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テレビ用サブウーファーの改造、最終回

◆まえがき
先月にジャンクのサブウーファーをテレビで使えるように改造しましたが、アンプが入っていたプラスチックケースは外さないで残したままでした。しかし、それでは箱の容積がもったいないのでこのケースを撤去することにしました。また、接続端子も埋め込み型にして出っ張らないように改良することにしました。

・今回の改造前の状態
改造前、アンプケース
灰色の箱がアンプが入っていたプラスチックのケースです。この箱の容積だけスピーカーボックスの容積が減っているのが気に入りません。

◆バスレフの共振周波数
アンプケースを取り外すとスピーカーボックスの容積が増えてバスレフの共振周波数が下がります。そうなると、音響の専門メーカーであるONKYOがチューニングした状態から外れてしまうのが気になります。

そこで、どれくらいの変化になるのか、バスレフの共振周波数の計算サイトを使わせていただいて調べてみました。ダクト内径Φ70mm、ダクト長280mmの条件で計算しましたが、その結果は、

・改造前
 スピーカーボックス内寸:300 x 200 x 271 (mm)、容積:16.26リットル
 共振周波数:48.0Hz
・改造後
 スピーカーボックスの内寸:300 x 200 x 336 (mm)、容積:20.16リットル
 共振周波数:43.1Hz

バスレフの共振周波数が 4.9Hz下がるという結果でした。共振周波数は容積の逆数の平方根に比例して変化するようです。

特に根拠は無いですが、これくらいの差だったらまあ良いかという気がします。それに、少しだけですがこれまでより低い周波数まで再生出来るのは悪い話では無い気がします。

ちなみにバスレフのダクトを短縮すれば共振周波数を変えないようにも出来ます。ただ、このダクトはかなりがっちりと作られているので改造するのは大変そうです。そんなことで、今回はこのダクトには手を付けないことにしました。

◆改造
以下、改造の様子を写真で振り返ります。
・改造前の後部パネル
改造前
後面は2mmくらいの黒いアルミ板で、アンプのツマミなどが付いていたのを全部撤去した状態なので穴がいっぱい開いていてちょっと不思議な外観になっています。なお、この穴の後ろはプラケースで塞がれています。

スピーカーの接続端子が表面から直接出ているので、何か当たると壊れそうです。(ガード用に木片を接着しています)

・後部パネルの改造
新旧後部バッフル
左が取り外したアンプケース。右は改造した後面パネルで、そのままでは穴がいっぱい開いており、また強度(質量)不足なので15mmのMDFの板を取り付けました。

・MDFの板
後部バッフル代わりのMDFの板
MDFの板とアルミ板は木ネジで固定し、ビビリ防止のために木工ボンドで接着しました。この写真はMDFを接着する直前で、木工用ボンドを適当に絞り出した状態です。ちなみにこの木目柄のMDFは家具の不要になった棚板から切り出した物で、厚さは15mmです。

・スピーカー端子
埋め込みスピーカー端子
角穴を開けてその中に埋め込みました。

・完成まであと少し
取り付け前
スピーカーボックスの中に見える白い横木は今回追加した補強材で、木工用ボンドで接着しています。

裏蓋の合わせ面には厚さ1mmくらいの両面テープ付きのスポンジをパッキンとして貼り付けました。なお、再分解できるように、両面テープの表面の剥離紙は剥がさないでそのまま残しています。

・完成
完成
ただのスピーカの後面としては変な外観ですが、見えない場所なのでこれで良しとしました。DENONの銘板がそのまま残っているので素性が判って良いかも知れません。

◆まとめ
先月始めたスピーカーの改造ですが、ようやく完成しました。

バスレフの共振周波数が少し下がったことによる音質への影響はほとんどありませんでした。ソースによっては低音の響きが少し深くなった感もありますが、まあ気のせいでしょう。

年を取ると高い音が聞こえなくなりますが、低音はちゃんと聴こえるのでその音質を評価することができます。そんなことで、シニアには、このような低域まできっちりと再生出来るスピーカーを付けることによる満足度は大きいと思います。昔オーディオファンだった方にお勧めしたいアイテムです。

ジャンクのサブウーファー (DENON DSW-33XG) をテレビ用に改造

◆まえがき
以前、テレビにサブウーファーを追加したのですがその音に不満を感じるようになってきました。具体的には低音の特定のピッチの音が強く出るのが気になります。もちろんサブウーファーが有るのと無いのとでは迫力が全然違うのですが、気になると何とかしたくなります。

そんなことを考えていたら、ハードオフのジャンクコーナーに手頃なスピーカーを発見。こりゃ良さそうだと考えて買ってきました。

◆ハードオフ
・手頃なサブウーファー
ハードオフのDSW-33XG
DENON の DSW-33XG というサブウーファーでジャンク価格の2750円。スピーカーは底面に付いているので見えませんが、指先で探った感じではコーンやエッジが破れたりはしてない感じです。

・簡単な動作チェック
動作テスト
店内のチェックコーナーで通電確認。ボリュームにガリはあるけど、入力端子に触ると綺麗なハム音が出るので致命的な問題は無さそうです。そんなことで購入決定。

◆外観
家に持ち帰って清掃しながら各部の点検です。

・全体
DSW-33XG
光沢塗装された立派なスピーカーで重さは11kgくらいあります。傷が多いのが残念ですが、もし無傷だったらこの値段では売ってなかったと思います。ロットNo.から推定するとたぶん2006年製。
メーカーの資料:DENONのDSW-33XGのページ

・背面
DSW-33XG
出力110Wのアンプ入り。オートスタンバイやクロスオーバー周波数の調整など機能満載です。このクラスのサブウーファーは今なら5万円はすると思います。

・消費電力
消費電力
無信号でも消費電力が12.1Wもあります。自動スタンバイになるらしいのですが、いくら待ってもスタンバイにならなかったので待機時の消費電力は判りません。とにかく、こんなに消費電力が大きいのではテレビに付けっ放しにする訳には行きません。ということで、内蔵のアンプは外してスピーカーだけ使うことにします。というか、もともとそういう使い方をするつもりで買いました。

◆分解
・スピーカー
DSW-33XG
底板を外すとスピーカーとバスレフのポートが見えてきます。幸い破損などは無く、状態は良かったです。

スピーカーは16cmで、センターやエッジ内側の補強がしっかり行われている感じ。低音専用スピーカーなのでコーンが重くなっても構わないから剛性重視なんでしょう。

・分解
分解
全部ばらした状態です。(傷つき防止のために箱のエッジの一部にマスキングテープを貼っています)
写真の右上の黒い箱がこの後の記事に何度か出て来るアンプのプラケースです。

・スピーカーユニット
DSW-33XGのスピーカー
16cmのスピーカーです。欲を言えば20cmが付いていると嬉しかったです。マグネットが3個(2段重ね+外側に1個)使われていて磁気回路は強力そうです。

・背面
DSW-33XGのスピーカー
4Ωのスピーカーでした。なお、箱が大きいからでしょうか、防磁シールドは付いていません。

追記:後ろの磁石はキャンセルマグネットのようで、漏洩磁束を減らす効果があるようです。また、これを付けるとポールピースの磁界が強化され、更にスピーカー後部の質量が増えるので音質改善効果があるようです。

・エンクロージャー内部
DSW-33XGの箱の中
吸音材が全く入っていません。ウーファーって吸音材は入れないんでしたっけ?

箱の内寸は 30 x 33.5 x 20cm で、容積は20.1ℓ。バスレフのダクトは内径 7cm x 長さ28cm でした。
但し、この箱の中にアンプの収容ボックス (26.5 x 17 x 10cm 4.5ℓ) が入り込むので、気室の容積は15.6ℓ になります。

この写真に写っている大きな角穴のフランジにアンプを収容する4.5ℓ のプラケースが入ります。つまりプラケースの分だけスピーカーボックスの容積が少なくなっていてもったいない感じです。このプラケースは撤去して、代わりに平らな板で穴を塞げば容積が増えて低音の伸びが良くなるはずです。ただ、バスレフの共振点が下がるので、せっかくDENONがチューニングした状態から外れてしまうのが悩ましいところです。

