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台風通過に伴う気圧の変化を細かく調べる(気象庁のデーターと比較)

前の記事(台風19号の通過に伴う気圧変化)の最後に、「台風の気圧分布には渦のような構造があるのではなかろうか?」という仮説を書いたところ、コメントでいろいろアドバイスを頂きました。教えて頂いたサイトのグラフを見ると、私が測定したグラフと同じような特徴が出ています。

▼測定に使った気圧計
自作気圧計

ただ、たとえグラフに同じような特徴があったとしても、同じような場所と向き(構造)の建物なら動圧の影響は同じになるでしょう。つまり、グラフが似ていても、台風の気圧分布に渦のような構造がある、という仮説の決定的な証拠にはなりません。そうなると、もっと多くの事例を集めて証明(確認)するしか方法はなさそうです。

そんなことで、もっと多く測定結果が集まると良いなーと思っていたら、うまい手がありました。気象庁から、前日の気圧の10分間隔のデーターが公開されています。このデーターなら風による動圧の誤差はほぼ無いでしょうから、基準として使うにはもってこいです。

▼気象庁の気象観測データーのアーカイブ
気象庁の気象データーアーカイブ
これは、気象庁のサイトの ホーム > 各種データ・資料 > 過去の気象データ検索 > 10分ごとの値 のページで、東京の2019年10月12日のデータです。

当日の気象データーは1時間間隔でしか公開されないのですが、翌日になると10分間隔の値が公開されます。多分こっちは組織として確認の済んだ公式記録ということだろうと思います。ちなみに、うちの近くの府中や調布にも測定ポイントはあるのですが、気圧データーまで揃っていて一番近いのは東京(北の丸公園)になるようです。

以下、さっそく当方で測定したデーターとグラフで比較してみます。

▼2019年台風19号の通過に伴う気圧変化
2019年台風19号
青が私が測定したデーター(稲城市)で、赤が気象庁の東京のデーターです。上下左右に少しずれがあるのは、海面気圧への換算誤差や台風のコースに対する観測点の位置関係で発生したものでしょう。

そのような小さなズレはありますが、細かい凸凹の特徴は驚くほど一致しています。台風の気圧の分布には縞模様のような構造があると考えて良いのではないでしょうか。

せっかくだから去年の24号台風でも同じことをやってみました。

▼2018年の台風24号の通過に伴う気圧変化
2018年台風24号
こちらは圧力変化、記録時間とも少ないのでグラフの凸凹が目立ちますが、両者には同じ特徴がありそうです。

◆まとめ
天気図では台風の気圧の等高線は綺麗な同心円で表現されています。しかし細かく見ると微妙なシワを伴っているようです。こういう気圧の等高線のシワを高感度で検出出来るようになれば、竜巻や突風などの予測に使えるのかも知れません。

気圧を1km以下のメッシュでリアルタイムに観測できるようになれば、そういう予報が出来るかも知れません。企業の規模でスマホをうまく使えば出来そうですね。

台風19号の通過に伴う気圧変化

大型の台風19号が近くを通過しそうだったので、気圧の変化の記録を取ってみました。

やり方は以前と同じで、LPS-25Hを使ったアナログ表示の気圧計から10分間隔でシリアルに流しているデーターを、TeraTeram を使ってタイムスタンプ付きでパソコンに記録しました。データーがPCに記録出来ればこっちのもの、エクセルで簡単にグラフにすることが出来ます。

▼気圧の値をPCに記録中
記録開始

▼台風19号の気圧変化
2019年台風19号の気圧変化@稲城市
規模が大きい台風だったので、気圧が下がってから元に戻るまで1日半くらいかかっています。

記録されていた最低の気圧は965hPaで、私がこれまでに観察した中で一番低い値でした。なお、気圧の値は海面気圧に換算した値です。ちなみに、台風の経路図を見るとほぼ中心、つまり目が通過していて、目の通過中は風が収まっていました。

▼気圧計の針がスケールオーバー
最低気圧付近
この気圧計の最低側は980hPaまでしか目盛りが無いのですが、それを超えて(下回って)針が振れました。まあメカニカルなストッパーがあるわけではないので、機械的には問題ありません。

◆まとめ
台風の中心が通過するなんて、めったにないこと、しかもかなり大型の台風です。その気圧変化をきっちりと記録出来てよかったです。そうは言っても、被害にあった方がいらっしゃるので、よかったと書くのは不謹慎ではあります。

