GM管用の高圧安定化電源(測定編)
引き続きGM管用の高圧電源作りの話。今回はある程度回路も固まってきたので特性測定を行います。
以前の記事に対して、回路は少し変わり、こんな感じです。
▼回路図 (クリックで別窓に大きな図)

コンパクトに書けない部品が多いので複雑そうに見えますが、実際はたいした規模ではありません。作図には水魚堂さんのBSchを使っていますが、部品エディタの使い方が判らないので、トランス付近は悲惨な状態になっています。
回路の変更点としては、U3/4をLMC6482からLM358に変更。性能ならLMC6482の方が良いのですが、消費電力を減らすためです。そろそろLM358から卒業したいのですが、用途によっては、今でもCMOSにバイポーラが勝ってしまうのが面白いです。
他には、電源分圧で作っていた基準電圧をLM385Z-2.5に変更。これに伴い、出力の分圧比変更。動作表示として、トランスに3次巻き線でLEDを点灯。5Vを秋月の5VのDDコンで発生。こんなところです。
動作表示のLEDは5V電源で直接点灯させるのが簡単です。でも、回路がちゃんと動いていることの表示にしたい、ということ、でこの場所から電源を取りました。まあ、トランスに余っている巻き線があるのはもったいない、という貧乏根性が根っこにある訳ですが。
ちなみに、このLEDは電源ONにした時少し明るく光り、C5の充電が終わる約0.2秒後、サーボが効くと少し暗くなります。注意して見ていると、サーボがかかっていることが確認できて具合がいいです。あと、このLED点灯のための消費電流の増加は0.3mAで、この図の極性で使った方が、僅かですが消費電流は少なくなりました。
▼ブレッドボード

ご覧の通り、まだ試作段階です。
▼特性

負荷を変えた時の電源電圧に対する出力電圧特性(左)。と同じく消費電流特性(右)です。
出力に何もつながない無負荷状態なら1.0V、100Ω負荷では1.2V以上の電源電圧があればフィードバックがかかり、電圧は安定化されています。この特性なら、単4のエネループ一本でぎりぎりいけそうな感じです。
安定化状態の電圧は404.4Vで、さすがにオペアンプを使っただけあって、電源電圧が変わってもびくともしません。
ちなみに、出力電圧はU3の出力(7ピン)の電圧を測定して分圧比から逆算しています。アンプのオフセット電圧などの誤差が入ってしまいますが、気にしないことにします。
あと、実は50MΩ負荷でも測定したのですが、低い電圧でも動作するようにVR1で最大パルス幅を大き目に設定しているため、サーボがうまくかからない状態(途中で共振状態を通過するので、その山にひっかかる)になってしまいました。動作の安定性を考えると、あまり変なことはせずに、最大パルス幅は共振の影響を受けない10μS程度に留め、電池2本を使った方が良いのかもしれません。
▼出力電圧測定(U3の7ピンの電圧)

5ケタ目がふらふらする程度まで安定化されていて、見ていて気持ちいいです。
ちなみに、この状態の出力電圧は、2.4919V×100.62/0.62 = 404.41V、としてこの記事は書いています。実際には、抵抗の精度がこんなに出ていないはずなので、5%くらいの誤差はあるはずなんですけども・・・・。
あと、実際にGM管を繋いだ場合、パルス数に比例した負荷がランダムにかかるのでこんなに安定した状態にはならず、ふらふらしながら平均値を何とかこの値に保つような動作になるものと思われます。
ところで、100MΩの負荷までは何とか電源電圧1.2Vでいけそうな感じです。この負荷に匹敵するGM管のパルス数について検討してみます。条件をSBM-20の標準条件で考えると、
A 1パルスで消費される電荷量:200μS×400V/5.1MΩ = 1.56E-8 C(クーロン)
B 1秒間に100MΩで消費される電荷量:1秒×400V/100MΩ = 4E-6 C(クーロン)
ということは、B/A=255なので、100MΩの負荷は255cpsに相当することになります。cpmでは15300cpm。線量への換算係数には諸説ありますが、1μSv/H=100cpmでざっくりと計算すると153μSv/Hということになり、一般人がこんな高線量の場所に遭遇するなんてまず考えられません。
ということで、100MΩの負荷でOKなら、個人が使うガイガーカウンターの電源としては大丈夫、と思います。
▼まとめ
高圧電源については、ドライブ周波数をどのあたりにすべきかという問題が残ってます。でも、「写るんです」のトランスを使った場合の挙動はほぼ把握できたように思います。
あとは、最終的な目標である、おしゃれな小型ガイガーカウンター作りのためには、かっこいいケースを探さないといけないのですが、これが最大の難問です。
以前の記事に対して、回路は少し変わり、こんな感じです。
▼回路図 (クリックで別窓に大きな図)