・アンプ
アンプ部
右から電源、メインアンプ、プリ/制御回路の3段構成になっています。ここにある部品は全部撤去し、黒色の裏板だけ使うことにします。なお、この裏板は厚さ2mmくらいのアルミ板で放熱板を兼ねているようです。

◆改造完了
改造と言っても、内蔵されていたアンプなどを全部取っ払ってスピーカーの端子を後ろに出しただけです。

・スピーカー端子
スピーカー端子を付けて完了
結局アンプが入っていたプラケースはそのまま残しています。というかそれを外すと後始末がえらく大変になります。

・テレビの後ろに設置
設置完了
テレビ (REGZA  55Z740XS) の後ろに押し込みました。外に出して床置きにしても良いのですがとりあえずこの状態で使ってみます。なお、上に乗っているのは録画用のHDDです。

・新旧ウーファー比較
新旧
左がこれまで使っていた物、右が今回の物です。

旧スピーカーは6Ωで今回のは4Ω。そんなことで音量が少し大きくなったのでボリュームを0.7目盛くらい下げて使っています。なおアンプは以前の記事に書いたテレビのUSBコネクタを電源に使ったウーファー用のデジタルアンプで、出力は2.5Wくらいしか出ませんが普通にテレビを見る分には充分な音量があります。

◆まとめ
アンプを撤去しただけで改造らしいことはほとんどやっていないのですが、これを入れた費用効果は大きく、より豊かな低音が出るようになりました。ミュージックビデオや映画はもちろんですが、普通のテレビドラマでも低音の効果音がいっぱい入っています。ちゃんと低音が出るスピーカーを追加することによる効果は大きいです。

ちなみに、5.1chのAVアンプも持っているのですが、切り替えの手間が面倒なので普段はほとんど使っていません。テレビ自体の音を良くしておく方が使い易いと思います。

記事中で触れましたが、アンプが入っていたプラケースはそのまま残しているのでスピーカーボックスの容積が少し無駄になっています。そのプラケースを外して容積を増やす、但し単純に容積を増やすとバスレフの共振周波数が下がるので、その補正のためにバスレフのダクトを少し短縮する。なんて楽しみが残っているのですが、まあやることが無くなった時のチャレンジテーマということで、当面はこのまま行きたいと思います。

※コメント説明用に追記 (写真をクリックで高解像度版を別窓で開く)
・アンプ
アンプ

・基板
基板
左がプリ、右がメインアンプ基板

可変抵抗
可変抵抗。左が音量(A型50kΩ)、右がクロスオーバー周波数調整(B型20kΩ 2連)

テレビ用サブウーハーアンプの製作、完成編

◆まえがき
このところ取り組んでいる、小さなデジタルアンプ(PAM8403)を使ったテレビ用サブウーハーアンプが完成しました。ポップ音対策のためにいろいろな回路を試しその都度記事で紹介してきたのですが、最終的にはもう少し違った回路を採用することになりました。この記事ではそのあたりの話と最終的な実装の状態を紹介します。

これまでの記事
1) テレビにサブウーハーを追加、回路検討編
2) デジタルアンプ PAM8403 のポップ音対策回路の検討
3) デジタルアンプ PAM8403 のポップ音をリセットICで対策

◆回路の検討
上記の記事の 2) 3) でポップ音対策を検討したのですが、残念ながらどちらも完全な対策にはなっていなくて、電源によってはOFF時に小さなポップ音が出ていました。電源OFFと言っても、電圧降下速度や電流をシンクするかどうかで状況は変わるので、あらゆる条件でポップ音が出ないようにするのは大変です。

それでも実用上は支障無かったのですが、どうせやるなら少しでも良い物を作りたいです。ということで、最終的にはスピーカーリレーを使った方式で行くことにしました。白状すると、部品箱を探したら5Vで動く手頃なリレーが出て来た、というのが一番大きな理由です。

