100円ショップの万歩計(歩数計)の高速化、ダイソー編
キャンドゥの万歩計を高速動作するように改造してガイガーカウンターを作りました。その後、読者の方からのコメントで、私が使ったタイプの物はもう売られていないらしく、今手に入る物は、私が記事にしたような方法では高速化改造できなくなってしまったそうです。
これでは簡単な工作でガイガーカウンターを作る道が閉ざされてしまいます。ということで、ダイソーの万歩計(歩数計)を改造してみました。
▼物はこれ
▼内部のプリント基板
LSI以外の部品としては、左上から反時計回りに、C2, C1, CT, C3, R1があります。(C3はパッドだけで部品は実装されていません)
▼回路図
カウントはスイッチで端子を電源レベルに上げる方式。つまり、インターフェィスとしては前に作ったキャンドゥの万歩計と同じです。つまり以前の回路がそのまま使えます。
C1とC2は液晶用の電圧発生回路と思われるので手をつけません。改造は、キャンドゥの時と同じく以下の二点。
1)チャッタ防止コンデンサ(CT)を取り外す。(パターンカットでも可)
2)クロック周波数調整用のR1を8.2KΩに変更。
改造前のR1は820kΩが付いていますが、この抵抗を下げてクロック周波数を上げます。実験してみると、0Ωにしても大丈夫だったのですが、石の健康に悪そうな気がしたので、6.8kΩにしておきました。(この値には何ら根拠はありません)。ちなみに、改造前のクロックは25kHzだったのが、この改造で770kHzに上がります。それだけ高速動作するようになったと思います。但し、電源の消費電流は3.5μA程度が140μAに増えます。
この改造後にどの程度の周波数まで測定可能かは調べていません。入力端子を手で触るとすごい勢いでカウントが進み、ぴったり50cpsの値が出たので、電源周波数には追従できているようです。
その後、動作速度を調べてみたところ、この状態での最高動作速度は100cpsでした。R1を 0Ωにすると120cpsまで上がりました。抵抗を追加する作業はやっかいなので、クズ線でショートさせてしまうのが手っ取り早いと思います。抵抗とクロック周波数の関係を見ると、LSIの内部にも直列の抵抗が入っている感じなので、0Ωにしても石の健康にはあまり影響は無いと思います。本当かな?(2011.6.20追記)
▼改造部の写真
左がCTのパターンカット。右がR1の改造部で、元の抵抗は外すのが面倒なので、そのまま6.8kΩを並列接続してます。たぶんここがこの改造の最難間です。
抵抗を付けるのが面倒なら元のチップ抵抗の上にはんだを盛ってショートさせちゃえば簡単だと思います。あ、これ実際にやったわけでは無いです。事前調査ではゼロオームでも確か動いていたとおもうので、たぶん大丈夫。でも、うまくいかなかったらごめんなさい。
▼配線引き出し
赤が電源(外部から1.5V印加)、灰色がグラウンド、黄色が信号で、ここを電源レベルへ(スイッチの代わりに)トランジスタで引っ張ることでカウントします。なお、キャンドゥのカウンターはスイッチがオフになったらカウントが進んでいましたが、ダイソーのはスイッチがオンになった時点でカウントが進んでいました。ガイガーカウンターに使うならどうでもいい話なんですけど、仕様の違いがちょっと面白い。
▼カウンターの鳴き合せ
以前作ったガイガーカウンターのカウンター、(ややこしい)と並列に接続して、ウランガラスの試験用線源でカウント性能をテスト。(細かいことを言うと、信号のプルダウンが2台分効くので、単体の場合とは挙動が少し変わります)
もちろんゼロリセットしておいて、よーいドンでスタートさせました。この時点ではキャンドゥのカウンターは4213カウント、一方ダイソーのカウンターは4158カウントです。つまり、1.3%くらいダイソーのカウンターの値は少ないことになります。数え落しがあるのでしょうが、GM管自体にも数え落しがあるので、これくらいなら問題無いと思います。あと、書き忘れていました、この時のカウント速度は100cpmくらいです。
ということで、万歩計を改造してガイガーカウンターを作る手は、まだ使えそうです。
【2011年6月4日追記】
関連記事:万歩計への配線が二本ですむ接続方法
【2011年8月28日追記】
この改造をすると、時間が経つとLCDの表示がおかしくなる(セグメントによってコントラストが違ってくる)現象が発生することがあるそうです。この話は、宇都宮泰さんのガイガーカウンター製作ワークショップの8月26日の実況をUSTREAMで視聴していて知りました。発生率は10%くらいだそうです。
私のガイガーカウンターの回路では、単三の電池から電源スイッチを経由して電源を供給しているので、この問題は起き難いと思いますが、ボタン電池を入れっぱなしで使う場合はご注意下さい。
なお、表示が変になってしまった場合は、液晶のパネルだけ交換すれば修理可能だそうです。
【2011年11月19日追記】
