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マウスのタクトスイッチの修理

◆まえがき
パソコンのマウスのボタンの反応が悪くなった、ということで修理を頼まれました。マウスのスイッチにはマイクロスイッチが使われることが多いと思いますが、このマウスはちょっと特殊なタクトスイッチが使われていました。

なんとか修理に成功したのですが、スイッチの構造などが参考になるかも知れないので記事で紹介します。

◆こんなマウス
マウス エレコム M-IR06DR

マウスの裏側
エレコムのM-IR06DRという型番のワイヤレスマウスです。調べてみると、赤外LEDを使ったモデルで、電池寿命が長いそうです。あと、光らない(可視光が出ない)ので、周囲の人に余計なストレスを与えないのも良いです。

◆分解
・ネジは1本だけ
裏側、止めネジを外す
三日月型の滑るシールを剥がすとネジ穴が現れ、中のビスを外すと分解出来ました。使われてるネジはこの1本だけで、ビスの頭はトルクスのT6でした。

・ケースを開けた状態
マウスの内部

・ホイールを外す
スクロールホイールを外す
基板を止めている爪を浮かして少し基板を傾けた状態にして、ホイールを取り外します。ホイールのシャフトはエンコーダーの軸穴に差し込まれているだけで、引っ張れば簡単に抜けました。

・プリント基板
プリント基板
タクトスイッチが3個使われています。

【2021/5/19 追記】
居酒屋ガレージ日記さんの記事に同じマウスの内部写真が掲載されています (エレコム製ワイヤレスマウスの修理情報) が、それを見るとマイクロスイッチが使われています。
あらためて上の写真を良く見ると、スイッチのシルク印刷には長方形の枠が書かれていることに気付きました。また、変な位置に未使用のスルホールがあります。これらは、マイクロスイッチを実装するために用意されたものと考えて間違い無いと思います。つまり、この基板はマイクロスイッチ用に設計された物で、後になってコストダウンと静音化のために静音タクトスイッチに部品を変更したということみたいです。【追記終わり】

この状態でスイッチの導通をテスターで調べると、確かに導通状態が悪いです。ということで不具合が確認出来たのでいよいよ修理開始です。以下実際に行った順番に説明して行きます。

◆タクトスイッチの交換
タクトスイッチ自体の修理は難しいと判断したので、手持ちの物に交換してみました。

・タクトスイッチ
交換を試みたタクトスイッチ
右側が修理に使った(使おうとした)スイッチです。見ての通り高さがかなり違うので、何らかの対策が必要になります。そこで、

高さ調整
ユニバーサル基板を2枚使ったスペーサーを作って、上の写真のようにスイッチの下に入れて取り付けました。

これで、電気的にはOKになったので修理完了と思ったのですが、、

交換したスイッチはバネが固すぎて操作感が悪いです。ちなみにスイッチの交換は右クリックとスクロールホイールのクリックに対して行ったのですが、オリジナルのままの左クリックと比べると押す力の差が大きくて、ものすごく違和感がありました。

これでは修理成功とは言い難いので、最初は断念していたタクトスイッチの修理に挑戦してみました。

◆タクトスイッチの修理
以下分解の手順です。

・上カバーのカシメを外す
リベットの頭を取る
ボスを熱で潰すことで上カバーが固定されていますが、この頭をカッターで切り落としました。

・上カバーを外す
カバーを外す

・ボタンを外す
ボタンを外す
中から灰色のゴム製の部品が出て来ました。赤い押しボタンからの力を、灰色のゴムを経由して伝えることで皿バネを保護しているのでしょうか?ともかく、この部品を入れているのでスイッチの縦方向の高さが大きくなったようです。

・押しゴムを外す
押しゴムを外す
皿バネが見えてきました。

・皿バネを外す
皿バネを外す
やっと接点が見えました。

・接点清掃
接点清掃
皿バネの裏側と、スイッチの接触面を清掃します。キムワイプにIPAを浸み込ませて接点をクリーニングしました。なお、接触不良だった接点には微小な繊維クズや黒い汚れが付着していました。たぶんこれが接触不良の原因だと思います。

クリーニングした後は、ピンセットの先で接点の表面を軽くなぞる(かっこよく言うとバニシング)してフレッシュな金属面を出しておき、最後にフロンダスターで細かいゴミを吹き飛ばしました。なお、接点復活材を塗布しておくと良い、という話もあるようですが、なんだか心配なので止めました。

・組み立て、カバー接着
再組立て、接着
接点のクリーニングが終わったら再組立てして修理完了です。カバー固定用のボスの頭は切断してしまったので、2液のエポキシをごく微量盛って抜け止めとしました。

◆使用した工具類
使った道具
接点の清掃だけならハンダゴテは使わなくても済みます。

ちなみに今回のような小さな部品を分解する場合、パーツを飛ばすと探すのが大変になります。そこで作業前に机の上は清掃し、柔らかい布でも敷いて、その上で作業すると安全です。布を敷いておくと飛んだ部品が探し易くなるのと、柔らかいので部品が遠くまで飛び難くなります。この記事の4枚目の写真から背景に変な模様が写っていますが、これがその布の柄です。

