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電子負荷のFETをパワーアップ

 以前パワーFETを使った電子負荷を作りましたが、あり合わせの部品で作ったので、パワーFETの容量が小さめなのが気になっていました。

 そこで、秋月に行った時に買っておいた大容量のパワーFETに交換しました。

▼電子負荷(FET交換前)
FET交換前
 放熱フィンにネジ留めされているのがパワーFETで、私の記事によく出てくる2SK2232です。普通の電子工作なら、これでほとんどの場合は対応可能です。でも電子負荷のように大容量が必要な場合には、これでは能力不足になります。

▼パワーFET
2SK2232と2SK1122
 左が元々使っていた2SK2232で、これを右の2SK1122に交換することにしました。なお、2SK1122のピン間ピッチは2.54の倍の5.08mmでは無く5.45mmなので注意が必要です。

 2SK2232はTO-220のフルモールドパッケージになっているので、絶縁スペーサー無しで放熱板に取り付け出来て便利です。ただその代償で、チャンネル・ケース間の熱抵抗は3.57℃/Wもあります。最大許容損失は35Wありますが、無限大の放熱板に取り付けたとしても、35Wも消費させるとジャンクション温度は120℃を越えてしまいます。

 一方で、2SK1122はTO-3Pパッケージで、ダイが接合されている金属が剥き出しになっているので放熱に適した構造になっています。具体的な熱抵抗の値はデーターシートから発見できませんでしたが、絶縁シートを挟んでも0.8W℃/W程度だと思います。なお最大許容損失は100Wもあります。

 ちなみに、TO-3Pパッケージを略してTO-3と書いている資料をたまに見掛けます。でもTO-3は大型のメタルキャンパッケージなので全く別物です。昔TO-3のパワートランジスタでアンプを作っていた身にとっては、この間違いは許容範囲を越えています。

▼パワーFET交換後
FET交換後
 これでパワー的にはだいぶ余裕が確保出来たはずです。もちろん放熱フィンのサイズは同じなので、消費電力当たりの温度上昇は同じです。でもジャンクション温度はかなり下がったはずなので、無理な使い方が出来るようになったと思います。

 ということで、ここまでは単にFETを交換しましたという簡単な話でした。でも、ちょうど良い機会なので現在秋月で手に入る大パワーのFETにはどんな物があるか調べてみます。

 ちなみに、この記事で使った2SK1122は秋月の店頭で、見た目に許容電力が大きそうで値段が安かったので衝動買いした物です。でも、もしWebでじっくりと探していたとしたら、どういう結論になるのかが興味があります。

 秋月のwebのメニューを トップ > 半導体 > FET > NchFET(2SK) とたどると、大量にFETがヒットするので探すのが大変です。それに、小さなSMT実装品でも写真のサイズは同じなので大きなパワーの物を探すのは大変です。

 そこでキーワード検索で、「FET TO-3P」 の物を探してみます。
 すると、この記事を書いた時点でヒットしたのは以下の5点でした
  1) 2SK3163,、1個300円
  2) 2SJ554、 1個300円
  3) 2SJ555-E、1個300円
  4) 2SK447、 1個200円
  5) 2SK1122、 2個300円
 2)と3)は2SJなので使えませんが、1)、4)、5)は使えそうなので仕様を見ていきます。

1) 2SK3163: 60V/75Aで4V駆動が可能、オン抵抗は6mΩ、立ち上がり時間300nsで、極めて優秀な性能です。但しネックは値段が少し高いことです。

4) 2SK447: 250V/15Aと高耐圧ですが、ON抵抗が0.24Ωもあります。駆動電圧は10Vが必要なので今回の電子負荷用としては使えません。番号が古いので昔の製品なんでしょう。

5) 2SK1122: 今回使った物です。100V/40A、オン抵抗70mΩ@Vgs=4Vです。耐圧が高目なのでON抵抗が少し高いです、しかし電子負荷のようにアクティブ領域を使う場合、ON抵抗の高さは問題にならないです。それに値段が安い。 

 ということで、店頭で衝動買いした2SK1122は良い選択だったようで良かったです。

 なお、ON抵抗が問題になる場合は1)項の2SK3163を使うと良いと思います。ちなみに、スイッチングで使って100Wもの損失が出るということは、扱っている電力は500Wを楽に越えるはずなので、これは完全にパワエレの領域です。FETに限らずダイオードやインダクタなど全ての部品の選定に特別な注意が必要になる領域です。

 ということで、電子負荷の話に便乗して容量の大きなFET(n-ch)の話を書いてみました。数年後にこの記事を読む時には、もっと性能の良いパワーFETがもっと安く登場していることを期待しています。

 それと、盆休みの間に行われていた秋月の秋葉原店の改装工事が終わったようです。そのうち様子を見に行きたいと思います。
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電子工作

