ADS-B受信用アンテナを色々作るも、
このところADS-Bの受信に嵌っています。特に天候によって羽田空港の滑走路の運用状態が変わるのを確認出来るのが面白いです。
▼ある日の羽田の運用パターン

飛行機は定められたポイントを通過しながら目的地に向かい、その経路はチャートで決まっています。これがリアルタイムで確認できるのですから飛行機好きにはたまりません。ちなみにFlightRader24を見れば同じようなことは出来ますが、自力でやると表示を好きに変えられるので便利です。
こうなると出来るだけ広い範囲を見たくなります。でも、うちはマンションで、前方には林があるので地平線まで見渡すことが出来ません。ADS-Bの受信にはとても不利なロケーションで、唯一のアドバンテージがあるとしたら、ここの標高が高いことくらいです。
ならば、性能の良いアンテナを使って覆域の拡大が出来ないかやってみることにしました。ADS-Bの周波数は1090MHzなので、波長は275mmしかありません。これならアンテナ作りは簡単です。
以下、いろいろやってみた結果です。
▼グラウンドプレーンアンテナ(GP)

接地型にしたかったのでラジェーターを折り返したブラウンアンテナにしました。ラジアルを倒して打ち上げ角を下げたつもりです。
色々なタイプを試したのですが、これが一番性能が安定していました。ということでしばらくこれを常用アンテナにしたいと思います。なお、このままでは同軸線に水が入ってしまうので、根元をホットボンドで固めて防水しています。ただ、ホットボンドの耐候性が心配ではあります。
GPは基本中の基本ですが、あまり面白くはありません。そこで、
▼同軸線型コーリニアアンテナ

1/2λの3段コーリニアアンテナです。1/4λのマッチングセクションや同調用のスタブを入れた複雑な構造になっているのですが、性能は大したことはありませんでした。これ以外にも同軸線を使ったコーリニアアンテナを色々作ったのですが、全滅でした。
このタイプのアンテナは、同軸線の遅延時間を使ってエレメントの短縮率を計算するようで、およそ67%くらいの値がよく使われています。でもアンテナの輻射器になるのは外皮のシールドなので、この短縮率は多めに見ても90%くらいでしょう。但し、位相反転の条件は同軸線の遅延時間で決めないといけません。
感覚的には両者の中間くらいの短縮率で作れば良さそうな気がします。でも特性をちゃんと測定出来る環境が無いと、使える物に仕上げるのは難しいと感じました。もちろん何度もカットアンドトライする根性があれば話は変わってきます。
私は同軸線を使ったアンテナ作りは諦めて、エレメント型のアンテナに路線変更です。
▼3段コリニアアンテナ

エレメント長は上から193mm, 206mm, 187mm 位相シフトのスタブは直径20mmです。なお、ラジアルは長さ140mmで、導体はIV線を剥いて調達した1.5mmの銅線です。
このアンテナはRTLチューナ付属アンテナをADS-B(1090MHz)用コリニアアンテナに改造してみましたの記事中のリンクを参考にしました。
たぶん5/8λの3段コーリニアになっているのだと思います。エレメントの長さが微妙に違うのはマッチングのためだと思います。ラジアルは1/2λにしてあるのだと思いますが、ここは1/4λでなくてもいいんだっけ?
で、使ってみると最初のGPとほとんど変わらない性能しか出ませんでした。それにこれは接地型でないのでボツにしました。
測定器無しで理屈が判らない物を作るのは疲れます。そこで判りやすいコーリニアアンテナを目指します。
▼3段折り返しスタブ型コーリニアアンテナ

エレメント長は1/2λ。折り返しスタブの線の長さも1/2λになっていてここで位相を反転させているのだと思います。
使ってみるとまあまあの性能。マッチングの部分の寸法にちょっと自信が無かったので、2段コーリニアも作ってみました。
なお、このタイプのコーリニアアンテナは、暇人さんのADS-B 3段コリニアアンテナ 秋の彼岸などを参考にさせていただきました。ありがとうございます。
▼2段折り返しスタブ型コーリニアアンテナ

性能はまあまあ。でもGPと比べて差は感じませんでした。
◆まとめ
周波数が高いのでアンテナ作りは簡単、ということででいろいろ楽しませてもらいました。新しい方式を発見してそれを作るときのワクワク感はひたすらです。同時にそれが裏切られた時のガッカリ感も・・・
ということでいろいろ作ったのですが、最初のGPより優れた物を作ることが出来ませんでした。ゲインを上げると打ち上げ角が下がるので、周囲の林の影響が出ているのかも知れません。
この周波数の特性を測れる測定器を持っていないのが辛いところです。トラジェネ付きのスペアナでリターンロスを測るのが一番なんでしょう。
ところで、あれこれアンテナをいじっていると不可解な現象が発生しました。受信機であるDVB-T+DAB+FMの温度が上がると感度が低下するようです。どうもRFアンプの温度上昇に伴いノイズが増えてS/Nが悪化、という問題が発生している気がします。このあたりはまた別の記事で紹介したいと思います。
▼ある日の羽田の運用パターン

