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水槽用の化学反応式 CO2 供給装置のポンプのメンテナンス

◆まえがき
3年前に作った、水草水槽用のCO2ガス供給装置からガスが出なくなってしまいました。安物のポンプを使っているので寿命が来たのかなと思ったのですが、分解して見るとポンプ自体はまだ大丈夫で私の組み立て方に問題があったようです。

ということで、この顛末についてまとめておきます。

なお、この装置については 「水草水槽、アクアリウム」のカテゴリに関連記事をまとめています。興味のある方はご覧ください。

◆外観
CO2供給装置
右側の箱がガス供給装置(兼照明コントローラー)です。発生ガスの圧力をグラフで表示しているので、不調になったことはすぐに判りました。

◆分解調査
・ポンプとモーターを分離
ポンプとモーターを分離
モーターのシャフトに茶色の異物が付着しています。なお新品の時の状態はこちらの記事を参照ください。当然ですが、シャフトはつるピカです。

・チューブ
チューブポンプ内部
かなり潰れていますが、まだ復元力はありそうです。(本物だったら)チューブポンプ用の特殊なチューブが使われているはずです。

・遊星ローラー
遊星ローラー
茶色の汚れがいっぱい付着しています。このローラーはモーターシャフトとの摩擦で駆動される仕掛けになっていて、ここが汚れていたら正常に動かなくなる可能性が高いです。ちなみに、1回のCO2ガスの発生のためのモーターの駆動時間は20mS程度と短いため、ちょっとでも引っ掛かりがあるとローラーが動かない可能性が高くなります。なお、マニュアルモードでモーターを回した場合は送液されました。

・分解
チューブポンプ分解
あちこち汚れています。

・接続部から液漏れの跡
接続部からの液漏れ
写真が見づらいですが、チューブの接続部から液漏れし、それが乾燥して緑色の結晶になってこびりついていました。微量に漏れたクエン酸の溶液が、チューブの接続部の補強のために巻いてあったすずめっき線と反応したのだと思います。
ここから漏れた液はポンプ部まで流れて行き、モーターシャフトやローラーを汚してしまったのだと思います。

◆新品時の状態
・ポンプの購入時に撮影した写真です
ポンプとモーターを分離
チューブポンプの構造と特性測定の記事(2018/8/24)に掲載した写真です。

当然ですが、綺麗です。チューブの接続部を金属ワイヤで縛ってありますが、ここから液漏れしたようです。つまり、今回の問題は3年前のこの時に仕込まれていたことになります。
ジョイントのタケノコに対してチューブのサイズが大きすぎたので、外側からすずめっき線で締め付けておいたのですが、それではダメだったということです。

◆処置、組み立て
温水で洗って綺麗にして、再組立てました。
チューブは潰れていたので、軸方向に90度回転させた向きに入れたかったのですが、強くクセが付いていてそういう方向に入れることは出来ませんでした(無理して入れてもくるっと回って元の向きに戻ってしまう)。ということで、ループの向きだけ逆にして入れておきました。

今回の問題の原因となったジョイント部ですが、タケノコの上に熱収縮チューブを被せてサイズアップしてから、チューブを差し込み。その後で、Φ0.26のポリウレタンワイヤをテンションを掛けながら何回も巻き付けて補強しました。また接液部にはシリコングリスを塗って漏れ止めとしておきました。

◆まとめ
分解する前は、チューブポンプが故障して正常に動かなくなったんだろうと思っていました。たぶん同じポンプを発注するしかないだろうな。おそらくチューブがダメになっただけだろうから、そこだけ売ってないかな?なんて思っていました。

しかし調べて見ると不具合の原因は配管の接続不良というか、作業ミスでした。私は電気配線には自信があるのですが、難しい配管工事をやっちゃいけなかったということなんでしょうね。実際の工事現場でも電気屋と配管屋は別になっている訳で、餅は餅屋にやらせないといけないということなんでしょう。

水槽用化学反応式CO2発生装置の運転ノウハウなどー続編

このところあれこれ忙しくて、電子工作をやっている余裕が無くなっています。そんなことで書くネタが無いので、水草水槽用のCO2発生装置の話で繋いでおきます。なお、以前にこの装置の運転ノウハウなど、という記事を書いているので、今回のはその続編ということになります。

この CO2 発生装置の運転を始めて半年以上経ちました。CO2ガスの発生部の構造はこの記事のあたりで解説。その間に色々な改良を加えて、内容は逐次記事で紹介してきました。今回は運転ノウハウなど、電子工作以外の話を紹介したいと思います。大きくは、重曹のチャージ方法と、気泡発生用のストーンに関する話の二つです。

◆重曹のチャージ方法
化学反応式では重曹にクエン酸を加えて CO2 (二酸化炭素) を発生させます。そのあたりの話はあちこちの Web に書いてあるので説明は省略します。これを実際に長期間動かしてみると、途中で反応の応答速度がだんだんと落ちてきて、CO2 の発生量が低下する現象が発生します。クエン酸の供給量は一定なので同じペースで CO2 が発生して欲しいのですが、時間が経つと反応が起きにくくなる現象が起こります。

