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キラウエア火山の噴火(2018年)状況、8月14日時点

 前回の記事(6月26日)からだいぶ間が空いてしまいましたが、キラウエアの噴火というか、LERZ (lower East Rift Zone) の溶岩流出の状況をまとめておきます。なお、日時は現地時間、またこの記事の写真やマップはUSGS(U.S. Geological Survey)のサイトに掲載されたものです。

 前の記事の時点では、亀裂火口8 (F8) からの溶岩でカポホの町が飲み込まれてしまいました。でも町の北東部にはまだ10軒くらいの家が残っていました。まあ残ってはいても、町の大半が失われたので、電気や水などのインフラ復旧は難しく、たとえ溶岩の危険が無くなっても、再び住むことはすぐには出来ないだろうな、とその時点では思っていました。

 その後もF8からの溶岩の流出が続きます。

▼F8と溶岩流
F8の溶岩流
 中央やや右がF8で、そこから溶岩が流れ出しています。はるか遠く、地平線の右付近の水蒸気が、溶岩が海に落ちている場所です。

 溶岩流はカポホの町(があった場所)の南側に流れ、大きな溶岩デルタを作りつつ海へ落ちて行く、という状態がしばらく続いていました。ところが、突然溶岩が北側にも範囲を拡大し始め、かろうじて残っていた10軒くらいの家を飲み込んでしまいました。これでカポホの町は完全に消滅してしまいました。

 やれやれ、これでようやく建物の被害発生が終わったか、と思っていたら。その翌日に、カポホクレーターの北側を廻り込んでいた溶岩の流れが変わり、カポホクレーターの手前で南に曲がって流れるようになりました。これはまずいです、この方角には学校とアハラヌイ パークがあります。どうも人間社会の被害が最大になるように、溶岩流れがコントロールされているみたいで、悪魔が背後で手引きしているのではないか、とさえ思いました。

▼溶岩のマップ(7月9日)
7月9日
 北側に拡大し、残った家を飲み込みつつ、南側への拡大が始まっています。

 この後溶岩はあっという間にアハラヌイ地区の学校などの建物と、温泉プールを飲み込んでしまいました。その後は、南側にゆっくりと範囲を拡大していきます。

▼溶岩マップ(8月14日)
溶岩の流出範囲
 これが現時点の最新のマップです。アイザック ヘイル パークの船着き場まで溶岩が到達するかどうかが一番の懸念事項でしたが、幸いぎりぎりで止まったようです。(現時点)

 しかし、脅威は溶岩流だけではありませんでした。

▼アイザック ヘイル パークのボートランプ
アイザックヘールのボートランプ
 ここは小さな港になっていて、防波堤の内側にはボートを海に降ろすためのランプ(坂)があるのですが、その先の海面がブラックサンドで塞がれてしまいました。

 ここより北東側に数キロの範囲で溶岩が海に落ちました。溶岩は砕けてブラックサンドが生成され、それが貿易風で流されて来たのでしょう。膨大な量のブラックサンドがあるので、この湾(ポホイキ湾)全体が砂で埋め尽くされてしまって、ボートランプを復旧させるのは難しくなるかも知れません。この港が失われると、このあたりの海に行くには、ヒロから出航することになり、かなりつらい航海になりそうです。

▼F8の現在の姿
F8
 溶岩の噴出は止まって、中心に小さな溶岩の池があります。溶岩池は細長で、その長辺は割れ目 (Rift) の方向を向いているのが注目されます。確かに割れ目地帯なんですね。

▼キラウエア山頂
キラウエア山頂の陥没
 ハレマウマウ火口の陥没は広がり、キラウエアカルデラ底面の30%くらいの範囲まで拡大しています。左上の白煙は、山火事に伴う煙だそうです。

 ちなみに、山頂付近の地震頻度には周期性があり、だんだん地震の頻度が上がった後で、ドカンとM5.2くらいの大地震が発生して噴煙が上がる。その後は地震の発生頻度が下がる、ということが7月末くらいまで続いていました。この現象の周期は約1日で、最後に大きな地震が発生すると、なぜかF8からの溶岩流出が増えるという不思議な現象が続いていました。
 50kmも離れた場所で起きる事象が、同期しているということは、ういうサイズのメカニズムが背後にあるということで、自然現象の巨大さを思い知らされます。
 ちなみに山頂付近の地震は現在は少なくなっており、LERZでの溶岩の流出の停止と整合的です。

▼時系列な整理
・7月 9日:カポホの町の北に残されていた家屋が溶岩に埋まる。
・7月10日:溶岩の流路が変わり、カポホクレーターの手前で右に曲がるようになった。
・7月12日:溶岩流がアハラヌイパークに達する。(学校と温泉プールが失われる)
       その後溶岩の覆域は徐々に南に向かう。
・7月18日:遊覧船に溶岩が直撃し、重軽傷者が出る。
・8月 5日:F8からの溶岩流出が止まる。但し、流路に残っている溶岩の海へ流入は続く。

◆溶岩流の方向と風向き
 今回のF8から出た溶岩はまずは北に向かいました。一番の理由は地面の傾斜した方向でしょうが、もう一つの要因として風の影響があります。このあたりは北東からの貿易風が常に吹いていますが、その結果、火口からの噴出物は南西側に多く堆積することになります。つまり、風上側の火口丘の方が高さの方が低くなる訳で、溶岩はそちらの方向(北東側)に流れ出しやすくなるはずです。

▼付近のクレーターの形状
溶岩の流出方向
 これは付近の地形図です。右上の大きなクレーターはカポホクレーターです。、クレーターのフチが欠けている方向に赤矢印を記入してみましたが、ほとんどのクレーターの欠損部は北東を向いています。
 ずっと昔から同じ方向に風は吹いていたということなんでしょうか。あるいは、単に地形的な要因なのか、興味深いところです。

◆まとめ
 めったにない現象をほぼリアルタイムで知ることが出来て、良い経験でした。USGSは良い仕事をしています。

 とりあえず現在は小康状態で、この状態がいつまで続くか判りません。キラウエアはずっと活発な活動を続けてきたので、溶岩の噴出や、山頂の大規模噴火などは、将来必ず起こるはずです。
 いつどんなことが起きるかを予測することは難しいと思いますが、少なくとも今起こっている現象を出来るだけ正確に記録しておくことは、未来の人類に対する現在の人間の義務なんだろうと思います。
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No title

キラウエア火山は2回現地で見たことはあります。
確かに海の断崖みたいところの吹き出している近くは非常に危険で高温で危険でしょうが陸上部の溶岩の流れている所は全く危険ではありません。

立ち入りの規制があるわけでもなく(ロープが張ってある程度)、熱波で暑い訳でもない。
観光客はすぐ横を歩いています。
外温よりは数度高い程度です。その横数メータ付近を我々も歩いてみた。普通の服装で、、、。

鉄工所の溶鉱炉の近くが余程高温です、、、

jyoさん、おはようございます

実際の経験談ありがとうございます。

溶岩流の有無や場所はどんどん変わるようなので、USGSのサイトを見ていると参考になります。
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