飛行機は定められたポイントを通過しながら目的地に向かい、その経路はチャートで決まっています。これがリアルタイムで確認できるのですから飛行機好きにはたまりません。ちなみにFlightRader24を見れば同じようなことは出来ますが、自力でやると表示を好きに変えられるので便利です。
こうなると出来るだけ広い範囲を見たくなります。でも、うちはマンションで、前方には林があるので地平線まで見渡すことが出来ません。ADS-Bの受信にはとても不利なロケーションで、唯一のアドバンテージがあるとしたら、ここの標高が高いことくらいです。
ならば、性能の良いアンテナを使って覆域の拡大が出来ないかやってみることにしました。ADS-Bの周波数は1090MHzなので、波長は275mmしかありません。これならアンテナ作りは簡単です。
以下、いろいろやってみた結果です。
▼グラウンドプレーンアンテナ(GP)

接地型にしたかったのでラジェーターを折り返したブラウンアンテナにしました。ラジアルを倒して打ち上げ角を下げたつもりです。
色々なタイプを試したのですが、これが一番性能が安定していました。ということでしばらくこれを常用アンテナにしたいと思います。なお、このままでは同軸線に水が入ってしまうので、根元をホットボンドで固めて防水しています。ただ、ホットボンドの耐候性が心配ではあります。
GPは基本中の基本ですが、あまり面白くはありません。そこで、
▼同軸線型コーリニアアンテナ

1/2λの3段コーリニアアンテナです。1/4λのマッチングセクションや同調用のスタブを入れた複雑な構造になっているのですが、性能は大したことはありませんでした。これ以外にも同軸線を使ったコーリニアアンテナを色々作ったのですが、全滅でした。
このタイプのアンテナは、同軸線の遅延時間を使ってエレメントの短縮率を計算するようで、およそ67%くらいの値がよく使われています。でもアンテナの輻射器になるのは外皮のシールドなので、この短縮率は多めに見ても90%くらいでしょう。但し、位相反転の条件は同軸線の遅延時間で決めないといけません。
感覚的には両者の中間くらいの短縮率で作れば良さそうな気がします。でも特性をちゃんと測定出来る環境が無いと、使える物に仕上げるのは難しいと感じました。もちろん何度もカットアンドトライする根性があれば話は変わってきます。
私は同軸線を使ったアンテナ作りは諦めて、エレメント型のアンテナに路線変更です。
▼3段コリニアアンテナ

エレメント長は上から193mm, 206mm, 187mm 位相シフトのスタブは直径20mmです。なお、ラジアルは長さ140mmで、導体はIV線を剥いて調達した1.5mmの銅線です。
このアンテナはRTLチューナ付属アンテナをADS-B(1090MHz)用コリニアアンテナに改造してみましたの記事中のリンクを参考にしました。
たぶん5/8λの3段コーリニアになっているのだと思います。エレメントの長さが微妙に違うのはマッチングのためだと思います。ラジアルは1/2λにしてあるのだと思いますが、ここは1/4λでなくてもいいんだっけ?
で、使ってみると最初のGPとほとんど変わらない性能しか出ませんでした。それにこれは接地型でないのでボツにしました。
測定器無しで理屈が判らない物を作るのは疲れます。そこで判りやすいコーリニアアンテナを目指します。
▼3段折り返しスタブ型コーリニアアンテナ

エレメント長は1/2λ。折り返しスタブの線の長さも1/2λになっていてここで位相を反転させているのだと思います。
使ってみるとまあまあの性能。マッチングの部分の寸法にちょっと自信が無かったので、2段コーリニアも作ってみました。
なお、このタイプのコーリニアアンテナは、暇人さんのADS-B 3段コリニアアンテナ 秋の彼岸などを参考にさせていただきました。ありがとうございます。
▼2段折り返しスタブ型コーリニアアンテナ

性能はまあまあ。でもGPと比べて差は感じませんでした。
◆まとめ
周波数が高いのでアンテナ作りは簡単、ということででいろいろ楽しませてもらいました。新しい方式を発見してそれを作るときのワクワク感はひたすらです。同時にそれが裏切られた時のガッカリ感も・・・
ということでいろいろ作ったのですが、最初のGPより優れた物を作ることが出来ませんでした。ゲインを上げると打ち上げ角が下がるので、周囲の林の影響が出ているのかも知れません。
この周波数の特性を測れる測定器を持っていないのが辛いところです。トラジェネ付きのスペアナでリターンロスを測るのが一番なんでしょう。
ところで、あれこれアンテナをいじっていると不可解な現象が発生しました。受信機であるDVB-T+DAB+FMの温度が上がると感度が低下するようです。どうもRFアンプの温度上昇に伴いノイズが増えてS/Nが悪化、という問題が発生している気がします。このあたりはまた別の記事で紹介したいと思います。