液晶モニタの修理(電源の電解コンデンサを交換)
◆まえがき
パソコンの液晶モニタが壊れたので修理しました。壊れたのはマルチディスプレイのサブ側で使っている物なので、無くても何とかなります。でもデスクトップがいきなり狭くなるとえらく使い難いです。
そんなことで、ダメ元で分解して調べてみたら意外と簡単に修理出来ちゃったという話です。
◆液晶モニタ
20インチの1680x1050画素と言う変なサイズのディスプレイです。なおこの画面は修理後にノートPCからVGAの画面を送って表示させている状態です。
◆内部
爪で止まってるカバーを開けると中が見えてきます。
・電源部
電源が入らなかったりするので、この基板が怪しいです。
・電源基板
上半分はFL菅の点灯回路で、下半分がDC電源です。基板の右下の赤矢印で示した電解コンデンサの頭が膨らんでいました。
・膨れた電解コンデンサ
回路を追うと、このコンデンサは5Vのスイッチング電源の出力コンデンサでした。ここは大きなリップル電流が流れるので性能的にはきつい部品です。
オシロで見ると、電圧の平滑機能が失われていて、5V電源なのに電圧が4Vから6Vくらいまで振れる大きなリップルが発生していました。これでは回路がまともに動くわけがありません。
この電源から15Vも出ていますが、こっちはリップルは無く綺麗な電圧が出ていました。
・容量測定
膨らんでいた電解コンデンサは16V/1000μFの物ですが、その容量を測ると、137.8μFしかありません、またESRは11.2Ωもありました(普通なら0.1Ω程度です)。これでこの部品が不良になっていたことが確認出来ました。
・電解コンデンサ
修理のため、手持ちの電解コンデンサと交換しました。左がダメだった物、右が交換して新しく取り付けた物です。
新しく取り付けた物は105℃ランク品で、容量はちょっと増やして1500μFにしておきました。因みにESRを測定すると0.0Ω表示でした(低すぎて測定出来ない)。
◆まとめ
ちょっと手に負えないかなと思ったのですが、意外とうまく修理出来て良かったです。
古い電気製品の故障原因として電解コンデンサの劣化は有名ですが、こうして自分がその現象にぶち当たったのは初めてです。測定で電解コンデンサの特性不良が確認出来たので、自信を持って修理を進めることが出来ました。
以上、こんなこともあるということで、この記事が何かの参考になれば幸いです。
電源の内部にはコンセンントに直結されている部分があり、スイッチを切っても高い電圧がチャージされたままになっている箇所もあって感電する恐れがあります。分解や修理は自己責任でお願いします。
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