◆まとめ
このマウスはもの凄く軽いタッチでクリック出来るのですが、その操作感を損なわずに修理することが出来て良かったです。最初やった修理の状態だったら使ってもらえなかった気がします。

タクトスイッチは修理不能という印象がありますが、その気になってやれば出来なくも無いことが判って良かったです。

【2021/5/17 追記】
コメントで教えて頂いたのですが、このタクトスイッチはAliExpressでいっぱい売られていました。AliExpressの日本語のページではサイレントマウスマイクロスイッチという名前が付いていますが、ミュートスイッチとも呼ばれているようです。ミュートスイッチとは変な名前を付けたもんだなーと思ったのですが、どうも静音スイッチという意味で使われているようです。皿バネから発生するショックを、柔らかいゴムを挟むことで吸収する構造になっている物を、ミュートスイッチ呼んでいるようです。
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No title

秋葉原とかで入手できる普通のタクトスイッチとはちょっと違うものですが、マウスの中身にはこのタイプのタクトスイッチがよく使われているみたいです。

以前、手持ちのマウスのスイッチを静音化するときに、Aliexで探したところ、このタイプの形状のものはたくさん売られていました。

https://ja.aliexpress.com/item/1005001826119139.html

私が買ったショップのはもう取り扱い終了でページがなくなってましたが、これが同じメーカーの同型品のようです。
ちょっと高いですが、マウス用なので触感はいい感じで、音がカチカチでないのも個人的に気に入ってます。

nekosanさん、情報ありがとうございます

なるほど、AliExpressに同じスイッチが売られているんですね。アリエク恐るべしですね。

あと、おっしゃているように、このスイッチは、タッチが軽くて音も静かなので使い易そうです。

No title

私もやりました、ラジペンさんと同じく普通のSWを使ったので
凄く感触が悪く、今は別のマウスを使っています
清掃すればよかったです・・・もう処分してしまいました残念です

低さん、今晩は

そうですよね、普通に売っているタクトスイッチと交換したくなりますよね。同じこと考える仲間がいて安心しました。

名称は色々あるようです

勉強になりました。

写真で見る限り、類似したスイッチはAmazonでも売られていました。ロット個数により価格はまちまちで、お安いのは中国直送のようです。
https://amzn.to/3uZ7PcM など。
aitendoには、別の形をした静音タクトスイッチが売られていましたが、高さがまちまちなので、互換性については確認できません。

もともと高級マウスでは、オムロン製のマイクロスイッチが使われていたようです。これの静音化改造に今回と同じに見えるスイッチを使った例がありました。もしかしたら、修理なさったマウスの背の高いタクトSWは、このマイクロスイッチの高さに合わせた互換パーツなのではないかと感じました。
https://kohacraft.com/archives/1069931827.html
https://kohacraft.com/archives/silentmagicmousemod.html

信頼性ある修理には、互換スイッチ入手が前提ですが、接点復活剤を吹いてるよりは、分解しちゃった方が早い場合もあります。最近はスライドSWやロータリーSWもやっちゃったりしています。

今回オリジナルに戻されたのは、音より必要圧など感触だった?でしょうか。個人的にはマウスのクリック音は気にならない(むしろ反応を確認できる)のですが、タクトSWは音の問題はなさそうですから、感触の方での選択なんですね。

色も全く同じエレコムのマウスを仕事場PCで常用

まったく同じのを常用しています。(色まで)
裏返すと、「2014年8月」と使用開始年を記していました。
   ※電池は何度も替えてます
ボタンの修理が必要になった時・・・この記事を覚えておきます。
『たしかラジペンさんの記事にあったはず』っと。

re:名称は色々あるようです

Amazonにも売られていたんですね。

今回の修理で普通のタクトスイッチを使わなかったのは感触が悪かったのと、押す力が大きすぎたためです。

特にセンターホイールのクリックはテコになっているので、スイッチの操作に必要な力の2倍の力で押さないといけなくて、これで使ってくれとは言い難い重さでした。ちなみにセンターホイールのクリックは良く使うのだそうです。

re:色も全く同じエレコムのマウスを仕事場PCで常用

それは奇遇ですね。

私はコード付きのマウスばかり使っているのですが、こういうワイヤレスの小さいのも使って見ると便利ですね。今回の修理で自分のPCに繋いで動かしたのですが、具合が良かったです。

メモがわりに記事に

re:メモがわりに記事に

色だけでは無くて、印刷されているイラストの絵まで同じだったんですね。

re2:メモがわりに記事に

そちらのマウスのスイッチはマイクロスイッチだったんですね。

うちの基板の写真を良く見ると、スイッチのシルク印刷が横長になっていることに今頃気付きました。基板は変えないでタクトスイッチに変更したみたいです。

マイクロスイッチにはA接点、B接点がありますが、A接点のピンの位置がタクトスイッチのピン位置と一致しているので、高さを合わせれば互換スイッチが作れる、という乗っ取り作戦が背景にあるのかも知れません。

ちなみに、このストーリーは、コメントで macoswayさんが指摘されていました、流石です。
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