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水陸両用ラジコン W-DRIVE プラス アリゲーターII (CCP社) の修理

一連のおもちゃ修理の記事の最終回、前回に引き続きまたラジコンカーの修理の話です。

▼W-DRIVE プラス アリゲーター II
ラジコンバギー
"Amazonのこの商品のページはおそらくここ。CCP社のトイラジコンです。

大きな車なのですが、それに加えて無駄にタイヤが大きいですが、調べてみたら水陸両用ラジコンだそうです。大きなタイヤの浮力で水に浮くということみたいです。

症状は、ペアリングが出来ないので全く動かないとのことです。
自作の電波チェッカーで調べてみると全く電波が出ていません。となると、まずはコントローラーが怪しいです。

▼コントローラー(表)
コントローラー(表)

裏面
コントローラー(裏)
技適の表示ラベルが貼られています。またペアリングの詳しい手順が書いてありますが、これ重要です。
アンテナが外に出ていなくてペアリングとか言っているので、これは 2.4GHz のラジコンなのでしょう。

▼コントローラー内部
コントローラー内部
部品は最小限で、プリント基板にコントローラーのモジュールが乗っているだけです。

▼前進/後進レバー
前進/後退レバー
スイッチではなく5kΩの可変抵抗が使われていて、動作範囲は+30度程度です。前進/後退のパワーをプロポーショナルにコントロールできるようです。なお、左右のステアリングはスイッチなので、最大舵角で向きが変わるだけの動作です。

回路の電圧をテスターで追ってみると、約0.5秒間隔で電圧が振れていました。なんだか良く判らないので、回路図を書いてみました。

▼回路図
2.4GHzラジコンバギー回路図
操作レバー(スイッチ)のインターフェイスから信号のエンコード。さらには送信までの全ての機能を XQ-2.4G01 というモジュールで行うようになっています。

オシロで調べてみると、電源スイッチの先の回路は3Vと2Vの状態を約0.5秒間隔で繰り返していました。電池の電圧は3Vですが、回路が0.1A程度を間欠的に消費しているために、R1の10Ωによる電圧降下で回路全体の電圧が上下する、という状態になっているようです。

こういう動作になる理由が良く判らないので、RFモジュールを外してみました。

▼RFモジュール 表面
RFモジュール表
16MHzの水晶が付いています。アンテナへの配線はラダー回路で構成されたLPFになっている感じです。

裏面
RFモジュール裏
シルクで AllinONE V1.3 2016/03 27L31 という表示がありました。また、信号ピンの名前の表示もがありました。上の回路図にはこの名前を記入しました。

RFモジュール単体で電源を入れても、0.5秒間隔で消費電流が増減する現象は変わらないので、このモジュールが動作不良の原因であることは間違いありません。なお、安定化電源を使い、CV=3V, CC=100mAの条件で電源を供給しました。

◆調査を行った手順
実体顕微鏡ではんだ付け部を点検し、怪しそうなところはハンダゴテを当てて再はんだ付けを行ってみましたが状態に変化はありません。そもそも樹脂でポッティングされている面積が多く、たいした点検は出来ません。基板内の断線や接触不良を疑ってひねるような力を与えても状態は変わりませんでした。

水晶の端子をチェックすると、間欠的に16MHzで発振していることが確認できたのでクロックは発振しているみたいです。

打つ手が無いので、念のために水晶を外してみたのですが、特に異常は認められませんでした。

最後に水晶を元通りに戻してみると、電源電圧の間欠的な変化が止まっていて消費電流がものすごく減っていました

うぉ、これはひょっとして直ったか、とモジュールを元の場所にはんだ付けしてみると、故障は直っていました。念のために電圧の下がった電池(1.1V程度)を入れても正常動作していました。

◆故障原因の推定
以上のような経緯で、故障原因の特定が出来ていません。何が起きていたか推定(想像)すると、
1)水晶の発振不良で起動に失敗、WDTが働いてリセットを繰り返す。
2) COB の中で何かが起きていた。
3) CMOS のラッチアップ?(ラッチアップなら電源切らないと脱出出来ないはずだから、これは無い?)
4) 基板上の接触不良。

1) 項が原因で、もし内部で水晶の振動子が脱落していれば今回のように回復しないと思うのですが、異物が付着した程度の問題だったら直っちゃうのかも知れません。(=再発の恐れも)

▼念のためにパスコンを追加しておいた
パスコン追加
電源電圧に0.1Vくらいのリップルが乗っていました。これはスロットルの位置検出の周期と一致しているので、その影響だと思います。そういうノイズが乗っているのは気持ち悪い、というか誤動作の原因になりかねないので、電源間に100μFのコンデンサを追加で入れておきました。(上の写真の金色の電解コンです) なお、これを入れると電源スイッチOFFした時の残留電荷を抜く速度(R4との時定数)が遅くなるので要注意です。

◆前進/後退レバー
このラジコンはトイラジコンには珍しく前進/後退がプロポーショナル制御になっています。そのためのコントローラーの信号がどうなっているかを調べてみました。

▼可変抵抗の両端の信号波形
スロットルピンの波形
上がB(Back)で下がF(Forward)です。

波形から動作を推定すると、B側から矩形波パルスを入れ、可変抵抗と0.47μFの時定数で積分した結果をF側に入力している感じです。F側にはコンパレーターがあって、一定電圧になったらチャージをリセットという動作になっているようです。可変抵抗の値でパルス幅が変わるので、その時間をマイコンで測定してスロットルの量に変換しているのでしょう。なおパルス幅は約1msで周期は約27msで、周期はパルス幅が広がるとその分だけ伸びるようになっていました。つまりPWMとPFMを同時にやっている波形になっています。

前進/後進のスロットルは中央付近にニュートラルゾーンがある感じでした。たぶん電源投入時の抵抗の値をセンターとみなし、前後何割かの範囲はニュートラルとするようにソフトで自動キャリブレーションしているのだと思います。ちなみに、ペアリングは後進いっぱい、つまり可変抵抗をゼロΩの状態にします。正確には一旦ゼロΩにした後で中立に戻すことでペアリングが完了し、前輪が左右にステアしてペアリングの成功を知らせるシーケンスになっています。

◆まとめ
動かなかった原因はこれだ!と特定出来ていないのが残念ですが、ともかく故障は治ってしまって再現しないのでこれ以上の調査は出来ません。ということで、このままお返しすることにしました。なお万一故障が再発したら、おもちゃ病院へ持って来ていただくように断り書きを付けました。

電源に直列に入っている10Ωの抵抗が無ければ電圧の低下は少なくなるので、ひょっとしたら今回のような故障は起きなかったかも知れません。ただ、この抵抗はヒューズ代わりに入っている感じなので、外す(ショートして無駄な抵抗にする)のはちょっと問題かもしれません。

2.4GHz のラジコンで送受信機が故障している場合、技術力のあるおもちゃ病院さんではPICで作った送受信モジュールに載せ替えなんてことをやられています。私はPICを扱う能力も環境も無いのでそのあたりは歯痒いところです。

ラジコンカーのモーターブラシの修理

一連のおもちゃ修理の話の2件目です。今回はラジコンのモーターの修理を行いました。

▼ランドクルーザーのラジコン
ランドクルーザーのラジコン
かなりサイズの大きなラジコンです。(床のフローリングの幅ピッチは約95mmです)
症状としては操舵は出来るが、前後進しないというもの。

電波チェッカーで調べると、コントローラーからはちゃんと電波が出ているので、車両側に問題がありそうです。なお電波の周波数はたぶん27MHz帯だったと思います。

コントローラーを前進(後退)にして車輪に触るとかすかにモーターが回ることがあるので、ブラシがやられている感じです。

▼内部
ランドクルーザーのラジコンの内部
分解して後輪を外した状態です。後輪はホイールのセンターキャップの奥にあるビスで固定されていました。このセンターキャップを抜かないとビスが回せないのですが、キャップは固く圧入されていて簡単には抜けませんでした。仕方ないのでセンターキャップにφ2の穴を開け、そこに針金をL字状に曲げたものを突っ込んで引き抜きました。

▼リアアクスル
リアアスクル
モーターと一体構造になっていて、全体がバネで支えられてサスペンションを構成しています。リジットアクスルと言うか、電車なら「つりかけ式」という感じです。

