この値の抵抗が欲しい時はこのバッテリーチェッカーを買ってバラせば100円です。(おい!)

▼回路図
全体回路図
 写真の部品配置を反映して回路図にするとこうなります。SW1は部品としてのスイッチがある訳では無く、アームを閉じることによって端子が接触してクローズ(導通)になる仕掛けです。なお、メーターの直流抵抗は215Ωでした。

 この回路図では判り難いので、1.5Vの電池をチェックする状態(SW1=オープン)と、9Vの電池をチェックする状態(SW1=クローズ)に分けて回路図を書いてみます。

▼1.5Vの電池を測定する状態
1.5V電池測定回路
 合成負荷抵抗は1.98Ωで、電池電圧=1.5Vなら、電流は0.756A流れます。この時メーターには 6.38mA 流れることになります。なお、電池には内部抵抗があるので、実際に流れる電流はこの値より少なくなります。測定電流が大きいので、電池にとって負担が大きいと思います。

▼9Vの電池(006P)を測定する状態
9V(006P)測定用の回路
 合成負荷抵抗は84.6Ωで、電池電圧=9Vなら、電流は0.106A流れます。この時メーターには 4.53mA 流れることになります。なお、電池には内部抵抗があるので、実際に流れる電流はこの値より少なくなります。

▼メーター
取り出したメーター
 メーターを取り外しました。

◆メーターの構造
 構造としてはちゃんとヒゲぜんまいを使った可動コイル型のメーターになっていました。この種のメーターはメカ的にゼロ調整が出来るものが多いですが、このメーターのゼロ調レバーは塗料で塗り固められていてゼロ調は出来ません。なお、ゼロ点の位置は上の写真のように針の表示範囲の中にあります。ちなみに、以前の可動磁石式のメーターはゼロ点が表示範囲外にありました。なお、メーターの姿勢変化に対する針の位置の移動は問題にならない程度でした。それよりメカ的なダンピングがほとんど効いていないので、針の振動が収まるのに少し時間が必要です。

◆電気特性
 メーターのコイル抵抗は上の回路図に書いたように215Ωでした。電流を流して針を振らせると、5mAでフルスケールとなりました。(目盛りが無いので正確な値は決められませんでした)この値は上の回路図から計算した値と矛盾しないので、これがこのメーターの感度と考えて間違いありません。ちなみにメーターをフルスケール振らせるのに必要な電圧は約1Vです。

 昔からある、いわゆるラジケーターの高級品はフルスケール100μAくらいだったので、そういう物と比べると感度はかなり悪いです。磁気回路のギャップがかなり大きいのが響いているのだと思います。ちなみに、こういうメーターは端子をショートすると電磁ブレーキがかかって、外部振動に対して針が振れにくくなるのですが、このメーターはそんな気配はありませんでした。

◆まとめ
 感度がかなり低いですが、以前の可動磁石式のメーターとは比べ物にならないくらいちゃんとしたメーターが付いていました。これなら取り外してアナログメーターとしていろいろな使い道があると思います。

 ちなみにメーターを取り外したケースは、エアーバリアブルさんの、安価?にできる高性能乾電池チェッカーの製作(2)のアイディアが素晴らしいので、同じ物を作ってみようかと思います。ん、今その記事を改めて読んで気付きました。掲載されている写真を見ると、メーターは可動コイル型です。記事は2015年8月に書かれているので、その頃には可動コイル型のメーターが使われていたようです。

LED電球の故障解析 (Panasonic LDA6L-E17)

 前回の記事の続きです。点灯しなくなったLED電球(Panasonic LDA6L-E17)からLEDモジュールだけを取り出し、他のことに使えないかと考えました。まあ持って生まれた貧乏性は死ぬまで直らないです。

 しかしこのLEDモジュールを点灯させるには50V以上の電圧が必要で、こういう電源を用意するのは大変です。ということで、方針変更です。新たに電源を作ることは止めて、LED電球の元の回路を修理して使えないか調べることにしました。とは言っても、修理するためには故障個所を特定しないといけません。

▼LED電球の点灯回路基板
点灯回路基板
 使われていたのは MIP551A という IC で、調べてみるとスイッチング方式のLED用定電流ドライバでした。たぶん Panasonic のオリジナル設計品でしょう。
 電解コンデンサが高い位置に置かれているのは、熱劣化対策のためだと思いますが、実装レイアウトの問題かも知れません。ともかくE17電球という限られたスペースに入れるために苦労した様子が伺えます。
 なお、書く順序が後になってしまいましたが、外観上に異常は認められませんでした。

▼はんだ面
点灯回路基板(はんだ面)
 右側の黒い正方形の部品がブリッジダイオードで、ここでAC100Vを整流しています。ピン間の白いシルク印刷は、少しでも絶縁性を良くするために入れているのだと思います。

 幸いなことに、部品を押すとLEDが点灯することがあるので故障個所の調査は楽です。AC100Vのコンセントで動かせるように仮配線しておいて、不良個所の特定作業を始めます。

