Arduinoで作る72LEDクリスマスツリー(ハード製作編)
◆まえがき
前回の回路検討編の続き。今回はハード製作編ということで、ツリーの構造を作ってLEDを取り付け、配線を行います。なお、このツリーは8層構造になっていますが、その層の名前は一番下がL7で一番上の層をL0と呼ぶことにします。
・完成状態

台を作るのが面倒だったので、ブレッドボードから直接ツリーが生えた形にしています。この辺りはお好みでアレンジしてみてください。
◆回路図(クリックで別窓に拡大)
前の記事と同じものですが、配線の参考になるので再掲しておきます。

◆結合コネクタ
上の回路図のように各層はコネクタで接続されています。このコネクタには多連のピンヘッダとピンソケットを必要な長さに切断してはんだ付けたものを使用しました。コネクタの状態で上から下まで結合したのが下記の写真です。(この写真も前の記事と同じものです)
・層間接続コネクタ

これがツリーの中央を貫通する形で入ることになります。なお、層間のピッチは約14mmになりました。
◆各層の製作
各々の層はアクリル板を加工して作りました。LEDは2本のリードでアクリル板をまたいだ状態で取り付け、UVレジンで固定しています。なお、使ったアクリル板は公称の厚さが2mmの物ですが、実際の厚さは1.8mm程度なので、LEDのピン間にぴったと入ります。
以下ポイントを説明します。
・L7の状態(上面)

回路図では線がいっぱい交差していてややこしく見えますが、実際には写真のような判りやすい配線になリます。
当たり前の話が多いですが、注意事項などを含め以下にまとめておきます。
1) アクリル板の加工
・ アクリル板を所定の寸法に丸く切り、LEDの取り付け位置にマーキング(φ1のドリルで穴を開けました)。星形に切ると格好良いのですが、加工が大変なのでパス。
・ アクリル板の真ん中に長方形の穴を開け、コネクタのピンヘッダのモールド部をエポキシ接着剤で固定しました。なお、D5とD6の中間がツリーの中心になります。
・ コネクタが黒色なのが目立つので、その前面と側面を白く塗りました。これはアクリル板の前後表示を兼ねています。
・ コネクタだけでは上のアクリル板がぐらつくので、支えを2個作って接着で固定。
2) LEDの取り付け
・ Φ3mmの白色高輝度LEDを使用。但し、そのままでは正面だけに光が出るので、ミニルーターに粗い砥石を付けて先端を平らにカットすると共に側面も艶消しにしました。56LEDツリーの製作記事の中に説明があります。
・ LEDはアクリル板リードで跨ぐ状態で取り付け、UVレジンで接着固定。
3) 配線
・ 回路図通りに配線します。上の写真のように左右対称になっていて順番に接続すれば良いので判り易いと思います。
・ LED間の接続はLEDのリードだけで出来る(届く)ので作業量は比較的少なくて済みます。但しLEDの極性を間違えないこと。
・ コネクタ側は、ピンヘッダとソケットの狭い接続部にはんだ付けする必要があるので、少し難易度が高くなります。
・ 配線には細いスズメッキ線を使いました。(上の写真は一部UEW)
・ 裏側への配線は、板に小さな穴を開けてそこに線を通しています。
・ 線はUVレジンでアクリル板に接着して保護しておきます。
・L7の状態(下面)

裏側はLEDの全部のピンを並列に接続しています。
引き出し線を1本出し、アクリル板に空けた穴を通して反対側のコネクタに接続します。
◆L7, L6

サイズは、L7がΦ78の16LED、L6がΦ68の14LEDです。
◆L5, L4, L3, L2, L1, L0

サイズは、L5がΦ57の12LED、L4がΦ46の10LED、L3がΦ36の8LED、L2がΦ22の6LEDです。
L1とL0はアクリル板は使わず3ピンのピンヘッダにLEDを空中配線して作っています。L1が4LED、L0が2LEDです。
◆L1, L0と接続アダプタ

接続アダプタは9ピンのオスメスのピンヘッダで、これを最下部にゲタ代わりに入れてブレッドボードに接続します。
◆全部結合した状態

ツリーを下から見た写真です。
◆駆動回路

ブレッドボードにArduino NANOを取り付けただけの物です。IOピンのD2からD10にツリーのコネクタを差し込めば完成です。
ブレッドボードの電源ラインに刺さっている黒い物はツリーのぐらつき防止用のスペーサーです。あと、この写真では、電源に電解コンデンサが入ってますが、これは無くても大丈夫です。
◆別の作り方
以上でハードは完成です。配線は楽に出来るようになっているのですが、アクリル板の加工が結構大変で、コネクタを通す角穴を作るのも面倒でした。また、LEDの数はそれぞれの板で違っているので、角度の割り出しに結構な手間がかかります。ちなみに、割り出し精度が悪いと、組み立てた時にLEDが一直線に並ばなくなるので手抜きがすぐにバレます。
そんなことで精度の高い物を楽に作る方法として、以下のような方法で作ると良さそうです。
1) レーザー加工でアクリル板を切断する。
2) 3Dプリンタ作る。この場合スペーサー用の足も同時に作れると思います。また、ツリーの足をもっとそれっぽく作ることも出来そうです。
3) プリント基板を作る。これなら部品をはんだ付けするだけでいけます。うまく設計すれば片面板でもいけるか、
こういうことが得意な方はぜひともチャレンジしてみてください。
◆まとめ
LEDの数が72個と多いですが、2個ペアで配線出来るので実質的な作業量は半分で済みます。また、配線の接続は判り易くしてあるのであまり悩まないでも良いはずです。
この記事ではミニマムサイズの物を作りました。これをもっと大きくしてデコレーション小物を付けられるような物にすれば、もっと綺麗なツリーになると思います。
これでハードは出来たので、次の記事ではいよいよソフトを作ってツリーを完成に持って行きます。
前回の回路検討編の続き。今回はハード製作編ということで、ツリーの構造を作ってLEDを取り付け、配線を行います。なお、このツリーは8層構造になっていますが、その層の名前は一番下がL7で一番上の層をL0と呼ぶことにします。
・完成状態

台を作るのが面倒だったので、ブレッドボードから直接ツリーが生えた形にしています。この辺りはお好みでアレンジしてみてください。
◆回路図(クリックで別窓に拡大)
前の記事と同じものですが、配線の参考になるので再掲しておきます。

◆結合コネクタ
上の回路図のように各層はコネクタで接続されています。このコネクタには多連のピンヘッダとピンソケットを必要な長さに切断してはんだ付けたものを使用しました。コネクタの状態で上から下まで結合したのが下記の写真です。(この写真も前の記事と同じものです)
・層間接続コネクタ

これがツリーの中央を貫通する形で入ることになります。なお、層間のピッチは約14mmになりました。
◆各層の製作
各々の層はアクリル板を加工して作りました。LEDは2本のリードでアクリル板をまたいだ状態で取り付け、UVレジンで固定しています。なお、使ったアクリル板は公称の厚さが2mmの物ですが、実際の厚さは1.8mm程度なので、LEDのピン間にぴったと入ります。
以下ポイントを説明します。
・L7の状態(上面)

