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写るんですの昇圧トランスの特性(過渡編、続き)

 一旦、10月8日に同じタイトルで記事を書いたのですが、どうも納得がいかない点があったので翌日にその中身は削除し、もう少し詳しく調べてみました。

 説明が前後しますが、取り組んでいるのはGM管のSBM-20を使ったガイガーカウンターの高圧電源作りで、全体の回路はこんな感じの物です。

▼回路図
等価回路
 トランスは写るんですのストロボ回路の物ですが、低電圧動作を目指し、一次側のコイルの巻き数を6ターンから4ターンへ減らしています。また、書き忘れましたが、実際の回路では負荷に100MΩの抵抗がぶら下がっています。

▼波形全体の様子
波形全体像

 約1kHzの周期でドライブ。その都度減衰振動しています。

 GM管の電源として動作させる場合はドライブパルス幅が10μSあたりがいちばん効率が良くなります。しかし、この短いパルス幅では、何が起こっているのか理解するのが難しいので、パルス幅を50μSと拡げ、トランスへの印加電圧も下げて挙動を追ってみました。

▼供給電圧0.8V
電源電圧0.8V
 上が、ドライブパルスで、下はコレクタ電圧(Vce)です。(以下同じ)

 トランジスタがONになると、コレクタ電圧は一旦ほとんどゼロになり、その後インダクタンスで決まる時定数で電流が徐々に増加。それに伴いコレクタ電圧も上昇していきます。
 パルスONから20μS付近からコレクタ電圧の上昇速度が上がっています。最初は,この現象は二次側の振動の影響だと考えていたのですが、どうもそうではなくて、コアの飽和に伴い一次電流が急増している、と理解した方が正解だったようです。
 
 ちなみに。もっと低い電圧の状態で波形を観察すると、この変曲点は右に移動しています。なお、この写真の波形の場合の一次側の平均電流は49.6mAでした。

 供給電圧を上げると、

▼供給電圧1.35V
電源電圧1.35V
 電流が大きくなった分だけコアの飽和が早くなり、13μSあたりから激しい振動が発生しています。

 過渡的とは言え、このトランジスタのVceをこれだけ上げるのって、どんだけの電流なんだろう。ひょっとしたらベースのバイアスがまだ不足しているかも・・・

 先に書いたように、この振動は二次側の共振の影響。つまり、Csに貯まった電荷がコイルに戻ってくることで発生しているのでは無いかと思っていました。しかし、どう考えても、そのロジックでは全体の挙動がうまく説明できないことに気付いたので、10/8の記事は急遽取り下げたような次第です。

 磁界が飽和してコイルのインダクタンスがゼロになった場合、コイルの直流抵抗だけで決まる大きな電流が流れてしまうはずなのですが、配線の抵抗があるのでこの程度の電流で収まっているようです。ちなみに、この時の平均電流は94.5mAでした。

 いろいろごちゃごちゃ書いているのを整理すると。ドライブパルス幅を広げると、ある値から急激に消費電流が増加して、効率が悪化します。これはどうもコアの飽和が原因のようです。

 適正値付近で動作させてみると、

▼電源電圧1.5V,パルス幅12μS
電源電圧1.5V,パルス幅12μS
 コアの飽和が始まる前に電流を遮断した状態です。
 この時の平均電流は10.5mAで直流の発生電圧は508Vで、いい感じの値です。

 なお、波形を見ていると、出力のピーク電圧には二次側の共振も寄与しているみたいです。コアの磁界が飽和しない範囲で使い、さらに二次側の共振もうまく利用するのが効率良く動作させる秘訣のようです。

 ところで、私がこれから作ろうとしているGM管のSBM-20を使ったガイガーカウンターでは、電池一本の動作を目指しています。それなら、電池の最低電圧である0.8Vで磁界が飽和しない程度にパルス幅の上限を設定。もちろんその時の発生電圧はSBM-20の推奨電圧の400V。
 一方で、電池の電圧が高い場合はパルス幅を絞っていくことで磁界の飽和を防止しつつ、フィードバック制御で定電圧制御を維持する。こんなシナリオを回路に作り込めれば美しい動作になるような気がします。

 はたしてこのストーリー通りに行くか? どうなるか?、、判りません。

 それと、週末しかまとまった実験をする時間が無いので、作業は遅々として進まないのがもどかしいです。まあ、こんな道草してないで、多少の問題点は無視してさっさと作っちゃえばいいのですが・・・
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No title

以前シングルアンプを作ったとき、
(高電圧大電流の特殊型です)
ほんとは整流管を使いたかったのですが、
フィラメント高圧の回路がややこしくなるので、
シリコン整流器にしました、
この時普通通り3倍耐圧の高速型を使ったのですが、
それでも音にジジジと出てしまいました。
(ブリッジでも両派でも倍電圧でも同じです)

この時1素子当たりのダイオードを3個直列にしますと
(約9倍耐圧)雑音が出なくなりました。

3個直列にしてもコックロフト以外ですとそんなに
ロスも有りません。

逆回復時間と電流が下がるので、消費逓減に貢献出来るかもしれません。

いい感じですね

いい感じですね、なんて生意気ですが、2次側の共振は重要と思います。実際には2次側共振だけでなく、ちょうど振り子のように、槌で与えたエネルギーはコアを支点として、1次側と2次側を行ったり来たりするのではないかと思います。その表れがリンギングなわけで・・・。
確かに2次側コンデンサには、波形を見る限り最初の1山部分が削れているところしか充電がはいっていないように見えますが、実際には(交流的には)尻尾まで伝送に寄与しているのだと思います。

ところで、ユーストで私の講演をご覧になっていただいたときに、痛烈な感想をいただきましたが、関連PDF(ユーザーガイド1と2)はあれからかなり改訂を行い、被ばく、とくに内部被ばくに対してニュアンスを変更しました。原稿は書き終わっているのですが、校正やら装丁は他のスタッフなので、いましばらくかかります。
11月の講演までには間に合うようにアップいたしますので、ぜひご高覧いただき、批評いただければうれしいです。

nekonokoさん、おはようございます

整流に伴うノイズですか、そういう過激なアンプは作ったことが無いので経験がありません。
ジャンクションに貯まった電荷が瞬時に移動して、周辺のインダクタンスと共振しているような感じなんでしょうか。
といっても、イメージするだけで、具体的なメカニズムまで思いつかないです。
ダイオードもいろいろあって、私、全部の特徴が把握できてないですよね。

y.utsunomiaさん、おはようございます

電流の立ち上がりに同期した位相で二次側の振動が始まるのですが、コアが飽和する領域になると、Qが極端に下がって、振動も吸収されてしまうようです。

でも、二次側の振動をうまく使うのは大切ですよね。最適なパルス幅が10μS弱になるのは、共振周波数の27kHzに対して、導通角で90度。これって、バスドラムをうまく叩く感じ? あ、ほとんどペダル踏んだこと無いですが。

1cm線量当量の話、申し訳ありません、以前叩かせていただいた時に、私正確に理解できていませんでした。

でも、外部被爆ではβ線は無視というのは感覚的にものすごく納得できないのです。カリウムのβ線などは以前からあったとして、現在このあたりの地表からは、以前は無かった核種からの放射線が出続けています。そのうちβ線は無害だから気にしないでね、と言われても、、という感じなんです。
あ、これは宇都宮先生に向けたコメントではありません。
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