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CMOS シリーズレギュレーターの種類と特性

1.まえがき
0.96インチ OLEDのインターフェイス基板を調べてみると、3.3Vのシリーズレギュレーターが搭載されていて、電源電圧は 5V から 3.3V まで使えるようになっていました。こういう使い方をするためには、入力電圧が 3.3V を下回ってもそのまま使えるレギュレーターが必要です。

また、このOLED モジュールをスリープさせた時の消費電流を実測してみたところ、7.66μAでしたが、そのうちシリーズレギュレーターの消費電流はたった 1μA程度で済んでいるようです。

この OLED に使われているシリーズレギュレーターには662K とマーキングされているので、TOREX社の XC6206 ではないかと思われますが、知らない間にシリーズレギュレーターの性能はすごく良くなっているみたいです。

そんなことで、CMOS のシリーズレギュレ-ターについて調べてみました。

ちなみに、ストックしているシリーズレギュレーターを引っ張り出してみたらこんなにありました。
シリーズレギュレーター
3 端子レギュレーターと呼ばれていた頃の古い仕様の物、LDO な物、CMOS などいろいろあります。

2.CMOS シリーズレギュレーターの解説資料
ネットを調べるといろいろ出てきますが、
TOREX社のアプリケーションノート:電圧レギュレータの基礎知識という資料がとても判り易く解説されていました。

この資料は CMOS のレギュレーターについて解説されていますが、私なりにポイントを整理すると以下のようになります。

1) デバイスの性能向上で、制御素子の Pch MOS FET の ON抵抗が下がり、飽和電圧も小さくなっている。
2) 耐圧を求めると飽和電圧が上がり、無負荷時消費電流(Iq)も増える。つまり無駄に高い耐圧のデバイスを使うのは良くない。
3) リップルが問題になる時は高リップル除去率の物を選ぶ。
4) CMOS回路では、バイポーラのバンドギャップリファレンスのような正確な基準電圧を作るのが難しい。そこでトリミングで希望の電圧に調整している。

なるほど、1) 2)項はパワーFET の選定の話と同じです。消費電流を下げることを追求した副作用で、応答速度が悪化したので、3)項の高リップル除去率の製品が必要になっている、という感じではないかと思いました。

あと、話はちょっと別の方向にそれますが、ATmega328 の CPU の内部Vref 電圧の精度が±10%と、嘘みたいに悪いのは4) 項のような事情が背景にあったんですね。

この記事の最初で話題にした、OLED に入っているシリーズレギュレーターの XC6206 は、TOREX の資料にも出て来て、耐圧6Vなので、入力電圧5V用の製品みたいです。どおりで消費電流(Iq)がすごく小さい訳です。

ちなみに、この資料にも出て来る XC6202 の手持ちがあったので、特性をちょっと測ってみました。

3.XC6202の静止時消費電流の測定 (XC6202のデーターシート
XC6206の測定
静止時(無負荷時)消費電流を測っている様子です。出力が発振などしていないか確認するためにオシロを接続しています。入力電圧を変化させると、5V以上で出力電圧がクランプされて安定化されている様子が良く判ります。なおこれは5V出力の物 (XC6202P502) です。

静止時消費電流 Iss (Iq)
XC6206のIq
データーシートによると、Iq はTyp. 10μA、Max. 24μA となっていますが、実測では 5.6μAでした(当然ですが、オシロの10MΩプローブを接続すると0.5μA増えます)。

4.XC6206 XC6206のデーターシート
次にOLEDに使われている XC6206 を調べます。これは6V耐圧の品種です。ただ、この素子の手持ちは無いのでデーターシートで特性を見て行きます。なお、3.3V のグラフは無いので、近い値の 3.0V のグラフを TOREXのデーターシートから抜粋しました。
入出力電圧特性 消費電流特性
左が入力電圧に対する出力電圧で、指定の電圧で安定化され、それ以下ではドロップアウト電圧分だけシフトして入力電圧に追従しています。
右は入力電圧に対する素子の消費電流で、電圧の安定領域では消費電流は1μAと極めて小さな値です。安定領域の下側(左側)では消費電流が急増しているので注意が必要ですが、それでも最大で14μA程度です。

5.まとめ
電池で動かしていて消費電流を出来るだけ小さく抑えたい場合、CMOSシリーズレギュレーターを使わない手は無いでしょう。その場合、用途別に最適な物を選択すると、より効果的です。

例えば 3.3V に降圧する場合、入力電圧が 3.3V を下回ってもそのままスルー状態で使えるので、電池の容量を限界まで使うことが出来るはずです(この場合、消費電流が若干増えることに注意)。なお、バイポーラのレギュレーターでもこういう特性の物はありそうですが、消費電流が1桁以上大きくなると思います。

