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デジタルテスターDT9205Aの修理と簡単な校正

 長らく(永らく)使っていたテスター(DT9205A)が故障してしまったので、新しいテスター(MAS838)を買いました。

 故障した方のテスター、つまり DT9205A は捨ててしまえばいいのですが、何とか修理出来ないものかと悪あがきしました。まあ、修理出来なくても、代替機はもう買ってあるのでプレッシャーは何もありません。

▼不燃ゴミになるかも知れないDT9205A
DT9205A

▼殻割りして内部を点検
DT9205Aの内部

 DT9205Aは亜種がいろいろあるようで、ネットを探すと似たような物の回路図を発見しました。
 http://www.elecfans.com/article/UploadPic/2007-12/20071232050588630.gif
 この回路図によると測定・表示のコアはICL7106が使われているようです。

▼ICL7106?の周辺
DT9205Aの基板主要部
 樹脂でポッティングされている中にチップが入っているのだと思います。QFPのパッドで引き出されていて、N1○というシルク印刷があるピンが Pin1 の位置のようです。QFPのパッドに色が付いているのは私が回路を追うためにマーキングしたもので、1, 11, 21, 31, 41ピンを黒く塗っています。

 そんなことをやりながら、はんだ付け不良やパターン断線が無いか点検したのですが、おかしな場所は発見できませんでした。ならば、反対側の点検に移ります。何しろ壊してもいいので気が楽です。

▼ロータリースイッチ面側
テスター基板の裏面
 レンジ切り替えスイッチを点検しましたが、特に異常は無さそうです。念のために接点をアルコールでクリーニングしておきました。

 なお、レンジスイッチのダイヤルを分解するとディテントロック用の小さな金属球が飛びすことがあるので、紛失しないように注意が必要です。基板だけそっと外してダイヤルには触らない方がいいです。マスキングテープで固定しておくと安全です。

 スイッチ面を点検していると、

▼イモはんだ発見
イモはんだ
 フィルムコンデンサの足のはんだ付けがイモはんだになっていました。ピンセットでリードに触るとぐらぐらと動くので、接触不良になっていそうです。このコンデンサはAD変換の積分コンデンサのようなので、接続不良になっていると影響は大きいはずです。

 他にもリード部品のはんだ付けが怪しい場所があったので、全部タッチアップしておきました。たぶん、鉛フリーはんだなのに共晶はんだの感覚で素早く作業してしまったのが、この不良の原因ではないかと思います。

 こうやっておいて、組み立てたら故障は直っていました。はい、修理成功です。

 この不良は、精度に直結する部分の配線に問題があったようです。そんなことなので、念のために簡単な校正、というか精度確認を行いました。

▼簡易基準電圧発生回路
基準電圧発生回路
 これは定電流ダイオードでTL431に電流を流して基準電圧を発生させる回路で、うちの基準電圧発生回路として使っている物です。

 この回路の発生電圧は校正された高精度の電圧計で測ってあり、平均をとると2.49447Vです。なお、これを作ったのは何年も昔なので値は少し怪しいのですが、

 ともかくこれをDT9205Aで測ると、結果は2.46Vと少し低めの値でした。そこで、感度調整用の半固定抵抗で値を合わせました。なお、感度調整の半固定抵抗はこの記事の3枚目の写真の右上の黄色の半固定抵抗 (102) です。

▼DT9205Aの校正後
DT9205Aで基準電圧を測定
 値はピッタリ合っていますが、合うように調整した結果なので当然です。なお、3桁しか表示されないのが悲しいですが、ともかく簡易校正は完了です。これで安心して使えます。

 こんなことやると、他の電圧計が心配になります。ちょうど良い機会なので同じように測定してみました。

▼MAS838で基準電圧を測定
MAS838で基準電圧を測定
 今回買ったばかりのテスターです。僅かに低めですが、誤差は仕様内だと思います。

▼アドバンテスト TR6846で測定
TR6846で基準電圧を測定
 これはうちにある一番精度の高いDMMですが、測定結果は2494.2mV でした。基準電圧は 2494,47mV のはずなので、0.27mV低く測定されています。そういう差はありますが、アナログの電圧を測って4ケタ目まで値が一致するというのはちょっと感動的です。流石はアドバンテストです。

 このレベルになると、どちらの値が正しいのか判りません。たぶんどちらの値も正しくないのでしょう。何しろ、今日は夏日で室温は29℃くらいあるので、なおさら状況はカオスです。

◆まとめ
 ダメ元でやった修理ですが、うまく不良個所を特定することが出来て良かったです。実は修理前のテスターに捩じる力を加えると測定値が変化していたので、どこかに接続不良か接触不良がありそう、と睨んでいました。

 ちなみに、この故障は鉛フリーはんだとかをやらなければ発生しなかったと思います。電子機器の鉛フリー化とは何とも罪作りな制度だと思います。とは言っても環境を守るためには必要な動きなんでしょう。それに鉛フリーのはんだを使うと、こんなことが起こるのは当たり前なので、ちゃんと作業者の教育やって、管理や検査をちゃんとしとけ、という話ではあります。

 ともかく、テスターはいっぱいある方が便利なので、故障した物が使えるようになって良かったです。これだから修理はやめられません。

デジタルテスターを買った (MAS838)

 愛用していたデジタルテスターのDT9205Aが故障しました。表示される値にオフセットがかかっている感じなので、アナログ回路がおかしくなっているみたいです。機会があれば分解して修理を試みたいと思います。

 テスターが故障しても、据え置き型のデジタルマルチメーターがあるので測定は出来るのですが、やはり不便です。ということで、秋月で急遽買ったのがこれです。

▼デジタルテスター MAS838
デジタルテスターMAS838
 秋月ではいろいろなテスターが売られていて迷ったのですが、マニュアルレンジのベーシックな物にしました。決め手はK型熱電対で温度測定が出来ることと、トランジスタのhFE測定が出来ることです。オートレンジのテスターでも良かったのですが、個人的にはマニュアルレンジの方が好きです。

▼新旧比較
DT9205AとMAS838
 左がこれまで使っていたDT9205A、右が今回買ったMAS838です。DT9205Aはかなり大型だったので、狭い机の上での取り回しがちょっと不便でした。

▼レンジスイッチ比較
レンジスイッチ比較
 両者で大きく違うのがAC電圧レンジ(V~)です。左側のDT9205Aでは最高は200mVレンジまでありますが、右側のMAS838では200Vまでしかありません。

 DT9205Aのように交流の小さな電圧の測定が出来ると、オーディオ信号やDC電源のリップル電圧の測定が楽に出来ます。とは言っても、こういう信号が問題になる時はオシロで波形を見るので、テスターで測った値に大きな意味は無いと思います。でも測れないよりは測れた方がいいのは間違いないです。

 ところで秋月のテスターと言えば幻の P-10 が有名です。これ、一台欲しかったのですが、私が電子工作を再開した頃には既に販売が終わっていました。改めてP-10 の仕様を見ると 3999 表示なんですね、これは欲しかったです。ちなみにこの記事に書いた二つのテスターは 1999 表示です。

 現在だとP-10の仕様に近い物は、DT-10Aでしょうか。でも仕様を見ると電流測定が出来ないようです。まあそういう割り切りも有りなのかも知れません。
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