形は変わりませんが、パッケージと中身が少し変わった製品が出回っていることを、1F近くの住民さんから教えていただきました。新製品を入手したので特性について調べてみました。詳しくはこちらの記事で、
これでは簡単な工作でガイガーカウンターを作る道が閉ざされてしまいます。ということで、ダイソーの万歩計(歩数計)を改造してみました。
▼物はこれ
▼内部のプリント基板
LSI以外の部品としては、左上から反時計回りに、C2, C1, CT, C3, R1があります。(C3はパッドだけで部品は実装されていません)
▼回路図
カウントはスイッチで端子を電源レベルに上げる方式。つまり、インターフェィスとしては前に作ったキャンドゥの万歩計と同じです。つまり以前の回路がそのまま使えます。
C1とC2は液晶用の電圧発生回路と思われるので手をつけません。改造は、キャンドゥの時と同じく以下の二点。
1)チャッタ防止コンデンサ(CT)を取り外す。(パターンカットでも可)
2)クロック周波数調整用のR1を8.2KΩに変更。
改造前のR1は820kΩが付いていますが、この抵抗を下げてクロック周波数を上げます。実験してみると、0Ωにしても大丈夫だったのですが、石の健康に悪そうな気がしたので、6.8kΩにしておきました。(この値には何ら根拠はありません)。ちなみに、改造前のクロックは25kHzだったのが、この改造で770kHzに上がります。それだけ高速動作するようになったと思います。但し、電源の消費電流は3.5μA程度が140μAに増えます。
この改造後にどの程度の周波数まで測定可能かは調べていません。入力端子を手で触るとすごい勢いでカウントが進み、ぴったり50cpsの値が出たので、電源周波数には追従できているようです。
その後、動作速度を調べてみたところ、この状態での最高動作速度は100cpsでした。R1を 0Ωにすると120cpsまで上がりました。抵抗を追加する作業はやっかいなので、クズ線でショートさせてしまうのが手っ取り早いと思います。抵抗とクロック周波数の関係を見ると、LSIの内部にも直列の抵抗が入っている感じなので、0Ωにしても石の健康にはあまり影響は無いと思います。本当かな?(2011.6.20追記)
▼改造部の写真
左がCTのパターンカット。右がR1の改造部で、元の抵抗は外すのが面倒なので、そのまま6.8kΩを並列接続してます。たぶんここがこの改造の最難間です。
抵抗を付けるのが面倒なら元のチップ抵抗の上にはんだを盛ってショートさせちゃえば簡単だと思います。あ、これ実際にやったわけでは無いです。事前調査ではゼロオームでも確か動いていたとおもうので、たぶん大丈夫。でも、うまくいかなかったらごめんなさい。
▼配線引き出し
赤が電源(外部から1.5V印加)、灰色がグラウンド、黄色が信号で、ここを電源レベルへ(スイッチの代わりに)トランジスタで引っ張ることでカウントします。なお、キャンドゥのカウンターはスイッチがオフになったらカウントが進んでいましたが、ダイソーのはスイッチがオンになった時点でカウントが進んでいました。ガイガーカウンターに使うならどうでもいい話なんですけど、仕様の違いがちょっと面白い。
▼カウンターの鳴き合せ
以前作ったガイガーカウンターのカウンター、(ややこしい)と並列に接続して、ウランガラスの試験用線源でカウント性能をテスト。(細かいことを言うと、信号のプルダウンが2台分効くので、単体の場合とは挙動が少し変わります)
もちろんゼロリセットしておいて、よーいドンでスタートさせました。この時点ではキャンドゥのカウンターは4213カウント、一方ダイソーのカウンターは4158カウントです。つまり、1.3%くらいダイソーのカウンターの値は少ないことになります。数え落しがあるのでしょうが、GM管自体にも数え落しがあるので、これくらいなら問題無いと思います。あと、書き忘れていました、この時のカウント速度は100cpmくらいです。
ということで、万歩計を改造してガイガーカウンターを作る手は、まだ使えそうです。
【2011年6月4日追記】
関連記事:万歩計への配線が二本ですむ接続方法
【2011年8月28日追記】
この改造をすると、時間が経つとLCDの表示がおかしくなる(セグメントによってコントラストが違ってくる)現象が発生することがあるそうです。この話は、宇都宮泰さんのガイガーカウンター製作ワークショップの8月26日の実況をUSTREAMで視聴していて知りました。発生率は10%くらいだそうです。
私のガイガーカウンターの回路では、単三の電池から電源スイッチを経由して電源を供給しているので、この問題は起き難いと思いますが、ボタン電池を入れっぱなしで使う場合はご注意下さい。
なお、表示が変になってしまった場合は、液晶のパネルだけ交換すれば修理可能だそうです。
【2011年11月19日追記】
形は変わりませんが、パッケージと中身が少し変わった製品が出回っていることを、1F近くの住民さんから教えていただきました。新製品を入手したので特性について調べてみました。詳しくはこちらの記事で、
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