ちなみに、電池で動かすアナログ表示の気圧計(LPS25H)では電池3本の4.5Vを3.3Vに降圧するためにXC6202を使っています。しかし、ここにもしXC6206を使っていれば、もっと省電力することが出来ていたことが、今になって判りました。

XC6206 は SMDパッケージの物しか手に入らないようです。でも効果を考えると実装が面倒などと言ってはいられないです。それに、もっと新しい素子も出ているようです。また、SMDパッケージならピン数の制約が緩くなるので、スタンバイ機能なども使い易くなると思います。

USB-A延長ケーブルを低抵抗電源ケーブルに改造(完了)

 USB-A延長ケーブルの改造の話の続編です。前の記事ではケーブル抵抗がやや大きくて、ちょっと不満が残る結果でした。ということで、使い勝手が悪くならない範囲でもっと太い線を間に入れることにしました。

▼1.25sqのケーブル
1.25sq
 写真が見づらいですが1.25mm2と表示されています。ちなみにAWG16相当です。

 もっと太い線も売られていますが、使い勝手から考えるとこれくらいが限界でしょう。

▼回路図
USBケーブル改造回路図
 一番下の改造3が今回作るケーブルです。

▼完成
1.25sq延長ケーブル
 抵抗を測ってみると、
 ・VBUS側抵抗:88.6mΩ
 ・GND側抵抗:87.5mΩ

 目標の100mΩを切ることが出来ました。ここまでくると両端の細いケーブルの部分の抵抗が半分以上を占めています。ここを切り詰める、もしくはコネクタ直結にすればもっと抵抗を下げることが出来ますが、使い勝手との兼ね合いで難しいところです。

▼使用した収縮チューブ
使った収縮チューブ
 接続部の保護のために使った熱収縮チューブです。左の二つは細い信号線の端末処理にいつも使っている物です。右はダイソーで売っている各種サイズの熱収縮チューブの詰め合わせで、これいろいろなことに使えて便利です。

◆まとめ
 長さが約2.5mで、電源線の抵抗が0.1Ωを切るUSB充電ケーブルが出来ました。往復で2倍の抵抗になりますが、それでも0.2Ω以下なので、1Aの電流を流しても電圧降下は0.2V以下に収まります。

 USB電源アダプタの出力は普通は5.2V程度ありますが、1A流したとしてもケーブル端で5V以上が供給出来ることになります。最近のスマホなどの機器は、電圧を見ながら充電電流を制御する機能があるので、供給電圧の低下を防げば、より大きな電流で充電出来ます。そんなことで充電時間の短縮になります。もちろん電源アダプタの電流容量も関係してきます。

 USBの電源供給にはもっと高い電圧で大電力を送る規格があるので、この記事のようなちょっとおバカな改造は、将来は笑い話になりそうではあります。

【参考】
居酒屋ガレージ日記さんが、USB-Aコネクタの接触抵抗 という記事を書かれました。この記事によると、USB-Aコネクタを一つ(1ピン)通過すると、12~13mΩの抵抗ロスがあるそうです。

USB-A延長ケーブルを低抵抗電源ケーブルに改造するも、、、

 USB-Aのオス/メスコネクタが付いた延長ケーブルは便利なのですが、ケーブルの抵抗が高いので、スマホなどの充電スピードが遅いのが不満でした。市販品に抵抗が低い物が無いか探してみたのですが、良さそうな物は見つかりません。

 片側がUSB-Aで、反対側がマイクロUSBなり Lightning コネクタが付いた低抵抗なケーブルは売られています。でも、当然ですが線が太いので使い難いです。それにあまり長い物は見つかりません。そもそもLightningコネクタって、根元で良く断線するので消耗品みたいなものですが、そんなんだったら、近くまでUSB-Aで延長し、先だけ短いLightingケーブルを付けて使うのが合理的です。

 そんなことを考えて、USB-A(オス/メス)ケーブルを改造し、低抵抗な充電専用ケーブルを作ることにしました。以下はその顛末です。ただ、先にお断りしておくと、満足できる物は出来ていません。ということで、試行錯誤の過程を見て楽しんで頂けたらと思います。

▼素材の候補のケーブル
USB-A 延長ケーブル
 手持ちに長めのUSB-A延長ケーブルは3本ありました。このうち1本を改造して低抵抗化したいと思います。ここで問題になるのはケーブルに使われている線の太さです。ということで詳しく見ていきます。

▼No1. (左上の2mケーブル)
左上2m
 28AWG/2C + 28AWG/2C という表示なので、電源と信号の両方にAWG28の線が使われていることになります。信号はともかく電源線もAWG28なので、これ抵抗が高すぎてダメです。