以下重曹ボトルの状態で説明していきます。

▼クエン酸を滴下
20190602StopReaction.png
これは最初にやった状態で、クエン酸を上から滴下しています。この構造だと、クエン酸のボトルに重曹が逆流する恐れが無くなるので安心です。但し、この構造では10日くらいで反応が起き難くなりました。原因は原料や反応生成物の比重差で、材料がうまく混ざらないためだと思われます。機械的に攪拌すれば解決出来ますが、それでは大掛かりになってしまします。

そこで次のように改良しました。

▼J字管を重曹に埋める
20190602StopReaction2.png
重曹のスラリー中にクエン酸の供給パイプを埋め、発生する CO2 の泡で攪拌されるようにしました。

これでかなり良くなったのですが、それでも20日くらい経つと反応速度が低下してきて、クエン酸が注入されているのにもかかわらず、CO2 の泡がほとんど発生しなくなりました。

その状態が右の図です。運転に伴い重曹のスラリー表面には漏斗状の窪みが出来ます。ちなみにその傾斜角は安息角になっているのだと思います。ともかく、その窪みの底が J字管の先端に達すると、気泡による重曹粉末の攪拌現象が起きなくなってしまうようです。

▼J時間の先が露出した様子
20190602IMG_8791-001.jpg
これは実際の容器の様子で、見づらいですが、すり鉢状になった重曹スラリー底にJ字管の先が見えています(黒く見えている部分)。こうなると反応の応答速度が落ちてしまいます。

これでは制御の応答速度が悪くて、朝になって CO2 の発生を開始してもなかなか圧力が上がらない、などの問題が発生します。

ということで、改良したのが次の図です。

▼重曹の量を思いっきり増やす
20190602StopReactSolution.png
重曹の量を思いっきり増やして、長時間運転しても J字管の先が露出しないようにしました。この状態にしたのは、1週間くらい前でまだ効果の確認まで出来ていないのですが、たぶんうまくいくと思います。

反応に必要な重曹とクエン酸の量は、反応式から正確に求めることが出来ます。でも現実には、上記のような現象が発生するので、重曹はかなり多めにチャージしておくことが必要ということです。余分に入れた重曹は、いわゆゆる「死に容量」になってしまいますが、まあ安いから問題無いと思います。重曹ボトルを再チャージする時は上澄み液だけ捨て、そこに適当に重曹を補充するだけで済みます。

要は、重曹をいっぱい入れておいて CO2 の発生量はクエン酸の注入量で決まる状態にしておく。更に重曹はJ字管の先が露出しないようにたっぷり入れておくということです。

▼重曹の入替え(補充)作業
20190602IMG_8795-001.jpg
量は適当で良いといっても、一応 「はかり」 で計量しながら補充しています。ちなみに重曹はダイソーで 500グラム入りが 108円で手に入ります。

▼補充後のボトル
20190602IMG_8796-001.jpg
左が重曹のボトルで、ご覧のように重曹がたっぷり入っています。一方で水は重曹の上、約10mmくらいの深さになる量しか入れていません。ちなみに、その右がクエン酸のボトル。右に少しだけ見えているのは、900cc のペットボトルです。ここにクエン酸溶液をまとめて作っておいて、すぐに使えるようにしています。

化学反応式では圧力が低いのでストーンは重要です。いろいろ試行錯誤した結果、良さそうな物が出来たので紹介します。構造としてはメラニンスポンジ(激落ち君)をシリコンチューブに詰め込んだ物です。但し先端を下図のような形にカットします。

▼自作CO2ストーン
20190602StoneMeranin.png
要は、先端角が約120度になるように四角錘(ピラミッド状)にカットします。この図では先端が平らになっていますが、実際にはててっぺんをカットしなくても、自然に鈍角になります。

ストーン中の気体は少しでも圧力の低い所、つまり水深の浅い場所からから出て行こうとします。この図のような形にしておくと、気泡はストーンの先端から出るようになって、細かい気泡が安定して出るようです。ちなみに、ここをスパッと輪切りにすると、チューブとメラミンスポンジの境界から泡が出ることが多くなり、大きな泡になり易かったです。

ちなみに、スパッと切ったストーンの製作記事はこちら

▼気泡の発生状態
20190602IMG_8804.jpg
いい感じです。1ケ月以上経ってますが、細かい泡が出続けています。

◆まとめ
ということで、水草水槽用の化学反応式 CO2 添加装置の運転ノウハウでした。ちなみに、この CO2 添加装置は一回チャージすると40日くらいは動き続続けるので手がかからなくて具合が良いです。

製作した CO2 発生装置には下の写真のような圧力のグラフ表示機能があります。
圧力変化グラフ
運転しているといろいろな要因で圧力が変動します。ということで、グラフ表示があると状態が把握し易くなります。

