白色LEDのパルス駆動特性の測定
この記事でパワーLEDをパルス駆動のオーバードライブすることで明るいストロボが出来ないかチャレンジしましたが、結果は思わしくありませんでした。どうもパワーLEDは直列の抵抗が大きくて、むやみに高い電圧を加えてもロスになってしまう感じでした。
そのあたりを確かめたくてあれこれやっているうちにパワーLEDを壊してしまったので前回の実験は途中で中止となってしまいました。
今月号のトラ技で、パワーLEDを使ったストロボの製作記事が掲載されています。そこにはいろいろなノウハウが書いてあって面白かったのですが、やはりLEDでは直列抵抗によるロスが大きいので、過剰な電圧を掛けて明るさを上げることは難しい、というか得策では無いという見解になっていました。なるほどやはりそうか。
それで、トラ技の記事では発光時間を18msと長くして照度を稼いでいました。そういう光でも支障無い撮影もあるのでしょう。でも高速で動く物をピタリと止めるためには、ストロボの発光時間は数十マイクロ秒であって欲しいです。
前書きが長くなりましたがここからが本題。前回の実験ではおおざっぱなパルス駆動をやってみただけでしたが、もう少し定量的にLEDをパルス駆動して、その時の電圧電流特性を測定してみることにします。
▼測定回路
ドライブ波形はパルス幅10μs、周期は10ms、つまり駆動のデューティ比は1/1000ということになります。この信号は、自作のLEDストロボのトリガ出力をタイミングパルスとし、555でパルス幅を作っています。
電源(Vled)は実験用の安定化電源から供給します。発光時の電圧ドロップを減らすためC1は大きめにしています。
▼各部の波形
上がゲートの駆動波形、下は電流測定用のシャント抵抗(Rs)の電圧波形です。LEDに流れる電流はこの写真の波形を見て測定しています。
右の写真はパルスの周期が見える波形で、10ms周期で駆動されていることが判ります。
▼まずは1Wの白色LEDを測定
▼測定中
パワーLEDは流れる電流が大きいのでシャント抵抗(Rs)は0.1Ωで測定しています。
▼電圧電流特性
定格電流は350mAですが、10V印加すると10A流すことが出来ています。もちろんパルス駆動の場合です。 これ以上電圧を上げると、電圧を変化させた時の電流波形の挙動が怪しくなってきたので10Vで測定は中止しました。
7V以上でグラフの傾きが変わっているので、これ以下が安全にドライブできる範囲なのかも知れません。もしそうなら、電流は3Aとなり、定格の350mAに対して8.6倍のオーバードライブまでOKということになります。
次は5mmの砲弾型のLEDです、型番はOSPW511A-Z3で、3年くらい前に秋月で買った物です。
▼測定中
シャント抵抗は1Ωを使っています。
▼特性
定格電流20mAのLEDですが、15V印加で1Aの電流を流すことが出来ています。V-I特性に変な兆候は無い様なので、1Aまで流しても大丈夫なのかも知れません。もしそうなら、定格20mAに対して50倍のオーバードライブが可能ということになります。1WのパワーLEDより、こっちのLEDを多数使った方がストロボを作るには有利なのかも知れません。
ということでざっと測定やってみました。LEDで発光時間が数十マイクロ秒の明るいストロボを作るのはけっこう大変そうです。
それにしても白色LEDは直列抵抗が大きいです。これがもし普通のダイオードならあり得ないくらい大きな値です。でも白色LEDは発光効率を上げることが最大の目標。良いダイオード特性なんて不要なのでこうなっているんでしょうね。
そのあたりを確かめたくてあれこれやっているうちにパワーLEDを壊してしまったので前回の実験は途中で中止となってしまいました。
今月号のトラ技で、パワーLEDを使ったストロボの製作記事が掲載されています。そこにはいろいろなノウハウが書いてあって面白かったのですが、やはりLEDでは直列抵抗によるロスが大きいので、過剰な電圧を掛けて明るさを上げることは難しい、というか得策では無いという見解になっていました。なるほどやはりそうか。
それで、トラ技の記事では発光時間を18msと長くして照度を稼いでいました。そういう光でも支障無い撮影もあるのでしょう。でも高速で動く物をピタリと止めるためには、ストロボの発光時間は数十マイクロ秒であって欲しいです。
前書きが長くなりましたがここからが本題。前回の実験ではおおざっぱなパルス駆動をやってみただけでしたが、もう少し定量的にLEDをパルス駆動して、その時の電圧電流特性を測定してみることにします。
▼測定回路
ドライブ波形はパルス幅10μs、周期は10ms、つまり駆動のデューティ比は1/1000ということになります。この信号は、自作のLEDストロボのトリガ出力をタイミングパルスとし、555でパルス幅を作っています。
電源(Vled)は実験用の安定化電源から供給します。発光時の電圧ドロップを減らすためC1は大きめにしています。
▼各部の波形
上がゲートの駆動波形、下は電流測定用のシャント抵抗(Rs)の電圧波形です。LEDに流れる電流はこの写真の波形を見て測定しています。
右の写真はパルスの周期が見える波形で、10ms周期で駆動されていることが判ります。
▼まずは1Wの白色LEDを測定
▼測定中
パワーLEDは流れる電流が大きいのでシャント抵抗(Rs)は0.1Ωで測定しています。
▼電圧電流特性
定格電流は350mAですが、10V印加すると10A流すことが出来ています。もちろんパルス駆動の場合です。 これ以上電圧を上げると、電圧を変化させた時の電流波形の挙動が怪しくなってきたので10Vで測定は中止しました。
7V以上でグラフの傾きが変わっているので、これ以下が安全にドライブできる範囲なのかも知れません。もしそうなら、電流は3Aとなり、定格の350mAに対して8.6倍のオーバードライブまでOKということになります。
次は5mmの砲弾型のLEDです、型番はOSPW511A-Z3で、3年くらい前に秋月で買った物です。
▼測定中
シャント抵抗は1Ωを使っています。
▼特性
定格電流20mAのLEDですが、15V印加で1Aの電流を流すことが出来ています。V-I特性に変な兆候は無い様なので、1Aまで流しても大丈夫なのかも知れません。もしそうなら、定格20mAに対して50倍のオーバードライブが可能ということになります。1WのパワーLEDより、こっちのLEDを多数使った方がストロボを作るには有利なのかも知れません。
ということでざっと測定やってみました。LEDで発光時間が数十マイクロ秒の明るいストロボを作るのはけっこう大変そうです。
それにしても白色LEDは直列抵抗が大きいです。これがもし普通のダイオードならあり得ないくらい大きな値です。でも白色LEDは発光効率を上げることが最大の目標。良いダイオード特性なんて不要なのでこうなっているんでしょうね。