▼デフギアの歯車
リアデフの歯車
ちゃんと遊星歯車を使ったデフが付いています。

モーターを分解していきます。

▼モーターのブラシ
破損したモーターのブラシ
予想通りブラシがやられていました。
真っ直ぐなはずのブラシが途中で45度くらい外側に曲がっています。また、ブラシ自体も溶けて部分的に無くなっていて、元の幅の30%くらいしか残っていません。これでは動かなくても当然です。と言うか、よくぞこんなになるまで遊んでくれたものだと感心しました。

▼整流子の虫食い欠損
整流子に虫食い摩耗
激しく火花が飛んでいたのでしょうか、整流子の端が虫喰い状に欠損しています。ただ、少し性能は落ちるでしょうが、まだ使えそうな感じです。

このモーターの電圧は6Vですが手持ちに同じものはありません。そこでジャンク箱の中から同じような寸法のモーターを引っ張り出してきて、ブラシだけ移植することにしました。

▼ドナーのブラシ
ドナーのブラシ
左がドナーのリア側の軸受けとブラシです。このままアセンブリで使えると良いのですが、モーターの全長が少し長くなってしまって、ギアボックスに入らなくなること、およびプラ軸受けであること(元はオイルレスメタルの軸受け)で、このままアセンブリで使用することは断念しました。

ということでブラシだけ外して移植することにしました。

▼ブラシの移植完了
交換後のブラシ
本来なら、ブラシはハウジングに爪で固定されるような構造になっています。しかし別の部品を組み合わせたので爪が掛からずそのままでは固定されません。そこでエポキシ接着剤で固定しました。

この後で、ブラシと整流子にはドナーからグリースを拝借し、塗りたくっておいて組み立てました。

◆まとめ
これでちゃんと動くようになりました。デフ付きなのでカーブをスムーズに曲がっていきます。

この車の操舵角がかなり小さいのが気になっていました。しかし動かしてみるとかなりのスピードが出るので、舵角が大きいとコントロールが難しくなるのかも知れません。

モーターのブラシ交換なんて小学生の頃にやった記憶がありますが、それ以来のことで良い経験でした。整流子モーターは判り易くて好きです。

▼無水エタノールとアトマイザ
無水エタノールとアトマイザ
コロナウィルスの影響で無水エタノールが手に入り難くなっているようです。

うちでは工作などの作業に無水エタノールをよく使っています。特にこのラジコンは内部がすごく汚れていたので、アトマイザを使って各所のクリーニングにいっぱい使いました。また、モーターのブラシの移植作業では、付着しているグリスを落とすために、小皿にエタノールを入れてじゃぶ漬けして洗浄しました。

今頃になって思うと、消毒用のアルコールが手に入らなくて困っている人がいっぱいるのに、もったいない使い方をしていたもんです。このような状況からできるだけ早く脱出したいものです。

アンパンマンのレジスターの修理

2月22日に開催されたおもちゃ病院で、私の担当したおもちゃの中で他の参考になりそうな修理の事例を3件ご紹介します。

1件目はアンパンマンのレジスターです。

▼アンパンマンのレジスター
アンパンマンのレジスター
正式名称は「アンパンマン おみせでおかいもの スキャンでピッピ!アンパンマンレジスター」のようです。
Amazonの販売ページはおそらくこれ

おもちゃのレジスターは人気があるようで、いろんなタイプの物があり、おもちゃ病院に持ち込まれることが多いです。最近の記事だと、こんなものがあります

症状はPOSのレーザースキャナに商品をかざしても反応が無い、というものです。

本物のレーザースキャナーならすごいのですが、実際には遮光スイッチになっていて、商品をかざすことで検出を行い、値段は乱数で付けているようです。商品を検出した場合は読み取り部の窓が赤く光って、レーザー光で検出しているような雰囲気を演出しています。

検出用の赤外光は下から上向きに出ていて、デジカメで見るとLEDが光っていることが確認出来ました。そうなると受光側が怪しいので分解して確認します。

▼操作パネルの裏側
内部基板
紙フェノールの片面基板に回路が実装されていました。

▼基板の実装面
基板全体
COBなどの部品にスイッチの接点、それに液晶用のコネクタがあります。

▼検出回路部
光りセンサ回路部
光センサーの回路はこのあたりです。赤い矢印で示すQ1はLEDのドライバで、その下のQ2がフォトトランジスタの信号を受ける回路になっていました。

