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2.4GHz対応のRFチェッカーをケースに入れた

 ラジコンのおもちゃの修理に使う2.4GHzに対応した電波チェッカー作りの続きです。前回の記事では受信部だけを作りましたが、そのままでは使い難いので、アンプとスピーカーを付けてケースに入れました。

 先に完成品の写真です。

▼RFチェッカー
2.4GHzRFチェッカー
 RFセンサーの出力信号を手前の端子に出して、オシロなどの測定器を接続出来るようにしました。ケースは秋月で売っているポリカーボネート製のケースです。(ポリカーボネートケース 117-中 P-00358)

 100円ショップのボリュームアンプが手に入れば、それを土台にして改造するのが手っ取り早そうなのですが、どこにも売っていなくて手に入りませんでした。そんなことで、秋月のケースを使いました。

 また、小さなアンプ基板があれば、少し手抜きが出来るのですが、これも手持ちはありません。仕方が無いので、トランジスタで適当なアンプを作ることにしました。回路は「名張市つつじが丘おもちゃ病院」さんが公開されている、2石アンプをベースに、大きな音が出るようにアレンジしました。

▼回路図
AD8314を使ったRFチェッカー
 トランジスタを能動領域で使っているので、消費電流は無音時で21mAと少し大きくなっています。

▼ブレッドボードで検討中
ブレッドボードでテスト
 いきなり上の回路図になった訳では無く、ブレッドボードであれこれカットアンドトライしました。スピーカーは100円ショップのミニスピーカーから、スピーカーをベゼルごと引っこ抜いた物です。

▼基板
基板
 センサーのAD8314の部分は以前の記事で作った基板をそのまま使いました。ベースの基板が大きいので内部はスカスカです。

▼ケース内部
RFチェッカーの内部
 電源は単4電池を2本使っています。スピーカーはホットボンドで固定しています。

▼裏側
裏側
 こういう小さな物の電源スイッチにトグルスイッチを使うと、持ち運ぶ時に、誤ってONにしてしまう恐れがあるので、スライドスイッチを使いたいところです。でも、手持ちが無かったので、トグルスイッチを使いました。お詫びの印に、この写真の状態を電源OFFにしています。これなら、スイッチに何かぶつかった時はOFFになる可能性の方が高いので、少し安全側です。

▼ミニオシロと組み合わせ
RFチェッカーとミニオシロ
 スピーカーだけでも電波が出ているかどうかは判断できますが、オシロを接続すると得られる情報が増えます。

 この写真のように、ミニオシロの DSO-Shell と組み合わせて使うと良い感じです。オシロの後ろの黒いケースはダイソーの300円モバイルバッテリーで、この組み合わせなら、AC電源が無い場所でも使えて便利です。

 これをあちこちに持って行って、自宅のWiFiの電波の到達具合などを調べると面白いです。一番興味深かったのは、

▼電子レンジの漏洩電波
電子レンジの漏洩電波
 かなり強力な電波が漏れていることが判ります。数百ワットのパワーなので、完全に閉じ込めることなど出来ないでしょう。電波はこの写真のようにAC電源を全波整流した波形で出ていました。ちなみに、このレンジはPanasonic の割と高級機なので、インバーターを使った直流出力になっていると思っていたのですが、意外な結果でした。なお、この波形の周波数は100Hzとかなり低いので、小さなスピーカーではほとんど音は出ないので見逃しそうです。でも、オシロなら確実に検出出来ます。

 あと、電子レンジのスタートスイッチを押してもすぐにはパワーは出ず、2秒くらい遅れて電波が出ます。この理由がすぐに判らなかったのですが、よく考えると当然でした。マグネトロンは一種の真空管なので内部にはヒーターがあり、ここが温まらないと電子が出ないのですぐに動かなかった訳です。

 真空管なんてとっくの昔に絶滅したと思っていたのですが、こんなところにしぶとく残っていました。たぶん1軒に1個は(マグネトロンの)真空管があるということになりそうです。

