ダイソーの 3.4A USB充電器 (500円) の特性測定
ダイソーの 3.4A のUSB充電器を買ってきたので、例によって特性などを調べてみました。
▼ダイソーの 3.4A USB充電器

ダイソーでは高額商品となる500円です。3.4A と言っても2.4A + 1A の2口出力で、自動判別機能という知らない機能が付いています。
▼メーカーの仕様表示

型番 G208、テラ・インターナショナル製、入力100-240V/0.5A、出力 5V/3.4A、当然ですがPSEマーク付きです。
▼出力コネクタ

モールドの文字の凹みに細い油性ペンで2.4A/1.0Aと書き込むと見易くなりました。
一番の関心事は出力電流とリップルです。昔のダイソーのUSB充電器は0.5Aすらまともに出ない物があったので、ちょっと警戒しちゃいます。
きちんと特性を調べるために、自作の電子負荷を使って電流/電圧委特性を測定してみました。
▼特性測定

測定用のUSB-Aコネクタで接続しました。電圧は出来るだけ電源に近い位置から引き出し、電圧降下の影響が最小になるようにしています。
左下に写っている白いケーブルは、USBコネクタの先に5Ω(10//10Ω)のセメント抵抗を付けたもので、これを挿すと約1Aの負荷になります。
測定した結果ですが、ポートは二つありますが、合計電流が約3.4Aでリミッタが働くようになっていました。つまり、片側のコネクタから3.4Aを取り出せば、残りのコネクタから取り出せる電流はゼロになります。実は容量が2.4Aと1.0AのDCDCコンバーターが別々に入っているかと思っていたのですが、そうではありませんでした。まあ、こうなっている方が電子工作であれこれやりたい時に便利です。
▼電流測定

USB電源チェッカーを使っても良いのですが、電流測定は0.1Ωのシャント抵抗の電圧降下をこのDMMで測定しました。なお、3.4Aも流すとシャント抵抗で1Wくらい発熱するので注意が必要です。
▼特性測定結果

最大負荷まで電圧が一定値(約5.1V)を維持していてすばらしい特性です。回路と実装設計がうまく出来てないとこうはいかないと思います。
▼無負荷時リップル

P-Pで70mVくらい(スパイク含む)。スイッチング周波数16.6kHzなので若い人なら音が聴こえるかも。
▼100%負荷時のリップル

P-Pで170mVくらい(スパイク含む)。スイッチング周波数は70kHzくらいまで上がっています。
微小な信号を扱う回路で無ければ問題無いレベルだと思います。
▼温度上昇測定

フルパワーで動かすとケースが温かくなるので熱電対で表面温度を測ったところ、最大で60℃くらいまで温度が上がっていました。室温は25℃だったので、Δt =35℃です。真夏だとちょっとヤバイかも知れません。
▼USBの各端子の電圧
以上の測定結果から、電源としての素性はなかなか良さそうです。あと判っていないのは、この充電器の売りの「自動判別機能」という機能です。たぶん iPhone や Android の違いがあっても、出来るだけ多く電流を使ってもらうように充電器が振る舞う仕掛けではないかと思います。但しポートによってその上限を変えてあるので、2.4Aと1Aで振る舞い方が違うのだと思います。
ともかくあまり良く判っていないのですが、無負荷時の端子電圧を見るくらいは出来るので測っておきました。
▼出力コネクタ周りの回路図と電圧

D+の電圧がポートによって違っていました。2つのコネクタ間でVBUSとGNDは単純にパラになっているだけだと思います。コネクタのシェルはGNDに落ちていました。あと、電源OFFの状態でピン間の抵抗を当たってみたのですが、何かのデバイスに接続されている感じで、少なくとも純抵抗ではなさそうでした。
◆まとめ
殻割りして中を見ればもっと情報が増えます。しかし、こういうAC電源を扱う物を殻割りすると、安全性が確保出来なくなるのでやらない方が良いです。もちろんそのまま捨ててしまうのなら問題ありません。
出力電流/電圧特性が極めて優秀なのには驚きました。昔のダイソーのひどいACアダプタから思うと今昔の感があります。
DC5V/3.4A のACアダプタが500円で手に入る訳で、これは魅力的な製品(部品)だと思います。少しパワーを出すようなものを作るときに重宝しそうです。
▼ダイソーの 3.4A USB充電器

