電源周波数が上昇/降下した日時のマップを作ってみた
◆まえがき
電源周波数変動の分析の話の続きです。前回は平均周波数の変化を日時平面上にマップしましたが、今回は短時間だけ発生する周波数のピーク、あるいはディップを同じ方法で調べてみます。
◆周波数の時系列変動
やっている内容を、元のデーターから説明します。

上のグラフはある日の電源周波数変化を表わしたものです。上下に激しく変化していますが、その中心、つまり平均周波数の変化の様子を表わしたのが前の記事のマップになります。
グラフを見ると上下にスパイク状の周波数変化があります。この瞬間に負荷や供給力の急増/急減があったためにこういうピークが発生するのだと思います。以前の記事に、こういう現象は毎正時頃に発生する傾向がありそう、ということを書きましたが、高いピークが発生したマップを作成すればこの説を明確に検証することが出来るはずです。
ということで、周波数が+0.1Hz以上、および-0.1Hz以下になった日時をプロットしてみました。なお使ったデータは最高/最低周波数の記録です。(上記グラフは30秒平均値なのでピークが少し潰れています)
◆正のピークの発生日時 (図をクリックすると別窓に大きな図を表示)
50.1Hz以上になった日時をプロットしたもので、その周波数で色を変えています。期間は前の記事と同じで、2021年5月1日から2022年1月25日の範囲です。

プログラム:20220131HiPeekFreqMap.py
6:00から10:00、 12:00から15:00、21:00から24:00の3つの時間帯がプロットが多いようです。逆に16:00から21:00あたりはプロットが少ない、つまり高い周波数のピークの発生が少ないようです。
10:00頃の下の1/3あたりにある縦線が目立ちます。また、23:00頃にも縦線状にプロットが集まっています。何が起こっているんでしょうね。
あと、10月7日の22:40頃に関東地方で発生した震度5の地震で周波数が急増(と言っても50.2Hz)しましたが、そういう自然現象の影響もこのグラフには含まれています。
◆負のピークの発生日時マップ (図をクリックすると別窓に大きな図を表示)
49.9Hz以下になった日時をプロットしたものです。データーは最低周波数の記録から持って来ています。

プログラム:20220131LowPeekFreqMap.py
背景色が白なのでプロットが目立ちにくくなっていますが、周波数が-0.1Hzより下、つまり49.9Hzより下回ったポイントをプロットしており、低下量が大きいほど濃い色でプロットしてあります。
やはり23:00頃に縦線があります。これ以外にも 22:00, 0:00, 1:00, 6:00 頃にも縦線があります。
以前の記事に書いた、「毎正時に周波数の低下が発生する可能性がある」という話は、全ての正時で周波数が低下するということでは無さそうです。
負のピークと言うことは周波数の低下なので、負荷の急増あるいは供給力の急減で発生するのだと思います。マップで特徴が認められるということはなんらかの事象が原因としてあるはずで、興味深いデーターです。
◆電源電圧
ついでに、うちの100Vのコンセントの電圧です。

縦横の縞があります。このグラフは地域というか世帯単位で様相は違ってくるはずなので、あまり考えても仕方が無いでしょう。
それと、白抜きの線はデーターが欠測していたことを表わしています。
◆まとめ
周波数が短時間に低下する理由として判り易いのは、深夜電力を使用する機器のON/OFFでは無いかと思います。0:00頃の周波数の低下はそういう機器の影響なのかも知れません。
16:00前後は電力使用量のピークになる時間帯だと思いますが、電源周波数のピークはあまり発生していない感じなのが興味深いです。記事の最初に掲載した1日の周波数変動のグラフを見ても、この時間帯はばらつきが絞られています。周波数調整を行い易いパワーミックスになっていると言うことなんでしょうか。
こうやってまとめると、知らなかった電源周波数変動の姿が見えて来て興味深いです。以前の記事にも書きましたが、これは数兆円の商品の品質に係るデーターな訳で、いろいろな活用方法があると思います。
電源周波数変動の分析の話の続きです。前回は平均周波数の変化を日時平面上にマップしましたが、今回は短時間だけ発生する周波数のピーク、あるいはディップを同じ方法で調べてみます。
◆周波数の時系列変動
やっている内容を、元のデーターから説明します。

