google-site-verification: google3bd66dd162ef54c7.html

バーサライタ付きの仮面ライダー変身ベルトの修理

 「仮面ライダードライブ変身ベルト DXドライブドライバー&シフトブレス」というおもちゃを修理しました。仮面ライダーのベルトにはいろんなタイプがありますが、今回修理した変身ベルトは何とバーサライタ付きです。バーサライタというのは、LEDのアレイを回転させ、目の残像を利用して二次元の画像を表示するものです。

▼故障した変身ベルト、DXドライブドライバー
仮面ライダー変身ベルト DXドライブドライバー
 本体中央の大きな丸い窓に赤い模様が光るらしいのですが、それが全く光らないとのこと。音は正常に出るそうです。

 このおもちゃを修理するためにWebをいろいろ検索したのですが、まだ新しいおもちゃのせいか特にバーサライタの部分を解説した資料は発見できませんでした。

 あれこれやった結果とりあえず運良く修理に成功しましたが、なかなか凝った仕掛けになっていて面白かったです。ということで、修理の過程を記事にしてみました。どこかのおもちゃ病院のドクターさんのお役にたてれば幸いです。

▼内部
内部

▼コアとなる部分
コアとなる部分
 モーターでLEDが乗った基板を高速回転させるようになっています。

▼LED基板
回転LED基板
 LEDが10個付いています。この基板を回転させてバーサライタの表示を行う仕掛けです。右側には制御用のLSIが実装されていて黒い樹脂でポッティングされています。

▼裏面
回転基板の裏側のロータリートランス
 裏面にはロータリートランスのコイルがあります。回転部の電力はこのコイルを通じて供給されます。

 このおもちゃの故障原因は、回転基板についているフォトダイオード(フォトトラ?)のパターン断線でした。上の写真のPT3とシルク印刷されている部品への配線です。なおこの写真は修理後のものです。

 回転体の位置をこのセンサーで検出して角度の基準としているのですが、ここから信号が来ないので、何も表示しなくなっていたのだと思います。ちなみに、本体側の対応する位置には赤外LEDが置かれていて、角度の基準位置を示しています。

▼基板のパターン断線
パターン断線
 この不良箇所は実体顕微鏡を使って発見しました。パターン断線部から右下方向に点々と打痕があるので、たぶん基板製造時に何かぶつけたのだと思います。なお、この写真も実体顕微鏡を使って撮影しています。

 基板の裏から強力な光を当ててパターンをシルエットとして見ると、断線は発見し易いです。しかしこの基板は、バーサライタのコントラストを高めるためだと思いますが、黒色のソルダーレジストが全面に塗られているので光をほとんど透過しません。ということでパターンをシルエットとして見ることが出来なかったので、不良箇所の特定に手間取りました。

▼断線を修理
すずめっき線を載せてハンダ付け
 φ0.26の単線をパターンの上に乗せてハンダ付けして修理完了です。

▼試運転
修理完了
 修理成功、なかなか綺麗です。

 ここで興味深いのは、どうやって表示パターンの情報を回転部に伝えているか、ということです。常に一定のパターンを表示するだけなら本体側との通信はいりません。でもこの変身ベルトは赤外リモコンなどの操作によりインタラクティブに表示が変化します。そのためには、何らかの方法で回転部へ情報を伝える必要があるのですが、そのインターフェイスの配線が見当たりません。

 回転位置センサー(PT3)を使って情報伝達もやっているのではないか、と疑ったのですが、オシロで波形を見てもそんな形跡はありませんでした。

 こうなると怪しいのは回転部へエネルギーを送っているロータリートランスです。そこで駆動波形を見てみました。

▼ロータリートランスの一次側電圧波形
ロータリートランス一次側波形
 電池電圧は4.5Vですが、コイルのインダクタンスと二次側の共振の影響?でしょうか、P-Pで15Vくらい発生しています。周波数は約56kHzです。

 ちなみに二次側のコイル電圧を測定する(モーターの配線を切って回転させないようにして測定)と、P-Pで14Vの正弦波になっていました。回転基板側ではこれを整流して7Vの直流に変換し、その後シリーズレギュレーターで安定化した3.3Vを作って回路を動かしているようでした。

▼何か操作をすると波形が変化
変調されたロータリートランス波形
 波形の周期は変わらないので、どうもPWMで変調しているようです。これで謎は解けました。ロータリートランスでエネルギーを伝えながら、波形をPWM変調して情報を伝えているようです。受信側からは、56kHzのキャリアがAM変調されているように見えると思います。あるいは、もっとデジタル通信向けの変調方式が使われているのかも知れません。

 おもちゃなのに随分と凝った仕掛けが組み込まれていて、驚くばかりです。PWM変調のパターンが判れば、このバーサライタをハックして勝手な図形を表示させることが出来るようになるかもしれません。でも、それをやったら大人気ないですね。

▼めでたく修理完了
変身ベルト
関連記事

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

No title

こんばんは。
安かったので私はこれを2個買いました。
ので、将来壊れたときの参考にさせていただきます。
ありがとうございます。

それにしてもおもちゃといえど侮れないですね。
まさかPWMで電力供給系から制御信号を送出していたとわ。。。。。

No title

コメントありがとうございます。

これ修理する時に、そちらのブログの中華なバーサライタの記事も読ませていただきました。

No title

 はしもとおもちゃ病院のにうです。持ち込まれたこのおもちゃの症例は検索してもこちらの1件だけでした。たくさんの写真と記録がすごく参考になりました。

 私の場合は配線は問題なかったので、原因不明でお返ししようかとも思いましたが、できることはやってみようと、フォトトランジスタのコレクタ側に外部で作った約40HZくらいのパルスを入れて見ましたところ、光り出しました。

 どうも照射光の光量が不足していたようです。赤外LEDのケース中のLEDの位置を少し曲げて光が出やすいようにした結果OKになりました。そのようになった原因は不明です。

 このブログのおかげでこのおもちゃのしかけや、特性が把握でき、修理につながりました。ほんとうにありがとうございました。

にうさん、おはようございます

コメントありがとうございます。

おもちゃの修理では、他のドクターさんがWebに書かれた情報に助けられることが多いですが、この記事がお役にたったようで、少し恩返しが出来て嬉しいです。

赤外LEDの出力不足が原因でしたか。そういうこともあるんですね。そういえば最近別のドクターさんが担当したPOSレジのおもちゃも赤外LEDのパワー低下が故障原因でした。

それと、故障原因の切り分けのために、フォトトラに外部パルスを入れる方法が参考になりました。なるほど、うまい方法ですね。
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
プロフィール

ラジオペンチ

Author:ラジオペンチ
電子工作を中心としたブログです。たまに近所(東京都稲城市)の話題など。60過ぎて視力や器用さの衰えを感じつつ日々挑戦!
コメントを入れる時にメールアドレスの記入は不要です。なお、非公開コメントは受け付けていません。

記事が気に入ったらクリックを!
最新記事
カテゴリ
最新コメント
リンク
FC2カウンター
検索フォーム
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード