デジタル温湿度計の修理 (ヤザワ DO01WH)
家族からデジタル温湿度計の修理を頼まれました。こんな温湿度計です。
▼デジタル温湿度計 (ヤザワ製)

たぶんこれ→デジタル温湿度計 ホワイト DO01WH
この写真見ると普通に動いてるじゃん、と言われそうです。そう、一応動くのですが、電池が2日しか持たないとのこと。
修理のためにケースを開けようとしたのですが、簡単に分解出来ません。単に爪で引っかかっているのではなく、ネジで強固に固定されているようです。こういう時は、
▼表のベゼルを剥がすと組立て用のネジが出現

ベゼルは両面テープで貼り付けられていたので、傷付けないように丁寧に剥がすと、その下に止めネジが6本出てきます。
▼内部構造

基板の左に温度測定用のサーミスタと湿度センサがあります。下側の3本の小ネジを使って、ゼブラゴムを通して液晶と基板が接続されています。
安定化電源から3Vを供給して動かし、消費電流を測定すると、何と2.3mAも流れます。電源はコイン電池のCR2025なので、こんな大きな電流が流れたのでは、2日しか動かないのは納得できます。
まずは、基板や部品の外観を見て異常が無いか見ましたが、おかしなところは発見できませんでした。
電源間の抵抗を測定すると、約1.5kΩ程度で不安定。どこかでリークしている感じです。LSIの内部でリークしていると修理不能なので、LSIの電源入力と思われるパターンをカットしてみましたが、リークは直りません。念のためにLSIの電源間の抵抗を測るとおよそ300kΩだったので、たぶんこれは正常値と思われます。
となると疑わしい範囲は絞られてきて、まずは電源のデカップリングコンデンサが一番怪しくなります。回路を追うと、デカップリングコンデンサは二つあったので、容量の大きそうな方のチップコンをはんだゴテで外してやると、ピンポーン! リークが直りました。
このやろう、お前の素性を見てやるぞ! ということで、
▼外したチップコンにリード線をはんだ付け

▼LCRメーターで測定

静電容量は 4.102μFで、まあ普通。でもD(損失係数)が 0.116 と、とんでもない値になっています。まあDを測らないでも、テスターで抵抗測ると 2kΩくらいだったので、コンデンサとしては終わっています。でも、犯人の取調べはきっちりとやらないといけません。
▼修理

チップコンの手持ちが無いので、10μFのリード付き積層セラコンをハンダ付けしておきました。また、診断のために赤矢印で示す場所でLSIの電源パターンを切断したので、再接続します。
これで修理完了ですが、念のために消費電流を測定します。
▼消費電流測定

消費電流は11.02μAです。CR2025の容量が165mAh あるとすると、165 / 0.01102 = 14882Hr = 620 日 = 1.7 年は動くはずです。
ということで修理完了。最初に外した部品が故障原因だったのでラッキーでした。
たぶん、全く同じ故障に遭遇する人はいないと思います。でも、この記事が後でどなたかの参考になれば幸いです。
▼デジタル温湿度計 (ヤザワ製)

たぶんこれ→デジタル温湿度計 ホワイト DO01WH
この写真見ると普通に動いてるじゃん、と言われそうです。そう、一応動くのですが、電池が2日しか持たないとのこと。
修理のためにケースを開けようとしたのですが、簡単に分解出来ません。単に爪で引っかかっているのではなく、ネジで強固に固定されているようです。こういう時は、
▼表のベゼルを剥がすと組立て用のネジが出現

ベゼルは両面テープで貼り付けられていたので、傷付けないように丁寧に剥がすと、その下に止めネジが6本出てきます。
▼内部構造

基板の左に温度測定用のサーミスタと湿度センサがあります。下側の3本の小ネジを使って、ゼブラゴムを通して液晶と基板が接続されています。
安定化電源から3Vを供給して動かし、消費電流を測定すると、何と2.3mAも流れます。電源はコイン電池のCR2025なので、こんな大きな電流が流れたのでは、2日しか動かないのは納得できます。
まずは、基板や部品の外観を見て異常が無いか見ましたが、おかしなところは発見できませんでした。
電源間の抵抗を測定すると、約1.5kΩ程度で不安定。どこかでリークしている感じです。LSIの内部でリークしていると修理不能なので、LSIの電源入力と思われるパターンをカットしてみましたが、リークは直りません。念のためにLSIの電源間の抵抗を測るとおよそ300kΩだったので、たぶんこれは正常値と思われます。
となると疑わしい範囲は絞られてきて、まずは電源のデカップリングコンデンサが一番怪しくなります。回路を追うと、デカップリングコンデンサは二つあったので、容量の大きそうな方のチップコンをはんだゴテで外してやると、ピンポーン! リークが直りました。
このやろう、お前の素性を見てやるぞ! ということで、
▼外したチップコンにリード線をはんだ付け

▼LCRメーターで測定

静電容量は 4.102μFで、まあ普通。でもD(損失係数)が 0.116 と、とんでもない値になっています。まあDを測らないでも、テスターで抵抗測ると 2kΩくらいだったので、コンデンサとしては終わっています。でも、犯人の取調べはきっちりとやらないといけません。
▼修理

チップコンの手持ちが無いので、10μFのリード付き積層セラコンをハンダ付けしておきました。また、診断のために赤矢印で示す場所でLSIの電源パターンを切断したので、再接続します。
これで修理完了ですが、念のために消費電流を測定します。
▼消費電流測定

消費電流は11.02μAです。CR2025の容量が165mAh あるとすると、165 / 0.01102 = 14882Hr = 620 日 = 1.7 年は動くはずです。
ということで修理完了。最初に外した部品が故障原因だったのでラッキーでした。
たぶん、全く同じ故障に遭遇する人はいないと思います。でも、この記事が後でどなたかの参考になれば幸いです。
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