LCRメーター(DE-5000)で電池の内部抵抗を測定するアダプタの製作
先日行った石川町のエジソンプラザにあるシンコー電機で、フィルムコンデンサの詰め合わせセットを買いました。
▼フィルムコンデンサの詰め合わせ

上の袋がフィルムコンデンサの詰め合わせセットで、これだけ入って200円です。売り場の横に「低圧用」と書いた紙が貼ってありましたが、これはたぶん、「真空管などの高圧回路には使えません」という意味なんだと思います。
▼コンデンサ詰め合わせの中身

0.001μFから1μFくらいの物が入っていました。フィルムコンは安くても一つ10円はするので、これだけあるとなんだか幸せな気分になります。もう一度書きますが、これ全部で200円です。なお、セラミックコンデンサと思われる物がわずかに混入していましたが、見掛けが似てるので、まあしょうがないでしょう。
ともかくLCRメーター(DE-5000)で測定して、やはりフィルムコンデンサは損失係数が小さくて優秀だなー、と目を細めていました。
ここからが本題です。良いコンデンサがあれば、電池の内部抵抗をLCRメーターで測るための良いアダプタを作れることを思い出しました。
ネットで「DE-5000 電池内部抵抗測定」で検索すると先人の方々が試された事例がいっぱい出てきます。例えば、DE-5000 充電電池内部抵抗測定アダプター ジャンクな電子工作&徒然落書き帳さん。 そういう情報を元に早速作ってみました。
まずは回路図です
▼電池内部抵抗測定アダプタの回路図

DE-5000の平型の測定端子は電圧と電流端子に別れていますが、これを利用して電池の内部抵抗(インピーダンス)を測る回路です。直接接続すると、電池の電圧が測定回路にかかってしまいます。そこでコンデンサ(C1,C2)で直流分をカットする仕掛けになっています。
C1, C2の容量は出来るだけ大きい方が良いのですが、サイズ的な制約とあまり容量が大きいと回路が安定するまでに時間がかかってしまうので、まあこの回路図のような値(1μF)あたりが良いようです。ちなみに測定周波数が1kHzならリアクタンスは159Ωあり、その分の誤差が発生しそうですが、ケルビン接続になっているのでそういう問題は発生しません。
あと、C1, C2は測定回路に直列に入るので、出来るだけ素直な特性の物であって欲しいので、ここはぜひともフィルムコンデンサを使いたいところです。
R1はコンデンサに溜まった電荷の放電用です。電池を接続しない状態ではR1の値が表示されます。
▼動作確認

まずは簡単な回路を作って、正しく測定出来るか確認してみました。
白い板は厚さ0.7mmくらいのプラ板(ポリエチレン?)で、DE-5000の測定端子に挿せるような形に加工しました。その上に銅箔テープを表裏に貼り付けて電極にしています。
これで問題無さそうだったので、きちんとした物を作ることにしました。
先人の方々の製作例を見ると、純正のテストリード(TL-21)を改造されていることが多かったです。でもこのために買うのも面倒だし、ちょっともったいない気もします。
そんなことで、フリスクのケースに測定回路を入れることにしました。
▼フリスクのケースに組み込み

電極の部品を適当な長さに切断し、フリスクのケースに開けたスリット穴に差し込みホットボンドで固定しています。配線もホットボンドで固定して断線防止対策しておきます。この写真の茶色の部品がシンコー電機で買ったフィルムコンデンサです。なお、使ったフリスクのケースは昔のサイズの物です。
▼フタとの接続

ケルビン接続なので4本の線で接続します。このフタの反対側には電池ケースを接着しています。
▼接続端子

ベロのように出ているのが、DE-5000との接続端子です。
▼DE-5000へ接続

+、-を合わせて差し込みます。フリスクのケースはちょうど良いサイズでした。
▼測定中

電池ボックスは単三(左側)と単四(右側)を用意しました。なお切り替えスイッチなどは無く、単にパラに接続しただけです。ただ、単三の電池の方が内部抵抗が低いので、単三電池側をケルビン接続の接続点としました。
この電池ボックスは、内部の接続がハトメのカシメだけになっていて接触抵抗が大きくて不安定だったので、各部をはんだ付けしています。特に、電池のマイナス側のコイルバネの接触状態は最悪だったので、ここは写真のようにスズメッキ線を渡り線としてはんだ付けしました。新しいニッケル水素電池の内部抵抗は50mΩ程度なので、ちょっとした接触抵抗があっても大きな測定誤差になります。
◆まとめ
結構使い易い、電池内部抵抗測定アダプタが出来たと思います。なお、電池をセットしてから測定結果が出るまで数秒かかりますが、これは仕方ないです。
単三と単四電池しかホルダーがありませんが、私の場合は、これでほとんどの場合は大丈夫です。違うサイズ電池を測りたい場合はミノムシクリップなどを使うつもりです。
手持ちの電池を片っ端に測ってみた印象ですが、乾電池なら電圧を測ればおよその寿命は判断出来るので、内部抵抗を測定するご利益はあまり無さそうな感じでした。競技とかやっていれば話は別かも知れません。
一方で、ニッケル水素電池は内部抵抗を測ると、劣化した物がはっきりと判りそうでした。リチウムイオン電池の14500は単三の電池ホルダーに入るので、そのまま測定出来ます。
そんなことで面白いデーターが取れそうなので、機会があれば記事で紹介したいと思います。でも、そう言うデーターは、「居酒屋ガレージ日記」さんがきちんとデーターを取られていて、トラ技にも記事を書かれたりするので、そちらをご覧になった方が良いと思います。
居酒屋ガレージ日記さんのこの関係の記事は、電池のカテゴリーだと思います。
▼フィルムコンデンサの詰め合わせ

