LEDルーペの電源スイッチを改良
◆まえがき
以前フレキアーム付きのLEDルーペを作って便利に使っているのですが、その電源スイッチの調子が悪くて中途半端な明るさでしか光らないことが多くなってきました。
・LED照明付きルーペ
細かい物を見るのに重宝しています。スイッチはオルタネートのプッシュスイッチで、何度か操作を繰り返すと回復するのですが、毎回そんなことやってられません。
・全体の外観
LEDの数を増やしたりDCDCコンバーターを入れたりしているので、接点容量に対して電流が大きすぎなんでしょう。仕方が無いので、トランジスタスイッチを追加することにしました。
◆回路の検討
1) トランジスタで電源を制御
実は最初はパワーFETでやってみたのですが、電池の電圧が下がると昇圧コンバーターを起動出来なくなってしまいました。Vgsが足らなくて充分にFETをONにすることが出来なくなるのだと思います。このライトは電池の残容量の最後まで吸い尽くしたいのでそれでは困ります。
そんなことで、上の回路図のようにバイポーラトランジスタを使うことにしました。
なお、1.8Vや2.5V駆動のパワーFETを使えば話は簡単だったのですが、手持ちがありませんでした。
GND側をコモンにしたい場合はPNPトランジスタをハイサイドに入れることになります。
2)パワーFETを併設
とりあえず1)項の回路で動いたのですが、Q1で電圧ロスが0.15Vくらい発生するのがちょっと勿体ないです。電源電圧2.8Vくらいまでは使いたいので、0.15Vのロスは痛いです。
そこで、以下のようにパワーFETを並列に入れてロスを減らすことにしました。
制御電圧を昇圧コンバーターの出力から持ってくれば7V以上確保出来るので、Q2のパワーFETを充分ONさせることが出来ます。(Q2は大容量のFETですが、ここは2Aクラスで4.5V駆動のFETなら何でも使えるはずです)
電源ONの瞬間は昇圧コンバータは動作していないので入力電圧がそのまま出力されています。その電圧を使ってまずはQ1をONにしてコンバーターを起動。コンバーターが動けば7.2Vまで電圧が上がるので、その電圧でQ2をONにしてスイッチ抵抗を下げるという仕掛けです。Q2を入れた効果で電圧ドロップ(ロス)は5mVくらいまで下げることが出来ました。
・実装の状態
隙間に回路を押し込みました。
◆まとめ
これで快調に使えるようになりました。スイッチの接点清掃などはやっていないので、ON抵抗は例えば1kΩとかになっているのでしょうが、トランジスタを入れた効果で快調に使えるようになりました。
本文中にちょっと触れましたが、2.5Vか1.8V駆動のパワーFETを使えばこんなにややこしい回路にしなくても良くなります。最近のマイコンのIO電圧は3.3Vの物が多いので、駆動電圧が低いパワーFETをストックしておくのも良さそうです。