LANケーブルテスター、NS-468を分解してみた
LANケーブルを作るために購入した格安LANケーブル製作セットにはLANケーブルテスターが入っていました。このテスターはチープな作りですが結構役に立ちます。
▼LANケーブルテスター NS-468

▼測定用コネクタ

LAN用の8ピン以外に電話用の6ピンモジュラージャックも試験出来ます。
▼テスト中

子機を分離出来るので部屋の間でもテスト可能です。
使い方は、「親機と子機のLEDが番号順に一ずつ点灯」すればOK、という極めて判り易い方式。もし線が入れ替わっていたら、子機側のLEDの点灯順序が狂うので配線ミスが発見できます。
こういう物を手に入れた場合のお約束。カラ割りして内部を見てみます。
▼親機の内部

分解防止の三角穴のネジになってますが、そんなのは楽勝で突破できます。分解防止ネジが必要なほど高級な回路が入っているとは思えないですけど。
▼子機の内部

▼親機の基板

▼親機基板のはんだ面

信号の8ピン以外にシールドの導通を見るパターンも走ってます。でも、シールド用のLEDは省略されているので残念ながらテストできません。
DIP部品の片面板でパターンを追うのも楽なのでテスター部の回路図を書いてみました。
▼測定部の回路図

電源やクロックオシレーターの部分は省略してます。右側が子機です。
10進デコード出力付きカウンタのMC14017で1ピンずつ順番に電圧をかけてLEDを光らせてテストを行う方式。導通が無ければ親機と子機双方のLEDが点灯しないのですぐに不良が判るという仕掛けです。この回路のポイントは、1/3/4の回路のLEDに逆並列に接続されたダイオード。ここを使って電流のリターンパスを確保しています。だったらケチらないで全部のラインにダイオードを入れても良さそうなもんですが、まあそんなに念入りにやらなくても良いという判断なんでしょうか。
それと、電源は006Pの9Vなので、何らかの方法で電流制限してやらないとLEDやICを痛めてしまうのですが、それらしい仕掛けは発見できませんでした。
ともかくこれで導通テストの原理は判りました。しかし、ケーブルテスターと言うからにはショートの検出も出来ないといけません。この回路でケーブルがショートした場合を考えてみると以下の二つのケースがあることが判ります。
▼ショートした相手にリターンダイオードが無い場合

上側が導通を検査しているライン(つまり電圧がかかっている)。下側がショートした相手で、両側のGNDは複数のリターンダイオードで接続されている状態を表しています。
この場合、LED1、LED2、LED4の三つが光ります。
▼ショートした相手にリターンダイオードがあった場合

この場合、LED1からの電流はD1を通ってGNDへ落ちるのでLED1だけが光る。と思ってやってみると、あらびっくり。LED2とLED4もうっすらと光るではありませんか。頭の中だけで考えてはいけませんね。
どうもD1の順方向の電圧降下が大きくてて、LEDが光るレベルの電圧まで上がっている感じです。このあたりはオシロがあればもう少しはっきりするのですが、今はテスターしか持っていないので調査はここまでが限界です。
ということで、いずれにせよ、ショートしていると「親機と子機のLEDが一つずつ順番に点灯する」という状態にはならないのでケーブルが不良であることが判ります。
つまり、このテスターはオープンとショートの検出が出来る訳で、こいつはなかなかいいです。
なお、このテスターは単に導通と絶縁を見ているだけなので、ツイステッドペアの対応関係が間違っていても発見できません。ケーブルをカシメる時は充分な注意が必要です。
ちなみにサンワサプライでそっくりなLANケーブルテスターが売られていますが、これをコピーして作ったんでしょうか。
▼LANケーブルテスター NS-468

▼測定用コネクタ

LAN用の8ピン以外に電話用の6ピンモジュラージャックも試験出来ます。
▼テスト中

子機を分離出来るので部屋の間でもテスト可能です。
使い方は、「親機と子機のLEDが番号順に一ずつ点灯」すればOK、という極めて判り易い方式。もし線が入れ替わっていたら、子機側のLEDの点灯順序が狂うので配線ミスが発見できます。
こういう物を手に入れた場合のお約束。カラ割りして内部を見てみます。
▼親機の内部

分解防止の三角穴のネジになってますが、そんなのは楽勝で突破できます。分解防止ネジが必要なほど高級な回路が入っているとは思えないですけど。
▼子機の内部

▼親機の基板

▼親機基板のはんだ面

信号の8ピン以外にシールドの導通を見るパターンも走ってます。でも、シールド用のLEDは省略されているので残念ながらテストできません。
DIP部品の片面板でパターンを追うのも楽なのでテスター部の回路図を書いてみました。
▼測定部の回路図

電源やクロックオシレーターの部分は省略してます。右側が子機です。
10進デコード出力付きカウンタのMC14017で1ピンずつ順番に電圧をかけてLEDを光らせてテストを行う方式。導通が無ければ親機と子機双方のLEDが点灯しないのですぐに不良が判るという仕掛けです。この回路のポイントは、1/3/4の回路のLEDに逆並列に接続されたダイオード。ここを使って電流のリターンパスを確保しています。だったらケチらないで全部のラインにダイオードを入れても良さそうなもんですが、まあそんなに念入りにやらなくても良いという判断なんでしょうか。
それと、電源は006Pの9Vなので、何らかの方法で電流制限してやらないとLEDやICを痛めてしまうのですが、それらしい仕掛けは発見できませんでした。
ともかくこれで導通テストの原理は判りました。しかし、ケーブルテスターと言うからにはショートの検出も出来ないといけません。この回路でケーブルがショートした場合を考えてみると以下の二つのケースがあることが判ります。
▼ショートした相手にリターンダイオードが無い場合

上側が導通を検査しているライン(つまり電圧がかかっている)。下側がショートした相手で、両側のGNDは複数のリターンダイオードで接続されている状態を表しています。
この場合、LED1、LED2、LED4の三つが光ります。
▼ショートした相手にリターンダイオードがあった場合

この場合、LED1からの電流はD1を通ってGNDへ落ちるのでLED1だけが光る。と思ってやってみると、あらびっくり。LED2とLED4もうっすらと光るではありませんか。頭の中だけで考えてはいけませんね。
どうもD1の順方向の電圧降下が大きくてて、LEDが光るレベルの電圧まで上がっている感じです。このあたりはオシロがあればもう少しはっきりするのですが、今はテスターしか持っていないので調査はここまでが限界です。
ということで、いずれにせよ、ショートしていると「親機と子機のLEDが一つずつ順番に点灯する」という状態にはならないのでケーブルが不良であることが判ります。
つまり、このテスターはオープンとショートの検出が出来る訳で、こいつはなかなかいいです。
なお、このテスターは単に導通と絶縁を見ているだけなので、ツイステッドペアの対応関係が間違っていても発見できません。ケーブルをカシメる時は充分な注意が必要です。
ちなみにサンワサプライでそっくりなLANケーブルテスターが売られていますが、これをコピーして作ったんでしょうか。