上の袋がフィルムコンデンサの詰め合わせセットで、これだけ入って200円です。売り場の横に「低圧用」と書いた紙が貼ってありましたが、これはたぶん、「真空管などの高圧回路には使えません」という意味なんだと思います。
▼コンデンサ詰め合わせの中身

0.001μFから1μFくらいの物が入っていました。フィルムコンは安くても一つ10円はするので、これだけあるとなんだか幸せな気分になります。もう一度書きますが、これ全部で200円です。なお、セラミックコンデンサと思われる物がわずかに混入していましたが、見掛けが似てるので、まあしょうがないでしょう。
ともかくLCRメーター(DE-5000)で測定して、やはりフィルムコンデンサは損失係数が小さくて優秀だなー、と目を細めていました。
ここからが本題です。良いコンデンサがあれば、電池の内部抵抗をLCRメーターで測るための良いアダプタを作れることを思い出しました。
ネットで「DE-5000 電池内部抵抗測定」で検索すると先人の方々が試された事例がいっぱい出てきます。例えば、DE-5000 充電電池内部抵抗測定アダプター ジャンクな電子工作&徒然落書き帳さん。 そういう情報を元に早速作ってみました。
まずは回路図です
▼電池内部抵抗測定アダプタの回路図

DE-5000の平型の測定端子は電圧と電流端子に別れていますが、これを利用して電池の内部抵抗(インピーダンス)を測る回路です。直接接続すると、電池の電圧が測定回路にかかってしまいます。そこでコンデンサ(C1,C2)で直流分をカットする仕掛けになっています。
C1, C2の容量は出来るだけ大きい方が良いのですが、サイズ的な制約とあまり容量が大きいと回路が安定するまでに時間がかかってしまうので、まあこの回路図のような値(1μF)あたりが良いようです。ちなみに測定周波数が1kHzならリアクタンスは159Ωあり、その分の誤差が発生しそうですが、ケルビン接続になっているのでそういう問題は発生しません。
あと、C1, C2は測定回路に直列に入るので、出来るだけ素直な特性の物であって欲しいので、ここはぜひともフィルムコンデンサを使いたいところです。
R1はコンデンサに溜まった電荷の放電用です。電池を接続しない状態ではR1の値が表示されます。
▼動作確認

まずは簡単な回路を作って、正しく測定出来るか確認してみました。
白い板は厚さ0.7mmくらいのプラ板(ポリエチレン?)で、DE-5000の測定端子に挿せるような形に加工しました。その上に銅箔テープを表裏に貼り付けて電極にしています。
これで問題無さそうだったので、きちんとした物を作ることにしました。
先人の方々の製作例を見ると、純正のテストリード(TL-21)を改造されていることが多かったです。でもこのために買うのも面倒だし、ちょっともったいない気もします。
そんなことで、フリスクのケースに測定回路を入れることにしました。
▼フリスクのケースに組み込み

電極の部品を適当な長さに切断し、フリスクのケースに開けたスリット穴に差し込みホットボンドで固定しています。配線もホットボンドで固定して断線防止対策しておきます。この写真の茶色の部品がシンコー電機で買ったフィルムコンデンサです。なお、使ったフリスクのケースは昔のサイズの物です。
▼フタとの接続

ケルビン接続なので4本の線で接続します。このフタの反対側には電池ケースを接着しています。
▼接続端子

ベロのように出ているのが、DE-5000との接続端子です。
▼DE-5000へ接続

+、-を合わせて差し込みます。フリスクのケースはちょうど良いサイズでした。
▼測定中

電池ボックスは単三(左側)と単四(右側)を用意しました。なお切り替えスイッチなどは無く、単にパラに接続しただけです。ただ、単三の電池の方が内部抵抗が低いので、単三電池側をケルビン接続の接続点としました。
この電池ボックスは、内部の接続がハトメのカシメだけになっていて接触抵抗が大きくて不安定だったので、各部をはんだ付けしています。特に、電池のマイナス側のコイルバネの接触状態は最悪だったので、ここは写真のようにスズメッキ線を渡り線としてはんだ付けしました。新しいニッケル水素電池の内部抵抗は50mΩ程度なので、ちょっとした接触抵抗があっても大きな測定誤差になります。
◆まとめ
結構使い易い、電池内部抵抗測定アダプタが出来たと思います。なお、電池をセットしてから測定結果が出るまで数秒かかりますが、これは仕方ないです。
単三と単四電池しかホルダーがありませんが、私の場合は、これでほとんどの場合は大丈夫です。違うサイズ電池を測りたい場合はミノムシクリップなどを使うつもりです。
手持ちの電池を片っ端に測ってみた印象ですが、乾電池なら電圧を測ればおよその寿命は判断出来るので、内部抵抗を測定するご利益はあまり無さそうな感じでした。競技とかやっていれば話は別かも知れません。
一方で、ニッケル水素電池は内部抵抗を測ると、劣化した物がはっきりと判りそうでした。リチウムイオン電池の14500は単三の電池ホルダーに入るので、そのまま測定出来ます。
そんなことで面白いデーターが取れそうなので、機会があれば記事で紹介したいと思います。でも、そう言うデーターは、「居酒屋ガレージ日記」さんがきちんとデーターを取られていて、トラ技にも記事を書かれたりするので、そちらをご覧になった方が良いと思います。
居酒屋ガレージ日記さんのこの関係の記事は、電池のカテゴリーだと思います。
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