google-site-verification: google3bd66dd162ef54c7.html
fc2ブログ

LM317で電圧可変電源を作る時のガリオーム対策の決定版

◆まえがき
前の記事では、LM317 で出力電圧を可変する場合の可変抵抗の接触不良(ガリオーム)対策について検討しました。その記事では一応の結論は出しているのですが、無駄な電流を流す必要があるのであまりスマートな対策方法ではありませんでした。

同時進行で、同じ話題について居酒屋ガレージ日記さんの、LM317を電圧可変するときという記事にコメントを入れていたところ、AROさんという方から画期的な対策方法を教えていただきました。それは簡単な回路なのに素晴らしい効果があるものでした。動作原理についてはその記事に居酒屋ガレージ日記さんが解説を書かれています。

ということで、すばらしいアイディアなのでその回路について紹介しつつ動作を確認したいと思います。なお、実機でテストする時間が無いのでとりあえず LTspice のシミュレーションで確認していきます。

◆ARO さんのガリオーム対策回路(前記の記事内のコメントに投稿されたリンク先より転記)
AROさん提示のガリオーム対策回路

可変抵抗のスライダーが接触不良になるとトランジスタがONになって出力電圧を下げるようになっています。なお、この回路のアイディアは昔の初歩のラジオに記載されていたそうです。ARO さんはこの回路の動作確認されたそうで、スライダーが接触不良の場合の出力電圧は2.0V位になったとのことです。

ちなみに出典は昔の初歩のラジオだそうで、記憶を頼りに回路図を再現されたようですばらしい!

◆電流制限回路と合体
私の作った電源には過電流保護回路があるので、そこにこのガリオーム対策を合体させた回路を考えてみました。
LM317保護回路
Q3 が電流リミッタで Q2 がガリオーム対策回路です。ADJ ピンをワイヤードORで GND に引っ張るようになっているので二つの回路はほぼ独立して動くはずです。

◆LTspiceで確認
前の記事で使った LTspice のモデルがあるので、そこにガリオーム対策回路を入れて特性をシミュレーションしました。

1)通常動作時 (図をクリックで別窓に拡大表示)
LM317のシミュレーション、通常時

右のグラフは可変抵抗の位置を横軸にした特性を表わしています。

下段のグラフが出力電圧で、回転角に比例して出力電圧が上昇する様子を表わしています。なお、前の記事の回路では回転角の逆数で電圧が上昇(後半で電圧が急上昇)していたのでカーブが違っています。負荷抵抗で決まる電流がリミットに達すると、可変抵抗を廻しても電圧が上がらなくなっています。(CC動作)

中段のグラフは出力電流特性で、負荷抵抗の違いで電流がクランプされる電圧が変わってくる様子を表わしています。肩特性が悪くて綺麗な CCカーブになっていないことが判ります。

上段のグラフは Q3 に電流が流れて電流リミッタが動作する様子を示しています。

ここまではほぼ前の記事のおさらいで、ガリオーム対策回路にしても問題無く動いていることが確認出来ました。

2)可変抵抗のスライダー接触不良発生時 (図をクリックで別窓に拡大表示)
いよいよガリオームになった状態を見ます。
LM317のシミュレーション、可変抵抗2番ピンオープン時
可変抵抗のスライダーの線を切った状態のシミュレーション結果です。

下段の出力電圧は約1.975Vで一定になっています。つまりガリオームになった時はボリュームの位置にかかわらず、この電圧が出力されることになります。これで出力に高い電圧が出るのを防止出来ていることが確認出来ました。なお、欲を言うとこの電圧が1.5Vくらいまで下がっていて欲しいのですが、トランジスタの特性から仕方が無いでしょう。まさかいまどきゲルマニウムトランジスタを使う訳にもいかないでしょうし、、

上段のグラフには Q2 のコレクタ電流を追加で表示させています。(つまりプローブは4本の状態になっています)

◆まとめ
LM317 を電圧可変にする時のガリオーム対策回路の動作確認を行いました。それにしてもこのアイディアは凄いです。

時間のある時に実際の電源の回路に組み込んで使える状態にしておきたいと思います。

◆PSpice for TI
ちょうどトラ技の2021年10月号で回路シミュレーターの特集をやっていたので久しぶりに買ってきました。まだあまり読んでいないのですが、内容としては昔からある LTspice に敬意を払いながら、さりげなく PSpice for TI の宣伝をやっている感じを受けました。

この PSpice for TI の仕様で気になったのが 、「TI 以外のデバイスのシミュレーションに使う場合はプローブの数が3本まで」という制限がある点です。アナログの差動出力を見るだけでプローブは2本必要になります。シミュレーションした回路が上手く動かなかった場合、原因調査のためにプローブをあちこちに立てて調べまくることになります。この記事のような簡単な解析でもプローブを4本使っています。そんなことでプローブの数が3本までという制限はかなり使い難い気がします。

●追記 2021/09/17 18:00
この記事のコメントで、居酒屋ガレージ日記さんから Q2とQ3 は一つにまとめることが出来るのでは?という意見を頂きました。
つまり、この回路。
LM317過電流ガリオーム対策、Tr1個の保護回路
確かにそうですね。ワイヤードORとか記事に書いてる暇にこの回路を思い付けよ、という感じ、to 自分。

早速シミュレーションしてみました。
まずは普通に動作している時の特性
1)出力特性(保護回路トランジスタ1個) (図をクリックで別窓に拡大表示)
Tr1個 通常時出力特性
トランジスタ2個の時とほとんど同じ特性です。詳しく見ると、こっちの方が電流リミットになる電流が僅かに大きくなっています。電流検出のシャントのR2とパラに抵抗(R1とVR_Lower)が入る影響だと思います。ベース抵抗(R1)にVR_Lowerが加わることで電流リミットが掛かるレベルが上がった影響ではないかと思います。

・ガリオーム発生時(保護回路トランジスタ1個) (図をクリックで別窓に拡大表示)
Tr1個 ガリオーム時
電圧は最大でも1.97Vくらいに下がっているので保護はうまく行っています。
R2(1.5Ω)があるので、通過電流が大きくなるとそのドロップの影響で出力端子の電圧が1.5Vくらいまで下がっています。LM317はADJピンの電圧を基準に動き、その電圧の足元はQ3のエミッタ、つまりR3の左側になるためだと思います。

ということで、こっちの回路でも同じ結果が得られることが確認出来ました。LM317の過電流とガリオーム対策の決定版になりそうです。流石大阪の人はケチだわ(←褒めてます)
カレンダー
08 | 2021/09 | 10
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
プロフィール

ラジオペンチ

Author:ラジオペンチ
電子工作を中心としたブログです。たまに近所(東京都稲城市)の話題など。60過ぎて視力や器用さの衰えを感じつつ日々挑戦!
コメントを入れる時にメールアドレスの記入は不要です。なお、非公開コメントは受け付けていません。
記事の内容のご利用は読者の自己責任でお願いします。

記事が気に入ったらクリックを!
最新記事
カテゴリ
最新コメント
リンク
FC2カウンター
検索フォーム
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード