ジャンクのサブウーファー (DENON DSW-33XG) をテレビ用に改造
◆まえがき
以前、テレビにサブウーファーを追加したのですがその音に不満を感じるようになってきました。具体的には低音の特定のピッチの音が強く出るのが気になります。もちろんサブウーファーが有るのと無いのとでは迫力が全然違うのですが、気になると何とかしたくなります。
そんなことを考えていたら、ハードオフのジャンクコーナーに手頃なスピーカーを発見。こりゃ良さそうだと考えて買ってきました。
◆ハードオフ
・手頃なサブウーファー
DENON の DSW-33XG というサブウーファーでジャンク価格の2750円。スピーカーは底面に付いているので見えませんが、指先で探った感じではコーンやエッジが破れたりはしてない感じです。
・簡単な動作チェック
店内のチェックコーナーで通電確認。ボリュームにガリはあるけど、入力端子に触ると綺麗なハム音が出るので致命的な問題は無さそうです。そんなことで購入決定。
◆外観
家に持ち帰って清掃しながら各部の点検です。
・全体
光沢塗装された立派なスピーカーで重さは11kgくらいあります。傷が多いのが残念ですが、もし無傷だったらこの値段では売ってなかったと思います。ロットNo.から推定するとたぶん2006年製。
メーカーの資料:DENONのDSW-33XGのページ
・背面
出力110Wのアンプ入り。オートスタンバイやクロスオーバー周波数の調整など機能満載です。このクラスのサブウーファーは今なら5万円はすると思います。
・消費電力
無信号でも消費電力が12.1Wもあります。自動スタンバイになるらしいのですが、いくら待ってもスタンバイにならなかったので待機時の消費電力は判りません。とにかく、こんなに消費電力が大きいのではテレビに付けっ放しにする訳には行きません。ということで、内蔵のアンプは外してスピーカーだけ使うことにします。というか、もともとそういう使い方をするつもりで買いました。
◆分解
・スピーカー
底板を外すとスピーカーとバスレフのポートが見えてきます。幸い破損などは無く、状態は良かったです。
スピーカーは16cmで、センターやエッジ内側の補強がしっかり行われている感じ。低音専用スピーカーなのでコーンが重くなっても構わないから剛性重視なんでしょう。
・分解
全部ばらした状態です。(傷つき防止のために箱のエッジの一部にマスキングテープを貼っています)
写真の右上の黒い箱がこの後の記事に何度か出て来るアンプのプラケースです。
・スピーカーユニット
16cmのスピーカーです。欲を言えば20cmが付いていると嬉しかったです。マグネットが3個(2段重ね+外側に1個)使われていて磁気回路は強力そうです。
・背面
4Ωのスピーカーでした。なお、箱が大きいからでしょうか、防磁シールドは付いていません。
追記:後ろの磁石はキャンセルマグネットのようで、漏洩磁束を減らす効果があるようです。また、これを付けるとポールピースの磁界が強化され、更にスピーカー後部の質量が増えるので音質改善効果があるようです。
・エンクロージャー内部
吸音材が全く入っていません。ウーファーって吸音材は入れないんでしたっけ?
箱の内寸は 30 x 33.5 x 20cm で、容積は20.1ℓ。バスレフのダクトは内径 7cm x 長さ28cm でした。
但し、この箱の中にアンプの収容ボックス (26.5 x 17 x 10cm 4.5ℓ) が入り込むので、気室の容積は15.6ℓ になります。
この写真に写っている大きな角穴のフランジにアンプを収容する4.5ℓ のプラケースが入ります。つまりプラケースの分だけスピーカーボックスの容積が少なくなっていてもったいない感じです。このプラケースは撤去して、代わりに平らな板で穴を塞げば容積が増えて低音の伸びが良くなるはずです。ただ、バスレフの共振点が下がるので、せっかくDENONがチューニングした状態から外れてしまうのが悩ましいところです。
・アンプ
右から電源、メインアンプ、プリ/制御回路の3段構成になっています。ここにある部品は全部撤去し、黒色の裏板だけ使うことにします。なお、この裏板は厚さ2mmくらいのアルミ板で放熱板を兼ねているようです。
◆改造完了
改造と言っても、内蔵されていたアンプなどを全部取っ払ってスピーカーの端子を後ろに出しただけです。
・スピーカー端子
結局アンプが入っていたプラケースはそのまま残しています。というかそれを外すと後始末がえらく大変になります。
・テレビの後ろに設置
テレビ (REGZA 55Z740XS) の後ろに押し込みました。外に出して床置きにしても良いのですがとりあえずこの状態で使ってみます。なお、上に乗っているのは録画用のHDDです。
・新旧ウーファー比較
左がこれまで使っていた物、右が今回の物です。
旧スピーカーは6Ωで今回のは4Ω。そんなことで音量が少し大きくなったのでボリュームを0.7目盛くらい下げて使っています。なおアンプは以前の記事に書いたテレビのUSBコネクタを電源に使ったウーファー用のデジタルアンプで、出力は2.5Wくらいしか出ませんが普通にテレビを見る分には充分な音量があります。
◆まとめ
アンプを撤去しただけで改造らしいことはほとんどやっていないのですが、これを入れた費用効果は大きく、より豊かな低音が出るようになりました。ミュージックビデオや映画はもちろんですが、普通のテレビドラマでも低音の効果音がいっぱい入っています。ちゃんと低音が出るスピーカーを追加することによる効果は大きいです。
ちなみに、5.1chのAVアンプも持っているのですが、切り替えの手間が面倒なので普段はほとんど使っていません。テレビ自体の音を良くしておく方が使い易いと思います。
記事中で触れましたが、アンプが入っていたプラケースはそのまま残しているのでスピーカーボックスの容積が少し無駄になっています。そのプラケースを外して容積を増やす、但し単純に容積を増やすとバスレフの共振周波数が下がるので、その補正のためにバスレフのダクトを少し短縮する。なんて楽しみが残っているのですが、まあやることが無くなった時のチャレンジテーマということで、当面はこのまま行きたいと思います。
※コメント説明用に追記 (写真をクリックで高解像度版を別窓で開く)
・アンプ
・基板
左がプリ、右がメインアンプ基板
可変抵抗。左が音量(A型50kΩ)、右がクロスオーバー周波数調整(B型20kΩ 2連)