冷蔵庫の消費電力測定、電流波形はどうなっている? (Panasonic NR-F568XG)
冷蔵庫の消費電力をいろいろと測定して記事にしています。ここで気になっているのが、消費電力といいながら実際に測定しているのは電流の実効値である点です。
電源電圧はほとんど変化しないと仮定しても、電流測定から得られる値は皮相電力(VA)であり、電力(W)ではありません。もちろん記事中では何度もその点はお断りを入れていますが、自分としては気持ち悪さを感じていました。
ちゃんと電力測定やるには電圧と電流の瞬時値を掛け算して合計すればいいのですが、かなり面倒です。そこですぐにやれることとして、電流の波形を見てみました。
ちなみに昔は電圧と電流の位相差θから力率=cosθなんてやって電力を求めていました。でも現代のように半導体で非線形な反応をする物ばかりになちゃうと、cosθなんて持ち出すのはナンセンスになります。
▼冷蔵庫の消費電流波形の測定

冷蔵庫の前にオシロをひっぱり出して来て測定しました。
この冷蔵庫は消費電流が少ない時と多い時の比率を変えて運転されています。
▼消費電力が少ない時

上(CH-1)が電圧波形で、小さなAC電源トランスを通して測定しています。下(CH-2)が電流波形で、自作の電流測定アダプタの出力です。
電流測定アダプタの感度は10mAあたり1mV。 10mA×100V=1Wなので、抵抗負荷なら1W=1mVという関係で電力測定が出来ることになります。CH2の感度は管面のリードアウトの通り50mV/Divになっています。
実はこの電流測定アダプタのカレントトランスは30度も位相の進みがあることが判っています。オシロの1目盛りは90度なので、真の電流波形は右に1/3目盛りだけシフトした位置にあることになります。
測定条件の話はそれくらいにして、この波形の意味を解説すると、
電圧とほぼ同相で、0-Pで0.1A程度の波形と、短時間のパルスで3Aが流れていることになります。これをマイコンでは実効値が5~6mVと判断していたことになります。
▼コンプレッサ動作時

電流が大きくなっています。CH2の感度は100mV/Divになっています。
最新の冷蔵庫なのでPFC(力率制御)くらいやっていると思ったのですが、そんなことやっている気配は無いようです。
マイコンなどの情報機器では、国際エネルギースタープログラムで効率を上げることと同時に、PFCをやって電流波形を正弦波に近づける努力が行われています。でも冷蔵庫はそんなことやってないんですね、ちょっとがっかりです。
で、電流波形を見ると、ピークが2A程度のスパイク波形と、0.2A程度の矩形波が重畳した波形になっています。スパイク状の波形はAC100Vを整流する時に平滑コンデンサを充電するために発生する電流なんでしょう。
マイコンはこの波形から実効値は60mV,平均値は40mVという値をはじき出していたということにいなります。
ちなみに平均値と実効値の比率は正弦波だと1.1倍。それに対してマイコンが計算した値は1.5倍なので、かなり歪んだ(尖った)波形だとは想像していましたが、やっぱりちゃんと測定しないとダメですね。
ざっと波形を見た感じでは力率は80%も無い感じです。この写真から電圧と電流の瞬時値のテーブルを作り、EXCELで計算すれば電力を求めることが出来るはずです。やってみるかなー、でも面倒です。
電源電圧はほとんど変化しないと仮定しても、電流測定から得られる値は皮相電力(VA)であり、電力(W)ではありません。もちろん記事中では何度もその点はお断りを入れていますが、自分としては気持ち悪さを感じていました。
ちゃんと電力測定やるには電圧と電流の瞬時値を掛け算して合計すればいいのですが、かなり面倒です。そこですぐにやれることとして、電流の波形を見てみました。
ちなみに昔は電圧と電流の位相差θから力率=cosθなんてやって電力を求めていました。でも現代のように半導体で非線形な反応をする物ばかりになちゃうと、cosθなんて持ち出すのはナンセンスになります。
▼冷蔵庫の消費電流波形の測定

冷蔵庫の前にオシロをひっぱり出して来て測定しました。
この冷蔵庫は消費電流が少ない時と多い時の比率を変えて運転されています。
▼消費電力が少ない時

上(CH-1)が電圧波形で、小さなAC電源トランスを通して測定しています。下(CH-2)が電流波形で、自作の電流測定アダプタの出力です。
電流測定アダプタの感度は10mAあたり1mV。 10mA×100V=1Wなので、抵抗負荷なら1W=1mVという関係で電力測定が出来ることになります。CH2の感度は管面のリードアウトの通り50mV/Divになっています。
実はこの電流測定アダプタのカレントトランスは30度も位相の進みがあることが判っています。オシロの1目盛りは90度なので、真の電流波形は右に1/3目盛りだけシフトした位置にあることになります。
測定条件の話はそれくらいにして、この波形の意味を解説すると、
電圧とほぼ同相で、0-Pで0.1A程度の波形と、短時間のパルスで3Aが流れていることになります。これをマイコンでは実効値が5~6mVと判断していたことになります。
▼コンプレッサ動作時

電流が大きくなっています。CH2の感度は100mV/Divになっています。
最新の冷蔵庫なのでPFC(力率制御)くらいやっていると思ったのですが、そんなことやっている気配は無いようです。
マイコンなどの情報機器では、国際エネルギースタープログラムで効率を上げることと同時に、PFCをやって電流波形を正弦波に近づける努力が行われています。でも冷蔵庫はそんなことやってないんですね、ちょっとがっかりです。
で、電流波形を見ると、ピークが2A程度のスパイク波形と、0.2A程度の矩形波が重畳した波形になっています。スパイク状の波形はAC100Vを整流する時に平滑コンデンサを充電するために発生する電流なんでしょう。
マイコンはこの波形から実効値は60mV,平均値は40mVという値をはじき出していたということにいなります。
ちなみに平均値と実効値の比率は正弦波だと1.1倍。それに対してマイコンが計算した値は1.5倍なので、かなり歪んだ(尖った)波形だとは想像していましたが、やっぱりちゃんと測定しないとダメですね。
ざっと波形を見た感じでは力率は80%も無い感じです。この写真から電圧と電流の瞬時値のテーブルを作り、EXCELで計算すれば電力を求めることが出来るはずです。やってみるかなー、でも面倒です。