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LEDをパルス点灯させた場合の見掛けの明るさ、実験結果

 居酒屋ガレージ日記さんの、Arduino UNOでLEDの駆動デューティーを変えてみる の記事を見て、「LEDをパルス点灯させるとDC点灯より明るく見える」という話を思い出しました。7セグLEDなどの点灯方法の解説にもよく書かれているのですが、ダイナミック点灯させたほうが、直流点灯より明るく見えるという話です。

 この話には時々出くわしていて、私が最近気になっているチャーリープレクシング回路の解説の中にも出て来ました。また、チャーリープレクシングとは書かれていませんが、MICROCHIP社のComplementary LED driveの資料にも同じ話が出てきます。

 ただ本当にそんなことがあるのか、以前からちょっと「まゆつば」だなーと思っていたので自分で確認してみることにしました。

 DCとパルス点灯した場合の明るさを比較するために、次のような回路を考えました。

▼確認回路
LEDパルス/DCドライブ明るさ比較回路
 点灯させるのはLEDが一つだけで、これをQ1でDC点灯、Q2でパルス点灯させる回路です。DC点灯を基準とし、パルス点灯させた場合の見掛けの明るさが同じに見えるようにVR1を調整します。流れる電流はシャント抵抗で検出し、フィルターで平均値を出す回路になっています。視線の移動は無く、同じLEDを見ているだけなので、小さな明るさの違いも判り易いはず、というのがこの回路の狙いです。

 スイッチを押すと直流点灯、離すとパルス駆動になるので、LEDを見ながらスイッチをON/OFFさせながら、VR1を調整することで見掛けの明るさを一致させます。これ、回路としては簡単なロジックなのでArduinoを使うまでも無かったのですが、最初はパタパタと自動切換えなどをさせようと考えていたので、こんなことになっています。なお、パルスは自作のパルスジェネレーターで発生させています。

▼回路全体
測定回路
 左上が自作のパルスジェネレーター。明るさ調整と書いてあるツマミがパルス駆動の明るさ調節(VR1)で、操作性を良くするためにありあわせの木の板に取り付けました。

LEDと切り替えスイッチ
 確認用のLEDと切り替え用の押しボタンです。LEDを見ながらボタンを押して明るさの違いが無くなるように調整つまみを廻します。なお使ったのは赤色のLEDで秋月で買った超高輝度の物です。

▼測定結果
測定結果
 駆動周波数は30Hzから10kHz、デューティーは95~1%の範囲で変化させました。なお、表内の値は10Ωの抵抗の両端電圧をmVで表しているので、実際の電流はこの1/10倍mAになります。

▼グラフ
LEDパルスドライブ測定結果グラフ
 デューティーを下げると電流の値が小さくなっています。つまり、同じ明るさににするための電流は小さくなっています。大雑把な傾向で言うと、デューティー10%以下なら、60%の電流でもDCと同じ明るさに見える、というのがこのグラフの結論です。

 この結果、にわかには信じ難いですが、事実みたいです。ただ、周波数が10kHzでも同じ傾向になっていて、人間の目がこんなに高速で変化する明るさの変化に影響を受けるとは考え難いです。ということで、回路的なメカニズムやLEDの発光の特性が見えている可能性があります。

▼CDSで明るさをチェック
CDSで確認
 簡単に出来るセンサーを使った明るさのチェック、ということでCDSをLEDの上に載せて抵抗(= 明るさ)を測ってみました。表の右下の一点だけのチェックですが、センサーで測ってもDCとパルス点灯で明るさの違いは認められませんでした。つまり、センサーで見ても明るさは同じだが、消費電流は約40%少ないという現象は再現していました。(ただ、人間の目で同じ明るさに見えていてもセンサーで測ると20%くらいは明るさが違っていたりします。)

◆考察
 さて、この結果をどう見るかです。素直に結果を受け入れれば、LEDをパルス点灯すれば、60%の電流でも同じ明るさを得ることが出来る、ということになります。消費電力が問題になる場合、これは大きなメリットになります。

 ところで、LEDの発光効率を上げるのにものすごい努力(投資)が行われています。これをパルス点灯するだけで何割も改善が出来るなら、みんなが飛び付きそうな話です。でも現実はそうなっていないので、何か問題というか、どこかに考え間違えがあるのかも知れません。もう少し検討してみたいと思います。

◆関係がありそうな用語、資料
 ・ブロッカ・ザルツァー (Broca - Sulzer) 効果
 ・トールボット・プラトー (Talbot - Plateau) の法則
 ・パルス駆動による視覚心理効果を用いたLED照明の高効率化技術(愛媛大学)
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LED電球

