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自作カレントトランスの特性測定

 自作の消費電力測定アダプターを使って、2月20の記事で、自宅ネットワーク機器の消費電力測定結果を紹介しました。しかし、その後、測定結果を修正しています。これは、カレントトランスの電流/電圧変換特性に無視できない誤差があったためです。はたしてどのような誤差があったのか、この記事で説明します。

 前にも使った写真ですが、測定アダプタはこんな物。
電流測定アダプタ

◇カレントトランスの通過電流に対する出力電圧(RL=20Ω)測定結果
電圧/電力特性
 測定はAC100Vのラインに抵抗を接続して行いました。プロットが少しふらついているのは、AC電源電圧変動の影響だと思われます。
 ちなみに、AC100Vラインに何か部品を接続する行為は、危険を伴うので、しっかり準備してから進める必要があります。ミノ虫クリップなどの使用は厳禁です。ついでに書くと、私が持っているデジタルマルチメータはAC電流測定モードがあるので、回路に直列に接続してしまえば電流測定は可能です。しかし、できるだけ危険なことはやりたくないので、カレントトランスにこだわっています。

 話がそれてしまいました。上のグラフはカレントトランスの二次側発生電圧(RL=20Ω)と一次側の通過電力の関係です。変流比が1/200なら、このグラフの傾きが45度になるはずですが、どうも10%くらい違っているようです。また、オフセットも存在しています。

◇グラフを詳しく見ると、
微小領域 通常領域
 左のグラフは1W以下の領域です。直線性が失われています。こうなってしまうのは、トランスの励磁電流の影響だと思います。もっと影響は少ないと思っていたのですが、現実はこうでした。

 右のグラフは、0.4W以上のデーターです。この領域だとリニアな特性になっています。エクセルで回帰直線を引いても測定値と回帰直線の誤差は小さいようです。測定された電流をX(mA)とすると、電力(W)は

 電力(W) = 1.0972X + 0.5954

 で換算すれば良いことになります。
 それにしても、この式の傾きの逆数がトランスの結合係数ということになり、91.1%という値になります。うーん、もっと良いと思っていたので、ちょっと残念な値です。ノイズフィルタ用のコアなので損失が大きいのでしょうか。ちなみに、このカレントトランスを作った時の記事でもあまり良い値は出ていませんでした。
 市販の電流トランスを買えば簡単に良い特性の物が手に入るのでしょう。でも、何も無いところから、使えそうな素材を探し、いろいろ工夫して作る過程を楽しめたので、これはこれでアリかなと思います。

◇まとめ
 ともかく、換算式は判ったので、正確な値が必要な場合は計算式で補正することにしました。また、1W以下は計算式が使えないので、上の左側のグラフから読み取ることになります。

 この式とグラフは、プリントして紛失しないように測定アダプタに貼る予定です。しかし、何でもデジタルでスカッと表示される時代に、なんともアナログテイストな結末です。

【2011年7月14日追記】
 センサーとしての位相ズレを測定してみると、このカレントトランスは位相の進みが 34度あることが判りました。詳しくはこちらの記事をご覧下さい。
 位相が問題になるような測定には、このセンサーはお勧めできないです。もっと性能の良いコアを使わないといけないようです。

テーマ : こんなの作りました♪
ジャンル : 趣味・実用

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