◆回路図
テレビサブウーハー用アンプ回路図
上側がアンプの回路で、サブウーハー用に2次のアクティブLPFが入ってます。中点電位を作っているLED1(白色)は330kΩの抵抗でも良いのですが、メインアンプの動作に伴う電源電圧の変動で中点電位が揺すられて超低周波で発振することがあったので、LEDのVfを利用した方式に変えました。

右下がスピーカーリレーの駆動回路で、リセットICを使ってスピーカーの接続を制御しています。動作としては電源ONの約3秒後にスピーカーを接続し、電源断を検出したら直ちにスピーカーをOFFしてポップ音を出さないようになっています。

◆実装状態
サブウーハーアンプ外観
秋月のポリカ―ボネートケースに入れました。私の工作ではこのケースばかり使っていますが、丈夫で無理な加工しても割れないので安心です。

基板の部品面
秋月のC基板を使いました。左上がスピーカーリレーです。

配線面
いつものようにAWG30のETFE線で配線しました。なお普段なら信号は青線、電源は赤線で配線するのですが、切らしてしまったので色使いがでたらめになってます。

◆ポップ音
スピーカー端子の電圧をオシロで観察しました。
・ON時
ON時ポップ音
耳には聞こえないのですが、オシロで見ると50mVくらいのスパイク波形が出ていました。

・OFF時
リレーを使ったのにかかわらず、残念ながらスピーカーからポッと小さな音が出てしまい、完全なポップ音対策は出来ませんでした。
OFF時ポップ音

波形は上の写真のようになっていて、最大で0.33Vの振幅がありました。前の記事の対策では振幅は0.13Vだったので、単純に波形を比較すると悪くなっています。なお、何も対策しないとピークで1.7Vくらいの電圧が出ます。

ただ、この波形はスピーカーの電圧を測っていますが、リレーの接点の後の電圧を測っているのでこの波形がそのまま音になる訳ではありません。音量はスピーカーに流れる電流で決まるはずですが、この波形が出た時にはリレーがOFFになっていて電流は流れないはずです。そんなことで、この波形が全部ポップ音になる訳では無いと思います。

ちなみに、この波形は振動しながら減衰してますが、その周期は約23msとなっています。たぶんこの電圧変化はスピーカーのボイスコイルの振動で発生しているのだと思いますが、そうだとするとスピーカーボックスを含んだ系の振動周波数を測っていることになるはずです。つまり低域共振周波数(f0)を反映しているはずで、値を計算すると 1/23ms = 43.5Hzとなってもっともらしい値が出て来ます。  

◆テレビへ取り付け
背面と接続状態

完成したアンプをテレビ (REGZA 55Z740XS) に取り付けた状態です。アンプの電源はテレビのUSBコネクタから取っているので電源が連動します。アンプは、テレビの裏にある壁面取り付け用のネジを使って紐でぶら下げておきました。

◆まとめ
約半月がかりで取り組んできたテレビへのサブウーハーの取り付けですが、これでやっと完成にこぎつけました。アンプいじりは電子工作の原点みたいなものなのでやってて楽しいです。3Wもない非力なアンプですが、自宅のリビングで使うなら十分な音量が出ます。

これでよく伸びた低音が出るようになって満足です。実は、こんなことやらなくてもAVアンプがあるのでそっちを使えば良いのですが、操作が少し面倒です。ということで、テレビ自体の音質を良くしておくのも悪くないと思います。

アンプのOFF時に小さなポップ音が出るのですが、このテレビはリモコンで電源を切っても実際に電源が切れるのは数分後です。また普段はタイムシフト録画をやっているので実際にUSB電源が切れるのは深夜誰もいなくなってからです。そんなことで実はOFF時のポップ音は問題にならない、と言うか実は聞いたことがありません。

【追記】
コメントでミュート時にリレーのB接点を使ってスピーカーをショートしてみれば?というアドバイスを頂いたので早速やって見ました。比較用に同じ条件でスピーカー端子の波形を見たものを示します。
SPショート無し SPショート
左がスピーカーのショート無し、右がショート有りです。
ウーハーから出る音は、左がポ!、右がパ!と言う感じ。どっちでも良いけどエネルギーが少なくなる右にしときます。

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