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電池タブ溶接機を使ったコイルガン(特性測定偏)

◆まえがき
コイルガンの話の続きです。前回の記事で作ったコイルガンの弾速の測定などを行います。

◆コイルB
・外観
コイル
(前の記事と同じ写真です)

・弾速測定結果
コイルAの特性
これはコイルの通電時間(パルス幅)に対する弾速の変化を表わしたグラフで、弾の装填位置を変えた時の弾速の変化を表しています。

パルス幅が小さいと加速不足、長くなり過ぎると弾が引き戻されて弾速が落ちるので、最適なパルス幅が存在するということになります。

装弾位置の値が小さいとパイプの入り口側に近い(コイルから遠くなる)のでその分だけ助走区間が長くなって通電時間が長く必要になる。ということを示していると思います。

装填位置=4mm、パルス幅=2.5msあたりが弾速の最高値で9.3m/s でした。9.3m/sは時速33.5kmで、これくらいなら手で投げても出そうな値なのでちょっと物足りません。そこでコイルC2を作りました

◆コイルC2
・外観
コイルC
前回の記事で説明したように外部ヨーク付きで、コイルの線を2重巻きにして直流抵抗を減らしたものです。

・全景
コイルCの全景
弾を発射した時の反力を受けるため、コイルを金属のベース(古い3.5インチのHDD)に接着固定しました。また、HDDは大きなMDFの板に引っ掛かるように置いてあるので簡単には動かなくなっています。

・弾速測定結果
コイルCの特性
装弾位置=1mm、駆動パルス幅=3.0msで弾速=13.43m/sが出ました。時速48.3kmなのでやっとそれらしい速度になってきました。
なお、コイルをしっかり固定しない場合、弾速が0.3mくらい低い値となりました。コイルの巻き線をワニスでしっかりと固めるともう少し弾速が上がるかも知れません。

・効率
コイルCの効率
コイルに投入したエネルギー(抵抗、電圧、通電時間から計算)と弾の運動エネルギーから求めた効率です。
最速が出た条件(L=1mm、通電時間3.0ms)での効率は2.85%となります。コイルガンとしては一般的な値が出ていると思います。

計算式
 発射エネルギー:通電時間 x (コイル電圧^2)/コイル抵抗 = 3ms * 7V^2 / 26.5mΩ = 5.55J
 弾丸エネルギー:1/2 x m x V^2 = 0.5 * 1.75g * 13.43^2 = 0.158J

◆測定方法
話が前後しますが測定方法について説明します。弾速はLEDを光センサーに使った弾速計で弾の通過時間を測定することで行いました。この時間測定に最初はオシロを使っていたのですが、分解能が悪いのでコイルC2の測定ではユニバーサルカウンタを使った時間差測定に変更しました。

・ユニバーサルカウンタを使った弾速測定
ユニバーサルカウンタで弾速測定
A/Bチャンネルを使ったタイムインターバル測定を行ったので分解能0.1μsで測定が可能です。この写真では時間差2.3075msとなっていて、センサー間隔は0.03mなので弾速は 0.03/0.0023075=13.001m/sと求めることが出来ます。

◆まとめ
手持ちの機材で簡単に出来る実験としてはここまでです。前の記事にも書きましたが電源にもっと強力な物を使えばより威力のある物が作れると思います。

複数のコイルを使って順次加速を行えばもっと弾速を上げることが出来ますが、段数分の溶接機の基板が必要になるので結構なコストがかかってしまうのが難点です。それと危険なのであまり気安く撮り組むわけにもいきません。

このコイルガンは磁界により強磁性体が吸引される現象を使っているので、弾体が磁気飽和してしまうとそれ以上加速することが出来なくなるという制限があります。なお、多段にすれば大丈夫。この制限から逃れる方法として、非磁性の金属(アルミ)に発生する渦電流による反発力を使う手があります。
これはコインガンなどの名前で電気系の学校の学園祭の出し物としてよく見かけたものです。電池タブ溶接機を使って同じ物を作って見るのも面白そうなので機会があればチャレンジしてみたいと思います。
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おつかれさまです^^)

今回もまた、とても興味深い考察でした。

効率3%近いのは、かなり良い数字じゃないでしょうか。
電源型はコンデンサー型に比べて瞬発力で劣りますが、パルス幅までファクターできるところが強みですね。

次は誘導電流でしょうか? また楽しみです/^^)。

re:おつかれさまです^^)

コンデンサー型と比べるとじっくり加速できるので効率の点で有利なのかも知れないですね。

他にやりたいことがあるので、誘導型の実験はその後になりそうです。
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