コンパクトに書けない部品が多いので複雑そうに見えますが、実際はたいした規模ではありません。作図には水魚堂さんのBSchを使っていますが、部品エディタの使い方が判らないので、トランス付近は悲惨な状態になっています。
回路の変更点としては、U3/4をLMC6482からLM358に変更。性能ならLMC6482の方が良いのですが、消費電力を減らすためです。そろそろLM358から卒業したいのですが、用途によっては、今でもCMOSにバイポーラが勝ってしまうのが面白いです。
他には、電源分圧で作っていた基準電圧をLM385Z-2.5に変更。これに伴い、出力の分圧比変更。動作表示として、トランスに3次巻き線でLEDを点灯。5Vを秋月の5VのDDコンで発生。こんなところです。
動作表示のLEDは5V電源で直接点灯させるのが簡単です。でも、回路がちゃんと動いていることの表示にしたい、ということ、でこの場所から電源を取りました。まあ、トランスに余っている巻き線があるのはもったいない、という貧乏根性が根っこにある訳ですが。
ちなみに、このLEDは電源ONにした時少し明るく光り、C5の充電が終わる約0.2秒後、サーボが効くと少し暗くなります。注意して見ていると、サーボがかかっていることが確認できて具合がいいです。あと、このLED点灯のための消費電流の増加は0.3mAで、この図の極性で使った方が、僅かですが消費電流は少なくなりました。
▼ブレッドボード

ご覧の通り、まだ試作段階です。
▼特性

負荷を変えた時の電源電圧に対する出力電圧特性(左)。と同じく消費電流特性(右)です。
出力に何もつながない無負荷状態なら1.0V、100Ω負荷では1.2V以上の電源電圧があればフィードバックがかかり、電圧は安定化されています。この特性なら、単4のエネループ一本でぎりぎりいけそうな感じです。
安定化状態の電圧は404.4Vで、さすがにオペアンプを使っただけあって、電源電圧が変わってもびくともしません。
ちなみに、出力電圧はU3の出力(7ピン)の電圧を測定して分圧比から逆算しています。アンプのオフセット電圧などの誤差が入ってしまいますが、気にしないことにします。
あと、実は50MΩ負荷でも測定したのですが、低い電圧でも動作するようにVR1で最大パルス幅を大き目に設定しているため、サーボがうまくかからない状態(途中で共振状態を通過するので、その山にひっかかる)になってしまいました。動作の安定性を考えると、あまり変なことはせずに、最大パルス幅は共振の影響を受けない10μS程度に留め、電池2本を使った方が良いのかもしれません。
▼出力電圧測定(U3の7ピンの電圧)

5ケタ目がふらふらする程度まで安定化されていて、見ていて気持ちいいです。
ちなみに、この状態の出力電圧は、2.4919V×100.62/0.62 = 404.41V、としてこの記事は書いています。実際には、抵抗の精度がこんなに出ていないはずなので、5%くらいの誤差はあるはずなんですけども・・・・。
あと、実際にGM管を繋いだ場合、パルス数に比例した負荷がランダムにかかるのでこんなに安定した状態にはならず、ふらふらしながら平均値を何とかこの値に保つような動作になるものと思われます。
ところで、100MΩの負荷までは何とか電源電圧1.2Vでいけそうな感じです。この負荷に匹敵するGM管のパルス数について検討してみます。条件をSBM-20の標準条件で考えると、
A 1パルスで消費される電荷量:200μS×400V/5.1MΩ = 1.56E-8 C(クーロン)
B 1秒間に100MΩで消費される電荷量:1秒×400V/100MΩ = 4E-6 C(クーロン)
ということは、B/A=255なので、100MΩの負荷は255cpsに相当することになります。cpmでは15300cpm。線量への換算係数には諸説ありますが、1μSv/H=100cpmでざっくりと計算すると153μSv/Hということになり、一般人がこんな高線量の場所に遭遇するなんてまず考えられません。
ということで、100MΩの負荷でOKなら、個人が使うガイガーカウンターの電源としては大丈夫、と思います。
▼まとめ
高圧電源については、ドライブ周波数をどのあたりにすべきかという問題が残ってます。でも、「写るんです」のトランスを使った場合の挙動はほぼ把握できたように思います。
あとは、最終的な目標である、おしゃれな小型ガイガーカウンター作りのためには、かっこいいケースを探さないといけないのですが、これが最大の難問です。
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