回路図では線がいっぱい交差していてややこしく見えますが、実際には写真のような判りやすい配線になリます。
当たり前の話が多いですが、注意事項などを含め以下にまとめておきます。
1) アクリル板の加工
・ アクリル板を所定の寸法に丸く切り、LEDの取り付け位置にマーキング(φ1のドリルで穴を開けました)。星形に切ると格好良いのですが、加工が大変なのでパス。
・ アクリル板の真ん中に長方形の穴を開け、コネクタのピンヘッダのモールド部をエポキシ接着剤で固定しました。なお、D5とD6の中間がツリーの中心になります。
・ コネクタが黒色なのが目立つので、その前面と側面を白く塗りました。これはアクリル板の前後表示を兼ねています。
・ コネクタだけでは上のアクリル板がぐらつくので、支えを2個作って接着で固定。
2) LEDの取り付け
・ Φ3mmの白色高輝度LEDを使用。但し、そのままでは正面だけに光が出るので、ミニルーターに粗い砥石を付けて先端を平らにカットすると共に側面も艶消しにしました。56LEDツリーの製作記事の中に説明があります。
・ LEDはアクリル板リードで跨ぐ状態で取り付け、UVレジンで接着固定。
3) 配線
・ 回路図通りに配線します。上の写真のように左右対称になっていて順番に接続すれば良いので判り易いと思います。
・ LED間の接続はLEDのリードだけで出来る(届く)ので作業量は比較的少なくて済みます。但しLEDの極性を間違えないこと。
・ コネクタ側は、ピンヘッダとソケットの狭い接続部にはんだ付けする必要があるので、少し難易度が高くなります。
・ 配線には細いスズメッキ線を使いました。(上の写真は一部UEW)
・ 裏側への配線は、板に小さな穴を開けてそこに線を通しています。
・ 線はUVレジンでアクリル板に接着して保護しておきます。
・L7の状態(下面)

裏側はLEDの全部のピンを並列に接続しています。
引き出し線を1本出し、アクリル板に空けた穴を通して反対側のコネクタに接続します。
◆L7, L6

サイズは、L7がΦ78の16LED、L6がΦ68の14LEDです。
◆L5, L4, L3, L2, L1, L0

サイズは、L5がΦ57の12LED、L4がΦ46の10LED、L3がΦ36の8LED、L2がΦ22の6LEDです。
L1とL0はアクリル板は使わず3ピンのピンヘッダにLEDを空中配線して作っています。L1が4LED、L0が2LEDです。
◆L1, L0と接続アダプタ

接続アダプタは9ピンのオスメスのピンヘッダで、これを最下部にゲタ代わりに入れてブレッドボードに接続します。
◆全部結合した状態

ツリーを下から見た写真です。
◆駆動回路

ブレッドボードにArduino NANOを取り付けただけの物です。IOピンのD2からD10にツリーのコネクタを差し込めば完成です。
ブレッドボードの電源ラインに刺さっている黒い物はツリーのぐらつき防止用のスペーサーです。あと、この写真では、電源に電解コンデンサが入ってますが、これは無くても大丈夫です。
◆別の作り方
以上でハードは完成です。配線は楽に出来るようになっているのですが、アクリル板の加工が結構大変で、コネクタを通す角穴を作るのも面倒でした。また、LEDの数はそれぞれの板で違っているので、角度の割り出しに結構な手間がかかります。ちなみに、割り出し精度が悪いと、組み立てた時にLEDが一直線に並ばなくなるので手抜きがすぐにバレます。
そんなことで精度の高い物を楽に作る方法として、以下のような方法で作ると良さそうです。
1) レーザー加工でアクリル板を切断する。
2) 3Dプリンタ作る。この場合スペーサー用の足も同時に作れると思います。また、ツリーの足をもっとそれっぽく作ることも出来そうです。
3) プリント基板を作る。これなら部品をはんだ付けするだけでいけます。うまく設計すれば片面板でもいけるか、
こういうことが得意な方はぜひともチャレンジしてみてください。
◆まとめ
LEDの数が72個と多いですが、2個ペアで配線出来るので実質的な作業量は半分で済みます。また、配線の接続は判り易くしてあるのであまり悩まないでも良いはずです。
この記事ではミニマムサイズの物を作りました。これをもっと大きくしてデコレーション小物を付けられるような物にすれば、もっと綺麗なツリーになると思います。
これでハードは出来たので、次の記事ではいよいよソフトを作ってツリーを完成に持って行きます。
- 関連記事
-
- ダイソーのCOBホルダーライト、動作解析編
- Arduinoを使った72LEDクリスマスツリー(操作解説編)
- Arduinoで作る72LEDクリスマスツリー(ハード製作編)
- Arduinoで作る72LEDクリスマスツリー(回路検討編)
- フレキアーム付きLEDルーペをバージョンアップ