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2022年3月22日の電力逼迫時の電源周波数変化の整理

◆まえがき
3月16日の地震が発端となり、3月22日には東日本で電力需給が逼迫してあわや停電かという事態が発生しました。うちでは電源周波数を連続監視しているのですが、そのデーターには普段は見ないような大きな変化が記録されていました。

この周波数変化が、専門家から見るとどのように評価されているのか知りたくて、ネットの公開資料を調べてみました。あれから一ケ月経ったので資料は揃った頃です。

◆このブログの記事
公開資料を検討する前に、当方で記録したデーターについて説明しておきます。下記3件の記事があります。
 ・2022年3月16日発生の地震に伴う電源周波数の変動 (3/17)
 ・2022年3月18日の電源周波数の低下 (3/19)
 ・電力需給危機に伴う電源周波数の低下、時差の拡大と復旧 (3/27)

これらの記事で重要と思われるグラフを以下に再掲します。

1) 地震発生時の周波数変化(グラフ-1)
地震に伴う電源周波数の低下
3月16日の地震発生時に48.435Hzまで急低下しています。

2) 地震発生以降の周波数変化 (グラフ-2)
電源周波数の変化

3月18日と3月22日に周波数が大きく低下した期間があります。この期間は平常時よりばらつきが小さくなっています。
周波数低下が終わった後は少し高い値が続いています。

3) 周波数変化に伴い発生した時差変動(グラフ-3)
位相(時差)の変化
時差とは正確な時計に対する電源波形の位相ずれ量です。18日と22日に大きく遅れが発生し、その後数日掛けて遅れを取り戻しています。

どれも重要なデーターだと思うのですが、これらがどのように評価されているのか公開資料を見て行きます。

◆公開資料
需給逼迫時の状況報告資料で発見できたものは下記です。

1.資源エネルギー庁
 第47回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会(4月12日)
 資料1-1 3月16日~22日の東京エリアの需給状況について(東電PG)
 資料1-2 2022年3⽉22⽇の東北エリアにおける 電⼒需給ひっ迫の状況と対応について(東北電力NW)
 資料1-3 2022年3月の東日本における 電力需給ひっ迫に係る検証について(資源エネルギー庁)

2.内閣府
 再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース第28回準備会合(4月1日)
 資料2-1 2022年3月22日東京エリア 需給逼迫の原因と今後の対策 (安田 陽) 
    (注:この資料についての意見を記事の末尾に記載)

3.電力広域的運営推進機関 OCCTO
 第71回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会資料3-3(3月22日)
 資料3-1 東京エリアにおける冬季の需給状況と2022年度冬季に向けた課題について(東電PG)

 第72 回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会 資料 1 (4月12日)
 資料3-2 3月22日から23日にかけての東京エリア、東北エリアの 需給ひっ迫時の連系線の活用状況と課題について
         (調整力及び需給バランス評価等に関する委員会 事務局)

 ※この記事では上記資料から内容を抜粋しています。

◆電源周波数変動に関する記述
1)地震発生時の周波数変化 (グラフ-1)
資料1-1のP3に下記のような説明があり、電源脱落で周波数低下。UFR動作で停電発生と共にブラックアウトを防止したことが判ります。
3/16地震発生時のUFR※1動作における影響

周波数の低下量や波形は当方で測定したものと一致しています。なお、当方の測定値は1秒間平均周波数で、電源1サイクル毎の周波数では無いので3桁目が少し違っているのだと思います。

ともかく、自宅で測定していれば十分に正確なデーターが取れるということです。

2)3月18日、22日の周波数、時差変化(グラフ-2, 3)
不思議なことに公開資料には18日、22日の周波数の変動について言及されている箇所はありませんでした。

全く言及されていないのは、この程度の周波数の低下は大した問題では無いという認識なんでしょうか。ひょっとしたら大口需要家には通知があったのかも知れませんが、国民に広く知らせる必要は無いと言うことなんでしょうか。

◆電圧調整
資料1-3のP17に下記のように、供給電圧の調整について、という項目があり、東京では34万kWの調整が行われたそうです。
電圧調整

仮に分母を4000万kWとすると、34万kWはその0.85%に相当します。実際にどの程度電圧を下げたのかはこの資料からは判りませんが、大雑把には100Vが99.15Vになったということだと思います。これくらいの低下なら、停電になるより全然マシだと思います。

この操作が末端の電圧にどのような影響があったのかを確認するために、当方で記録している電圧の記録を見ると、
電圧の変化

赤矢印の範囲が電圧調整を行った、とされている期間ですが、他の期間と比べて明確な違いは無さそうです。

電圧調整については、1月6日の需給逼迫時にも行われていたようで、資料3-1 P4によると43万kW分の電圧調整が実施されたようです。

◆まとめ
電源需給が逼迫していた期間に電源周波数の大きな低下があったのですが、不思議なことに政府や公的機関の報告資料には全く触れられていません。これはたいした問題では無いという認識なのかも知れませんが、個人的にはそうは思えません。需要を抑制したかった、あるいは揚水発電の運転が関係しているのかも知れませんが、どういう理由で周波数が下がった(下げた)のか、予想効果と併せて説明が必要だと思います。

私が電源周波数を監視・記録している一番の理由は事実を正確に知りたいからです。電力の供給に関し、公開されていないことが多いと感じます。そういう中で電源周波数は間接的にしろ、生の状態をリアルタイムで知ることが出来る貴重な情報源です。もっと注目されて良いデーターだと思います。

◆意見
資料2-1へのリンクを貼っていますが、この資料に全面的に賛同するものではありません。特に「22日の需給逼迫は稀頻度事象で予防コストは過大」という結論は全く納得できません。稀と言うならその頻度を、過大と言うならその費用を概算で良いから示すべきでしょう。まあ、政府関係者を前にして「これは電力政策と行政の失敗だ!」なんて言えないんでしょうけど。

関連リンク
電源周波数が低下した際に確認したいサイト (このブログの記事)
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