google-site-verification: google3bd66dd162ef54c7.html
fc2ブログ

HDDのスピンドルモーターで小さなグラインダーを作る

◆まえがき
いろいろ取り組んできたBLDCモーターいじりのたぶん総集編。ArduinoとESCを使った駆動回路が完成したので、実用的な物としてハードディスクのスピンドルを使ったグラインダーを作ることにしました。

非力なモーターなので、小物のバリ取りや小径ドリルの研磨くらいにしか使えませんが、コンパクトで保管場所を取らず、またHDDのスピンドルはむちゃくちゃ回転精度が高いので、高品質な研磨が可能になるはずです。

◆外観
・全体
HDDグラインダー全体
・3.5インチHDDのサイズの中に駆動回路を組み込みました。
・サンドペーパー(#240)を水で薄めた木工用ボンドを使ってアルミ製のプラッターの表面に貼り付けています。
・2枚あったプラッターは、スペーサーを組み替え2枚重ねにして表面側に移動することで剛性を上げています。また、表面積が減った分、風損も少なくなったはず。
・操作パネルはM3のビスで止めていますが、元はインチのタップ穴(たぶん 1/8")なので、そこに強引にM3のタップを立てました。パネルを固定するくらいならこれでも大丈夫です。ちなみに、パネルの外形が台形になっているのはタップの穴位置に合わせた結果です。

・裏面
裏面
・裏側は配線が剥き出しです。気が向いたらカバーを付けます。
・電源は12V/1.5AのACアダプタ(ハードオフで330円)で、コネクタ無しで直結にしました。

◆回路図
回路図
・スペースが無いのでArduino NANO は止めて CPU(ATmega328P)直付けにしました。(UNOでプログラムを書いて引っこ抜いて使えば楽です)
・コネクタでバラせるようにしたのでやや複雑になってますが、内容としては前の記事の回路と同じものです。

◆ソフト
Arduino UNO/NANOで動かすことを想定したスケッチです。
20230705_BLDCmoterDrive-4.txt (BOM付きUTF-8)

◆写真
・表示部
表示
回転方向の選択スイッチを付けました。刃物を研ぐ時に便利かも知れません。(末尾の注意事項参照)

・内部
内部
この写真では判り難いですが、研磨クズが回路側に飛ぶのを防止するためのバリアを立ています。

・制御部
制御回路拡大
黄色のモジュールがESCで、容量は30Aもあります(こんな大容量は不要です)。ESCに付いていた線は太すぎなので外し、別の線をはんだ付けして配線しています。

・基板
基板部品面
出来るだけコンパクトに作りました。

・基板裏面
基板裏面

◆特性
パワー設定に対するスピンドルの回転数は以下のようになりました。
PowVsRpm
55%付近に変曲点がある感じで、ひょっとしたらここで制御モード(通電波形)が変わっているのかも知れません。

◆動画(Twitter)

◆まとめ
以前にArduinoを使った自作のドライブ回路でBLDCモーターを廻したことがありますが、専用のESCだけあってその時より数段パワフルな物に仕上がりました。

非力なモーターですが、Φ5mmのドリルの研磨くらいなら何とか可能です。またプリント基板の切断面のバリ取りにも使えました。ただ、切削液などは流せないのでワークが過熱しないように少しづつ削る必要があります。

回転計が付いているので、負荷の重さが数字で判って便利です。また、コンパクトで保管場所を取らないので軽い加工しかやらない人には使い易いと思います。

もし定盤があれば、その上で使うことで精密な研削が出来そうです。何しろ、HDDのスピンドルの回転精度は抜群に良いですから。

◆注意事項、他
・自力で回転開始出来ないので、電源ON後は手で回して起動してやる必用があります。パワーの下限を5%にしているのは、回転停止させないためです。

・高速回転する物で危険です。保護メガネなどの保護具は必ず着用しましょう。

・プラッターにガラスを使った物は、回転中に割れると危険なので使えません。また1万rpm以上の高速機などは円盤が小さいのでこの改造の素材としては向いていません。

・回転させた時に振動が出たらバランス不良なので対策が必要です。サンドペーパーの貼り付けはプラッタの動バランスを崩さないように注意。具体的には出来るだけ同心円状に切り出すこと。また、スピンドルのハブとの合わせ面にサンドペーパーを挟まないこと。HDDのハブはセルフ切削で面ブレが極小になるように加工されていたと思います。もしサンドペーパーを挟むとこのような配慮がぶち壊しになってしまいます。

・CW/CCWの切り替えがありますが、スピンドルは流体軸受けなので逆回転させると寿命に大きく影響が出る可能性があります。通常は本来の回転方向(CCW)で使った方が良いと思います。

・このESCは2-4S用、つまりリチウムイオン電池2本から4本まで対応しています。ということは最大で16.8V(4.2V x 4)で使えることになり、16Vで使うと12000rpm以上の回転数になりました。

・回転数はモーターの電圧波形から検出していますが、ESCによってはコイルの通電波形が大幅に異なっていて、この記事の回路ではうまく検出できない可能性があります。
カレンダー
06 | 2023/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
プロフィール

ラジオペンチ

Author:ラジオペンチ
電子工作を中心としたブログです。たまに近所(東京都稲城市)の話題など。60過ぎて視力や器用さの衰えを感じつつ日々挑戦!
コメントを入れる時にメールアドレスの記入は不要です。なお、非公開コメントは受け付けていません。
記事の内容のご利用は読者の自己責任でお願いします。

記事が気に入ったらクリックを!
最新記事
カテゴリ
最新コメント
リンク
FC2カウンター
検索フォーム
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード