今日はセファイド変光星に関する大発見をした、リーヴィットの誕生日だった
簡易分光器を作ってフラウンホーファー線の観察などをやっているので、個人的に天文に対する関心度が上がっています。そんなこともあって、宇宙の大きさを人類がどうやって把握していったのか、という話などを振り返ったりしています。ちなみに、こういう話では分光器が重要な役割を果たしています。
ところで、宇宙の大きさについて、ハッブルの法則の発見に至るまでの経緯はおよそ把握していたつもりなのですが、一番はっきりしないのはセファイド変光星のあたりの話です。ハッブルはセファイド変光星を使って大きな発見をしたのですが、私自身がセファイド変光星についてきちんと理解出来ていません。初心者向けの資料には「セファイド変光星という目印を使うことで、距離を知る事が出来ました」とだけ書いてあったりして、どんな物理現象なのかさっぱり判っていませんでした。
ということで調べてみると、ヘンリエッタ・スワン・リーヴィットという女性が決定的な役割を果たしていました。図書館に伝記があったので借りてきました
▼リーヴィットの伝記

リーヴィット 宇宙を測る方法、ジョージ ジョンソン著、渡辺 伸監修、槇原 凛訳、WAVE出版
ISBN978-4-87290-321-3
この本に書いてありますが、リーヴィットに関して残されている記録はとても少ないようです。
そんな背景からだと思われますが、リーヴィットについてWikiに書いてある情報も凄く少ないのですが、実はリーヴィットが生まれたのは1868年7月4日、つまり奇しくも148年前の今日だったということを先ほど知りました。
伝記に掲載されていた写真
▼ハーバード大学の当時の天体望遠鏡

▼リーヴィット

リーヴィットの発見は、小マゼラン星雲の中のセファイド変光星において、その変光周期と明るさに相関関係があることを見い出したことです。明るい星ほど変光周期が長いという結果でした。地球から小マゼラン星雲内のこれらの星までの距離はほとんど同じはずなので、変光周期はその星の絶対等級を反映していることになります。
とは言っても小マゼラン星雲までの距離は不明なので、正確な絶対等級はこの時点では判りませんでした。その後の別の天文学者により、一つのセファイド変光星までの距離が判明しました。こうなるといもづる式に他の星までの距離が判るようになり、天体までの距離が判り、ハッブルの発見に繋がっていったということのようです。
このあたりの話は、「物理の窓」の 「星までの距離を測る」に丁寧な解説があるので、興味のある方は一読されると良いと思います。なお、この資料にも書いてありますが、セファイド変光星自体は、リーヴィットが生まれる80年くらい前の、1780年代にピゴットとグッドリックによって発見されています。
◆最後に
リーヴィットに関する資料を読むと、女性の社会的な地位が低かった時代にもかかわらず、着実に研究を行い、大発見に繋げた観察眼と洞察力はすごいと思いました。くしくも今日が彼女の誕生日だそうです。地球の裏側から勝手にひっそりと、お祝い申し上げます。ちなみに2018年は生誕150周年になるはずですが、何か記念行事でもやらないのでしょうか。
【追記】
・最初に公開した時は、リービットと書きましたが、伝記の本の表記に合わせリーヴィットに修正しました。
・この記事ではセファイド変光星と書いていますが、セフェイド変光星、あるいはケフェイド変光星、ケファイド変光星とも読まれるようです。
ところで、宇宙の大きさについて、ハッブルの法則の発見に至るまでの経緯はおよそ把握していたつもりなのですが、一番はっきりしないのはセファイド変光星のあたりの話です。ハッブルはセファイド変光星を使って大きな発見をしたのですが、私自身がセファイド変光星についてきちんと理解出来ていません。初心者向けの資料には「セファイド変光星という目印を使うことで、距離を知る事が出来ました」とだけ書いてあったりして、どんな物理現象なのかさっぱり判っていませんでした。
ということで調べてみると、ヘンリエッタ・スワン・リーヴィットという女性が決定的な役割を果たしていました。図書館に伝記があったので借りてきました
▼リーヴィットの伝記

リーヴィット 宇宙を測る方法、ジョージ ジョンソン著、渡辺 伸監修、槇原 凛訳、WAVE出版
ISBN978-4-87290-321-3
この本に書いてありますが、リーヴィットに関して残されている記録はとても少ないようです。
そんな背景からだと思われますが、リーヴィットについてWikiに書いてある情報も凄く少ないのですが、実はリーヴィットが生まれたのは1868年7月4日、つまり奇しくも148年前の今日だったということを先ほど知りました。
伝記に掲載されていた写真
▼ハーバード大学の当時の天体望遠鏡

▼リーヴィット

リーヴィットの発見は、小マゼラン星雲の中のセファイド変光星において、その変光周期と明るさに相関関係があることを見い出したことです。明るい星ほど変光周期が長いという結果でした。地球から小マゼラン星雲内のこれらの星までの距離はほとんど同じはずなので、変光周期はその星の絶対等級を反映していることになります。
とは言っても小マゼラン星雲までの距離は不明なので、正確な絶対等級はこの時点では判りませんでした。その後の別の天文学者により、一つのセファイド変光星までの距離が判明しました。こうなるといもづる式に他の星までの距離が判るようになり、天体までの距離が判り、ハッブルの発見に繋がっていったということのようです。
このあたりの話は、「物理の窓」の 「星までの距離を測る」に丁寧な解説があるので、興味のある方は一読されると良いと思います。なお、この資料にも書いてありますが、セファイド変光星自体は、リーヴィットが生まれる80年くらい前の、1780年代にピゴットとグッドリックによって発見されています。
◆最後に
リーヴィットに関する資料を読むと、女性の社会的な地位が低かった時代にもかかわらず、着実に研究を行い、大発見に繋げた観察眼と洞察力はすごいと思いました。くしくも今日が彼女の誕生日だそうです。地球の裏側から勝手にひっそりと、お祝い申し上げます。ちなみに2018年は生誕150周年になるはずですが、何か記念行事でもやらないのでしょうか。
【追記】
・最初に公開した時は、リービットと書きましたが、伝記の本の表記に合わせリーヴィットに修正しました。
・この記事ではセファイド変光星と書いていますが、セフェイド変光星、あるいはケフェイド変光星、ケファイド変光星とも読まれるようです。
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