▼No.2. (右上の2mケーブル)
右上2m
 28AWG/2C + 24AWG/2C と表示されています。つまり 電源にはAWG24の線が使われているので、No1より抵抗が低いケーブルが使われています。

▼No.3, (下の3mケーブル)
下 3m
 これも28AWG/2C + 24AWG/2C です。今回は長さが2m以上のケーブルを作りたいので、このケーブルを改造することにします。

▼改造の回路図
USB電源延長ケーブル
 一番上が初期状態、以下改造1、改造2 の回路図です。

◆改造1
 改造1ではVBUS, D+, D-, GNDの4本の線を束ねてVBUS、つまり+5Vの線として使います。GNDはケーブルのシールドを使うことにしました。+5V側は4本の線を使うのでかなり抵抗が低くなるはずです。また、シースに使われているシールドには線材が大量に使われているので低抵抗が期待できると考えました。また、USB-Aコネクタの出力側のD+とD-の間は200Ωの抵抗で接続しておきます。なお、当然ですがこういう接続にするとデーター通信には使えません。またコネクタ間のシールドは接続されません。

 こういう狙いで改造を始めました。

▼ケーブルの皮むき
ケーブル皮むき
 赤と黒が電源、白と緑が信号です。信号には細い線(AWG28)、電源には太い線(AWG24)が使われています。また、シールドには大量の線が使われています。

▼電源を接続
V,G,+D,-DをまとめてVに接続
 電源の線を接続します。信号線は使わないので短く切断しておきます。あとはGNDをシールドの編組にはんだ付けすればこちら側はおしまい、のはずだったのですが、

▼シールドのはんだ付けがうまく行かない
Gを外皮に接続
 なんとシールドの編組にはんだが乗りません。なんとかはんだ付け出来た部分があったのでこのまま収縮チューブで養生してとりあえずこちら側の接続作業は完了。

 次は反対側です。基本的には同じ接続ですが、信号のD+とD-の間に200Ωの抵抗を入れます。ここはショートさせてもいいらしいのですが、とりあえず安全側で抵抗を入れてみました。

▼抵抗をはんだ付け
+D,-D間に200Ωを入れる

▼抵抗を収縮チューブで保護
メス側の接続
 あとは反対側と逆の接続にし、この後で収縮チューブ処理をして作業完了です。シールドの外皮には、はんだ付け出来ない線があります。

▼シールドのドレイン線
ドレイン線
 シールド外皮ではんだが乗らない線があったので調べてみると、外皮の内側に入っているドレイン線だけがこの写真のように、はんだ付け可能で、編組線にははんだが乗りませんでした。

 シールドの編組は、はんだ付け出来て当たり前と思っていたので意外な結果でした。銅の使用量削減によるコストダウンや、ケーブルをより丈夫にするための工夫なのかも知れません。ちなみにこのシールド線には磁石が付きませんでした。

▼改造1完成
USB電源延長ケーブル完成
 途中に変な熱収縮チューブが入っているので、充電専用という表示になっています(いるつもり)。

▼抵抗測定
直流抵抗測定
 ダミーのコネクタを差し込み、1Aの電流を流して電圧降下測定から抵抗を計算すると、
 ・VBUS側抵抗:136mΩ
 ・GND側抵抗:233mΩ

 VBUS側はほぼ許容レベルですが、GND側の抵抗が高すぎます。シールドの外皮にははんだが乗らなかったので心配していたのです、やはりダメでした。導体の断面積としては充分な量がある(φ0.127の69本構成)のですが、材料の抵抗率がかなり高いようです。たぶんステンレスのような材質が使われているのでしょう。

 これでは満足できないので、太めの線を中間に使ったのが改造2です。

◆改造2
ACケーブルで接続
 細めのAC100V用の電源ケーブルを使ってみました。この線の芯線はAWG20くらいあります。なお、これは被覆が二重絶縁になっていないので、現在ではAC100Vに使ってはいけない線です。

▼改造2完成
ACコードを使った延長ケーブル
 長さは2.5mで足りるので、改造1より50cm短く作りました。この状態での抵抗は、
 ・VBUS側抵抗:133mΩ
 ・GND側抵抗:134mΩ

 うーん、100mΩを切って欲しかったので、結果としてはイマイチです。

◆まとめ
 シールドの編組線にはんだ付け出来ない物があるとは、知りませんでした。世の中どんどん変化しているので、古い常識で考えていると痛い目に合う、ということでしょう。

 今回作った改造2のケーブルは2.5mくらいあるのに1Aくらいで充電出来るので効果はあります。でもどうせならもっと低抵抗の物を作ってみたかったです。まあ太い線を使えば良いのですが、使い勝手の問題もあるので、良さそうな線が見つかったらまた試してみたいと思います。
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