水槽用の反応式炭酸ガス発生装置、試作機の製作
反応式で水槽用(アクアリウム用)の二酸化炭素ガスを発生させる話の続きです。チューブポンプの特性測定結果から、考えていた方法でいけそうな感触です。
ということで、試作機を作って動作確認を行いました。
▼構成図

クエン酸の水溶液をチューブポンプで右側のボトルに送り、中の重曹と水の混合物に反応させて、二酸化炭素を発生させる仕掛けです。反応式はこちらの記事参照。
発生した炭酸ガスはチューブを通して水槽内のストーンに送り込みますが、水圧とストーンの圧損があるので、右のボトルの圧力は上がります。それに対抗してクエン酸の水溶液を送るために、チューブポンプを使っています。
使用に伴いクエン酸のボトルの液面は下がるので、空気の導入口を開けています(図には矢印でAirと書いてありますが、Air で加圧するのではありません)。 ここに右のボトルで発生した二酸化炭素を導入する手もあり、そうすると、チューブポンプの出入り口間の差圧が無くなるので、ポンプは楽になります。ただ、気密にしないといけない範囲が広がるのと、クエン酸のボトルの水に二酸化炭素溶け込む問題もあり、一長一短だと思います。
▼試作機

左の小さな容器がクエン酸で、サイズは200cc、中央のボトルが重曹の入る容器で、500ccの炭酸飲料用のPETボトルです。右は、実験のための水槽代わりに使ったガラス瓶です。
▼主要部拡大

薬液を使うので、お漏らしした時の用心に、プラスチックの仕切りの入ったトレイの中にボトルを置きました。ポンプはトレイに軽くねじ止めしています。なお、このトレイはダイソーで調達した物です。
制御はArduinoで行っていて、CPUの基板はaitendo の「あちゃんでいいの」を使っています。ポンプは12V仕様なので、電源はDC12VのACアダプタを使用し、Arduino は三端子レギュレーターで降圧して使っています。なお、ポンプの駆動はパワーFET(2SK2232)で行っています。
Arduinoは4.4分間隔で30msポンプを動かすだけという地味な動作になっていますが、これ、一見するとフリーズしているようにしか見えません。そこで、液晶に残り時間を表示させるとか、ハートビート表示としてLEDをふんわりと点滅させるなどを考えたいと思います。
実際に動かしてみると、液をマニュアルで送る機能や、逆回転して液を回収させる機能が欲しくなりました。あと、万一パワーFETがショートするとポンプが廻りっぱなしになって、ガスが大量に発生することになって危険です。このあたりも何らかの安全策を考える必要があります。
▼重曹のボトル

重曹の水に対する溶解度は 9.6g/100cc しか無いので、底に固体(スラリー)の状態で溜まっています。
ここでちょっと心配なことは、反応時にクエン酸3ナトリウムが生成されるのですが、これが重曹の表面を覆うと、反応が止まってしまうかも知れません。反応が止まるだけならいいのですが、何かの拍子にその覆いが破れると、一気に二酸化炭素が発生するかも知れません。
クエン酸3ナトリウムの溶解度は 42.5g/100cc で水には溶けやすいので、たぶん大丈夫だとは思いますが、しばらく試作機を運転して確認してみたいと思います。
◆まとめ
マイコン制御の、アクアリウム用反応式炭酸ガス発生装置ということになりますが、結構うまく動いている感じです。反応量はチューブポンプの駆動時間でコントロールできるので、夜間の停止などのガス発生量の調整は簡単に出来ます。
この事例では、液の注入は4.4分毎にしか行わないので、ガスの発生が間歇的になりそうです。確かに液が入った瞬間はガスの発生が急増しますが、その後もボトルの中を見ていると、小さな泡が重曹の粉の表面から上がり続けています。そんなことで、途中で全くガスが出ないと、いうことにはならないようです。
ガスの発生が止まることは無いと書きましたが、短い時間スパンでは、ストーンから泡が5秒周期くらいで出たり止まったりしています。スト-ンのガスの通り具合、ガス圧による容器やチューブの変形などが関係していそうです。
重曹の容器内の水には炭酸ガスが飽和濃度まで溶け込んでいるようで、ショックを与えると発生ガス量が急増します。ここで怖いのは、ボトルに大きな衝撃を加えた場合で、突沸のような状態になって、重曹の液が水槽に混入する可能性があります。そんなことを考えて重曹タンクの水量を少なくしているのですが、一方で、記事中に書いたクエン酸3ナトリウムの影響を考えるともっと水量を増やした方が良いのかも知れません。
何しろ化学の知識や経験は無いに等しいので、まだ知らない危険が潜んでいるのかも知れません。何かお気付きの点があれば、コメントで教えて頂くと幸いです。
ということで、試作機を作って動作確認を行いました。
▼構成図

