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ベビラボ アンパンマン おそらでコンサート (おもちゃ修理)

 アンパンマンのキーボードの修理の話です。おもちゃの正式名は、「ベビラボ アンパンマン おそらでコンサート 」でメーカーはバンダイです。故障モードと交換した部品が珍しいかも知れないので記事で紹介します。なお、このおもちゃのアマゾンのページはこちらです

▼ベビラボ アンパンマン おそらでコンサート
ベビラボ アンパンマン おそらでコンサート
 黒鍵が無いキーボードで、ドレミファソラシドと1オクターブの発音が可能で、右側のプッシュスイッチで電源のON/OFFとプリセット曲の演奏が出来ます。おもちゃと言っても複数キーの同時押し(ポリフォニック)が可能で、和音が鳴らせます。とは言っても黒鍵無しの音域1オクターブなのでほとんど遊べません。

 故障の症状は電源が入らなくて全く音が出ないというものでした。

 調べてみると、ヒューズ抵抗が切れていました。

▼ヒューズ抵抗断線
ヒューズ抵抗
 見掛けはアキシャルリードの抵抗ですが、実はヒューズです。これが断線していました。

 なお、このおもちゃは単三電池3本で動き、電池ボックスは2本用と1本用の二つに分かれていますが、このヒューズはその間をつなぐ配線に入っていました。

 テスターを電流レンジにしてヒューズの両端に触れると1Aくらいの電流が流れました。これは負荷(プリント基板)の電源間がショートしているということで、ヒューズを交換する前にそちらを修理する必要があります。なおこのケースのように、どれくらいの電流が流れるか判らない場合は、テスターを大電流のモード(例えば20A)にしておかないと、テスター内部のヒューズを飛ばす可能性があるので要注意です。

 プリント基板の電源間にショートが発生していないか、実体顕微鏡を使って詳細に観察すると、怪しい部品を発見しました。

▼チップセラコンにクラック発見
チップコンデンサにクラック
 電源間にまたがって接続されているコンデンサなのでこれは怪しいです。

 このコンデンサを取り外してヒューズも交換して電源を入れてみると、はい、ちゃんと音が出ました。このコンデンサがショートしていたと考えて間違いないです。最初にこのコンデンサがショートし、それが原因となってヒューズが切れたものと思われます。

 このコンデンサは電源間のデカップリングコンのようなので、省略しても大丈夫そうです。とは言っても条件が悪い時に誤動作するといけません。でもチップセラコンのストックはほとんど持ってないし、そもそもショートしているのでLCRメーターで容量を調べることも出来ません。ということで、手持ちの6.3V 47μFの電解コンデンサを付けておきました。電解コンでセラコンの役目を完全に果たせる訳ではありませんが、まあ普通は大丈夫かと。

▼代替の電解コンデンサを取り付け
電解コンデンサに交換
 幸いなことに高さ方向含め、実装スペースは十分ありました。

▼交換後のヒューズ
ヒューズ抵抗
 見た目は変わらないですが交換後で、1Aのヒューズ抵抗です。

▼ヒューズ抵抗
aitendoのヒューズ抵抗
 この写真は0.5Aの物ですが、実際に使ったのは1Aです。aitendoで売っている抵抗型ヒューズ(5個入) [RFUSE-Y] です。何か買い物をする時に一緒に買っておくと良いでしょう。あるいはポリスイッチでもいいのでストックしておくと何かの時にきっと役立に立つはずです。

▼取り外した部品
外した部品
 右上が外したチップコンデンサとヒューズ抵抗。左下は交換に使ったヒューズ抵抗です。

◆まとめ
 ということで、チップコンのショートが原因でヒューズ断になった、というちょっとややこしい故障でした。ともかく無事に修理することが出来て良かったです。ちなみに、このおもちゃまだ新しくてピカピカなので買って間もない物だと思いますが、完全に修理出来て良かったです。

 あと、最近の機器にヒューズ抵抗はよく使われているので、スペア部品をストックしておいて良かったです。

◆あれこれ雑談
 ここで最初の写真をもう一度見て頂きたいのですが、このおもちゃにはメカニカルな電源スイッチがありません。この設計の意図について少し考察してみます。実は今回の故障と少し関係がありそうなことが見えてきます。

 おもちゃの電源スイッチにはスライドスイッチがよく使われますが、そのためには当然部品としてのスイッチが必要です。さらに配線コストもかかります。ところで、どうせ電源以外にもスイッチが必要になるので、これらと混ぜて電子的に電源をON/OFFするようにすれば、メカニカルな電源スイッチが省略出来てコストダウンになります。そんな事情で、このような設計になった気がします。

 それに、電子スイッチなら一定時間経ったら自動的に電源を断にしてバッテリーの無駄な消費を防ぐ、つまり電源切り忘れ防止機能を簡単に実現出来ます。これは商品差別化のためのポイントになります。

 そんなことでいいことずくめに見えるのですが、一つ心配なことがあります。電源スイッチを電子化するためには回路に常に通電しておく必要がある点です。最近の電池は内部抵抗が低いので、ショートしたら発火する可能性が高いです。万一発火したとしても、メカ式の電源スイッチなら、「ユーザーが電源スイッチを切らなかったのが悪い。取説にもそう書いてあります。」 という言い訳が出来ます。でも電子式の電源スイッチの場合、そんなことは言えません。

 長々と書いてきましたが、そういう背景があって、このおもちゃの電源回路にヒューズが入れられたのだろうか、と思いました。

 これはちょっと偏った見方かも知れません。また電源スイッチの方式がどうであれ、このおもちゃを作ったバンダイさんでは、社内の設計基準でヒューズを入れることを定められているのかも知れません。

 ともかく、おもちゃはだんだんと増えるので、いつの間にかおもちゃ箱の中に山積みになっていたりすると思います。その山の中で電池ショートで発火なんて起こったら、えらいことになります。安全確保のために出来ることは全部やっておいた方が良いと思います。人間が頭の中で考えられる程度のことは、必ず実際に起こっているのですから。
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ほとんど、ビョウキ、、、。

ラジオペンチさんの記事はいつも興味深く読んでいます。
オモチャの修理まで手を出されている好奇心には恐れ入ります。

抵抗型のヒュウズがあるなんて初めて知りました、、、
しかしおもちゃが、はたして発火して火事に至るか?。
そこまで考える必要がありますかね?。

電気あんか(AC100V≒30W)には温度ヒュウズが付いているのは知っています。
しかし平行ビニールコード(AC100v)とかAC100Vコンセントが接触不良なら防ぎようがない、、、極々稀には火事があったであろうが、、、、


私も家電製品は30年くらい使っているものは多くあります。
エヤコンの液晶が全く見えなくなった、、、、

家庭用精米機も餅つき機も新婚時代に買ったものを自分で修理して未だに使っています。
一生涯使い続けるでしょう、、、補修部品はメーカにもありませんが下手な日曜大工で造って、、、、

好奇心というか、ほとんどビヨウキです。
メーカも驚いている、、、商売にならないと、、、、

しかし考えようによれば、これがボケない秘訣、、、かも????

re:ほとんど、ビョウキ、、、。

Jyoさん今晩は、コメントありがとうございます。

最近の高性能電池の放電電流は大きいです。おもちゃだからこそ、安全確保には万全を期すべきだと思いますよ。

あと、抵抗ヒューズは結構家電製品にも使われています。で、ヒューズ単体の交換は想定していないので、もしヒューズ切れになった場合はメーカー修理か全損扱いになるのだと思います。

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