気圧変化のグラフは滑らかな変化では無く、変曲点があったりコブのような不連続な変化があるようです。以前記録したデーターでもそんな感じでした。これって、ひょっとしたら台風の気圧分布には螺旋形の溝みたいな構造があるのかも知れません。銀河の渦には腕のような構造がありますが、それと同じようなことがもし台風の渦にもあったら、興味深い話です。

Arduinoで動かすアナログ表示の気圧計の電池電圧

◆まえがき
定期的に(と言っても数ヶ月置き)に取り上げている、アナログ表示の気圧計の電池電圧の状況です。いきなりデーターを出しても何の話だか判らない人もいそうです。ということで、まずは外観写真から、

・ こんな気圧計です
Arduinoで動かすアナログ表示の気圧計
気圧センサーは LPS-25H、CPU は ATmega328 で、プログラムは Arduino で開発しました。あと、この気圧計については、平成から令和へ、元号を超えて動き続けているマイコンたち という、つい先日の記事で紹介したばかりでした。

◆電池電圧の推移
・ グラフ
気圧計の電池電圧
動かし始めてから今日で742日目、電池電圧は 4.42Vでした。これは電池3本を直列にした値なので、一本当たり 1.473Vで、まだまだいけそうです。

ちなみに電池電圧は CPUで監視していて、電圧がグラフの赤い点線 (3.3V) に達すると、メーターの針を Low Battery の位置まで移動させ、さらにLEDを点滅させて自動停止させる仕掛けになっています。

これ、3年間の連続動作が目標ですが、この調子だと楽々目標をクリアできそうな感じです。まあ、電池の液漏れなどで強制終了になる恐れは残っています。

◆もっと省電流化できないか?
ところで、最近の記事では CMOS のシリーズレギュレーターをいろいろ話題にしているのですが、この気圧計にも使っています。

▼回路図
アナログ気圧計の回路図
電池の電圧を CMOSシリーズレギュレーターの XC6202 で 3.3V に落とし、各部へ供給するようになっています。この気圧計は大半の期間は CPU がスリープしていて、その時の消費電流は数μAなので、シリーズレギュレーターの消費電流は電池寿命に大きく効いてきます。

この気圧計を作った時は、CMOSシリーズレギュレーターに関する知識があまり無くて、手持ちの中から適当に選んだのが XC6202 でした。今から見直すと、そんなに悪い選択ではなかった感じですが、世の中にはもっと消費電流の少ないレギュレーターが存在します。そういうことを知ると、消費電流の少ない物に交換して電池寿命をより長くしてみたくなります。

ちなみに、この気圧計の CPU がスリープ状態の時の消費電流を振り返ってみると、こうなっています。
 ・2017年5月:34μA (CPU:27μA, LDOほか:5.5μA) DelayWDT関数使用
 ・2018年5月:14.4μA (CPU:8.9μA, LDOほか:5.5μA) DelayWDT2関数に変更

気圧計として動かすためには、上記に加え気圧を測定して針を動かすための消費電流が必要です。でもこっちは数分間隔の間歇動作だけで良いので、平均値としては 6μA程度に過ぎません。つまり消費電流の大半はスリープ中に使われています。

◆シリーズレギュレータを交換するか
シリーズレギュレーターをもっと自己消費電流の小さな物、出来れば 1μAクラスの物に交換すれば、あと 20% くらいは電池寿命を延ばすことが出来そうです。

これ面白そうな話です。ただ、今でも十分省エネなので、ここからあと20%程度消費電流が減ったとしても、あまり効果が実感できない可能性が高そうです。手持ちのシリーズレギュレーターの消費電流を実測してみて、結果が良ければ入替えを考えるのが良さそうです。

◆まとめ
この気圧計は約 2年前に作った物ですが、いろいろと電子工作のネタを提供してくれます。もしこれを作らなかったら、こういう話は出てこなかった訳で、実際に物を作って使ってみることは大切だと思います。

あと、機械式の表示なんて時代遅れとよく言われます。でもこれ、待機時の消費電力はゼロだし、視認性も優れているので、気圧のようにゆっくりと変化する値を表示させるには、優れたデバイスだと思います。ちなみに、同じ性能(消費電流、視認性)の物を液晶で作ったらどうでしょう。たぶん液晶が負けるような気がします。
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