上のグラフはある日の電源周波数変化を表わしたものです。上下に激しく変化していますが、その中心、つまり平均周波数の変化の様子を表わしたのが前の記事のマップになります。
グラフを見ると上下にスパイク状の周波数変化があります。この瞬間に負荷や供給力の急増/急減があったためにこういうピークが発生するのだと思います。以前の記事に、こういう現象は毎正時頃に発生する傾向がありそう、ということを書きましたが、高いピークが発生したマップを作成すればこの説を明確に検証することが出来るはずです。
ということで、周波数が+0.1Hz以上、および-0.1Hz以下になった日時をプロットしてみました。なお使ったデータは最高/最低周波数の記録です。(上記グラフは30秒平均値なのでピークが少し潰れています)
◆正のピークの発生日時 (図をクリックすると別窓に大きな図を表示)
50.1Hz以上になった日時をプロットしたもので、その周波数で色を変えています。期間は前の記事と同じで、2021年5月1日から2022年1月25日の範囲です。

プログラム:20220131HiPeekFreqMap.py
6:00から10:00、 12:00から15:00、21:00から24:00の3つの時間帯がプロットが多いようです。逆に16:00から21:00あたりはプロットが少ない、つまり高い周波数のピークの発生が少ないようです。
10:00頃の下の1/3あたりにある縦線が目立ちます。また、23:00頃にも縦線状にプロットが集まっています。何が起こっているんでしょうね。
あと、10月7日の22:40頃に関東地方で発生した震度5の地震で周波数が急増(と言っても50.2Hz)しましたが、そういう自然現象の影響もこのグラフには含まれています。
◆負のピークの発生日時マップ (図をクリックすると別窓に大きな図を表示)
49.9Hz以下になった日時をプロットしたものです。データーは最低周波数の記録から持って来ています。

プログラム:20220131LowPeekFreqMap.py
背景色が白なのでプロットが目立ちにくくなっていますが、周波数が-0.1Hzより下、つまり49.9Hzより下回ったポイントをプロットしており、低下量が大きいほど濃い色でプロットしてあります。
やはり23:00頃に縦線があります。これ以外にも 22:00, 0:00, 1:00, 6:00 頃にも縦線があります。
以前の記事に書いた、「毎正時に周波数の低下が発生する可能性がある」という話は、全ての正時で周波数が低下するということでは無さそうです。
負のピークと言うことは周波数の低下なので、負荷の急増あるいは供給力の急減で発生するのだと思います。マップで特徴が認められるということはなんらかの事象が原因としてあるはずで、興味深いデーターです。
◆電源電圧
ついでに、うちの100Vのコンセントの電圧です。

縦横の縞があります。このグラフは地域というか世帯単位で様相は違ってくるはずなので、あまり考えても仕方が無いでしょう。
それと、白抜きの線はデーターが欠測していたことを表わしています。
◆まとめ
周波数が短時間に低下する理由として判り易いのは、深夜電力を使用する機器のON/OFFでは無いかと思います。0:00頃の周波数の低下はそういう機器の影響なのかも知れません。
16:00前後は電力使用量のピークになる時間帯だと思いますが、電源周波数のピークはあまり発生していない感じなのが興味深いです。記事の最初に掲載した1日の周波数変動のグラフを見ても、この時間帯はばらつきが絞られています。周波数調整を行い易いパワーミックスになっていると言うことなんでしょうか。
こうやってまとめると、知らなかった電源周波数変動の姿が見えて来て興味深いです。以前の記事にも書きましたが、これは数兆円の商品の品質に係るデーターな訳で、いろいろな活用方法があると思います。