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多機能USB電源チェッカーを買った

 Aliexpress を見ていると USB電源チェッカーが安くて多機能なので思わずポチってしまいました。で、それが先日到着しました。

▼USB電源チェッカー
USB電源チェッカー
 一番上はこれまで使っていた 7セグLED表示のもの、この記事では LiTONG と呼ぶことにします。下の二つが今回買った物です。

 LiTONGの紹介記事を書いたのが約2年前で、価格は405円でした。記事を書いた時はコストパフォーマンスの高さに驚いたものですが、今ではそれをはるかに上回る仕様の物がほとんど同じ値段で手に入るのだから恐れ入ります。まあ Amazon と Aliexpress を比較するのは根本的に間違っていますが。

 上の写真の中段の物は、「7 in 1」 と呼ぶことにします。これは電圧と電流はもちろんですが、電力、積算電力、積算電流、累積時間、温度の7項目が測定が可能で、電圧範囲: 3.3 ~ 33V、最大電流 5Aという仕様のものです。詳しくは下記参照下さい。
USB 7 in 1
https://www.aliexpress.com/item/USB-tester-DC-Voltmeter-ammeter-current-voltage-meters-capacity-monitor-qc2-0-qc3-0-quick-charger/32762641983.html

 写真の下段の物は 「USB Safety Tester」 と呼ぶことにします。これは中段の物の仕様にプラスして、D+電圧、D-電圧、抵抗値、タイマーシャットダウン、自動シャットダウンの機能が付いています。更にUSBコネクタは両面刺し対応になっていて、これでもかというくらいに多機能になっています。詳しくは下記をご覧ください。なお抵抗値はケーブルの抵抗では無く、単に電圧を電流で割った値でした。
USB tester 3-30V
https://www.aliexpress.com/item/USB-Tester-3-30V-DC-Voltmeter-ammeter-current-voltage-power-meter-capacity-monitor-qc2-0-quick/32734901797.html

 どちらも送料込みで5~6ドル程度と格安で手に入ります。また、QC2.0 などに対応しているので高電圧・大電流にも対応できるのも嬉しいところです。といっても QC2.0 に対応した機器は持ってませんが・・

 ともかく最近の電子工作ではUSBの5V電源をよく使うので、高機能なUSBテスターがあると便利なことは間違いないです。

 前書きが長くなるのはいつものことですが、ここからが本題。このUSB電源チェッカーの特性を測定しておきます。単純な電圧や電流の精度を測定しても面白くないので、ここは仕様に書かれていないけど重要と思われる次のような項目を測定してみました。

▼USB電源チェッカーの等価回路図
USBテスターの等価回路
 これはUSB電源チェッカーの等価回路です。点線内の Sens & Dispモジュールで測定と表示を行っています。ここでまず気になるのはハイサイドの抵抗の R-High と ローサイドの抵抗のR-Low の値です。これは、電流を測定するためのシャント抵抗だったり、基板のパターン抵抗だったりするわけですが、この値が大きいとその分だけロスになるので出来るだけ小さい方が望ましいです。

 また、測定表示モジュールを動かすための電流 i0 (アイゼロ)が大きいと無駄な電流消費になってしまいます。ちなみに、USB電源チェッカーが表示する電流の値にはこの i0 は含まれていません。つまり無かったことにされちゃってます。

 ということで、R-High と R-Low および i0 を測定してみます。この測定のために以下のようなツールを用意しました。

▼測定用コネクタ
電圧端子を引き出す
 USBコネクタのピンから電流を流すための線を出した冶具を作りました。また、電圧を再現性良く測定するために、スズメッキ線で電圧測定用の端子を引き出しました。つまりケルビン接続にしています。なお、写真はありませんがメス側のUSBコネクタも同じように作ります。

▼電子負荷
電子負荷
 負荷電流を流すために使った電子負荷です。なお、電源には安定化電源を使いました。

▼ヌル測定
unll 測定
 ケルビン接続にしても、コネクタの導体抵抗と接触抵抗は除去出来ません。そこで、この写真のように被測定物無しで測定冶具を直結して抵抗を測定しておきます。以下の測定結果はmΩ単位で示していますが、これは、電流を1A流した状態で測定した電圧降下を抵抗に換算したものです。なお、電圧測定には10μVまで測定可能なDMMを使用しました。

 この状態での測定結果は、R-High = 20.8mΩ、R-Low = 18.1 mΩでした。これがヌル値になります。

▼LiTONGの測定結果
旧型 LiTONG
 R-High = 110.1mΩ、R-Low = 149 mΩ。 i0 = 26.3mA @ 5V

 チェッカーの単体の抵抗値は、被測定物無しの測定値(ヌル値)を上記の値から引いた値になります。とは言っても引出し用のコネクタ無しで使うことはあり得ないので、この測定値が実質的な抵抗と考えて良いと思います。

 往復で260mΩの抵抗が入ることになりますが、1A程度の電流ならまあ問題にならない範囲だと思います。i0が 26.3mAと結構大きいですが、7セグのLEDを4個使っているのが響いているのでしょう。

▼7 in 1 の測定結果
7in1 USB Tester
 R-High = 153mΩ、R-Low = 146 mΩ。 i0 = 14.25mA @ 5V, 14.96mA @12V、15.47mA @18V

 このチェッカーはQC2.0対応で、5Vより高い電圧の測定にも対応しているので、12Vと18Vでの i0 も測定しておきました。電圧が上がってもほとんど電流が増えないのは良いです。

 往復で 300mΩの抵抗が入りますが、QC2.0の仕様では5Aもの電流が流れる場合があるので、300mΩはちょっと大きい気がします。

 あと、このチェッカーの売りの一つはシャント抵抗にマンガニン線を使っていることなのですが、ハイサイドかローサイドのどちら側にシャント抵抗が入っているのかは、この測定結果からは判断出来ません。

▼USB Safety Tester の測定結果
USB Tester 3-30V
 測定結果: R-High = 96.1mΩ、R-Low = 160mΩ。 i0 = 17.4mA @ 5V, 18.8mA @12V、21.2mA @18V

 多機能な影響でしょうか、i0が多めです。抵抗も往復で270mΩあります。 

 このチェッカーは電源オフ機能があり、指定時間経過後などの条件で自動的に電源を切断することが出来ます。このスイッチには MOS FETを使っている可能性が高いですが、もしそうなら電圧が低いとONにならないはずです。そこで低い電圧での挙動を調べてみると、電源電圧約2.5V以下でプラス側の回路が切断されました。これは p-MOS FET でハイサイドのスイッチを行っていると見て間違いなさそうです。なお、直列にFETが入っているのにR-High 96.1mΩは立派な性能だと思います。

▼まとめ
・どのチェッカーも往復の抵抗が0.3Ω近くあるので、電流が大きい場合は電圧降下が大きくなるので注意が必要だと思います。

・測定・表示回路は20mAくらいの電流を消費しますが、この値はチェッカーの電流計には表示されません。

・USB電源チェッカーは、2年前には7セグのLEDで電圧と電流を交互に表示していたのが、今ではグラフィック液晶で多くの項目を一度に表示するように大きく進化していました。しかも消費電流はほとんど変わらない、というか少なくなっているのだから恐れ入ります。

・この測定ではミリオーム台の抵抗測定を行っているので良く判るのですが、USBコネクタの接触抵抗はかなり不安定で、しっかりと差し込まないと50mΩくらいの違いはすぐに出ます。今回の測定では出来るだけ抵抗が低くて安定した状態を測定結果として採用しましたが、実際の使用条件ではもっと高い接触抵抗の状態で使われる恐れもありそうです。

▼たわむれ
3連
 左から電源を供給して右端には何も繋いでいません。ゼロアンペアになりそうですが、USB電源チェッカーが消費している電流があるので、左端のチェッカーは0.05Aと表示しています。
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特性測定を感謝します

いつもながらの見事な測定に感心しています。

私はAliexpressなど海外通販でのカード払い等は何となく不安でいまだに踏み出せないでいます。

昨年Amazonから購入した同等商品「USB safety Tester」(裏には「J7-t」と印刷)は1299円だったので海外通販の倍額ですね。

プラ筐体は接着されているようなので分解せず、ライトを当てて基板を透かして見ると「50mΩ」のチップ抵抗を確認出来ました。

他に持っているチェッカーやテスターと電圧表示が微妙に異なるのでどれが正しいのか悩んでいます。秋月へ行く時が有れば「LM4040AIM3-4.1」を買いたいと思ってはいるのですが…

らしいですね(^-^

ラジオペンチさんらしいアプローチですね

某所で買いそびれたモノにUSBコネクタ基板があるのですが
http://www.vshopu.com/item2/2165-0201/index.html

これがあるとさらに応用が利きそうですね

これが先日AKIBA PC Hotline!で紹介されたんですが
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/1050002.html
経由(問屋)が違うのかな?

しかし、Aliexpress
この類のモノって送料込みでワンコインちょっとって
どうなってるのでしょう?
いつも不思議です

re:特性測定を感謝します

mytoshiさん、今晩は。

私の持っている USB safety Tester の裏にもJ7-tと印刷されていました。同じ物なんでしょうか。

電圧の基準があると便利ですよね。ご覧になったかも知れませんが、私はこれをシリカゲル入りの小さなケースに入れて保管しつつ使っています。
http://radiopench.blog96.fc2.com/blog-entry-150.html

re:らしいですね(^-^

ただの通りすがりさん、今晩は。

前にコメントで教えて頂いた電子負荷に付いていたUSB電源テスターが気に入ったので、こんな記事につながってます。

中華からネットで買うと日本郵便で配達されますが、日本の郵便局の負担がすごいことになっていそうで気の毒です。
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