◆まとめ
 これで2.4GHzのラジコンおもちゃの修理が来ても大丈夫です。 

 先輩ドクターさんのWebを見ると、RFチェッカー以外に赤外線リモコンのチェックなど、いろいろな機能を付けていらっしゃるようです(それにはるかに小さく作られています)。まだ基板には余裕があるので、もう少し機能を追加してもいいかなと思います。

 本文中に書き忘れたのですが、このRFチェッカーをスイッチング電源に近付けると、信号のバックグラウンドが上がることがありました。スイッチングに伴う輻射ノイズを検出しているのだと思いますが、電源のDCDCコンバーターやD級アンプをセンサーのRF検出チップの近くに実装しない方が良さそうです。
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電子レンジを送信機と考えたら

こんにちは。いつも勉強させていただいてます。

電子レンジの出力が電源周波数で変調されている件ですが、家庭用でも公称出力500W・600Wというキカイですので、相当に大きな電源を抱えてるでしょう。マグネトロンの増幅効率はよく知りませんが、効率50%ほどと言われた昔の手作り真空管AM送信機で考えると、とてもじゃないけど平滑した直流なんて簡単には与えられないから、脈流で動かしてるんじゃないかなと思いました。

電子レンジからそんなに電波が漏れてるとすると、PC系の通信への影響が気になります。2.4GHz帯は、専用割当のない「電波のごみ箱」だそうですが、各製品の詳細な周波数は知ることがないので、怪しいAM変調波がデータを壊さないか心配です。

そんな周波数を読めるカウンタなんて手軽には使えないと思っていたら、本日たまたま出かけた秋葉原で、おもちゃみたいなカウンタに、50MHz~2.4GHzが読めると書いてありました。にわかに信用する気になりませんでしたが、ホントなら一つ持ってみたくなりました。

re:電子レンジを送信機と考えたら

macoswayさん今晩は。

インバーターエアコンが当たり前になっている時代なので、600W程度の出力のマグネトロンの電源をインバーター化するのはたやすいことのような気がします。

少し調べたのですが、電子レンジでは完全に直流にする必要は無いので、ブリッジで整流した後は平滑コンデンサなどは無しで、脈流のままインバーターで昇圧しているのではないでしょうか。

あと、2.4GHz帯って水の吸収周波数だったと思いますが、元々そういう加熱のために使うことが許されている周波数だったと思います。WiFiとかは後から入ってきた分際なので、あまり文句言えないという力関係になっているような気がします。

脈流のままインバート

インバータを通した後に含まれるとしたら、インバータの周波数だと思っていましたが、なるほど、脈流を入れたら脈流なりの出力になる、ということなのですね。目に鱗です。(ん?脈流だからインバータじゃないという記事結論とは合わないですね…)

電子レンジについて少し調べたら、確かにインバータを使う製品もあるようでした。東西の周波数フリーというようです。(ついでに飛んだ「ISMバンド」という説明で2.4GHz帯の事情も理解できました)

こういう状況だとレンジ含めた自分ちの電波も「視て」みたくなります。ということで、DSO150を調達してしまいました(この話はまた別の機会に)。

ありがとうございました。

re:脈流のままインバート

macoswayさんおはようございます。

コストを追求した結果なんでしょうが、家電製品の回路はすごく考えられたものが多いですよね。

あと、脈流に対してコンバーターをかけるのは、PFC回路(力率改善回路)の動作と似ていると思います。

DSO150があるといろいろ便利だと思いますよ。

No title

はじめまして 楽しく読んでおります。

私もアナデバの石で同様のものをこしらえたのですが、結局スペクトルを見たくなってしまい、RF-Exprolerを検討してましたが高価。

こんなのを見つけました。
https://www.rcgroups.com/forums/showthread.php?2777178-Very-cheap-Arduino-based-2-4-GHz-band-monitor

Aliexpressではこれのパクリによる製品版?も廉価で出ていますが、自分で作ったほうが楽しそうです。

hayaさんこんにちは

情報ありがとうございます。

こういうのをArduinoで作っちゃうことが出来るんですね。参考になります。

ちなみに、タブレットなどのアプリでWiFiスキャナーがありますが、あれではWiFiの電波しか見えないので、スペアナ的な物があればいいのにな、と思ってました。
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