Panda43です。
現在販売されているLED電球のほとんどはパルス制御で一定の電流以下で発光するように制御されているようです。
また、LEDで植物を栽培する工場でもパルス制御して栽培した方が成長が早いという研究結果があるようです
(400μsで50%のDutyが一番効率がいいようです)
電子工作でも、最近は超高輝度のLEDがほとんどになりPWM制御でSIN波形で制御しても暗いところからすぐ明るくなってしまし均等に明るくなってくれません。
均等に明るくするには
exp(log(255.0) - (1 - ratio) * log(C))
というような計算でPWM制御をしないとならないようです。
自分は、この式を基にしてexcelで数値を調整して三次関数で近似化して使用しています。
(二次関数では正確に近似できませんでした)
もっと簡単な方法があるといいのですが、今のところ見つかっていません

興味深い実験データをありがとうございます

下間さんのところへのコメントを見て記事を楽しみにしていました。

LEDを直接見た時はパルスの明るい部分を見た記憶が残り明るく感じるのだろうと思いますが、LEDライトへ応用した場合に、照射した対象物の明るさを目視した場合も同じ傾向が得られるのでしょうか?

Panda43さんのLED電球に関するコメントから予想すると同じ傾向なのかもしれませんけど。

自分で何も調査せず問いかけるだけで失礼なことだと思いますが、ふっと疑問が湧きました。

No title

いつも楽しく拝見させてもらっています。
CDSでの明るさ測定ですが、CDSは応答性が悪いのでパルスの場合、実際の平均的な明るさを測れていないかもしれないです。フォトダイオードとかで測ってみたら結果が変わってくるかもしれません。

re:LED電球

Panda43さん今晩は。

いろいろと情報ありがとうございます、それにしてもお詳しいんですね。

パルスで点灯すると(見掛けの?)明るさが上がるのは専門家の間では常識なんですね。

あと、LED電球などの照明器具はインバーターで点灯させているので、そういう効果は織り込み済なんでしょうね。

勉強になります。

re:興味深い実験データをありがとうございます

この実験はLEDを直視しているので、光源の輝度を見ている訳で、周辺の照度を見ていないのはちょっと気になってます。
たぶん結果は同じだと思うのですが、あまり自信無いです。

ちなみに、この記事の最後の写真はLEDとCDSをマスキングテープで巻いているので、照度が見えているはずです。これやってみた時に、照度でも同じ結果かな、と思いました。

seventh さん今晩は

そうですね、フォトダイオードかフォトトランジスタを使いたかったのですが、手持ちを切らしていたので、手っ取り早くCDSの抵抗値をテスターで測りました。

CDSは抵抗の上昇と下降の速度が違うのが気になったので、10μFのコンデンサをパラに接続して平均値が得られるようにしています(したつもりです)。最後の写真に見えている10μFのセラコンがそれです。

でも、視感度特性に合ったフォトダイオードで、光の瞬時値をきちんと測って比較すれば、謎を解明する糸口が掴めるかも知れませんね。

LEDはPDにもなります

LEDは電流を流すと光が出て、光を当てると電流が変化します。
効率は非常に悪いですがフォトダイオードとして使えるはずです。

re:LEDはPDにもなります

そうですね、LEDを光センサとして使うのはちょっと考えたのですが、自分で使った経験が無いのでやめました。
こんど特性を見ておきたいと思います。

なるほど、一つのLEDで比較ね

一つのLEDを点灯・点滅させて「その差を見て判断する」わけですな。
なるほどです。

ただ・・・ 私が想定していたものよりずいぶんと暗い=電流が小さい(DC点灯0.3mAちょいですか)領域です。
こちらでは、LED最大定格の半分くらいの電流を見てました。

それと、興味深い関係資料、参考になります。

re:なるほど、一つのLEDで比較ね

速い明るさの変化なら、人間の目でも小さな違いが判り易いだろう、ということでやってみました。

LEDの電流の件、私も気になっていたので、電流を増やした場合のデーターも取っていたところです。
結果は、3mAでは、デューティ絞った場合の見掛けの明るさが増える現象がほとんど無くなっちゃいました。どうなっているんでしょうね、

ともかく測定に誤りが無いか再確認して、また記事にしますので、お楽しみに。

面白い実験ですね

「LEDの点灯は、パルスの方が少ない電力で明るくひかるよ」
と言われていたので、この実験結果は、裏付ける物で興味深いです。

波形的に、高速な矩形波になると、電圧が高めになるのかな?とおぼろげに思っていたんですけど。

ライト関連は、仕事でもいろいろでてきているし、自分で改造しているんですけど、これは、すごく参考になりました。
その辺の記事が書ける時間ができたら、パク いや、引用という形で参照リンクをはらせてもらいます

re:面白い実験ですね

SGさん豪無沙汰です。

電流を増やして測定したら違った結果になったりするので、こうなるメカニズムがちょっと判りません。

そんなことでいろいろ測定して事実を積み上げるしかないのかな、と思ってます。
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