ダイソーでは高額商品となる500円です。3.4A と言っても2.4A + 1A の2口出力で、自動判別機能という知らない機能が付いています。
▼メーカーの仕様表示

型番 G208、テラ・インターナショナル製、入力100-240V/0.5A、出力 5V/3.4A、当然ですがPSEマーク付きです。
▼出力コネクタ

モールドの文字の凹みに細い油性ペンで2.4A/1.0Aと書き込むと見易くなりました。
一番の関心事は出力電流とリップルです。昔のダイソーのUSB充電器は0.5Aすらまともに出ない物があったので、ちょっと警戒しちゃいます。
きちんと特性を調べるために、自作の電子負荷を使って電流/電圧委特性を測定してみました。
▼特性測定

測定用のUSB-Aコネクタで接続しました。電圧は出来るだけ電源に近い位置から引き出し、電圧降下の影響が最小になるようにしています。
左下に写っている白いケーブルは、USBコネクタの先に5Ω(10//10Ω)のセメント抵抗を付けたもので、これを挿すと約1Aの負荷になります。
測定した結果ですが、ポートは二つありますが、合計電流が約3.4Aでリミッタが働くようになっていました。つまり、片側のコネクタから3.4Aを取り出せば、残りのコネクタから取り出せる電流はゼロになります。実は容量が2.4Aと1.0AのDCDCコンバーターが別々に入っているかと思っていたのですが、そうではありませんでした。まあ、こうなっている方が電子工作であれこれやりたい時に便利です。
▼電流測定

USB電源チェッカーを使っても良いのですが、電流測定は0.1Ωのシャント抵抗の電圧降下をこのDMMで測定しました。なお、3.4Aも流すとシャント抵抗で1Wくらい発熱するので注意が必要です。
▼特性測定結果

最大負荷まで電圧が一定値(約5.1V)を維持していてすばらしい特性です。回路と実装設計がうまく出来てないとこうはいかないと思います。
▼無負荷時リップル

P-Pで70mVくらい(スパイク含む)。スイッチング周波数16.6kHzなので若い人なら音が聴こえるかも。
▼100%負荷時のリップル

P-Pで170mVくらい(スパイク含む)。スイッチング周波数は70kHzくらいまで上がっています。
微小な信号を扱う回路で無ければ問題無いレベルだと思います。
▼温度上昇測定

フルパワーで動かすとケースが温かくなるので熱電対で表面温度を測ったところ、最大で60℃くらいまで温度が上がっていました。室温は25℃だったので、Δt =35℃です。真夏だとちょっとヤバイかも知れません。
▼USBの各端子の電圧
以上の測定結果から、電源としての素性はなかなか良さそうです。あと判っていないのは、この充電器の売りの「自動判別機能」という機能です。たぶん iPhone や Android の違いがあっても、出来るだけ多く電流を使ってもらうように充電器が振る舞う仕掛けではないかと思います。但しポートによってその上限を変えてあるので、2.4Aと1Aで振る舞い方が違うのだと思います。
ともかくあまり良く判っていないのですが、無負荷時の端子電圧を見るくらいは出来るので測っておきました。
▼出力コネクタ周りの回路図と電圧

D+の電圧がポートによって違っていました。2つのコネクタ間でVBUSとGNDは単純にパラになっているだけだと思います。コネクタのシェルはGNDに落ちていました。あと、電源OFFの状態でピン間の抵抗を当たってみたのですが、何かのデバイスに接続されている感じで、少なくとも純抵抗ではなさそうでした。
◆まとめ
殻割りして中を見ればもっと情報が増えます。しかし、こういうAC電源を扱う物を殻割りすると、安全性が確保出来なくなるのでやらない方が良いです。もちろんそのまま捨ててしまうのなら問題ありません。
出力電流/電圧特性が極めて優秀なのには驚きました。昔のダイソーのひどいACアダプタから思うと今昔の感があります。
DC5V/3.4A のACアダプタが500円で手に入る訳で、これは魅力的な製品(部品)だと思います。少しパワーを出すようなものを作るときに重宝しそうです。