電子工作について、ちょっとご相談しようと思ったのですが
メールアドレスが分からないのでこちらに書かせていただきました。
ご連絡いただけると助かります。よろしくお願いいたします。

re:電子工作

oink!さん今晩は。

改造.jpのお問い合わせからメアド入りのメッセージ入れときました。

部品そろえましたが

色々興味深い記事ありがとうございます

部品は揃えたのですが、結局買っちゃいました(爆)

http://www.vshopu.com/item2/216Y-1401/index.html

必要な端子が一通りついてるので(言い訳)
こちらはFETではなくTIP122でした

re:部品そろえましたが

ただの通りすがりさん、今晩は。

貼っていただいたリンク先拝見しました。情報ありがとうございます。

この値段でこれだけ機能が付いているなら、お買い得ですよね。

MOS-FET の選定について

たびたびお世話になります。
先日は本装置における別電源使用についてのアドバイス有り難うございました。

その後、回路の試作もせずにただ悶々と頭の中で考えてるだけなのですが、秋月のホームページを眺めているうちに EKI04027 という素子を発見しました。耐圧が 40V と低い代わりに、オン抵抗が 3.2mΩ、熱抵抗 0.9℃/W と低く、最大ドレイン電流 85A、最大損失が 135W もあります。TO-220 パッケージなので 2SK1122 よりは小さいのですが、オン抵抗が小さい分発熱も少ないのではないかと考えています。本記事では「電子負荷のようにアクティブ領域を使う場合、ON抵抗の高さは問題にならない」とありますが、あまり良く理解できませんでした。スイッチング素子として使う場合でもやはり発熱量はオン抵抗に比例するのではないかと思いました。

ラジオペンチさんのように「自分にとっての定番の素子」というのがまだ定まっていのですが、2SK2232 の半分の価格と言うのは非常に魅力的です。高速スイッチングも可能との事ですので、とりあえず 2SK2232 の代わりにこの素子を使って試作してみようかと考えています。(別電源での駆動は将来の課題としています)

質問内容が漠然としており申し訳ありませんが、2SK2232, 2SK1122, EKI04027 を比較した場合に、それぞれのメリット・デメリット、使用する上での注意点などご教示頂けましたら幸いです。

re:MOS-FET の選定について

ひげぼりんさん、おはようございます。

EK104027の仕様を見ました、確かに値段が安くて良いですね、これでも問題無く使えると思います。


>「電子負荷のようにアクティブ領域を使う場合、ON抵抗の高さは問題にならない」
というのは、例えば5Vで1Aの負荷とするとその時のFETの抵抗は5Ωになっている訳で、いくらON抵抗が低くても宝の持ち腐れです。

性能比較ですが、EK104027は駆動電圧が少し高いので、最低動作電圧が少しだけ高くなると思いますが、ほとんど問題無いと思います。

あと、EK104027は放熱タブが剥き出しなので、ヒートシンクに取り付ける時に絶縁シートやネジの絶縁ブッシュなどが必要になるのでちょっと面倒です。

あと、スイッチング特性を気にされているようですが、アマチュアの電子工作レベルなら、問題にならないと思います。1Mhzで動くスイッチング電源でも作るのなら話は別ですが。

re:MOS-FET の選定について

ラジオペンチさん:
回答・解説有り難うございます。2SKxxxx という型番でないことと、東芝製でない事に一抹の不安があったのですが、早速 2SK1122 と EKI04027 を注文したいと思います。

「5Vで1Aの負荷とするとその時のFETの抵抗は5Ωになっている」というのはまさに目からウロコでした。それと同時この回路 (OPアンプによる定電流制御) の理解が出来ていないことも痛感しました。スイッチング特性云々と申しあげたのもそのためです。

OPアンプの V- の電圧が低下 → V+ との差を増幅してゲートの電圧に印可 → MOS-FET がオン → ソース下流の抵抗に電流が流れる → (R×電流)の電圧が V- に加わる → V- の電圧が増加 → OPアンプの出力が低下 → MOS-FET オフ

という具合に負帰還がかかっているので、高速にスイッチする必要があるのではないかと思っていました (MOS-FET は回路内部にコンデンサを内蔵しているため高速処理は得意ではないとどこかで読んだ記憶があります)。MHz 帯なんてまだとても想定できない世界なのですが、本装置はそれほど速度を気にする必要はないと言う理解でよろしいでしょうか。

むき出しの素子は熱抵抗的に有利になる反面、絶縁対策に気をつける必要があるとのアドバイス有り難うございます。せっかくのむき出し素子なのに、シリコンラバーシートを挟んでしまっては台無しな気がします。フルモールドよりもずっと有利だとは思うのですが...

re2:MOS-FET の選定について

型番が2SK***とかでないと、なんだか不安ですよね。

絶縁シート(シリコンラバーシート)を入れないと放熱フィン全体ががドレインの電位になるので、アースにショートさせたりすると危ないです。絶対にショートさせない自信があればそのままでもOKです。

まあいろいろやってみるのが一番です。その過程で部品を壊すのが一番良い経験になると思います。私なんざ、これまでどれだけ部品を壊したことか、、
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