ダイソーの万歩計(歩数計)の高速化-2011年秋編
ガイガーカウンターを簡単に作る時に便利なダイソーの万歩計ですが、新型が出たということを、「1F近くの住民さん」から教えていただきました。そこで、さっそく手に入れて,高速化の特性を測定してみました。
▼新旧比較

左が従来品、右が新製品(?)。パッケージのデザインが違いますが、リセットボタンが白いのが外観上の特徴です。
▼基板の電池面

特に変更は無いようです。赤と緑の線は特性測定のために引き出したものです。
▼部品面

パターンが改版されていて、上の方にエッチング文字で、MS6011-3L 2011-04-18という表示があります。今年の4月に設計されたもののようです。
LSI以外の部品はC2のコンデンサと、Rというシルク印刷がある抵抗だけ取り付けられています。なお、Rは1.2MΩでした。
万歩計の高速化改造では、抵抗のRを小さくします。その場合どんな特性になるか、今回は詳しくデータを取ってみました。
▼抵抗値 vs クロック周波数特性

Rを6kΩまで下げるとクロック周波数は1MHzを越えます、オリジナルの定数の1.2MΩでは、20kHzなので、50倍の高速化が可能のようです。ちなみにこれ以上抵抗値を下げると表示がおかしくなります。
▼抵抗値 vs 消費電流

抵抗を下げるとクロックが上昇するので、消費電流は増加。
▼クロック周波数 vs 最大カウント速度

三点だけ測定して、近似直線を引いてみました。一直線に並んでいます。クロック周波数をkHzで表した数字を0.124倍すれば最高動作周波数を計算で求めることができます。
あまりムリをすると、液晶のコントラストの悪化や、セグメント抜けが始まります。そこで、Rの値は10kΩ、つまりクロック周波数 1MHz、最高カウント速度120Hzあたりで使うのが良さそうです。
これって、結局古いバージョンの性能と同じです。新型になって、もっと高速化改造ができれば良かったのですが・・。
あと、旧型だと、単に抵抗をショートさせるだけで120Hzのカウント速度が得られたのですが、新製品では、抵抗を付け換える必要があるので、改造作業としてはちょっと面倒になりました。
なお、この万歩計を高速化改造すると、液晶のドライブ波形に直流成分が発生し、それが原因で長時間動作させると、液晶が消えたり、セグメント欠けなどの不具合が発生する場合があるそうです。ほどほどの高速化に留めるか、使う時だけ電源が入るような使い方が良いと思います。
▼測定風景

ついでに測定方法を説明しておきます。
・万歩計のRの抵抗から線を引き出し、1MΩの半固定抵抗をパラに接続。
・抵抗値を変えて消費電流をテスターで、クロック周波数を周波数カウンターで測定。
・抵抗値は一旦電源を切って、そのままデジタルマルチメーターのLow-Powerレンジで測定。
最高カウント周波数は、ファンクションジェネレーター(HP 3314A)で10パルスのバースト波形をマニュアルトリガで発生させ、ちょんちょんとトリガをかけながら、周波数を上げていって、ミスカウントが発生しない限界周波数を調べました。なお、ファンクションジェネレーターと万歩計への接続は、特にインターフェイス回路は設けず、インピーダンス50Ωでデューティ5%、1.5Vの電圧パルスを直接印加しました。
あと、細かい話ですが、今回の新製品は電源ONの直後に短時間だけ液晶の全セグメントが点灯(つまり88888表示)するようになりました。液晶のコネクタの接触不良を最終検査で発見しやすくしたのでしょうか?
この万歩計の中の回路がどうなっているのか興味がありますが、今回の電源ONの時の挙動を見ると、どうもPICのようなもので作られるているような気がしてきました。
▼新旧比較

左が従来品、右が新製品(?)。パッケージのデザインが違いますが、リセットボタンが白いのが外観上の特徴です。
▼基板の電池面

特に変更は無いようです。赤と緑の線は特性測定のために引き出したものです。
▼部品面

パターンが改版されていて、上の方にエッチング文字で、MS6011-3L 2011-04-18という表示があります。今年の4月に設計されたもののようです。
LSI以外の部品はC2のコンデンサと、Rというシルク印刷がある抵抗だけ取り付けられています。なお、Rは1.2MΩでした。
万歩計の高速化改造では、抵抗のRを小さくします。その場合どんな特性になるか、今回は詳しくデータを取ってみました。
▼抵抗値 vs クロック周波数特性

Rを6kΩまで下げるとクロック周波数は1MHzを越えます、オリジナルの定数の1.2MΩでは、20kHzなので、50倍の高速化が可能のようです。ちなみにこれ以上抵抗値を下げると表示がおかしくなります。
▼抵抗値 vs 消費電流

抵抗を下げるとクロックが上昇するので、消費電流は増加。
▼クロック周波数 vs 最大カウント速度

三点だけ測定して、近似直線を引いてみました。一直線に並んでいます。クロック周波数をkHzで表した数字を0.124倍すれば最高動作周波数を計算で求めることができます。
あまりムリをすると、液晶のコントラストの悪化や、セグメント抜けが始まります。そこで、Rの値は10kΩ、つまりクロック周波数 1MHz、最高カウント速度120Hzあたりで使うのが良さそうです。
これって、結局古いバージョンの性能と同じです。新型になって、もっと高速化改造ができれば良かったのですが・・。
あと、旧型だと、単に抵抗をショートさせるだけで120Hzのカウント速度が得られたのですが、新製品では、抵抗を付け換える必要があるので、改造作業としてはちょっと面倒になりました。
なお、この万歩計を高速化改造すると、液晶のドライブ波形に直流成分が発生し、それが原因で長時間動作させると、液晶が消えたり、セグメント欠けなどの不具合が発生する場合があるそうです。ほどほどの高速化に留めるか、使う時だけ電源が入るような使い方が良いと思います。
▼測定風景

ついでに測定方法を説明しておきます。
・万歩計のRの抵抗から線を引き出し、1MΩの半固定抵抗をパラに接続。
・抵抗値を変えて消費電流をテスターで、クロック周波数を周波数カウンターで測定。
・抵抗値は一旦電源を切って、そのままデジタルマルチメーターのLow-Powerレンジで測定。
最高カウント周波数は、ファンクションジェネレーター(HP 3314A)で10パルスのバースト波形をマニュアルトリガで発生させ、ちょんちょんとトリガをかけながら、周波数を上げていって、ミスカウントが発生しない限界周波数を調べました。なお、ファンクションジェネレーターと万歩計への接続は、特にインターフェイス回路は設けず、インピーダンス50Ωでデューティ5%、1.5Vの電圧パルスを直接印加しました。
あと、細かい話ですが、今回の新製品は電源ONの直後に短時間だけ液晶の全セグメントが点灯(つまり88888表示)するようになりました。液晶のコネクタの接触不良を最終検査で発見しやすくしたのでしょうか?
この万歩計の中の回路がどうなっているのか興味がありますが、今回の電源ONの時の挙動を見ると、どうもPICのようなもので作られるているような気がしてきました。
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