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DVDのメディアで簡易分光器を作る-その2、(フラウンホーファー線が何とか見えた)

 このところ進みが遅いのですが、DVDの媒体円盤を使った分光器の改良を少しずつやっています。とりあえず一息つける状態になったと思うので、現在の状況を記事にしておきます。

 やりたかった改良のポイントは光路の位置合わせ精度の改善です。というのは、以前作った物はなかなか干渉縞をカメラの中央に捕らえることが出来ませんでした。手っ取り早く作りたかったので段ボール箱の中心に基準線を書き、その線に沿って部品を配置しただけの代物です。特に回折格子の固定方法がいい加減だったので、光軸合わせがめちゃめちゃ難しかったです。それに、時間をかけて調整したのに、ちょっと傾けると簡単にずれてしまうという始末です。

 これではストレスが溜まるので、もう少しまともな構造に作り直しました。DVDの分光器作りはセッピーナさんという先人の方が詳しく解説されているので、その通りにコピーを作れば良さそうなものです。(現時点のセッピーナさんの簡易分光器に関する最新の記事)
 でも全く同じ物を作るのは楽しくないし、既に作っちゃった部分もあります。そこで、手持ちの物を出来るだけ生かしつつ、セッピーナさんの真似をして作業を進めました。

▼現在の姿
DVDを使った簡易分光器
 回折格子の固定/回転にバーニアダイヤルを使いました。こうすれば精度良く回折格子の角度を変えることが出来ます。こういう部品が部品箱から出ると年がばれる、いやとっくにばれてますね。

 なお、前回の工作で開けた穴は厚紙とテープで塞いでいます。また、光が通っているのはこの写真に写っている箱の手前の部分だけなので、後ろ側の部分は切断・除去しちゃってもいいのですが、面倒くさいのでそのままにしています。

▼入射窓
光の入射口
 黒い横長の長方形が入射窓で、上下に二つ作りました。使うのは一つだけで、使わない方はテープで塞ぎます。なお実際に使う時は、光を入れる窓には入射スリットを取り付けて使います。

 上の窓はセッピーナさんの設計と同じ位置(角度)で、下の窓は入射角度とカメラの光軸を90度にしたものです。入射角を90度にするといろいろ好都合だと思ったのですが、実際に使ってみると回折格子の角度の調整が微妙になりすぎて、使い難い物になってしまいました。ということで下の窓は使いません。ちなみに下の窓を使うと、回折格子への光の入射角は13度くらいになるはずです。

 ともかく、入射窓は上の方を使うことにしました。

▼側面、上面
側面
 スリットから回折格子までの(水平)距離は180mmです。上面にはカメラのレンズ部の円筒がすっぽり入る穴を開け、そこにカメラを落とし込んで使います。間違い防止のために、決まっている寸法は本体に書き込んでいます。

▼内部
内部、回折格子とカメラレンズ
 内面は反射防止のために、つや消しの黒のアクリルスプレーで塗っています。ちなみにこれ、ダイソーで100円で売ってます。

 回折格子はφ6mmの棒(丸い割り箸)を半円をちょっと過ぎるあたりまで削り、回折格子の表面が回転中心と一致するようにしておいて、両面テープで固定しています。入射窓から覗いてみて、回折格子が正対するようにバーニアダイヤルを廻すと自分の目が見えるはずです。もしこの像がバーニアダイアルの軸方向にずれていたら、回折格子の取り付け角度がズレているはずなので、調整します。

 入射窓にはスリットをテープ止めして使います。以下、いろいろ試したスリットです。

▼金属ナイフエッジスリット
カッターの刃で作ったスリット
 これはカッターの刃で作ったスリットです。実体顕微鏡で見ながらホットボンドで刃を固定して作りました。φ0.14mmくらいのより線の素線を寸法の目安に使って作業し、ギャップが100μくらいになる感じで作った物です。刃の部分には反射防止のために黒のマジックインキを塗っています。

 カッターの刃を使うと幅の広いスリットが作れますが、あまり幅の広いスリットはいらないようです。それに、もっとギャップの小さなスリットを作りたくなったので別の方法を試します。

▼アルミフォイルスリット
アルミ箔で作ったスリット
 最初はアルミ箔にナイフで切込みを入れたものを使っていたのですが、この方法ではあまりギャップの小さなスリットを作ることは出来ません。

 そこで、アルミ箔をぴったりと折り畳んで一直線のエッジを作り、これを二つ向き合せることでエッジを作りました。アルミは柔らかいので変形させないように注意し、少しテンションをかけて一直線の状態を保ちながら固定するのがコツです。この作業も実体顕微鏡で見ならがら行っています。

 こうやって作ったスリットの寸法を測ってみます。

▼スリットの寸法を測ってみた
スリット高さの測定
 下側のアルミ箔の折り曲げに少しシワが入ってます。幼稚園ならもっと指でしっかりアイロンしましょうね、ということなんでしょうが手加減が難しいです。ともかく一直線のスリットが出来ていました。