クエン酸の水溶液をチューブポンプで右側のボトルに送り、中の重曹と水の混合物に反応させて、二酸化炭素を発生させる仕掛けです。反応式はこちらの記事参照。
発生した炭酸ガスはチューブを通して水槽内のストーンに送り込みますが、水圧とストーンの圧損があるので、右のボトルの圧力は上がります。それに対抗してクエン酸の水溶液を送るために、チューブポンプを使っています。
使用に伴いクエン酸のボトルの液面は下がるので、空気の導入口を開けています(図には矢印でAirと書いてありますが、Air で加圧するのではありません)。 ここに右のボトルで発生した二酸化炭素を導入する手もあり、そうすると、チューブポンプの出入り口間の差圧が無くなるので、ポンプは楽になります。ただ、気密にしないといけない範囲が広がるのと、クエン酸のボトルの水に二酸化炭素溶け込む問題もあり、一長一短だと思います。
▼試作機

左の小さな容器がクエン酸で、サイズは200cc、中央のボトルが重曹の入る容器で、500ccの炭酸飲料用のPETボトルです。右は、実験のための水槽代わりに使ったガラス瓶です。
▼主要部拡大

薬液を使うので、お漏らしした時の用心に、プラスチックの仕切りの入ったトレイの中にボトルを置きました。ポンプはトレイに軽くねじ止めしています。なお、このトレイはダイソーで調達した物です。
制御はArduinoで行っていて、CPUの基板はaitendo の「あちゃんでいいの」を使っています。ポンプは12V仕様なので、電源はDC12VのACアダプタを使用し、Arduino は三端子レギュレーターで降圧して使っています。なお、ポンプの駆動はパワーFET(2SK2232)で行っています。
Arduinoは4.4分間隔で30msポンプを動かすだけという地味な動作になっていますが、これ、一見するとフリーズしているようにしか見えません。そこで、液晶に残り時間を表示させるとか、ハートビート表示としてLEDをふんわりと点滅させるなどを考えたいと思います。
実際に動かしてみると、液をマニュアルで送る機能や、逆回転して液を回収させる機能が欲しくなりました。あと、万一パワーFETがショートするとポンプが廻りっぱなしになって、ガスが大量に発生することになって危険です。このあたりも何らかの安全策を考える必要があります。
▼重曹のボトル

重曹の水に対する溶解度は 9.6g/100cc しか無いので、底に固体(スラリー)の状態で溜まっています。
ここでちょっと心配なことは、反応時にクエン酸3ナトリウムが生成されるのですが、これが重曹の表面を覆うと、反応が止まってしまうかも知れません。反応が止まるだけならいいのですが、何かの拍子にその覆いが破れると、一気に二酸化炭素が発生するかも知れません。
クエン酸3ナトリウムの溶解度は 42.5g/100cc で水には溶けやすいので、たぶん大丈夫だとは思いますが、しばらく試作機を運転して確認してみたいと思います。
◆まとめ
マイコン制御の、アクアリウム用反応式炭酸ガス発生装置ということになりますが、結構うまく動いている感じです。反応量はチューブポンプの駆動時間でコントロールできるので、夜間の停止などのガス発生量の調整は簡単に出来ます。
この事例では、液の注入は4.4分毎にしか行わないので、ガスの発生が間歇的になりそうです。確かに液が入った瞬間はガスの発生が急増しますが、その後もボトルの中を見ていると、小さな泡が重曹の粉の表面から上がり続けています。そんなことで、途中で全くガスが出ないと、いうことにはならないようです。
ガスの発生が止まることは無いと書きましたが、短い時間スパンでは、ストーンから泡が5秒周期くらいで出たり止まったりしています。スト-ンのガスの通り具合、ガス圧による容器やチューブの変形などが関係していそうです。
重曹の容器内の水には炭酸ガスが飽和濃度まで溶け込んでいるようで、ショックを与えると発生ガス量が急増します。ここで怖いのは、ボトルに大きな衝撃を加えた場合で、突沸のような状態になって、重曹の液が水槽に混入する可能性があります。そんなことを考えて重曹タンクの水量を少なくしているのですが、一方で、記事中に書いたクエン酸3ナトリウムの影響を考えるともっと水量を増やした方が良いのかも知れません。
何しろ化学の知識や経験は無いに等しいので、まだ知らない危険が潜んでいるのかも知れません。何かお気付きの点があれば、コメントで教えて頂くと幸いです。