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アンパンマンのレジスターの修理

2月22日に開催されたおもちゃ病院で、私の担当したおもちゃの中で他の参考になりそうな修理の事例を3件ご紹介します。

1件目はアンパンマンのレジスターです。

▼アンパンマンのレジスター
アンパンマンのレジスター
正式名称は「アンパンマン おみせでおかいもの スキャンでピッピ!アンパンマンレジスター」のようです。
Amazonの販売ページはおそらくこれ

おもちゃのレジスターは人気があるようで、いろんなタイプの物があり、おもちゃ病院に持ち込まれることが多いです。最近の記事だと、こんなものがあります

症状はPOSのレーザースキャナに商品をかざしても反応が無い、というものです。

本物のレーザースキャナーならすごいのですが、実際には遮光スイッチになっていて、商品をかざすことで検出を行い、値段は乱数で付けているようです。商品を検出した場合は読み取り部の窓が赤く光って、レーザー光で検出しているような雰囲気を演出しています。

検出用の赤外光は下から上向きに出ていて、デジカメで見るとLEDが光っていることが確認出来ました。そうなると受光側が怪しいので分解して確認します。

▼操作パネルの裏側
内部基板
紙フェノールの片面基板に回路が実装されていました。

▼基板の実装面
基板全体
COBなどの部品にスイッチの接点、それに液晶用のコネクタがあります。

▼検出回路部
光りセンサ回路部
光センサーの回路はこのあたりです。赤い矢印で示すQ1はLEDのドライバで、その下のQ2がフォトトランジスタの信号を受ける回路になっていました。

▼センサーの回路図
光センサの回路図
LEDの光をフォトトラ(フォトダイオード?)で受けて、Q2のトランジスタ(1AM)で増幅してCOBのチップに伝える回路になっていました。LEDの光量はCOBから制御されていて、待機時は最大光量。商品で遮光されると一定時間(しゃべっている時間)は光量を下げるような制御が行われているようです。

この回路だとR14から電流が流れ込まない場合は、Q2のベース電位が定まらなくて気持ち悪いです。実際にも、光が当たらない場合はハイインピーダン状態になってAC電源からの周り込みが発生していました。実は基板にはベースからGNDへ接続される抵抗(R12)用のパッドが用意されているのですが、実装しなくても大丈夫と判断したのでしょう、この抵抗は省略されていました。

上記の動作が判ったのは実は修理後の話。故障原因の調査をしている時点では、入力不足(光量不足)でQ2がONにならない状態になっていて、何でだろう?と思って調査を進めました。

▼受光部の構造
受光センサ
下向きに光の検出センサー(フォトトラ or フォトダイオード)が取り付けられています。

こういう場合の対処方法としては、LEDの駆動電流を上げてやるのが簡単です。そんなことで、LEDの電流を測ってみたのですが、流れていた電流は約21mAでした。これは一般的なLEDに流せる電流の上限なので、これ以上電流を増やすのは危ないです。

となると、受信回路のゲインを上げる手が考えられます。トランジスタをもう一つダーリントン接続で追加すればゲインが大幅に上がります。でもこれ、配線がちょっと面倒です。それにむやみに感度を上げるとちょっとした外光も拾ってしまって、誤動作することも考えられます。

あと、こういう対策は受光回路のトランジスタの特性が劣化した、と言っているのと同じですが、このような小信号用のトランジスタの特性(Hfe)が劣化する可能性は極めて低いと思います。

そんなことから、話は元に戻って、光量を上げる対策の方が安全です。そこで、LEDを手持ちの物(赤外の15度タイプ)に変えてみました。なお、元は3MMのLEDでしたが、手持ちの関係で5mmの物に交換しました。これで問題があるようなら、赤色の樹脂で埋め戻して、φ3mmの15度の赤外LEDを手配して取り付けようと思います。その場合は、部品代+送料で結構な費用がかかってしまいます。(部品代は実費を頂いています)

▼赤外LEDの交換
LED交換
元のLEDは小さな基板(写真の茶色の基板)に載っていて、その基板をネジ止めする方法で取り付けられていました。しかし、それでは光軸をぴったり合わせることは出来ませんでした。そこで、オシロでセンサーの信号レベルを見ながらLEDの位置と回転角を調整し、最高感度になる位置でホットボンドで接着することで固定しました。

ちなみに、信号レベルのモニタはフォトトラのエミッタのポイントで行いました。ここの電圧レベルはQ2のベース電圧(約0.6V)にR14の抵抗で引っ張られるので、光が無しの状態では最大0.6Vで、光が入っても0.7V程度までしか上がらなかったので、ちょっと調整がやり難かったです。ちなみにΔVが0.1Vだったということは、ベース電流は0.1V/150kΩ=0.7μAということになるはずです。

◆まとめ
以上のような処置でこのおもちゃは正常に動くようになりました。

ちょっと気になったのはLEDの光量が本当に落ちていたのか?という点です。そこで、取り外したLEDと新しく交換したLED(と同じ袋には入っていたLED)を光らせてみて明るさを比較してみました。

▼LEDの光量比較
20200301R0025166.jpg
左が元のLED、右の大きいのが交換したLEDです。両者は直列に接続したので同じ電流が流れていますが、明らかに元のLEDの方が暗いです。

これが最初から暗かったのか、あるいは劣化することで暗くなったのかは判りませんが、ともかくLEDを交換することで読み取り不良の対策になったことは確認できました。

注意:iPhoneのカメラは光の波長フィルタが良く利いているようで、赤外光は検出出来ませんでした。(自撮りカメラの方はOK)
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