 ちなみに、この写真のアルミ箔の表面には横向きのテクスチャがあります。これって、アルミフォイルの圧延方向なんでしょうか。私はスリットを作る時にアルミ箔のマット面が表になるように折り畳んでいるのですが、圧延方向も考慮したほうがいいのかもしれません。

 そういう細かい疑問があるのですが、顕微鏡の接眼レンズに入れるマイクロスケールをスリットの上に置いて寸法を測ってみました。このスケールの一目盛は100μなので、ギャップの寸法は75μくらいに出来ています。

 この状態で観察したらフラウンホーファー線が見えてきました。

▼太陽光スペクトル
フラウンホーファー線
 Canon S110, FL:17.6mm, f/8, 15秒, ISO:80, WB:DayLight

 やった甲斐がありました、有名な吸収線がいくつか見えているようです。

 次回はこの分光器をもう少し改良・調整して、輝線や吸収線の波長を特定していきたいと思います。なんだか 18 19世紀の物理学者になった気分です。
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それがどうした、が面白い

楽しませていただいてます。フラウンホーファー線やりましたね。まだDVDなどのベースを使う効用がよく理解できてませんが、細かい溝が必要だったということでしょうか。周辺情報からは、八木宇田アンテナをスタックするとビームが鋭くなるのと同じ現象が起きているように見ました。20160612IMG_5037-L.jpgのスペクトラムがやや湾曲しているのは、ディスク溝のRなんでしょうか。
それにしても微調整のバーニヤダイアルが、気楽に手元に転がってるのが楽しいです。
スリットは、カッター刃を固定されたようですが、ここを可動にするのは意味ありませんか? カッター刃は斜めですが、安全剃刀なら外部直角なので枠の中をスライドする構造を構築し、ナットを貼ってボルトで進退させれば……あ、これは同調回路のトリマですね(笑)。
この装置で、LED光源とか蛍光灯とか、ローソクなどを観察すると面白そうです。作ってみたくなりました。
勉強させていただきます。ありがとうございました。

re:それがどうした、が面白い

macoswayさん、おはようございます。 記事を読んでいただいてありがとうございます。

原理や他の光を観察しか結果などはセッピーナさんのサイトに詳しい情報が満載なので、そちらを見られると良いです。

スペクトルの湾曲の原因は、ご想像の通りDVDのトラックの形が見えてしまっているものです。

可変式のスリットにすると、分解能と明るさのバランスの調整が楽になるはずですが工作が大変です。市販品もありますが、デジカメが買えるくらいの値段だったと思います。

あと、今もう少し性能を改善出来ないか試みているのですが、どうも私の手持ちの機材ではここいらが限界みたいです。特にカメラが足をひっぱっているのですが、そのへんの話は次回の記事に書く予定です。

好奇心

1.一連の記事興味を持って見ていました。細いスリット程、解像度が上がるのですか。その場合スリットの厚さ(光線の進行方向)は薄いほどよいのですか?
2.もし薄く無くても良いのなら二本の、金属棒を粒度の細かい砥石で磨き(鏡面仕上げ)その両端をシックネスゲージを挟み固定する。中心部に0.04ミリくらいのスリットは簡単に作れないかなあ?(シックネスゲージの最小厚さ)
3.スリットの厚さが問題になるのなら、安全剃刀の刃を二枚を向かい合わせに対向させ、その隙間を顕微鏡を用い見ながら固定する(方法は不可能でないと思うけど)0.01ミリでも可能?
4.DVD-Rは新品のデータが書き込んでないものと思う。この場合溝しか存在しないのですか?。
そこで、データを最大限書き込んであるDVD-Rで、この実験をすれば面白い発見があるかも。
外野席からのヤジウマで申し訳なかったが、ラジオペンチさんの好奇心に感じ入りました。

re:好奇心

岡目八目さん今晩は。

1、スリットの厚さ(光線の進行方向)は薄いほどよいのですか?
この厚さは理論的には性能に関係しないと思います。マイクロウエーブの導波管のようなものなので、進行方向に電磁波(光)を運ぶことが出来れば大丈夫なはずです。
でも長くなるとロスは長さの二乗で増えるはずなので、ので薄い(導波管の長さが短い)方がいいはずです。

2.金属の丸棒でスリットを作る案
工作精度を極限まで上げることが出来るのでギャップの間隔の精度はすばらしいものが作れると思います。
でも円筒で作ったギャップは、表面の反射が大きいので実質的なギャップ幅、(特に出口側)が小さくならないのでダメだと思います。でもコリメーターレンズになるような条件で最適解があるかのも知れません。

3.書き込み済みのDVD-Rならどうか、
ここで使っているのはDVD-Rに最初から刻まれている溝を利用しています。それを有効に使いたいのでエタンールで洗浄しています。ということで、書き込みの有無は性能に関係しないと思います。

でも書き込んだ記録は溝の上の色素の光透過率の差として記録されている訳で、これをホログラフィックな記録面として使うことが出来れば面白い物が作れる可能性はある気がします。
うまくいく可能性は低いでしょうが、出来たらヒーローです。

ということで否定的なお返事が多くなってすみません。でも本質を突いている質問が多くて、簡単に回答が書けないです。
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