USB電源チェッカーからシャント抵抗の電圧測定端子を引き出した
このところUSBの電源電流を測ることが多いです。手っ取り早くやるなら、USB電源電流チェッカーを使えば良いのですが、変化が大きい場合はオシロで確認したくなります。
その場合はシャント抵抗を入れて両端電圧を測定しますが、
▼電源電流測定用シャント抵抗

これで測定出来ますが、毎回部品箱から抵抗を探してきて、はんだ付けするのもなんだか間抜けです。基板にUSBーAのオスとメスのコネクタを取り付け、その間をシャント抵抗で接続した物を用意しておけばいいですが、わざわざ作るほどの物でもありません。
そんなことで、もっとうまい手が無いかと考えていたらありました。USB電源チェッカーを改造するのが一番の近道のようです。USB電源チェッカーには電流測定用のシャント抵抗が入っているので、その両端電圧を外部から測定出来るようにすれば、うまく行くはずです。
▼USB電源チェッカーを殻割り

失敗してもいいように、いくつか持っているチェッカーの中で一番古い物を素材に使いました。がっちりと接着されていたので、ピラニアソーで片側を切断してケースをこじ開けました。
▼シャント抵抗から測定端子を引き出し

R050と表示のある大きなチップ抵抗がシャント抵抗です。両端電圧を外部から測定出来るようにスズメッキ線を使って端子を引き出します。ショートしそうな個所には基板にポリイミドテープを貼っておきました。なお、この抵抗はローサイド(GND側)に入っていました。
▼改造完了

ケース側面に穴を開け、そこから測定端子を出せば改造完了です。単線をダイレクトに出すと危ないし、すぐに折れたりしそうなので、小さなループにしておきました。ミノムシクリップの滑り止め効果もあります。
▼引出し部詳細

極性と、シャント抵抗の値を書いておきました。引出し穴はもう少し下に開けた方が良かったと思います。
基板に実装されている抵抗のマーキングは50mΩですが、信頼出来そうな電流計と比較した結果から、このシャント抵抗の値は 50.8mΩと値付けしました。なお、この値にはパターンやはんだの抵抗の影響も入っているはずです。細かい誤差を気にしなければ 50mΩと思って使えば大丈夫です。
これで簡単にUSB電源の電流測定を行うことが出来るようになりました。
▼使用例

前の記事でやったのと同じでラズパイの消費電流をオシロで確認しているところです。こういう測定を、はんだごてを使わないですぐに始めることが出来るのは、今回の作った改造版のUSB電源チェッカーのおかげです。
▼ついでに電流変化の記録例

Raspberry Pi Zero W の電源投入から安定状態に入ったことを確認し、シャットダウンコマンドで電源を切るまでの電流変化です。スケールは、縦軸は1目盛りが0.1A、横軸は1目盛りが50秒です。
◆まとめ
・ 簡単な改造ですが、これがあると確実に便利だと思います。
・ シャント抵抗電圧の測定端子はGND側に接続されています。下から2つ目の写真のような測定を行う場合、オシロの電源は別のUSB電源アダプタから取らないと、GNDの回りこみで大きな誤差が出ることがあるので注意が必要です(体験済ですw)
その場合はシャント抵抗を入れて両端電圧を測定しますが、
▼電源電流測定用シャント抵抗

これで測定出来ますが、毎回部品箱から抵抗を探してきて、はんだ付けするのもなんだか間抜けです。基板にUSBーAのオスとメスのコネクタを取り付け、その間をシャント抵抗で接続した物を用意しておけばいいですが、わざわざ作るほどの物でもありません。
そんなことで、もっとうまい手が無いかと考えていたらありました。USB電源チェッカーを改造するのが一番の近道のようです。USB電源チェッカーには電流測定用のシャント抵抗が入っているので、その両端電圧を外部から測定出来るようにすれば、うまく行くはずです。
▼USB電源チェッカーを殻割り

失敗してもいいように、いくつか持っているチェッカーの中で一番古い物を素材に使いました。がっちりと接着されていたので、ピラニアソーで片側を切断してケースをこじ開けました。
▼シャント抵抗から測定端子を引き出し

R050と表示のある大きなチップ抵抗がシャント抵抗です。両端電圧を外部から測定出来るようにスズメッキ線を使って端子を引き出します。ショートしそうな個所には基板にポリイミドテープを貼っておきました。なお、この抵抗はローサイド(GND側)に入っていました。
▼改造完了

ケース側面に穴を開け、そこから測定端子を出せば改造完了です。単線をダイレクトに出すと危ないし、すぐに折れたりしそうなので、小さなループにしておきました。ミノムシクリップの滑り止め効果もあります。
▼引出し部詳細

極性と、シャント抵抗の値を書いておきました。引出し穴はもう少し下に開けた方が良かったと思います。
基板に実装されている抵抗のマーキングは50mΩですが、信頼出来そうな電流計と比較した結果から、このシャント抵抗の値は 50.8mΩと値付けしました。なお、この値にはパターンやはんだの抵抗の影響も入っているはずです。細かい誤差を気にしなければ 50mΩと思って使えば大丈夫です。
これで簡単にUSB電源の電流測定を行うことが出来るようになりました。
▼使用例

前の記事でやったのと同じでラズパイの消費電流をオシロで確認しているところです。こういう測定を、はんだごてを使わないですぐに始めることが出来るのは、今回の作った改造版のUSB電源チェッカーのおかげです。
▼ついでに電流変化の記録例

Raspberry Pi Zero W の電源投入から安定状態に入ったことを確認し、シャットダウンコマンドで電源を切るまでの電流変化です。スケールは、縦軸は1目盛りが0.1A、横軸は1目盛りが50秒です。
◆まとめ
・ 簡単な改造ですが、これがあると確実に便利だと思います。
・ シャント抵抗電圧の測定端子はGND側に接続されています。下から2つ目の写真のような測定を行う場合、オシロの電源は別のUSB電源アダプタから取らないと、GNDの回りこみで大きな誤差が出ることがあるので注意が必要です(体験済ですw)
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