▼AC100で動かせるように仮配線
調査用に仮接続

 感電しないように注意しながら、基板のあちこちを樹脂の棒で押して不良個所を絞り込んで行きました。最後は実体顕微鏡で見ながら調べて、とうとう故障原因を特定しました。

▼不良発生場所
故障発生個所
 R3 (510kΩ)の左側のはんだにクラックが入り、ここで断線していました。

▼はんだクラック拡大
はんだクラック(熱疲労破壊)
 
 ここまでが調査結果です。以下は私の考察というか推定なので異論があるかも知れません。

◆故障発生のメカニズム
 点灯するたびにLEDの熱で基板が膨張し、はんだに応力が加わることで疲労破壊したのだと思います。高温になることではんだの結晶が成長して破壊されやすくなった、という現象もあるのではないかと思います。

◆修理
 ここまで判れば修理は簡単です。はんだゴテを当てて再度はんだ付けして修理は完了です。元は鉛フリーはんだが使われていますが、共晶はんだを追加してしっかりとはんだを溶け込ませておきました。

 せっかくなので、他のはんだ付け個所にも同じ処置を施しました。元のはんだが SAC (Sn, Ag, Cu) だとして、ここに共晶はんだ (Sn, Pb)を混ぜると4元合金になりますが、この性質がどうなるか一抹の不安はあります。

◆考察
 ところで、なぜこの部品 (R3) にはんだクラックが発生したか考えてみます。この記事の二つ目の写真が判り易いですが、R3は基板の下側の外形すれすれの位置に取り付けられています。おまけに、ここは基板の切り欠き部です。こういう場所では、温度変化による基板の変形が大きくなって、はんだに大きな応力がかかります。電球を点灯するたびにこういう応力が加わったため、はんだの疲労破壊が発生したのだと思います。

 ちなみにこのLED電球はカウンターキッチンのカウンターの上の照明に使っていました。一日3回の食事の前後に点灯したとして、1日6回。それが、4年続くと8700回の温度サイクルがかかったことになります(たぶん実際はその数割増し)。これくらいで壊れては困りますが、サイクル寿命としては少し不利な使われ方だったとは言えるでしょう。

 ところで、この基板は両面スルホール基板で、一見するとガラスエポキシ基板のように見えます。しかし基板の切断面を見ると、ガラス繊維が入っているのは表面だけで、コア部には樹脂と何かの介在物しか入っていません。こういう基板だと熱膨張の問題はより厳しくなるでしょう。

 鉛フリーはんだでなければこんな障害は発生しなかった可能性が高いと思いますが、そもそもこんなに基板の外形ぎりぎりに部品を配置するのは危険です。もしやるなら十分な検証が必要だと思います。

 ということで、技術的な話としてはこんなところでしょうか。もっと突っ込むと、どうしてこんな品質の商品が出荷されてしまったの? という会社の仕組みの話があります。

 ともかく点灯回路の修理が完了したので、LED照明ユニットとしてまとめておきます。

▼LED照明ユニット完成
LED照明ユニット完成
 点灯回路は100Vに充電されていて危険なので、LED電球で使われていたプラケースに入れておきます。電解コンの頭の金属が露出していて危険なのでカプトンテープを貼っておきました。この写真の配線はLANケーブルの中のペア線を使っています。この線はテフロン被覆なので耐圧が高く、比較的丈夫なので安心です。とは言っても、この線を外部に露出するところに使ってはダメです。

 あと、LEDは発熱がすごいので手持ちのヒートシンクを付けています。

▼LEDとヒートシンク
LEDとヒートシンク
 なかなか恰好いいです。熱の通路になる金属の接触部にはシリコングリスを塗っておきました。

▼LED電圧測定
LED電圧
 最近買ったミニオシロ (DSO-Shell) でLEDモジュールの端子電圧を測ると、約64Vでした。僅かにリップルがありますが、ほぼ直流点灯と言っていいと思います。
 このオシロはアースから浮いているので、AC100Vの充電部分に接続しても安全です。なお、このオシロの許容入力電圧は50Vなので、スペック違反の使い方です。

▼LED電圧のリップル観察
LED電圧の拡大
 ACカップルにしてリップルを拡大して見ると、周期は約46kHでした。なお、Vpp = 6.89Vとなっているのは、この表示されている波形がAC電源周期で上下に揺すられているためです。
 こういう周波数でスイッチングすることでLEDは定電流ドライブされています。LEDまでの配線をむやみに長くすると、制御が不安定になる恐れがあるので注意が必要だと思います。また、LEDまでの配線は不要輻射を出来るだけ減らすために、ツイストされたペア線を使うべきでしょう。

◆まとめ
 あまり自信は無かったのですが、案外簡単に故障原因を発見することが出来て良かったです。

 実は叩くと一時的にLEDが点灯するので、最初はパターン断線かはんだ付け不良を疑っていました。こういう問題が原因なら偶発的な故障なのでこの個体特有の問題ということになり、他の製品への波及まで考える必要は(ほぼ)無くなります。しかし、この分解調査結果が示すように、設計起因のはんだの疲労破壊が発生していたとなると、コトはちょっと深刻です。

