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ダイソーの300円モバイルバッテリー(推定回路図)

 ダイソーの300円モバイルチャージャーの調査。前回は充放電容量を調べましたが、今回は分解して内部を調べます。なお、このチャージャーにはいろいろなバージョンがあるようで、今後も新しい物が登場する可能性があります。ということで、識別のために今回記事で取り上げる物は、2017春モデルと呼ぶことにします。

▼分解
20170614IMG_0662.jpg
 上蓋がツメで止まっているだけなので、薄いマイナスドライバーなどを差し込んで簡単に分解出来ます。基板もホットボンドで固定されているだけなので、この写真のように簡単に三枚おろしに出来ます。電池は18650のリチウム電池で2000mAh 3.7Vという表示があります。

 ところで、このケースは光沢があってすべすべとした手触りで高級感があります。それに表面の硬度が高くて傷が付きにくそうです。たぶんUV塗装しているのだと思いますが、安いのにこういう上質な表面処理を行っているのは大したものです。ちなみに、昔の中華な製品はよくプロテイン塗装されていて、時間が経つと加水分解でベタベタになったものですが、あういうダメ仕様がこういうふうに進化しているなら大歓迎です。

▼基板(マイクロUSB側)
ダイソー300円モバイルチャージャー基板
 部品はICが一つ、インダクタが一つとセラコンが2個だけです。部品が載っていないフットプリントがいっぱいありますが、古いバージョンの基板を流用したのでしょうか。

▼基板(USB-A側)
ダイソー300円モバイルチャージャーUSB-A
 こちら側の部品はLEDが2個だけです。

 つまり電気部品は IC一つに、コイル一つコンデンサ2つ、LED2つだけというシンプルさです。もちろんこれ以外にコネクタや基板があります。

 ICはHOTCHIPという会社のHT4928Sというチップが使われています。検索するとHT4928SのデーターシートのPDFが出てきますが、残念なことに中国語のものだけしか発見出来ませんでした。

 このデーターシートに書かれている回路図は以下のようになっています。

▼ブロック図
HT4928S
 コネクタのマイクロUSBが入力、USB-Aが出力ということになっていますが、驚いたことに内部では単にパラに接続されています。つまり同じピンが入力にも出力にもなるということです。なお、ダイソーの2017春バージョンの300円モバイルバッテリーの回路はまさにこのブロック図の通りの回路になっていました。

 この回路の見た目は昇圧のDCDCコンバーターですが、充電回路がどうなっているかはこのブロック図からは判りません。そこで、動作中の各部波形を見てチップの内部を推定したのが次の回路図です。

▼推定回路図
ダイソー300円モバイルチャージャー回路図
 制御系の細かい部分までは判りませんが、充放電の主回路の部分を書いてみました。 

 Q1とQ2が昇圧のDCDCコンバーター用スイッチです。データーシートに「升压使用同步整流电路」と書いてあるのでQ2で同期整流をやっているはずです。

 電池の充電はPWMで行っていると思ったのですが、充電中の波形を見ると予想と違って直流でした。ということは、単なるシリーズレギュレーター方式で充電しているようです。そのための回路はいろいろ考えられますが、上の図のようにQ3を追加してこれで充電電流を調節するのが一番自然な気がします。

 話を整理すると、放電中はQ3はONにして普通の同期整流方式のDCDCコンバーターとして動作させます。充電中はQ1はOFF,Q2はON固定で、Q3を使ったシリーズレギュレーター方式で電流調整という動作だと思います。FETにはボディーダイオードがあるので、充電中のQ2はOFFでもいけると思います。

 なお、充電回路の実現方法は他にも考えられるので、上の回路図通りではない可能性があります。でも、ともかく制御をうまくやれば同じピンで充放電を行うことは可能だと思います。

 ところで、充電回路がシリーズレギュレーター方式になっているということは効率があまり良くないということです。(大雑把には3.7V / 5V = 74% )。一方で、昇圧は同期整流になっているのでこちらの効率は比較的高いはずです。前の記事では両者の効率が同じと仮定して電池容量の推定を行ったのですが、その計算は見直す必要があります。

◆まとめ
 だいぶこのバッテリーチャージャーの回路が理解できてきました。次回の記事では波形を見て実際の動作状態を確認していきたいと思います。

◆よもやま話
 ところで、このICのメーカーはHOTCHIPですが、これすごく気になる名前です。というのはHot Chips というのは先端半導体が発表される世界的な大会議の名前で、ここは intel や AMDといった巨大企業の先端技術が発表される場です。日本人の感覚ではとても畏れ多いし、名前倒れと言われるのが目に見えているので、これを会社の名前にすることは無い気がします。

 これ(とほとんど同じ名前)を会社名にしちゃうのだから大したものです。まあホットというとは辛いという意味もあるので、一味違うチップという意味でHOTCHIPという会社名にしたのかも知れません。そういう元気な会社だから入出力ピンが同じという大胆な仕様のバッテリーチャージャーチップを設計・販売出来るのかも知れません。

 もし日本で同じ設計を提案したら、周囲から危ないだろ!などとボコボコに反対されてたぶん製品になることは無い気がします。そんなこと考えると、こういうチップを採用したダイソーという会社は、只者ではない気がしてきました。
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No title

 いつも楽しく読ませてもらっています。

>周囲から危ないだろ!
 動作時のリスクを1ppm以下とか言い出す昨今の風潮からは
私もダメだと思います(100均の商品にそんな品質を求めても
と思いますが)
 日本だって昭和50年代ぐらいならこんな製品ざらにあったと
思います。

■ “18650 Power Bank” Aliモノ編。

こんばんは。

Aliモノの中身はこんな↓でした。
http://blacksmith.wp.xdomain.jp/2017/06/14/3889/

ゴロンパさん、おはようございます

コメントありがとうございます。

そういえば昔はユニークなアイディアの物が結構あったような気がします。

re:■ “18650 Power Bank” Aliモノ編。

鍛冶屋さん今日は。

情報ありがとうございます。
Aliexpress に同じようなケース入りがあるそうなので、探したのですが発見できないでいました。
18650の単セルリチウム電池が普通に使えると、こういう物も使い易いですよね。
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