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USB Type A延長ケーブルの抵抗値を測ってみた

 以前書いたUSB用のチャージャー(カーチャージャー)の特性測定の記事の末尾にUSBケーブルも要注意!ということを書きました。つまりダメなケーブルを使うと、充電しながら使っているにもかかわらず、電池残量が減っていくという残念な状況になることだってあります。

 まあ最初のUSBの仕様では電源供給能力は0.5Aで、この値を前提にケーブルなども作られている訳で、そこにタブレットのように2A近くの電流を要求する物が出てくると、いろいろと問題が発生するという状況は理解できます。

 こういう事情を受けて、最近ではUSB-AからmicroUSBへの接続ケーブルは高電流対応ケーブルなんてのが出ていて、私も愛用しています。でも、高電流対応ケーブルは太くて使い難いので、長さをかせぐ部分はUSB-Aの延長ケーブルで済ませ、最後の20cmくらいを細いmicroUSBケーブルにすると使い易くなります。
 それ以外にもUSBのAコネクタが延長出来ると色々と便利なのですが、そもそもType-Aのオス/メスケーブルなんて規格上は存在しない物なので、真面目に作られていない(作っちゃいけない)気がします。

 でも使う身になって考えると、気になるのがUSB-A延長ケーブルの直流抵抗です。このへんを定量的に比較した情報が見当たらなかったので、実際にどれくらいの値なのか測って見ました。USBコネクタの端子にテスターの針を当てて抵抗を測っても安定した測定が出来そうもないので、簡単な測定アダプタを作ってみました。

▼測定の様子
測定中
 黄色のプラバイスで固定しているのは、100円ショップで売っているUSB電源スイッチという不思議な物の中身の基板。両側にUSBのオスとメスコネクタが付いているので、これを土台に測定治具を作りました。治具をバイスで固定しているのは、出来るだけ配線の接触状態が変化しないようにしっかりと固定するためです。

▼回路図
測定アダプタの回路図
 スイッチがありますが、これは使いません。右側のUSBコネクタの所で+5VとGNDをショートさせているので、抵抗計からはケーブルの往復の抵抗値が測定できるという回路になっています。

▼ゼロ調整用のアダプタ
ゼロ調整アダプタ
 抵抗はデジタルマルチメーター(DMM)で測定しますが、リード線の抵抗を補正する必要があります。そこで、こういうふうにUSB-Aのメスコネクタの電源ピン間をショートさせた物を作り、これを差し込んでDMMのヌル調整を行いました。

▼抵抗測定に使ったDMM、アドバンテストのTR6846
DMM
 0.376Ωを表示しています。表示の最小桁は1mΩですが、4端子測定では無いのでこのあたりは怪しいです。

 以下、測定結果を紹介します。測定回路から判るように抵抗値は往復の値です。

▼細めのケーブル、長さ2m
細線2mケーブル、抵抗が1Ω近くある
 真っ白でおしゃれなのですが、抵抗値は0.972Ωもあります。これに1A流すと0.97Vもの電圧降下になってシャレになりません。

▼短いケーブル、長さ0.5m
50cmだけど以上に抵抗が高いケーブル
 昔から持っている物で作りもしっかりしているので気に入ってたのですが、抵抗値は0.225Ω。長さから考えるとこの半分くらいになっていて欲しかったです。

▼グレーの長さ2mのケーブル
28/24AWGのケーブル
 これは抵抗が0.376Ωでまあまあの値。これなら1.5A流して電圧降下は0.55Vで、ギリギリ許せる範囲か?、いやちょっと許せないか、まあともかくギリギリ。
28と24AWG
 このケーブルにはマーキングが入っていて、28AWG/2C + 24AWG/2C と表示されています。これは信号にはAWG28を、電源には少し太いAWG24のワイヤを使っているということだと思います。ちなみに、信号は28AWG/2Cでは無く28AWG/1Pと書くのが正しい気がしますが、ツイストと線間の位置関係が正確に出来て無いのでこう書いてあるのでしょうか?詳しい方がいらっしゃったらコメントいただけると嬉しいです。

▼エレコムの2mのケーブル
エレコムのUSB-A延長ケーブル
 素性がはっきりした物を測ってみたかったので今回購入した物です。でも抵抗は0.832Ωもありました。これはダメです。涙;
両方がAWG28
 ケーブルのマーキングは28AWG/1PR AND 28AWG/2Cとなっています。つまり電源も信号と同じ(細い)線が使われているようで、これでは抵抗は下がりません。

 まあ高電流用に作られた物では無いので仕方ないんでしょうが、せめてケーブルのマーキングがパッケージの外から見えるようになっていたら、こういう外れを引かないで済んだのですが、、

◆まとめ
 今回の測定結果から見えてきたのは、ほとんどのUSBケーブルの芯線には信号/電源ともAWG28が使われているらしいということです。AWG28の抵抗は230Ω/kmくらいなので、上記の測定結果はあまり矛盾していないように思います。

 中には電源線に太い線を使った物も存在しているようです。今回の測定ではAWG24の物がありましたが、もっと太い物があると嬉しいです。今度秋葉原に行った時にバラ売りのUSBケーブルがあったら、電源線が太い物が無いか、探してみたいと思います。ちなみにたまたま見つけたこの資料によると電源側の線は太いものではAWG20の物があるようです。
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