▼センサーの回路図
光センサの回路図
LEDの光をフォトトラ(フォトダイオード?)で受けて、Q2のトランジスタ(1AM)で増幅してCOBのチップに伝える回路になっていました。LEDの光量はCOBから制御されていて、待機時は最大光量。商品で遮光されると一定時間(しゃべっている時間)は光量を下げるような制御が行われているようです。

この回路だとR14から電流が流れ込まない場合は、Q2のベース電位が定まらなくて気持ち悪いです。実際にも、光が当たらない場合はハイインピーダン状態になってAC電源からの周り込みが発生していました。実は基板にはベースからGNDへ接続される抵抗(R12)用のパッドが用意されているのですが、実装しなくても大丈夫と判断したのでしょう、この抵抗は省略されていました。

上記の動作が判ったのは実は修理後の話。故障原因の調査をしている時点では、入力不足(光量不足)でQ2がONにならない状態になっていて、何でだろう?と思って調査を進めました。

▼受光部の構造
受光センサ
下向きに光の検出センサー(フォトトラ or フォトダイオード)が取り付けられています。

こういう場合の対処方法としては、LEDの駆動電流を上げてやるのが簡単です。そんなことで、LEDの電流を測ってみたのですが、流れていた電流は約21mAでした。これは一般的なLEDに流せる電流の上限なので、これ以上電流を増やすのは危ないです。

となると、受信回路のゲインを上げる手が考えられます。トランジスタをもう一つダーリントン接続で追加すればゲインが大幅に上がります。でもこれ、配線がちょっと面倒です。それにむやみに感度を上げるとちょっとした外光も拾ってしまって、誤動作することも考えられます。

あと、こういう対策は受光回路のトランジスタの特性が劣化した、と言っているのと同じですが、このような小信号用のトランジスタの特性(Hfe)が劣化する可能性は極めて低いと思います。

そんなことから、話は元に戻って、光量を上げる対策の方が安全です。そこで、LEDを手持ちの物(赤外の15度タイプ)に変えてみました。なお、元は3MMのLEDでしたが、手持ちの関係で5mmの物に交換しました。これで問題があるようなら、赤色の樹脂で埋め戻して、φ3mmの15度の赤外LEDを手配して取り付けようと思います。その場合は、部品代+送料で結構な費用がかかってしまいます。(部品代は実費を頂いています)

▼赤外LEDの交換
LED交換
元のLEDは小さな基板(写真の茶色の基板)に載っていて、その基板をネジ止めする方法で取り付けられていました。しかし、それでは光軸をぴったり合わせることは出来ませんでした。そこで、オシロでセンサーの信号レベルを見ながらLEDの位置と回転角を調整し、最高感度になる位置でホットボンドで接着することで固定しました。

ちなみに、信号レベルのモニタはフォトトラのエミッタのポイントで行いました。ここの電圧レベルはQ2のベース電圧(約0.6V)にR14の抵抗で引っ張られるので、光が無しの状態では最大0.6Vで、光が入っても0.7V程度までしか上がらなかったので、ちょっと調整がやり難かったです。ちなみにΔVが0.1Vだったということは、ベース電流は0.1V/150kΩ=0.7μAということになるはずです。

◆まとめ
以上のような処置でこのおもちゃは正常に動くようになりました。

ちょっと気になったのはLEDの光量が本当に落ちていたのか?という点です。そこで、取り外したLEDと新しく交換したLED(と同じ袋には入っていたLED)を光らせてみて明るさを比較してみました。

▼LEDの光量比較
20200301R0025166.jpg
左が元のLED、右の大きいのが交換したLEDです。両者は直列に接続したので同じ電流が流れていますが、明らかに元のLEDの方が暗いです。

これが最初から暗かったのか、あるいは劣化することで暗くなったのかは判りませんが、ともかくLEDを交換することで読み取り不良の対策になったことは確認できました。

注意:iPhoneのカメラは光の波長フィルタが良く利いているようで、赤外光は検出出来ませんでした。(自撮りカメラの方はOK)
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