水草水槽用CO2供給装置の改良 (V3.02)

以前から少しずつ改良している水草水槽用の CO2発生装置の話です。前回の記事では夜間の CO2 の発生を、圧力センサーを使った最低圧力維持モードに変更したのですが、圧力グラフの表示は別の CPU とディスプレイで行っていました。これではハードがもったいないので、全部の機能を一つにまとめることにしました。

つまり、水草水槽用CO2供給装置の夜間運転プログラムの改良と、水草水槽のCO2圧力変化をOLEDにグラフ表示の内容を一つの回路とソフトにまとめました。

▼完成状態の外観
水草水槽とCO2発生装置
外観はほとんど変わっていません。箱の右上に付いている表示が、液晶から 0.96インチのグラフィック OLED に変わったのが外観上の唯一の変化です。

▼回路図 (クリックで別窓に拡大図)
水槽用CO2発生装置の回路図
表示デバイスを信号レベル 3.3V の OLED に変更したので、I2C インターフェイスは Q3, Q4 で構成するレベル変換回路を通すように変更しました。なお、5V-3.3V 間の I2C インターフェイス回路の作り方にはいろいろな方法(考え方)がありますが、24 時間連続運転するので、一番安全な回路にしておきました。なおこれは、この記事の対策-4 FETレベル変換外部バイアス付きの方式になります。

▼表示パネル取り付け状態
表示・操作パネル裏面
裏側から見た OLED と操作スイッチです。ご覧のように OLED と CPU は長めのケーブルで接続しています。

◆プログラムはこちらー>スケッチ:20190506Co2PumpDriveV302.txt (拡張子は.txtになっています、またshift-JISエンコードです)

主な機能は、
1) CO2 ガス発生のためのポンプ駆動機能。昼間はガス発生量一定モード、夜間は最低圧力維持モードで運転。
2) 圧力変化グラフ表示機能があり、フルスケール 30時間と 25分レンジの切り替えが可能。両方のレンジのデーターを記録しているので、瞬時に切り替え表示が可能。
3) 過去 6日分の昼夜別のショット数を表示。
4) 運転パラメーター設定の OLED画面対応。

1) 項の機能は既に完成していたので、ここに2)から4)項の機能を詰め込むのが今回の改造作業でした。特に2)項では 2種類のグラフ作成用のデーターを保存しておく必要があり、これだけでメモリーを 400バイト使う (2チャンネルx100点x2バイト) ので、残りRAMの容量がギリギリでした。3)項のデーターは随時(ボタン操作があったタイミングなど) EEPROM に保存しているので、電源を切ってもある程度のデーターが残るようになっています。4)項は OLED 画面から対話式に値の入力が出来る機能なので、別のアプリにも流用可能だと思います。

以下、画面表示の様子を見て行きます。

▼圧力変化グラフ (30Hr レンジ)
30時間の圧力変化グラフ
フルスケール 30時間のモードです。縦軸の値はmmAqで、目盛りの値はデーターに応じて自動的に変化します。このスケールでは、昼夜の圧力変化の様子がよく見えます。また、30時間分表示するので、1日前の状態との比較が容易です。

▼圧力変化グラフ (25min レンジ)
25分の圧力変化グラフ
フルスケール25分のモードです。このスケールでは、間歇的に発生させている CO2 の圧力変化の様子を見ることが出来ます。水槽のストーンなどをいじった後の圧力変化の確認にも便利です。

この写真は昼間のグラフなので圧力が一定間隔で変化しています。夜になると圧力が目標値(ex:100mmAq)を下回った場合だけ圧力が上昇するような波形に変わります。

▼ショット数ログ
ショット数履歴
過去6日分の昼と夜のショット数の記録です。夜間はショット数/圧力チェック回数の値を表示します。夜間の圧力維持のためのショット回数の変化が判るので便利だと思います。なお、この CO2供給装置は太陽時計算に基づく昼夜タイマーで運転しているので、昼夜のショット数の配分は季節によって自動的に変化します。

◆このシステムの説明動画

あれこれ文章で書くより、この動画の方が判り易いと思います。

この動画は OpenShot Video Editor で編集し、文字は今回初めて Inkscape で作ったのですが、文字サイズが小さすぎでした。また、Inkscape で作ったフチ文字が OpenVideoEditor で WISIG に表示されなくて困りました。まだまだ修行が足らないようです。

◆まとめ
今回の改造でほぼ完成形になったと思います。(同じことを以前にも書いたような、、、)

化学反応式の CO2発生装置をこれまで数ヶ月間運転してきていろいろな現象を経験しました。薬品をチャージした時点と運転の末期では圧力の変化のカーブが変わってきます。また、ストーンの状態によっても圧力は変わるし、配管にリークがあれば圧力は急落します。そんなことで、圧力グラフがあると状態の把握が確実に出来て便利です。というか、圧力グラフ無しで化学反応式のCO2発生装置を運転するのは、ちょっと無理がある気さえします。
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