 中華な製品の品質が悪いとよく言われますが、Panasonic のようなメーカーの製品でも同じような問題が出るとは残念です。とは言っても保証書に記載された期間(1年)を超えて4年間は動いているので、まあいいのですが。

 このあたりまで書いていたら、みかんさんから前の記事にコメントが入り、Panasonic はLED電球が5年以内に故障した場合は無料交換していることを教えて頂きました。流石はPanasonic、顧客本位の対応です。一時的なロスは出ますが、回収したLED電球を故障解析することで、今後の製品の改良が出来るなら安いものではないでしょうか。

 実は同じ電球があと3個あり、一つはちらつきが始まっています。保証期間は今年の12月までなので、どうせならさっさと逝っちゃってもらった方がいいですw。

LED電球の分解 (Panasonic LDA6L-E17)

 LED電球が点灯しなくなったので分解してみました。

▼LED電球
ペンダントライト
 点灯しなくなったのはこのペンダントライトで、中にE17の電球型LEDが入っています。(写真は電球交換後)

▼パナソニックのE17、LED電球
LED電球 Panasonic LDA6L-E17

Panasonic LED電球
 型番はLDA6L-E17で、E17ソケットの6WのLED電球です。普通サイズの電球(E26口金)と比べると小さいサイズで、小型の器具に適した物です。

 症状としては全く点灯しませんが、叩くとチラッと光る状態。症状から想像すると、内部の接触不良が怪しいです。

 LED電球の寿命は長いはずなのに、こんなに簡単に壊れてもらっては困ります。ちなみに購入したのは4年前で、照明器具に付属していた電球です。取説を見ると、光源寿命は4万時間となっていますが、保証期間は購入後1年だそうです。ん、1年は8760時間なので寿命が4万時間と言ってもあまり意味がない気がします。

 LED電球の寿命は案外短いという話をよく聞くので、それに当たったということでしょう。ともあれ、うちで故障した電化製品の多くは分解されます。

▼ガラスを割る
ガラスを割る
 口金側から分解を試みましたが、無理でした。ならば、ガラスを割るしかありません。なお、屋外でガラスを割って主な破片を持ち帰ってこの写真を撮っています。つまりこの写真はやらせですw

▼アルミケースを剥がす
アルミケースを剥がす
 コーンビーフの缶を開けるような要領で、外装のアルミをくるくると剝いていきます。中から露出している金属は放熱用のアルミスラグで、これが外装のアルミケースに接触することで、外に熱を逃がす構造になっています。

▼アルミ外装が外れた
分解中

▼分解完了
分解完了
 パーツがばらばらになりました。

▼LEDモジュール
LEDモジュール
 セラミック基板の上にLEDチップが実装されており、放熱用のアルミスラグの上にネジ止めされています。上に書いたように、このアルミスラグと外装のアルミケースを接触させることで、外部に放熱するようになっています。

 せっかくなので、このLEDモジュールを何かに流用出来ないか考えます。そのためにはモジュールを点灯させる電圧を知る必要があります。

 手持ちの24Vの安定化電源で電圧をかけたのですが、全く光る気配がありません。もっと高い電圧が必要のようです。そこで、裏技です。小型の電源トランスの一次/二次を逆に使い、ファンクションジェネレーターの正弦波を昇圧して、ダイオードで整流してLEDに加えます。

▼LEDモジュールの点灯テスト
発光電圧チェック中
 ようやく光りました。このあいだ買った小さなオシロで電圧波形を見ると、50Vくらいの電圧が必要でした。トランスの出力をダイオードで整流しただけなので半波整流波形になっているのですが、こういう波形の電圧をテスターで測ると、平均値が測定されて18Vくらいの値が表示されます。こうなると、状況の把握が難しくなるので要注意です。そういう時にオシロはやはり便利です。

▼LEDセル
LEDは12直列の4パラ
 かすかに点灯させてLEDチップの数を調べると、12直列が4並列になっていました。12直列なら50Vくらいの電圧が必要なこともうなづけます。ちなみにこの写真にオシロの画面がちょっと写っていますが、平均値や実効値などが判るので便利です。

◆まとめ
 あわよくばLEDモジュールを何かに流用しようと考えていたのですが、電圧が50V以上必要なので簡単にはいきそうにありません。こういう電圧が出るDCDCコンバーターは使える部品がちょっと限られてくるので、私がストックしている部品で簡単に組むことができません。ということで、元の点灯回路を修理してAC100Vで光らせた方が筋が良さそうです。

 ということで、次回の記事では故障個所を修理して、LEDを点灯させるところまで持って行きたいと思います。故障個所の目処はついています。

【追記 2017/2/9】
 みかんさんのコメントによると、Panasonic は製造後5年以内の不点灯になったLED電球を新品に交換してくれるそうです。詳しくはPanasonicのプレスリリース参照: LED電球に保証制度を導入
 このプレスリリースに書いてありますが、製造ロット番号から製造年月が判るそうです。この記事で分解した電球のロット番号は3枚目の写真に出ていますが、2L04ACなので、2012年12月製造です。ということはまだ保証期間内だったので、壊さなければ交換してもらえたようです。しまった、早まったようです。楽しんだからいいですがw
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